麗江と茶馬古道博物館

麗江

2016年の9月に中国雲南省の麗江へ行ってきました。
麗江は茶馬古道の雲南ルートの要所の1つで、チベットとの交易で栄えた街の1つです。現在は世界遺産にも指定された観光地としても有名です。
その観光地として有名な麗江古鎮(大研古鎮)ではこの写真のような風景が見られます。納西族を中心とした少数民族が多く住む古鎮で、独特の雰囲気と文化を持つ場所です。この有名な麗江古鎮の周囲にもいくつかの古鎮があり、今回は隣にある束河古鎮へ滞在してきました。

麗江

麗江古鎮と違い束河古鎮は現地の人々の生活に密着した比較的ローカルな古鎮で、もちろんある程度は観光地として整備されているものの、少数民族の人々の暮らしがそのまま感じられる古鎮でもあります。古鎮の内部は車両の侵入は禁止されているため、主な移動手段は徒歩か電動自転車、そして馬です。
石畳の路は昔のままのところがまだ多いそうです。道端では野菜や果物を売る露天が並んでいます。地元の人たちが集まる路上市場もあり、中には見たこともないようなキノコや山菜なども見かけます。

麗江

この地域ならでは生薬の露天も見かけます。チベット高原に隣接するこの地域では、その自然の恵みとして他の場所では採れない生薬が多くあります。当店の周年記念のプレゼントにさせていただいた黒枸杞(ご注文いただいた時期によってプレゼントの内容が変わっています。)もこの地域のものです。まさに山の恵ですね。
この地域の人たちは生薬などを生活に上手く取り入れています。もちろんお茶もその1つ。標高が高いため、お茶の栽培は行うことができませんが、茶馬古道としてお茶の交易が行われていた場所としても生活に欠かせないものとして根付いています。

麗江

束河古鎮の方は非常に水が綺麗な古鎮です。清流を中心として古鎮があり、その川と並行するように昔のままの茶馬古道も残されています。今もその道は人々の生活の場として、住宅の並ぶ中にあります。あまり宣伝もされず、気にしなければそのまま通り過ぎてしまう生活道路になっていますが、かつての茶馬古道の1つだったそうです。

麗江

生活道路となっていることもあり、殆どの場所はこのように綺麗な石畳の道となっています。横に流れる川の支流の水は、そこに暮らす人々が果物を冷やしたり、野菜を洗ったりする生活用水の1つです。とても綺麗な冷たい水で、ここで冷やした桃をいただきましたが、とても冷たくて甘くて美味しかったです。今では行っていないそうですが、昔はこの水で食事やお茶をいれていたそうです。

麗江

束河古鎮には茶馬古道博物館があります。中心部に近い場所にあるのですが、横道に入ったその奥にあるので、うっかりしていると気が付かずに通り過ぎてしまうような場所にあります。
古い立派な建物を利用していて、かなり大きな四合院建築となっています。
かつて雲南ルートで茶葉などを運んでいた装備など、四川ルートとはまた違ったものを見ることができます。意外としっかりとした展示で楽しめますが、残念ながら館内の写真を撮影はすることができませんでした。

麗江

雲南ルートだけに、この地域を通って運ばれていたのは普洱茶です。この少し先に蔵族(チベット族)が暮らす地域もありますが、そのあたりでも普洱茶を主に使ってバター茶を飲んでいます。今回は時間の関係もあって先の地域まで行くことはできなかったのですが、麗江へ移り住んできた蔵族のご家族にバター茶を教えていただきました。四川省の東チベットとはまた違う製法で大変勉強になりました。これらはまた改めてご紹介したいと思います。


中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006
中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006

この価格帯では近年稀にみるほどの美味しく上質な普洱生茶です。
価格がお手頃ということもありますが、何より驚く位にとても美味しいということ。
特に樟香系の香りがお好きな方にはぜひ試していただきたいと思います。

中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。
元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。この藍印鉄餅は2006年に作られた、その鉄餅の復刻版です。

雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。

広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさに普洱茶熟成のお手本のように育っています。

通常であれば倉熟成を行い、ここまで状態が良く、香り高い普洱茶はそれなりに高価になります。今回、黒茶専門家として大陸ではとても高名な師のおかげで現地と殆ど変らない価格でご提供できることになりました。とても美味しく、そして本当におすすめできる普洱茶です。

※1筒(7枚)でご購入をご希望の場合はお問い合わせください。(45,500円・税抜)