訪問した涌溪火青の製茶場、茶畑とはまた別の場所にある育苗施設へもお邪魔しました。
この育苗施設もまた山深い、霧がたちこめる、茶樹の育成には非常に適した場所にありました。
この施設では茶樹の品種・育成研究はもちろん、茶樹の生産・販売が行われています。
今後はそれだけでなく茶文化なども含めた一大文化施設にする計画もあるようです。
こちらは茶樹を挿し木で増やしている様子です。
健康で勢いのある茶葉を同じ大きさに切り、挿し木用に整備した土に刺しています。
普段は黒いネットで保護されています。
大切に育てて3年ほどでようやく数十センチという大きさになります。
こうして数年かけて育てた茶樹は各茶業さんのもとへ出荷されていきます。
この育苗施設では涌溪火青に使用する在来種以外にも新しく開発した品種はもちろん、他の地域やお茶で使用される茶樹品種も育てられています。
この写真の茶樹は福鼎大白茶種という品種で、主に福建省の福鼎市で作られる白茶に使われる品種です。研究用に育てられているようです。
茶樹は品種に限らず、育った場所の影響を非常に受けやすい植物です。この涌溪で育った福鼎大白茶種は福建省の福鼎市で育てられた茶樹と全く同じ特性を持っているとは限りません。そう考えると、この地で育った福鼎大白茶種で作ったお茶も機会があれば味わってみたいですね。
鈴茶堂が扱う鉄観音の中でも一番のお勧めはこちらの中国と台湾にまたがって作られた絶品の鉄観音です。
鉄観音発祥の地、中国福建省安渓の西坪で無農薬・有機栽培で大切に育てられた茶葉を使い、高い製茶技術を持つ作り手が丁寧に作った鉄観音を台湾の凍頂烏龍茶で有名な南投県凍頂へ運び、熟練した焙煎技術者によって焙煎、後熟成を行った非常に贅沢な鉄観音老茶です。
私たちが師事する台湾の高名な茶人が自ら福建省まで赴き、茶摘みから監修して作り上げた最高の鉄観音です。
3年間ゆっくりと火入れを行いながら熟成させてきた、言わば「好いとこ取り」の傑作となりました。
凄みを感じるほどに滋味深く、柔らかく、華やかな鉄観音です。
ちょっと寒い日には甘くてコクのある紅茶がとても美味しく感じられます。
中国の四川省・蒙頂山主峰で栽培された茶葉を使用して丁寧に作られた紅茶です。四川省の紅茶と言うと聞きなれない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?四川省の紅茶という意味で「川紅」と呼ばれる、あまり見かけない希少な紅茶です。
ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてみてください。
綺麗な透明度の高い褐色の紅茶です。
花の香りと香ばしさ、濃厚に深く甘い果実の香りをしっかり感じることができますが、これは香料も何も足していない、自然の茶葉本来の香りのみです。味は深みのある濃厚な甘さと旨みをしっかりと感じていただけます。
体の中から優しく暖まるような本当に美味しい紅茶です。