カテゴリー別アーカイブ: 安徽省

涌溪育苗施設 訪問

涌溪育苗施設

訪問した涌溪火青の製茶場、茶畑とはまた別の場所にある育苗施設へもお邪魔しました。
この育苗施設もまた山深い、霧がたちこめる、茶樹の育成には非常に適した場所にありました。

この施設では茶樹の品種・育成研究はもちろん、茶樹の生産・販売が行われています。
今後はそれだけでなく茶文化なども含めた一大文化施設にする計画もあるようです。

涌溪育苗施設

こちらは茶樹を挿し木で増やしている様子です。

健康で勢いのある茶葉を同じ大きさに切り、挿し木用に整備した土に刺しています。
普段は黒いネットで保護されています。
大切に育てて3年ほどでようやく数十センチという大きさになります。
こうして数年かけて育てた茶樹は各茶業さんのもとへ出荷されていきます。

涌溪育苗施設

この育苗施設では涌溪火青に使用する在来種以外にも新しく開発した品種はもちろん、他の地域やお茶で使用される茶樹品種も育てられています。
この写真の茶樹は福鼎大白茶種という品種で、主に福建省の福鼎市で作られる白茶に使われる品種です。研究用に育てられているようです。

茶樹は品種に限らず、育った場所の影響を非常に受けやすい植物です。この涌溪で育った福鼎大白茶種は福建省の福鼎市で育てられた茶樹と全く同じ特性を持っているとは限りません。そう考えると、この地で育った福鼎大白茶種で作ったお茶も機会があれば味わってみたいですね。


鈴茶堂が扱う鉄観音の中でも一番のお勧めはこちらの中国と台湾にまたがって作られた絶品の鉄観音です。

鐵觀音茶王
鐵觀音茶王

鉄観音発祥の地、中国福建省安渓の西坪で無農薬・有機栽培で大切に育てられた茶葉を使い、高い製茶技術を持つ茶師が丁寧に作った鉄観音を台湾の凍頂烏龍茶で有名な南投県凍頂へ運び、熟練した焙煎技術者によって焙煎、後熟成を行った非常に贅沢な鉄観音老茶です。
私たちが師事する台湾の高名な茶人が自ら福建省まで赴き、茶摘みから監修して作り上げた最高の鉄観音です。

3年間ゆっくりと火入れを行いながら熟成させてきた、言わば「好いとこ取り」の傑作となりました。

凄みを感じるほどに滋味深く、柔らかく、華やかな鉄観音です。

四川高山紅茶
四川高山紅茶

ちょっと寒い日には甘くてコクのある紅茶がとても美味しく感じられます。

中国の四川省・蒙頂山主峰で栽培された茶葉を使用して丁寧に作られた紅茶です。四川省の紅茶と言うと聞きなれない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?四川省の紅茶という意味で「川紅」と呼ばれる、あまり見かけない希少な紅茶です。

ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてみてください。
綺麗な透明度の高い褐色の紅茶です。
花の香りと香ばしさ、濃厚に深く甘い果実の香りをしっかり感じることができますが、これは香料も何も足していない、自然の茶葉本来の香りのみです。味は深みのある濃厚な甘さと旨みをしっかりと感じていただけます。

体の中から優しく暖まるような本当に美味しい紅茶です。

涌溪火青 産地訪問

涌溪火青

安徽省では涌溪火青の産地を訪問してきました。

涌溪火青は安徽省を代表する緑茶の1つです。とはいえ、生産量がそれほど多くないせいか、安徽省以外の場所ではあまり流通の無いお茶の1つです。安徽省以外の茶市場では殆ど見かけることはないように思います。

明代末期にはこのお茶の記録がある歴史のあるお茶で、茶葉の形がとても特徴的なお茶です。艶のある球状の緑茶で、すっきりとした爽やかな緑茶です。ガンパウダーと呼ばれる球状の緑茶と良く間違えられますが、それとは異なります。(ガンパウダーは基本的に輸出用の安価な緑茶で産地などが異なり、涌溪火青は銘茶と呼ばれる高級茶になります。)

涌溪火青発祥の地

安徽省泾县(涇県)涌渓がその産地で、茶産地の中でもかなりの田舎に位置しています。
実際、かなり山深い場所にその茶畑と工場があり、大型車の通行ができないということで、生産者の方の自家用車に分乗しての訪問となりました。おそらく雨が降り続いたり、天候によっては簡単に通行止めになってしまいそうな、そんな山奥にあります。

写真はその涌溪火青発祥の地です。製茶工場はさらに山深い場所にありました。

涌溪火青 製茶場

製茶場では木製の揉捻機がありました。
木製の揉捻機は自分たちで制作しているそうです。涌溪火青の製茶に最適になるよう、色々な工夫が行われている揉捻機です。

涌溪火青 製茶場

こちらは涌溪火青の製茶工程でも重要な掰老锅で使われる鉄鍋です。
この鍋の中で低温で加熱、長時間の整形を行うことで、特徴的な球状の緑茶に仕上がります。鍋の深さは一般的な緑茶の製茶に使われる鉄鍋よりもかなり深みのあるもので、これは安徽省に多い特徴のように思います。

涌溪火青 製茶場

こちらはその掰老锅を行う機械です。機械といっても意外と手作業が必要な部分が多く、結構大変そうな感じです。熱源は電気と炭火の両方があり(写真は電気です)、この機械も他のお茶には使われることが無いため、この地域でしか使われていないそうです。

涌溪火青 茶畑

製茶場の横にはこんな茶畑もありました。
基本的には在来種が使用されているそうですが、その在来種にもいくつかのパターンがあります。葉が大きい物もあれば小さいものも、長細い形をしたものもあれば、その逆のものもあります。どうやら在来種の中でも数系統に分かれているようでした。


2月13日からの中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
無事に帰国いたしました。明日より発送業務を再開させていただきます。
順次、品切れの茶器・茶道具なども入荷いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。


10135.1
天心岩 半天腰
岩茶の本流を感じさせるような品格のある花果香と火の香りが素晴らしく
岩茶とはこのような美味しさのあるお茶だったと再認識させてくれるような格の違う深みのある美味しさがあります。
まるで上質なモルトウィスキーのような奥行きのある複雑な味わいに仕上がっています。

10134.1
慧苑坑 瓜子金
甘く深みのある果香と柔らかい甘味のバランスが良い岩茶に仕上がっています。
煎を進めていくと甘い味わいが変化してお菓子のようなニュアンスもでてきます。
火入れの程度は中火。強すぎず弱すぎず、絶妙のバランスで火入れが行われています。

10133.1
天心岩 黄玫瑰
黄玫瑰はまだ比較的新しい品種で、2013年から本格的に収穫がはじまりました。
綺麗な優しいバラの香りのする岩茶です。
美しい琥珀のようなお茶は香りだけでなく爽やかな甘味と複雑で上品な滋味
しっかりとしたミネラル感と合わさり、上品で軽やかな美味しさがあります。

江南茗茶城

江南茗茶城

安徽省の合肥では茶市場へ行く機会がありました。

合肥には古くからの茶市場もあるそうですが、こちらはまだ新しい茶市場です。まだ建物も綺麗で整然としています。
訪れたのが平日ということもあってお客さんの数も少なく、少し寂しい気もします。
まだ新しい市場ですのでお客さんが少ないのかもしれません。

北京や広州の茶市場に慣れているとその他の茶市場を小さいと感じることが殆どですが、この江南茗茶城はかなり広い市場でした。

江南茗茶城

安徽省らしく安徽省の緑茶のお店が多く並んでいます。
続いて祁門紅茶のお店も他の茶市場に比べるとかなり多く並んでいました。
太平猴魁が大流行した今となっては他の地域にある茶市場でも安徽省のお茶を見かけますが、これほどの数の専門店が並んでいることはありません。やはり安徽省の茶市場ならですね。
黄山毛峰や霍山黄芽、六安瓜片などの看板も見えます。

江南茗茶城

あまり時間がなかったのですが、その中の1件、太平猴魁の専門店にお伺いしました。

このお店は太平猴魁が大人気となるきっかけとなった、胡錦濤元国家主席がロシアのプーチンにプレゼントした太平猴魁を作ったメーカーさんの直営店だそうです。
太平猴魁はこの一件で大変な人気となり、今では気軽に購入することが難しいほどに価格が上昇しました。
今は少し落ち着いてきたとはいえ、元々高価な緑茶だけに当分はこの状態が続きそうです。

江南茗茶城

お店の中では丁度太平猴魁の篩い分けを行っていました。篩い分けといっても、この形状のお茶ですので1枚1枚手作業で行われています。
大変立派な太平猴魁の茶葉ですが、途中で折れてしまったものや、欠けてしまったものを1枚1枚分別しています。
選り分けた茶葉は折れないように丁寧に専用の箱に詰めていました。

こうした太平猴魁の篩い分けなど、他の地域の茶市場ではなかなか見かけることはありません。
茶市場、特に産地に近い地域の茶市場はこうしたその地域の特色がよく出ていて面白いです。

江南茗茶城
中国安徽省合肥市蜀山区樊洼路


寒い時期に身体の中からほっこりと暖かくなるような、火入れ・発酵をしっかり行った味わい深い鉄観音のご紹介です。

感徳鉄観音 6年老茶
感徳鉄観音 6年老茶

感徳鉄観音 9年老茶
感徳鉄観音 9年老茶

感徳鉄観音 14年老茶
感徳鉄観音 14年老茶

中国・福建省安渓の感徳で伝統的製法を守り作り続けている作り手による鉄観音の老茶です。昔ながらの深みのある甘い味わいに年月を経た柔らかさがとても美味しい鉄観音に仕上がっています。

鉄観音の老茶は珍しいというだけでなく、茶葉に充分滋味を持っていないと年月をかけても美味しく仕上がりませんが、これらの鉄観音老茶はしっかりと醗酵させられる力を持った茶葉を丁寧に製茶し熟成した、とても美味しいお茶に仕上がっています。

鐵觀音茶王
鐵觀音茶王

絶品ともいうべき鉄観音です。

鉄観音発祥の地、中国福建省安渓の西坪で無農薬・有機栽培で大切に育てられた茶葉を使い、高い製茶技術を持つ茶師が丁寧に作った鉄観音を台湾の凍頂烏龍茶で有名な南投県凍頂へ運び、熟練した焙煎技術者によって焙煎、後熟成を行った非常に贅沢な鉄観音老茶です。
私たちが師事する台湾の高名な茶人が自ら福建省まで赴き、茶摘みから監修して作り上げた最高の鉄観音です。

台湾では木柵で作られる木柵鉄観音が有名ですが、今や生産量が減少し、木柵で作られたものではない鉄観音が「木柵鉄観音」として流通しているような状態になっています。また、数少ない木柵で生産される鉄観音も以前に比べて質が低下してきてしまっている状態となってしまいました。
そんな中、昔ながらの最高に美味しい鉄観音を作ろうと中国安渓の西坪でも名人として知られる茶師に依頼、納得のいく、老茶となることのできる美味しさを持った鉄観音を作ってもらったそうです。その鉄観音を今度は台湾でも製茶技術が高いことで知られる凍頂の中でも焙煎名人として有名な茶師に託し、3年間ゆっくりと火入れを行いながら熟成させてきた、言わば「好いとこ取り」の傑作です。

凄みを感じるほどに滋味深く、柔らかく、華やかな鉄観音です。

安徽農業大学 再訪

安徽農業大学

昨年、10月から11月にかけての中国・台湾訪問による発送業務のお休みでみなさまには大変ご不便、ご迷惑をおかけしました。

中国へは北京から入国、現地スタッフや茶業さんたちとの調整を済ませてから安徽省へ移動しました。この時も前年と同じく、安徽省合肥にある安徽農業大学を訪れました。Webと仕入れを担当させていただいている私の高級茶藝師養成・受験講座の受講が目的です。

茶藝師という資格は単にお茶を綺麗に淹れるというだけではなく、茶藝館に勤務するために必要な知識や技術を学びます。中級は茶藝館で勤務する人のための内容になっています。対して高級は茶藝館を経営する内容とされています。
評茶員と同じく、普通にお茶を楽しむ分には必要ない資格で、美味しくお茶を淹れるという技術とはまた別のものですが、こちらも最後まで受講してみることにして、日本中国茶協会が主催する講座を受講してきました。

安徽農業大学茶藝室

1年ぶりに訪れた大学の茶藝室が新しく綺麗に改装されていました。

ここでは一般的な工夫茶の茶器だけではなく、レストランなどで使用するような大きなティーポットなども含めた様々な茶器を使用した淹れ方を学びます。
他にも茶藝とか何か、茶道(中国における茶道)とはどのようなものかなど概念的な部分も学習します。
現地では茶藝館の経営者として中国の労働基準に関する内容も学習するようですが、今回は日本人受講者向けということもあり、どちらかと言うと文化的な内容に絞られていたようです。

安徽農業大学

評茶員の講座は大学が夏休み期間中の開催で大学の敷地内は学生が殆ど残っていないような状態でしたが、今回は大学も通常授業が行われている時期で、敷地内には沢山の学生さんがいました。
前回は人気が少なかった学内も学生のみなさんの熱気でまた違った普通の雰囲気を感じることができました。学校というものから離れて久しいので、こういった雰囲気はとても新鮮です。

出会った先生方をはじめ、学生のみなさんもとても親切にしていただきました。特に偶然交流ができた学生の方からは合肥の美味しいお店を教えていただいたり、色々と大変親切にしていただき、本当に感謝しています。
今回も前回に増して、素敵な経験をたくさんさせていただきました。ありがとうございました。


凍頂烏龍茶 2013年冬茶
凍頂烏龍茶 2013年冬茶

最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通していますが、この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。その味わいはまさに本来の凍頂烏龍茶そのものです。他の作り手がとっくに冬茶の摘み取りを終えるころまで充分に待ってから、作られたこの冬茶は数が少ないものの非常に良い出来です。

この作り手の凍頂烏龍茶は伝統的に醗酵が強く、火入れもしっかり行うため、実質的な賞味期限がないどころか年月を経た方がより柔らかく美味しくなります。
この冬茶も本当に美味しいのは半年後、6月以降です。ご紹介するのには早いかとも悩んだのですが(毎回のことですが)、その後熟成の変化もお楽しみいただけることと思い、ご紹介させていただきます。

既にリピートされている方も多い凍頂烏龍茶ですが、春茶とはまた違った味わいがあります。台湾では1年中春茶しか飲まない人や、冬茶しか飲まない人もいるほど味わいや香りが異なります。
どうぞ、お好みの味を見つけてください。

実際、今いちばん美味しい凍頂烏龍茶は後熟成がしっかり行われている2012年の春茶です。数が少なくなってきております。

凍頂烏龍茶 2012年春茶
凍頂烏龍茶 2012年春茶

凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

祁門工場見学

祁門工場

もう1つの祁門紅茶場見学は祁門工場とも言えるような近代的な大きな工場でした。
まだ新しい工場のようで経済開発区の中にあります。

ここでは主に製品にするための最終加工の部分を見学させていただきました。

祁門工場

様々な機械で茎を取り除いたり、茶葉を大きさ別に分けていきます。
ここでも殆どの生産は終了していましたが、まだ一部の作業も行われていました。

祁門紅茶場は手作業での篩い分けを見せていただきましたが
ここでは機械を使用した方法をとっています。
(こちらの方法の方が一般的な篩い分け方法です)

祁門工場

こうした工程を経て毛茶(荒茶)だった祁門が製品茶として仕上がっていきます。
篩い分けられたお茶は各紅茶場やメーカー毎に決められた等級に分けられて出荷されます。

一般的に低い等級のものは食品加工用やペットボトル飲料など向けに
中程度のものはティーバックや国内外の大きなお茶メーカーさん・販売店さんなどへ
高い品質のものは高級茶として主に国内市場へ、一部は海外へ出荷されます。

祁門工場

このような大規模なメーカーさんでは、各ロット毎に品質のばらつきがでないようにブレンドを行なって出荷します。
この巨大なタンクは紅茶の保存タンクです。
タンクの下から茶葉が取り出せるようになっていて、そこでブレンドが行われます。

祁門工場

祁門に限ったことではありませんが、普通はなかなか製茶場の中を見学させていただいたり
ましてや撮影させていただくことはできません。
今回、色々と見学、撮影までさせていただくことができ
こうして皆様にご紹介できることができたことに、対応してくださった関係者のみなさまに感謝しています。


鈴茶堂Webショップ1周年・お茶プレゼントですが
多くのご注文をいただき本当にありがとうございます。

用意させていただいていたお茶も種類によっては既に終了してしまったものもありますが
早期終了はなるべくせずにいきたいと思っております。
そのため、プレゼントさせていただくお茶の内容が本日ご注文分から変更になります。

また、既にご注文いただき、プレゼントをお送りさせていただいた方には
お茶の組み合わせが違うものをお送りさせていただきます。
可能な限りプレゼントさせていただくお茶が重複しないようにさせていただきますが
限られた中からお選びしているため、種類が重複してしまった場合はどうぞご容赦ください。

よろしくお願いいたします。

祁門 茶山公園

祁門 茶山公園

茶山公園は祁門の街中にあります。

中には特に何がある訳でもないのですが
祁門の茶畑と製茶の様子を写したレリーフなどがあります。

祁門 茶山公園

ここに植えられている茶樹品種は祁門槠叶种(祁門櫧葉種)と呼ばれる祁門本来の品種です。1982年に安徽省の優良茶樹品種に、1984年には国家優良茶樹品種に認定されました。
この品種からは紅茶はもちろん、緑茶も作られ、現在は祁門の地以外にも浙江省、広東省、雲南省、福建省などを始めとする全国に移植されているそうです。
海外ではグルジア、ロシア、インド、日本、ベトナム、パキスタン、スリランカ、東アフリカ諸国でも栽培されているそうですが、日本ではどこで栽培されているのでしょうか?気になります。

祁門 茶山公園

実は祁門紅茶には茶樹品種の指定はありません。
実際には様々な品種で祁門は作られています。雲南大葉種で作られている祁門も実際には多く流通していますし、複数の茶樹品種をブレンドしていることも良くあります。おそらく流通している殆どの祁門は祁門櫧葉種以外で作られているのではないかと思います。
実際に目にする祁門の茶畑の茶樹品種は場所によってバラバラです。
(鈴茶堂の祁門紅茶は祁門櫧葉種です)

折角なので祁門紅茶には祁門櫧葉種を使って欲しいと思うところなのですが、栽培や製茶のしやすさや味、香りなどでそれぞれ選択が違うのでしょう。こういった違いもそれぞれの個性となって現れてくるんですね。


特級 祁門
特級 祁門

鈴茶堂の祁門は祁門櫧葉種を使って作られています。
昔ながらの手作業の多い方法で今も製茶を行なっています。祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物の香りがあります。
この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門がスモーキーな製品ばかりの中、この祁門は純粋な祁門香をお楽しみいただけます。

鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

祁門紅茶場

祁門紅茶場

黄山市から向かったのは祁門紅茶の生産地、祁門です。
やはり中国は広く、黄山市から祁門までは車で2時間近くかかります。
のどかな田園風景からはじまり、段々と山深くなったころ、山里のような集落に祁門紅茶の故郷があります。

まずは昔ながらの作り方を行なっている祁門紅茶場から見学です。
鈴茶堂の祁門を作っている紅茶場も後から地図を確認するとその近くにありました。そちらも昔ながらの作り方という点では似たり寄ったりのレベルです。今回は講習の一環での訪問でしたので私たちがお世話になっている祁門紅茶場へのご挨拶はできませんでしたが、こちらはまた改めて訪問させていただこうと思っています。

祁門紅茶場

審評室で評茶を見せてくださった大ベテランの評茶師さんです。
この方がこの紅茶場の品質を守っているとか。
祁門紅茶に限らず、昔ながらの伝統的な作り方をしている茶業さんには大抵こういった品質の見張り番がいます。こうした方々が常に目を光らせているから美味しいお茶が作られるんですね。

祁門紅茶場

こちらは揉捻機です。この機械を使って茶葉を揉捻していきます。大小合わせて10機位並んでいました。
こちらの紅茶場はそれなりに大きい規模の工場のようです。
まだ夏の暑い盛りでしたが、既に生産は終了しています。

祁門紅茶場

この大きなプールのようなものは萎凋槽です。ここに茶葉を入れて発酵を行います。
萎凋槽の終端部分にはボイラーと大きな送風機があり、そこから熱風を送り込んで発酵を促進させていきます。

祁門紅茶場

人の手で茶葉を大きさ別に篩い分けを行なっています。特別に実演してみせてくださいました。
竹のザルの目の大きさに合わせて茶葉の大きさを分別しています。この作業が出来る職人さんは非常に少なく、後継者不足が深刻な問題となっているそうです。職人の後継者不足は日本と同じです。

工場は祁門の香りがずっと漂っていて、とても良い香りがしていました。


特級 祁門
特級 祁門

鈴茶堂の祁門もこの紅茶場近くで作られています。
もっと小規模の小さな紅茶場ですが、こちらも昔ながらの手作業の多い方法で今も製茶を行なっています。
祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物の香りがあります。
この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門がスモーキーな製品ばかりの中、この祁門は純粋な祁門香をお楽しみいただけます。

四川高山紅茶
四川高山紅茶

同じく人気の高い紅茶が四川高山紅茶です。
甘いキャラメルのような香りと味は他の紅茶にはなかなか見られない特徴です。
四川省・蒙頂山の標高1200m以上という高山地帯で栽培された茶葉を使用して丁寧に作られています。とても小規模ですが、真面目な茶業さんがとても丁寧に製茶を行なって作る上質で希少な紅茶です。

長江と黄山の茶畑

長江

安徽農業大学での講習、試験が終わった後は、バスで同じ安徽省内にある黄山へ移動です。
同じ省内といっても広い中国のこと、安徽農業大学のある合肥から黄山へはバスで5時間以上かかりました。

途中、中国茶を学ぶものには馴染み深い長江(揚子江)を渡りました。
この長江流域で作られるお茶の量は中国全体のお茶生産量の70%近くを占めます。また、中国茶を産地で区分けする茶区も、この長江がその境界線の1つとなっている位にお茶の生産に関係の深い川になっています。写真の通り、とても川幅が広く、まるでちょっとした海の入江の一部のようです。川とは思えないほどに大きな貨物船が行き来している様子も見られます。

茶畑

合肥周辺ではあまりお茶の生産はしていませんが、黄山へ向かって数時間もすると段々と茶畑が増えてきます。
このあたりは有名な黄山毛峰という緑茶の産地で、そのせいか潅木型の背の低い茶樹が殆どです。
平地に茶畑があることは滅多に無く、殆どが山深い場所の急な斜面に作られています。中国茶は本当に傾斜のきつい場所で作られることが多いですね。

黄山

山深い場所を通っているからなのか、お茶の産地だけあって霧が出やすいのか、段々と今にも雨が振りそうな曇り空になってきたのですが、一瞬雲の切れ目ができて黄山の姿を少しだけ見ることができました。
写真ではかなり小さくなってしまっていますが、実際はとても美しい幻想的な山の姿でした。

茶畑

段々と霧が深くなり、山の姿も見えなくなってきました。近くにある黄山毛峰の茶畑だけが、かろうじて見えるような状態です。どんどん山深い場所へ入ってきているようです。斜面に茶畑があるのは変わりませんが、霧の深さは段違いに深くなってきています。このあたりで採れる茶葉の方が良いお茶になりそうな気候です。きっと高級茶が生産される場所なんでしょうね。

茶畑に囲まれた風景を眺めながら半日以上かけて黄山市へ到着です。


特級 妃子笑
特級 妃子笑

正山小種の最高級、金駿眉や銀駿眉に続くものとして作られている紅茶です。
武夷山桐木村の標高1000m以上の場所の茶樹を、立夏の前に一芯二葉で摘み取り、製茶したものです。そのため、一般的な正山小種よりも細く繊細な茶葉に仕上がっているのが特徴です。
妃子笑の中にも色々等級があります。今回鈴茶堂が入手したものは中でも最上級の特級 妃子笑になります。リンゴのような甘い果香が非常に強く、驚くほどに深みのある旨みと甘さを持つ上質な紅茶に仕上がっています。

雲南白茶 月光美人 2008
雲南白茶 月光美人 2008

雲南省で作られる白茶の月光美人です。
この雲南白茶は樹齢100年を越す無農薬栽培の老茶樹から一芽一葉で丁寧に摘み取り、製茶されています。太陽の光ではなく、静かな月の光を浴びて緩やかに微発酵、乾燥の工程を経て作られます。
この白茶は2008年に作られています。白茶はプーアル茶などと同様に時間が経過した方が柔らかく甘みが増し、美味しくなっていきます。この2008年の月光美人も大分落ち着きが出て美味しくなってきました。

白茶は去熱を取るため夏向きのお茶とされていますが、決して必要以上の熱を取ってしまうようなことはありません。むしろ白茶の持つ強力な抗酸化作用や美肌効果で乾燥が激しいこれからの季節にもお勧めです。
餅茶の形状をしていますので長く保存しやすくなっています。1枚は平均して357gですので120回近くお楽しみいただけます。

安徽農業大学

安徽農業大学

先日の台湾出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
台湾では現地友人たちやお茶の作り手さんたちに大変歓迎していただき、普通では入手できないようなお茶を譲っていただいたり、冬茶の見通しを相談させていただいたりと、とても充実した訪問をすることができました。
新たに迎えるお茶や茶器は順次届く予定です。届き次第ご紹介させていただきます。
旅の様子も改めてご紹介させていただきます。

ご紹介が遅くなってしまった8月から9月にかけての中国訪問ですが、最初はWebと仕入れを担当させていただいている私の高級評茶員養成・受験講座の受講から始まりました。
以前から各地の茶業さん、茶農家さん、作り手さんたちから色々と教わってきてはいたものの、一度きちんと体系的に学びたいと思い始めて評茶員を受験していました。評茶員というのは簡単に言ってしまえばお茶のソムリエ、評価者のようなもので、中国では主にお茶工場などの品質評価やお茶屋さんが取得する資格です。最近は日本語での受講、受験も可能となっています。
普通にお茶を楽しむ分には必要ない資格ですが、何故このようなお茶になるのかといったことも分かるようになり、私にとっては今までの復習のようだったり、バラバラになっていた知識がそれぞれ結びつくような答え合わせのようだったり、目からウロコが落ちるような新しい知識との出会いだったりと、とても刺激的で楽しい学習経験となっています。
折角なので納得するまでやってみようと思い、日本中国茶協会が主催する上級資格の講座に参加するため、安徽省の合肥にある安徽農業大学の茶葉学部へ行ってきました。

安徽農業大学

安徽省は中国でも有数のお茶の産地です。
お茶に関する教育機関としては浙江省か安徽省の安徽農業大学かという程の名門とされています。
こちらはその受講した大学内の茶葉学部の建物です。さすが、しっかり茶葉楼と書かれています。

安徽農業大学

朝8時半から夜9〜10時までの長時間の授業でした。
評茶を繰り返し、座学もみっちり、ホテルに戻ってからは最終日に行われる試験に向けて復習と、とにかく寝る時間もあまりないような体力的にもかなり辛い5日間でしたが、かなり本格的な内容で、普通は授業を受けることができないような素晴らしい先生方の授業を受講でき、参加して良かったと今も思っています。
おかげで茶業さんや作り手さんたちとの会話も今までよりももっと深い話までできるようになり、先日訪問した台湾では「そこまで分かっているのなら・・・」と秘蔵のお茶まで出していただいたり、確実に世界が広がってきたようです。
お茶の世界は奥が深すぎて、まだまだ勉強していかなくてはならないことも沢山あるので、今後も継続して勉強は続けていきます。

受講期間中はとにかく授業漬けだったため、みなさまにお見せできるような写真もあまりないのですが、安徽省の美味しい食事をいただくことができたり、初めて訪れる合肥の街並みを少しですが楽しむことができました。

安徽農業大学

大学内はとても広く、日本ではあまり考えられないのですが学生の寮や退職した教職員の方の住宅なども敷地内にあります。写真はその学生寮の1つです。スーパーやちょっとした商店もあったりと、まるで1つの町になっています。
緑が豊かなとても綺麗な場所で、今度は受講という時間が限られた状態ではなく訪れてみたいと思うような場所でした。
出会った先生方をはじめ、学生のみなさんもとても親切にしていただき、本当に感謝しています。
安徽省のここに限ったことではありませんが、街のみなさんもとても親切で、夜、息抜きに街中を散歩していても中国語が怪しい私に色々と世話してくださったり、感謝という言葉が離れない素敵な経験をたくさんさせていただきました。

#おかげさまで高級評茶員試験に合格しました。


正岩茶 悦明香
正岩茶 悦明香

今年は武夷岩茶の当たり年と言われています。
とても出来の良い岩茶が多い中でも特に光っているのがこの悦明香です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。

正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)
正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製茶師によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製茶師の技術の違いを感じていただけると思います。