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雲南西双版納の水掛け祭り

雲南西双版納の水掛け祭り

お茶とは直接関係ありませんが、とても素敵な体験をしてきました。
4月の製茶時期は傣族のお正月、泼水节(水掛け祭り)と重なります。タイの水掛け祭りととても近い習慣、文化です。(タイの民族と、この傣族は同じタイ語族ではありますが民族が異なります。言葉や文化も大変近いものの、別のものを持っています。)西双版納を発つ前日はこの水掛け祭り前日、大晦日にあたる日でした。街にもたくさんの人達が出てきて、大変賑やかに盛り上がっていました。
メコン川の川岸にはお祭り用の特設ステージが作られて盛り上がっています。周囲は普段の倍以上の屋台も出ています。かなりの人出で場所によっては歩くのも困難なほどです。

雲南西双版納の水掛け祭り

同じメコン川の川岸では孔明灯、ランタンをあげる人たちもたくさんいます。すぐ近くでもこの孔明灯を販売していますが、地元の方の多くは事前に用意している孔明灯を手にしていることが多いようです。この孔明灯には願いことが書かれていたりもします。
先ほどの賑やかなステージから少し離れた場所で、この孔明灯をあげています。私たちも孔明灯を購入してあげてみましたが、意外と難しいです。上手く火がつかなかったり、浮力を溜められなかったり・・・周囲には上る前に孔明灯が燃えてしまうケースも多くありました。

雲南西双版納の水掛け祭り

メコン川の川岸がたくさんの孔明灯で本当に美しい景色に変わっていました。家族で、友達同士で、カップルで、それぞれ願いを込めて飛ばす孔明灯はとても綺麗です。
この孔明灯は大晦日の夜に行うのが習わしで、この日の夜は近くにある景洪の空港も全線運行停止にするそうです。基本的に傣族の人たちの習慣ですが、この日は傣族以外の人たちも参加。街中が新しい年に願いを込める日でした。

雲南西双版納の水掛け祭り

孔明灯以外にも日本で言う流し灯籠のようなものもありました。蓮の花をかたどった灯籠に火を灯してメコン川に流します。どうやら流し灯籠は孔明灯とセットで行うようですね。
この流し灯籠の習慣だけでなく、雲南の文化と日本の文化には意外と多くの共通点があります。雲南では日本のように納豆を食べるということや(若干日本の納豆とは違います。どちらかと言えば水納豆のような感じです。)言葉にも日本語との共通点があります。これだけ遠く、気候も違う雲南ですが、文化は繋がっているのかもしれませんね。


大人気の漳平水仙(ショウ平水仙)春茶のご予約は31日までとなります!

中国・福建省の漳平市という場所で伝統的に作られている烏龍茶です。その形はとても珍しい固形の烏龍茶で、四角い茶餅の形をしています。

中国の茶商さんですら知らない人が殆どという流通の少ない珍しいお茶で、鈴茶堂ではずっと何年もこのお茶を探し、ようやく納得できる品質のお茶を作る茶農家さんと出会い、以後5年間以上、日本の方が殆どこのお茶をご存じないという時からご紹介してきました。

昔のままの村で、今も殆ど手作業で1つ1つ丁寧に作られています。また、無農薬、有機栽培を徹底しており、茶畑の中には養蜂の巣箱がたくさん配置されています。茶畑で取れるこの蜂蜜も村の大事な収入源となっています。

伝統 ショウ平水仙 2018年春茶
伝統 ショウ平水仙 2018年春茶

漳平水仙(ショウ平水仙)には桂花香型と花香型とあります。桂花香型は漳平の中でも比較的低標高の茶畑で作られたものを、花香型は標高の高い茶畑で作られた上質なものとなります。
この漳平水仙(ショウ平水仙)は花香型の中でも最高品質の蘭花香型になります。標高800m以上の、ショウ平の中では最も高地の茶畑で作られています。また、機械を可能な限り使用しない伝統的な製法で作られています。

また固形にする際の技術も味わいや香りに影響します。熟練した作り手によるものは、大きすぎず、圧をかけすぎず、最適な大きさ、緊圧をもって成形を行います。産地でもこの成形技術のレベルはまちまちで、大きすぎるものや小さすぎるものなど様々なものが見られます。実際、大きすぎるものなどは味わいが鈍く感じるようになってしまいます。
当店では最適な大きさ、味わいが鈍くなるような成形のものは選ばす、最高品質の蘭花香型にこだわって選んでいます。

伝統 ショウ平水仙 2018年 炭焙煎 春
伝統 ショウ平水仙 2018年 炭焙煎 春

とても希少な炭焙煎の漳平水仙(ショウ平水仙)(青茶)です。
この炭焙煎は紙に包んでから行うため、通常の散茶よりもずっと時間も技術も必要となり、今では数件の茶農家でしか行うことができません。

ほっこりとした香ばしい火の香りと、甘い柔らかな花香が感じられます。深みのある旨みと柔らかで心地良い回甘、ミネラル感がとても強く焙煎を施すことで清香の蘭花香とはまた違った茶樹の旨味を強く感じることができます。

ショウ平水仙 紅茶 2018年春茶
ショウ平水仙 紅茶 2018年春茶

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

発送は入荷後、6月10日頃を予定しております。ご予約は5月31日24:00までお受けいたします。
入荷予定数に達した場合はご予約の早期終了もございます。ご了承ください。

システムの都合上、本商品と一緒にご注文いただきました商品は本商品の入荷後、同梱での発送となります。先に発送をご希望される場合は、ご注文を分けていただけますようお願いいたします。

普洱思茅の茶市場

普洱思茅の茶市場

お茶の旅のご報告がなかなか進まずにおりますが、雲南編の続きを・・・

雲南では普洱思茅へも訪問してきました。
当店でご紹介している雲南緑茶の作り手さんを訪問するために景洪から車で数時間、普洱市へ入ります。普洱市はかなり広く、その中の思茅地域だけでも相当な広さがあります。山深い茶山もあれば、ちょっとした都市もあったりと、日本とはスケールの違う大きさに驚かされます。

まずは作り手さんの事務所兼発送拠点として市街地にある茶市場の店舗へ向かいます。普洱茶源広場と呼ばれる茶市場で、意外と広い茶市場です。ただし地域的にも業者向けといった市場で、他の地域の市場のように個人客に見せる工夫をしている店舗は少なく、発送待ちのお茶の入ったダンボールが積み上がっているだけという店舗が多く、どちらかと言えば事務所のような店舗です。

普洱思茅の茶市場

ここ普洱に限らず雲南の茶市場では基本的に売買単位が1キロです。他の地域では1斤(500g)が普通ですが、雲南ではこの茶市場でも茶業さんや茶農家さんでもキロ単位での売買となります。それでも昆明などの茶市場は一般客を相手にすることが多いので、金額を明示していたり(とは言え、その金額のまま購入する人は少ないです。そこは購入量などを考えて、その金額から交渉します。)茶葉の展示が多いのですが、この普洱はそういったことも殆どなく、潔い位に玄人向けの市場です。茶産地近くでもここまで徹底している市場はちょっと珍しいと思いながら色々と見せていただきました。

普洱思茅の茶市場

彝族の茶農家さんの茶山はとても山深い場所にあり、慣れている地元の人ではないと車があっても行くのに難しいということで、この茶市場から車を乗り換えて茶山へ連れて行っていただく予定でした。しかし、残念ながら数日前に大雨となり、途中の山道で大規模な土砂崩れが発生して通行できない状態で、お会いした茶農家さんの娘さんも家に帰れないのはもちろん、出荷するお茶も全て茶山で止まっているという状態。残念ながら思茅の茶山の訪問はまた次回ということになりました。次回はぜひ訪問させていただこうと思います。


易武の中でも味わい、香り共に評価の高い倚邦の中でも最も味わいが良いと知られる曼松の2018年春茶(普洱生茶)が入荷しました。
手摘みはもちろん、機械を一切使用せず、全て手作業による製茶を行っています。

易武曼松 小餅 2018
易武曼松 小餅 2018

曼松の普洱茶は曼松貢茶と呼ばれ、皇帝専用の貢茶として知られています。ほんの10年ほど前までは電気すら通っていないような茶山の奥で、その素晴らしい環境で作られるお茶は現在もかなりの高値が付けられています。今回この価格でご紹介できるのには理由があります。

店主の友人である易武天能茶庄がこのお茶を製茶していますが、固形茶には殆どといってある内飛と呼ばれる製茶場を表す票がありません。また、包装紙に製茶場名などの明記がありません。(生産年はあります)この状態では中国国内で通常ルートで出荷することはできない状態です。そういった「訳あり」で今回のご紹介価格となりました。肝心の茶葉の品質には全く問題はありません。

近年、中国国内で投資目的での普洱茶需要が高まり、生活の中で楽しめる上質なお茶が少なくなっています。
そういった状況に危機感を覚えた友人作り手が、親しい人たちへと、本来の楽しみを味わえる日常のお茶として作った普洱茶です。
易武のお茶の入門としてもおすすめです。


昨年、大変な人気ですぐに完売してしまった祁眉が入荷いたしました!

祁眉(祁門紅茶) 2018
祁眉(祁門紅茶) 2018

祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物に例えられる特有の香りを目指して作られます。この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門はスモーキーなものが多く見られます。実際、本当の祁門香を持つ祁門を作ることができる製茶場が非常に少ないのも事実です。

2018年の3月下旬に祁門本来の在来品種のみを使って丁寧に製茶された祁門です。
祁門の中でも最高級のものに名づけられる祁眉は祁門の中でも仙寓山の海抜1000m付近にある茶畑から作られます。その中でもこの祁眉は樹齢80年近くと思われる、何世代も大切に育て続けてきた古樹から作られています。
日本では祁門の中でも紅香螺が上質なものとして知られつつありますが、祁眉はさらにその上の品質のものです。紅香螺は田螺の形状、丸まった形状をしていますが、これはある程度茶葉が成長して大きくならないとその形状にすることができません。茶葉が小さい、最上級の茶葉から
作られるものが祁眉となります。また、紅香螺は近年になって作られるようになったものですが、祁眉は昔からのまま、伝統的な製法によるものとなります。

易武の原生林

易武

易武古鎮の友人が原生林の中にある茶樹の茶摘みを行うということで同行させていただきました。
温暖な西双版納では早いところでは2月から茶摘みが行われますが、山深い場所の茶樹は5月近くになってようやく茶摘みができるというところも少なくありません。この日に行く予定の茶樹もそのような場所にあり、地元の人間でも片道5時間はかかるという場所でした。当然車も入れず、バイクも途中までという山深い場所で、危険すぎるために最初は同行することを断られてしまったのですが、何とか同行させていただきました。

美しい景色ではありますが、道らしい道もなく、途中で川の中を歩くしか無いという場所もあり、単に茶摘みといっても本当に大変です。また、4月とはいえ雲南の西双版納では1年で最も暑い時期を迎えます。歩くだけでも大変な状態ですが、傾斜もきつく、野生茶樹の茶摘み、製茶がいかに大変なことなのか実感できました。(これでも比較的行きやすい方ではあるそうです・・・)

易武

これはかなり手前の方ですが、このような道とは言えないような、殆ど獣道を何時間も進んでいきます。最初はバイクで向かいますが、この後すぐにそのバイクも走行不可となります。殆ど原生林のため、倒木が多く、大きな倒木の場合はそこでバイクを停めて歩いて進むしかありません。

また、毒虫はもちろん、毒蛇なども多く生息している地域です。この時にも大きな毒蛇を見ました。噛まれると殆ど助からないという、日本では想像しにくいような強力な毒を持つ蛇だそうです。他にもミャンマーとの国境が近いということもあり、麻薬取引が行われていることもあるそうで、隊から絶対に離れないようにと告げられるほどでした。美味しいお茶にはこのような人たちの努力と苦労があるのですね。

易武

早朝から何時間も歩き続けて数時間、昼すぎにようやく目的の茶樹に到着しました。
数日前に新芽の状態を確認しに来ていたとのことで(この行程を何度も往復しているということも驚きなのですが)綺麗な大葉種の新芽が出ていました。大変大きな茶樹で実際には木に登って茶摘みをするほどです。そして茶摘みが終わったら来た道を下山。深夜まで製茶が続きます。

この野生茶樹に限らず切り戻しを行っていない喬木の茶樹は以前にもブログでご説明したように木登りをして茶摘みを行います。民族衣装を着た摘み子さんたちがそういった茶樹の茶摘みを行っている写真を見たことのある方も少なくないと思います。整備された平らな場所にある茶樹の場合は足場を組むこともありますが、傾斜が厳しい場合や原生林にある茶樹の場合は足場を組みことはまずできません。決して登りやすいとはいえない木に登って茶摘みを行うしかありません。
あまり問題にされることはないのですが、この際に木から転落、十分な治療を受けられず後遺症が残ってしまうというケースは意外と多いのです。もともと、山の中であったり、一番の集落である易武郷まで戻っても数時間、そこにも日本人が思う十分な治療のできる病院はありません。

易武

普洱生茶の価格は年々上昇しています。不当な価格の上昇は受け入れられるものではありませんが、高い値のつく普洱茶は実はこういった驚くような苦労とリスクを抱えて作られています。こうして作られたお茶は本当に美味しく、茶樹のパワーが伝わってくるかのような宝物のようなお茶です。そういった人々の努力と苦労も思って大事に何年もかけて楽しんでいこうと思います。


雲南の友人から届きました。
普洱の思茅、景谷茶山(苦竹山)では早くも茶摘みが始まったそうです。
これは彝族の方による製茶です。

当店取扱のお茶は高地や山深い場所にある茶樹からのものが多く、茶摘みは例年、雲南でも3月中旬以降、四川でも3月下旬頃(入荷は4月中旬頃)のものですが、春の訪れを感じますね。


四川高山桂花紅茶 2017
四川高山桂花紅茶 2017

入荷が遅れておりました四川高山桂花紅茶が入荷しました!

今回は通常、桂花紅茶には使用されることのない最高品質のゴールデンチップが美しい紅茶を特別に選んで作られています。花茶は桂花紅茶に限らず、その花の香りを楽しむという性質上、それなりの品質の茶葉を選ぶことが殆どです。この桂花紅茶はそのまま単独の紅茶としても美味しく香り高く楽しめる品質の紅茶をベースに使用しているため、桂花の優しい香りに加えて、紅茶本来の甘い香りも楽しめます。

茶葉はもちろん、使用する桂花も無農薬で作られている、当店向けに特別に作っている桂花紅茶です。

大益 老茶頭 2016年
大益 老茶頭 2016年

秀逸なプーアル熟茶の代表格としてリピートされる方も多い、大益の老茶頭が入荷しました!

茶頭を磚茶の形に固めたものです。
茶頭というのはプーアル熟茶を製造するのに必要な渥堆工程(麹菌などによる後発酵)で発生する、いわゆる半端モノです。渥堆工程では積み上げた茶葉に水をかけ、温度と湿度を上げた状態で後発酵を行います。その発酵過程で茶葉同士が固まりになってきます。それを人間が鍬のような道具でほぐしていくのですが、そこで発生する、特に熟成が進んだために、ほぐしきれなかった塊を茶頭といいます。

しっかり熟成が進んでいる良質の茶葉が多く、お値打ち品です。
モウ海茶廠(大益)は熟茶の技術には定評があり、この茶頭も非常に評判が高く人気があります。

麻黒寨 千年茶王樹

麻黒寨

易武の麻黒寨では樹齢1000年を超えると言われる茶王樹をはじめとした古茶樹園を訪れてきました。

麻黒寨といっても集落から車でかなり走った場所にあります。隣にある落水洞との境位の場所でしょうか。車道に車を停めて山を登っていくとこうした古茶樹園が姿を現します。このあたりの茶樹は若くても樹齢100年、300年を超えるものも珍しくはありません。写真では伝わりにくいのですが、かなりの傾斜地に茶樹が植えられています。

麻黒寨

文化大革命時代の農業改革でこのあたりの茶樹は切り戻しが行われています。雲南大葉種は非常に樹高が高くなります。そのため、茶摘みを行うには木に登って新芽を摘み取る必要が出てきます。これは実際に大変重労働で生産効率が上がらないというだけでなく、茶摘み中に茶樹から落下する事故なども発生します。(現在も喬木の茶摘みでは決して珍しい事故ではなく、重大な後遺症を伴うようなケースも少なくありません。)生産効率を上げるということ、事故を防ぐという目的で、当時は茶樹の高さを抑えるために切り戻しが行われていました。こうした茶樹は幹が相当に太いものの、枝は横に張り出しています。

麻黒寨

古茶樹園というよりも、むしろ山といった茶畑を登っていくと、この千年茶王樹があります。この茶王樹は切り戻しが行われていないため、相当な高さがあります。保護および盗難を防止するためのネットで覆われています。
周囲の茶樹も同様に相当な古茶樹で、600年以上は経過しているのだそうです。この千年茶王樹とその周辺だけが、こうした背の高い喬木のまま、突出して樹齢の古い茶樹が残されていました。

麻黒寨

麻黒寨の古茶樹園の多くは切り戻しが行われていますが、中には数少ないものの切り戻しから逃れた喬木の茶樹もあります。この茶樹もそれほど樹高は高い方ではありませんが、そういった切り戻しが行われていない茶樹の1つです。
実際に切り戻しが行われた古茶樹と切り戻しが行われていない古茶樹の普洱茶を飲み比べさせていただきました。どちらもとても美味しく、力強く、香りも非常に高く綺麗に出ているのですが、違いがあります。喬木の方がよりミネラル感が強く深みがあります。
貴重な古茶樹から作られた本物の普洱茶は現地でも高価なものですが、喬木のものは更に高い価格がつけられます。この味わい、ミネラル感の違いということもありますが、茶摘みに際しての労力が切り戻しが行われている茶樹に対するものよりも遥かに必要とされること、転落によるリスクということも価格に反映されています。美味しいお茶を作るためには様々な人々の労力、努力があります。


2017年 麻黒寨 喬木古樹茶
2017年 麻黒寨 喬木古樹茶

麻黒寨の喬木古樹茶です。

切り戻しをされずに、そのままの状態で残っている茶樹から作られた普洱生茶です。
この喬木古樹茶はその名の通り、樹齢500年、樹高6mの古茶樹から作られています。農薬はもちろん、肥料も与えずに自然のままに生きる茶樹から丁寧に摘み取り、機械を使用せずに全て手作業で作られた普洱生茶です。

易武らしさは十分に、萎凋を丁寧に長く行い、普洱茶として最高に丁寧に作られた上質なお茶です。普洱茶の概念が変わるお茶です。易武の易しい甘さ、高い品格のある花香、それでいて茶樹の力強いミネラル感もしっかりと感じられます。
2018年の現在もとても美味しく楽しめます。しかし、このお茶は2020年前後、3年が経過した頃にはまた違うお茶へ進化します。この変化も不思議で面白いのが本当の普洱生茶の醍醐味でもあります。

易武百花潭小餅
易武百花潭小餅

易武滇王小餅に続いてコストパフォーマンスの高い普洱生茶です。おかげさまですぐにリピートされるお客さまも多く、残り僅かとなっております。

易武の中でも香り高い普洱生茶が作られることで知られる百花潭の喬木古茶樹から作られている普洱生茶です。とても美味しく香り高いお茶が作られる場所ですが、産出量が少なく、なかなか市場に出回りにくいというお茶でもあります。
しっかりと萎凋を行った最近では珍しく丁寧な製茶を行い、昔ながらの石磨圧延で成形された1枚100gと楽しみやすいサイズになっています。

蜂蜜のような艶やかな金色の透明度の高い茶水です。見事な甘い花香が感じられます。百花潭ならではの香りの良さ、高さを持っています。味わいはその香りのように優しく、甘く、そしてミネラル感もしっかりと感じられ、大変にバランスの良い普洱生茶に仕上がっています。

麻黒寨

麻黒寨

易武の麻黒寨で茶農家を営む友人を訪ねてきました。
易武茶山は道が悪く、奥へ行くほど悪路となります。麻黒寨までは比較的道路が整備されていますが、それでも道は細く、場所やタイミングによっては土砂崩れをおこしていたりします。そんな林道のような山道を越えて麻黒寨に到着です。

麻黒寨も小さな集落です。殆どが茶農家という場所で、集落には小さな商店があるのみといった場所です。山間に傾斜にそって張り付くように自宅兼製茶場が建てられているような風景の場所です。友人の製茶場も傾斜の途中にあり、崖の途中にあるような小さな製茶場です。全て手作りの素朴な製茶場ですが、とても綺麗にしているのが印象的です。

麻黒寨

友人の製茶場を見せていただきました。山の奥の方にある古樹茶の製茶を行っていて、ちょうどこの時は醗酵を行っていました。
最近は手間がかかるという理由で萎凋、(軽)醗酵を行わない作り手が増えています。しかしながら、普洱茶でもきちんと萎凋や醗酵を行ったお茶の方が味わいも香りも良いお茶となります。
この友人は萎凋、醗酵の重要性をきちんと認識していて、こうして萎凋槽も製作、設置しています。とても丁寧な製茶をする作り手です。こうした丁寧な製茶を行う作り手は今では少数派になってしまいました。

麻黒寨

最上階は晒日乾燥を行う場所になっています。乾燥工程の様子を見ても西双版納の日光の強さが分かります。最終乾燥を行うこの場所は直射日光が当たらないように半透明の屋根が設置されています。これでも茶葉の状態によっては焼けてしまうので、乾燥状態にあわせて適宜茶葉を奥場所を変えたり、日よけを追加したりと調整しながら乾燥を行います。

こうした小さな製茶場では餅茶の加工はできず、毛茶または散茶までを製茶しています。餅茶にする場合は既にご紹介したような餅茶の成形ができる製茶場へ茶葉を持ち込んで加工を依頼することになります。

麻黒寨

乾燥中の茶葉です。とても丁寧に茶葉が並べられているのがわかりますか?
均一に乾燥させていくために、1枚1枚丁寧に並べて乾燥を行っています。もちろん、この後も茶葉の天地を返したりと細かく調整しながら行っていきます。通常は天地を返しながら平らに茶葉を広げて乾燥させますが、この作り手は丁寧にこうした製茶にこだわっています。こうした丁寧なお茶作りはずっと守っていって欲しいと思います。


2017年 麻黒寨 喬木古樹茶
2017年 麻黒寨 喬木古樹茶

この友人が作った麻黒寨の喬木古樹茶です。

麻黒寨とその周辺にある茶樹はかなりの古茶樹が多いものの、文化大革命時代の農業改革で茶樹の高さを切り詰める切り戻しが行われています。その中でもわずかですが切り戻しをされずに、そのままの状態で残っている茶樹もあります。(非常に少ないです)日本から来たということで、ちょうど製茶が終わったばかりの切り戻しを行っていない茶樹から作られた普洱生茶を特別に譲っていただきました。
この喬木古樹茶はその名の通り、樹齢500年、樹高6mの古茶樹から作られています。農薬はもちろん、肥料も与えずに自然のままに生きる茶樹から丁寧に摘み取り、機械を使用せずに全て手作業で作られた普洱生茶です。

易武らしさは十分に、萎凋を丁寧に長く行い、普洱茶として最高に丁寧に作られた上質なお茶です。普洱茶の概念が変わるお茶です。易武の易しい甘さ、高い品格のある花香、それでいて茶樹の力強いミネラル感もしっかりと感じられます。
2018年の現在もとても美味しく楽しめます。しかし、このお茶は2020年前後、3年が経過した頃にはまた違うお茶へ進化します。この変化も不思議で面白いのが本当の普洱生茶の醍醐味でもあります。

易武百花潭小餅
易武百花潭小餅

易武滇王小餅に続いてコストパフォーマンスの高い普洱生茶です。おかげさまですぐにリピートされるお客さまも多く、残り僅かとなっております。

易武の中でも香り高い普洱生茶が作られることで知られる百花潭の喬木古茶樹から作られている普洱生茶です。とても美味しく香り高いお茶が作られる場所ですが、産出量が少なく、なかなか市場に出回りにくいというお茶でもあります。
しっかりと萎凋を行った最近では珍しく丁寧な製茶を行い、昔ながらの石磨圧延で成形された1枚100gと楽しみやすいサイズになっています。

蜂蜜のような艶やかな金色の透明度の高い茶水です。見事な甘い花香が感じられます。百花潭ならではの香りの良さ、高さを持っています。味わいはその香りのように優しく、甘く、そしてミネラル感もしっかりと感じられ、大変にバランスの良い普洱生茶に仕上がっています。

餅茶の乾燥と熟成

易武

餅茶の形に成形した普洱茶は天日でじっくりと乾燥させていきます。緑茶や青茶、紅茶などのように高温で乾燥させると早く乾燥することができますが、普洱茶特有の麹菌による醗酵をすることができません。(殺菌されてしまうため)そのため基本的には晒日、太陽の光で乾燥を行います。
最近は乾燥室などを使って乾燥させる製茶場も増えています。特に大手製茶場は殆ど乾燥室を使用しているようです。たしかに晒日で乾燥を行うには時間も場所も必要になります。また、天候によっては何日も何週間も乾燥に時間を要する場合もあります。この易武天能茶庄では乾燥室自体が存在しないため全て晒日、太陽の光で乾燥を行っていますが、こうした昔からの乾燥方法も段々と少なくなりつつあります。

易武

毛茶(荒茶)の乾燥のときと同じように雲南、西双版納の日差しはとても強く、太陽の光を加減しないと餅茶が焼けてしまいます。特に水分量の多かった毛茶の時とは違い、餅茶にしてからの最終乾燥は更に気を使う必要があります。そのため天候が良い日は野外ではなく、こうした乾燥用の室内で行います。屋根代わりに日差しを和らげるため半透明の日よけがあります。室温は20度後半から30度半ばあたりといったところで、乾燥用の部屋といっても温室のような感じです。ここで時間をかけてゆっくり乾燥していきます。

易武

半透明の日よけがあっても餅茶の乾燥状態によっては茶葉が焼けてしまいます。そのくらいに西双版納の日差しは強いのです。これは乾燥が進んできた餅茶が焼けないように更にダンボールを被せて日差しを遮っているところです。こまめに餅茶の状態を確認して日光をコントロールしていくのは手間のかかる作業です。またその判断も経験がないと分かりません。大手製茶場が乾燥室を採用する理由も分かりますが、ここではこの最終乾燥も天日以外は味わいに影響するため頑なに昔からの製茶方法を守っています。
余談ですが普洱茶の乾燥室は天日ではなく、温風で行います。ただし麹菌による後熟成ができるように低温で時間をかけて行います。それでも天日による乾燥が1週間以上は必要であることに対して、乾燥室を利用した場合は半日で終了することができます。

易武

通常、こうした産地の製茶場では製茶した茶葉は全て出荷されます。古いビンテージの普洱茶は産地には無いのが普通です。
この製茶場、友人は珍しく、製茶した普洱茶の一部は出荷せずに自らが管理する保管庫で熟成させています。保管庫はさほど大きくないため、その年の最も思い入れのある普洱茶を1ロット分入倉、熟成させているそうです。
この保管庫は徹底的に温湿度管理がされていて、保管庫内の至る所に温湿度計が設置されています。温度や湿度によって外気を入れたり、締め切ったりとこちらも細かくチェック、管理されています。また、保管庫内も土足厳禁、髪の毛を出したまま入らないなど、製茶場と同様の衛生管理もされています。


濃香系鉄観音と呼ばれる焙煎を施した鉄観音は、品質のあまり良くない清香系鉄観音を焙煎したり、売れ残った清香系鉄観音を焙煎しているものが多く見られますが、本来、濃香系鉄観音は清香系とは製法が異なり、元々の鮮葉の質、発酵度合いなど、全く異なる品質が茶樹栽培の時点から求められるものです。この鉄観音は鮮葉から濃香系鉄観音を作るためにこだわって作られています。

福建省安渓感徳の中でも標高1000mを超える山の中で作られた鉄観音です。鉄観音の原産地、安渓は今や随分と開発が進み、都会となっている部分も多いものですが、この鉄観音は安渓の中でも北側の感徳で作られています。感徳といっても大変広く、その中でも大変な山の中にある茶農家で作られています。標高が高いというだけでなく、電気がようやくあるのみといった昔のままの村で無農薬栽培で作られています。

感徳鉄観音 炭焙 2017秋 軽火
感徳鉄観音 炭焙 2017秋 軽火

とても品質にこだわる、そして製茶技術の高い作り手による鉄観音です。
2017年は気候にも恵まれ、大変良い仕上がりとなりました。
軽火といっても1ヶ月ほどかけて焙煎を行って仕上げます。フレッシュな味わいも残しつつ、炭焙煎の美味しさも加えたこの鉄観音は製茶に高い技術が求められます。

今楽しむのであれば上記の軽火鉄観音がお勧めですが重火(重焙煎)もご紹介いたします。

感徳鉄観音 炭焙 2017秋 重火
感徳鉄観音 炭焙 2017秋 重火

焙煎技術が高いため、通常の鉄観音よりも水分が少なく仕上がっています。(軽火も同様)時間と共に変わっていく美味しさをお楽しみいただけます。
特にこの重火は長期の後熟成を楽しむことを目的としていることもあり、大変にポテンシャルの高い茶樹の鮮葉を厳選して製茶しています。製茶してまもない今の時期はその茶樹の強さも感じます。実際の飲み頃は1年後、2018年末ごろからです。

すぐにベストな状態でお楽しみいただくには軽火をおすすめいたします。
重火との焙煎の違いを楽しむこともお勧めさせていただきたく、この重火は特別に後熟成が完了する前にご紹介させていただきます。

重火でのおすすめは2016年の秋茶が飲み頃です。

固形茶の成形

易武

今までは餅茶の成形をご紹介してきましたが、普洱茶の固形茶には色々な形があります。歴史と共に作り出されてきた形として今も伝わる固形茶の形状は様々ですが、最近増えているのが小さな丸い粒のような固形茶です。最近になって作られるようになった固形茶のため名称が定まっていないのですが、茶粒、粒茶とか小龍珠と呼ばれることが多いようです。

餅茶と同様に蒸して柔らかくした毛茶(荒茶)を1回分ずつ丸めて写真のように布で包んで口を縛り固形茶にしていきます。似たような大きさでは観光客などへのお土産用に生産されることの多い小沱茶があります。キノコの笠に似た形の沱茶をそのまま小さく1回分にしたものです。ただし、小沱茶でも沱茶の形にするためには専用の型が必要であるため、ある程度の大手ではないと生産できないという事情もありました。この粒茶は特別な型も機械も必要とせず、ここ数年、急速に作られることが増えてきています。通常サイズの餅茶のサイズでは高価になりすぎてしまうような普洱茶をこうした小さな固形茶にすることからはじまり、今では様々なグレードの茶葉でも作られるようになってきました。

易武

この友人の製茶場で使う布はこうした晒木綿のみを使っています。この素材は製茶場によって様々です。形が綺麗にできるのは布ではなくビニールです。多くの製茶場では見た目を良くするためにビニール素材を使って成形を行います。
しかしながら、ビニールは通気性がありません。成形には荒茶を軽く蒸して柔らかくして行いますが、布で包んだ後はその形を固定化するためにしばらくはそのまま休ませます。この時にビニールでは中に茶葉が不要に蒸されてしまい、味や香りに影響が出てしまいます。
ここでも品質のこだわりがあり、形は綺麗にならないけれども香りと味を損なう素材は使わないとのことで、晒木綿以外は使っていません。

易武

以前にもお話しましたが、固形茶を作ることの出来る製茶場は多くありません。製茶時期は自分たちのお茶を優先して行いますが、茶農家や固形茶の成形をすることが出来ない茶業から茶葉が持ち込まれることもあります。固形茶の製造依頼という需要も実は結構あります。
固形茶の成形は主に製茶の落ち着いた時期を狙って持ち込まれることが多いのですが、餅茶の他にも様々な形の固形茶を作るための型もありました。中には型ごと持ち込みされる場合もあるそうです。

易武

これは内飞(内飛)と呼ばれる普洱固形茶の中に入れる紙です。これだけで実はコレクターもいるほど、茶業、製茶場によって色々と違います。またビンテージの普洱茶の鑑定などでは真偽を確かめるための重要なアイテムの1つでもあったりします。
これは友人製茶場のものですが、持ち込みされる茶葉の場合は内飛も持ち込みしてもらうのだそうです。


能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014
能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014

この友人の製茶場、易武天能茶庄の普洱茶です。

使用する茶葉は易武の山深い場所にある自然のままに育った古茶樹、茶葉の殺青(発酵を止める工程)もガスではなく薪を使い、製茶機械を可能な限り使用しない昔ながらの製法にこだわっています。もちろん、圧延工程も昔ながらの石磨圧延です。

非常に高く綺麗な、そして長く続く見事な、易武の人たちの言うところの「蘭花香」が感じられます。ちょうど熟成が一段落したところで、本来持っている香り高さに加えて蜜のような甘い香りも深く出ています。易武らしい甘味は深くしっとりと、優しいミネラル感とあわせて複雑な、それでいて喉に心地よい仕上がりになっています。3年間熟成させていますが、易武での徹底した乾倉管理ということもあり、いわゆる陳香は感じられません。

飲み終えた時にはぜひ葉底、茶殻もご鑑賞ください。大変に丁寧に作られた綺麗な茶葉です。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。

普洱茶の圧延工程

易武

最近は散茶も増えてきましたが基本的には普洱茶をはじめとした黒茶は固形茶の形状をしています。これはチベットなどの辺境の地に住む人々の健康を守るも生活に欠かせないものとしてお茶が取引されていたころの名残です。現在は輸送手段も向上していますが、かつて人や馬が厳しい山を越えてお茶を運ぶ際に運びやすくするために固形茶の形状にして運んでいました。
輸送手段が向上している現在でも変わらず固形茶は作られ続けています。基本的に良いお茶は固形茶に、それほどでもない品質のものは散茶に(固形茶にまで加工しない)という伝統的な意味もありますが、味わいの深さが固形茶と散茶では違うという意味もあります。そのためか品質、味わいにこだわる作り手の方がより固形茶であることにこだわることが多いようです。

易武

普洱茶の名産地である易武でも固形茶の成形、圧延工程を行うことができる製茶場は限られます。特に昔ながらの石の重しを使った石磨圧延となると尚更です。機械で圧延するよりも熟成が柔らかく進み、味わいも香りも良くなります。この易武天能茶庄ではこの石磨圧延しか行っていません。

これは毛茶(荒茶)を固形茶にするべく1枚分の重さを計っているところです。大手の製茶場では機械で自動的に軽量して終わりですが、ここでは今ではなかなか見かけなくなった天秤ばかりで茶葉の重さを計っています。

易武

計った1枚分の茶葉は餅茶の直径に合わせた筒に入れられます。ここで茶葉を成形用の布袋に入れて、蒸気で蒸しながら餅茶の形にするべく丸い形にまとめていきます。乾燥している毛茶(荒茶)はそのままの状態で成形しようとすると砕けてしまいます。固形茶にするためには一度作られた乾燥した荒茶を蒸して柔らかくしてから行います。
これが餅茶をはじめとした固形茶が散茶に比べて味わい深く美味しくなる理由です。茶葉が軽く蒸されることで深みが増していきます。もちろん普洱茶や黒茶だけでなく、最近多く見られる白茶なども固形茶の方がより味わい深く、香りが良いというのも同じ理由です。

易武

成形用の布袋に入れて丸く成形された茶葉に重しを乗せて平らにしていきます。この重しは作る餅茶の大きさにあわせて数種類用意されています。この時はとても上質で高価な野生茶樹の普洱茶の成形を行っていたので通常サイズの餅茶ではなく、1枚100gの小さい餅茶を作っていますが(通常サイズの餅茶にすると高価過ぎて買い手がつかないために小さいサイズにしています)重しのサイズは通常サイズです。1斤(500g)サイズの大型の餅茶用の重しは更に大きく、持ち上げるのも大変です。
茶葉の熱が取れて形がある程度固定されるまで重しはそのままです。重しだけでは重量が足りない場合は重しの上に人が乗って調整します。これを1枚1枚行っていきます。かなりの重労働で、こうして実際に見ていると昔ながらの石磨圧延が行われることが少なくなってきた理由が良くわかります。

易武

形が落ち着いたら専用の棚で軽く乾燥させます。乾燥度合いを見て布袋を外して茶葉を休ませたら本格的な乾燥工程に入ります。
整然と並ぶ餅茶ですが、この餅茶は1枚1枚、こうしてたくさんの人の手で丁寧に作られています。もちろん散茶のまま販売した方が作業も減って楽になることはもちろんですが、餅茶にする工程も普洱茶の香り、味わいに重要な作業の1つなのです。日本では固形茶は量が多いから、崩すのが大変そうだからという理由で敬遠されがちですが、本来の普洱茶を楽しむには固形茶です。特に普洱生茶では大きく変わります。ぜひ固形茶の美味しさ、楽しさも楽しんでいただければと思います。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。

普洱生茶の製茶 その2

Facebookの方に動画を投稿しておりますので、こちらでもご紹介させていただきます。

雲南・易武天能茶庄の殺青風景の動画です。
友人作り手によるもので、この時は原生林にある野生茶樹をほぼ1日かけて茶摘み(早朝に出て、茶摘みを終えて戻ってくるのは夜)、夜中に徹夜状態で製茶を行っています。

この製茶場では薪による殺青をはじめ、手作りの製茶にこだわっています。
この友人は本当に製茶技術が高く、またきちんと論理的に製茶を行う稀有な作り手です。彼の作る普洱生茶は本当に美味しく別レベルです。

こちらは揉捻工程です。同じく夜間の製茶のため光量が足りない上に揉捻動作が非常に早く、静止画での撮影が難しく動画で撮影しています。

この茶業さんには揉捻機がありません。これは普通の製茶場、茶業さん、茶農家さんであってもまず考えられないことです。
動画で分かるように揉捻はかなりの重労働です。また、手による揉捻はその力の加減など、技術も必要な作業です。私自身、色々な製茶場や茶農家さんを見てきましたが揉捻機の無い製茶場は初めてです。家族、親戚による少人数、台地茶(茶畑の茶葉)は扱わず、古樹か野生茶樹のみしか扱わないような小規模な生産だから必要ないとのことですが、お茶作りに対するこだわりがとても強いと感じます。

易武

こうして色々な工程を経て毛茶(荒茶)が作られます。
これは以前にもご紹介した写真ですが、毛茶の篩分け、ゴミなどを取り除いています。(この製茶場には篩分け機もありません。)こうした作業は比較的体力を必要としないこともあってか、おばあちゃんやおじいちゃんたちの仕事になることが多いようです。
のんびりと作業しているように見えますが、実は結構手の動きが早く、確実に作業をしています。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。


居和堂 臙脂紅粉彩三果蓮子杯
居和堂 臙脂紅粉彩三果蓮子杯

居和堂は清代から続く官窯の伝統を守り続けることで知られる景徳鎮の名窯です。
原料の選出、加工、製作に至るまで徹底し、官窯としての伝統を今も守リ続けています。
中国伝統陶芸工芸大師が率いる工房として、その技術の高さ、造形の素晴らしさは中国国内だけでなく世界的にも広くその名を知られている工房です。

落ち着いた品格のある臙脂紅をベースに桃、柘榴、佛手柑という吉祥文様が描かれています。一筆一筆丁寧に描かれた粉彩の茶杯です。また、造形も素晴らしく、その大きさといい、手に馴染み非常に使いやすい形状です。厚みも非常にバランスがよく、お茶の味わい、香りを最大限に引き出します。

普洱生茶の製茶

易武

友人の易武天能茶庄での製茶をご紹介いたします。

この易武天能茶庄では昔からの製法で製茶を行っています。小さな茶農家の多い易武では比較的中規模な製茶場ですが、他の地域に比べるとかなり小さな、家族・親戚で運営する製茶場です。名作り手と名高い何能天老師が監修しながら(かなりご高齢のため現在は直接製茶を行っていません)、その跡を継いだ友人が中心となってお茶を作っています。製茶場には揉捻機はもちろん、篩分機も乾燥機もありません。基本的に手工、手作りでのお茶作りにこだわっています。

殺青工程もこうした窯で行います。現在、殆どの製茶場、茶農家においても殺青機を使用していますが、ここでは薪の火力による殺青にこだわります。ガスや電気では味わい、香りが変わってしまうとのこと。薪による殺青は殺青機と違い製茶技術が要求される難しい作業です。

易武

薪の原料にもこだわります。基本的には易武の山で取れた木材を使用しますが、原料の茶葉の状態、仕上がりのイメージにあわせて木材の種類を変えていくのだとか。

薪による殺青は人の手によるところが大きいため、どうしても殺青にムラが出ます。このムラによる揺らぎがこうしたお茶の美味しさを作り出していくと考えます。大手製茶場のお茶は機械を使用して殺青も均一に行われますが、やはりどこか均一的になりがちです。薪による殺青は火力の調節なども加わり大変な作業ですが、その揺らぎが味わいにちょっとした変化をもたらしたり、香りに高さを加えたり、味わいに深みを与えていきます。また熟練した作り手が実際に手に触れながら、その目で確認しながら行う製茶は機械の製茶ではできません。

易武

これは鮮葉を萎凋しているところです。最近では普洱茶でも萎凋を行うことは時間や手間がかかるので行われなくなりつつあります。しかしながら、萎凋を行うことで香りや味わいが格段に良くなることは事実です。生産性を考慮する場合に萎凋工程を短縮、あるいは無くしてしまうという傾向が強いのですが、ここではしっかりと萎凋を行います。作るお茶のイメージによっては醗酵まで行うこともあるそうです。

山深い場所にあるとはいえ、雲南、西双版納の日ざしは強く、萎凋は基本的に日陰で行います。青空の下ではあっという間に鮮葉が焼けてしまうのだとか。
ここは作り手でもある友人作り手の奥様が頻繁に香りや茶葉の状態を確認しながら萎凋を進めていきます。

易武

野外ではできたばかりの毛茶(荒茶)を乾燥させています。普洱茶は晒青緑茶を元に作られています。
(晒青緑茶を天日で殺青すると誤った説明を見かけますが、晒青緑茶は乾燥工程が天日という意味です。)
この乾燥工程も最近では乾燥室、乾燥機を使用することが増えていますが、ここではそのような設備はなく、全て天候次第、太陽の光を使用して行っています。
普洱茶は麹菌による後発酵が行われるお茶であるため、乾燥室や乾燥機を使う場合でもかなり低温で時間をかけて行います。(高温で乾燥を行うと茶葉表面にいる麹菌が殺菌されてしまうため)それでも天日による乾燥よりもずっと楽で安定しているので普及しています。それもそのはず、太陽の光で乾燥させていると言っても頻繁に茶葉の状態を確認し、天地を返して均一に日の光があたるように調整しながら行っています。なので休む暇もないという状態です。西双版納の日ざしの強さは乾燥工程でも同様で、日差しが強すぎたり、茶葉の乾燥度合いによっては木陰に移動させたり、日よけを用意したりと本当に大変な作業です。


能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014
能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014

易武天能茶庄の乾倉で3年間、大切に熟成させています。

使用する茶葉は易武の山深い場所にある自然のままに育った古茶樹、茶葉の殺青(発酵を止める工程)もガスではなく薪を使い、製茶機械を可能な限り使用しない昔ながらの製法にこだわっています。もちろん、圧延工程も昔ながらの石磨圧延です。

非常に高く綺麗な、そして長く続く見事な、易武の人たちの言うところの「蘭花香」が感じられます。ちょうど熟成が一段落したところで、本来持っている香り高さに加えて蜜のような甘い香りも深く出ています。易武らしい甘味は深くしっとりと、優しいミネラル感とあわせて複雑な、それでいて喉に心地よい仕上がりになっています。3年間熟成させていますが、易武での徹底した乾倉管理ということもあり、いわゆる陳香は感じられません。

飲み終えた時にはぜひ葉底、茶殻もご鑑賞ください。大変に丁寧に作られた綺麗な茶葉です。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。