易武の原生林

易武

易武古鎮の友人が原生林の中にある茶樹の茶摘みを行うということで同行させていただきました。
温暖な西双版納では早いところでは2月から茶摘みが行われますが、山深い場所の茶樹は5月近くになってようやく茶摘みができるというところも少なくありません。この日に行く予定の茶樹もそのような場所にあり、地元の人間でも片道5時間はかかるという場所でした。当然車も入れず、バイクも途中までという山深い場所で、危険すぎるために最初は同行することを断られてしまったのですが、何とか同行させていただきました。

美しい景色ではありますが、道らしい道もなく、途中で川の中を歩くしか無いという場所もあり、単に茶摘みといっても本当に大変です。また、4月とはいえ雲南の西双版納では1年で最も暑い時期を迎えます。歩くだけでも大変な状態ですが、傾斜もきつく、野生茶樹の茶摘み、製茶がいかに大変なことなのか実感できました。(これでも比較的行きやすい方ではあるそうです・・・)

易武

これはかなり手前の方ですが、このような道とは言えないような、殆ど獣道を何時間も進んでいきます。最初はバイクで向かいますが、この後すぐにそのバイクも走行不可となります。殆ど原生林のため、倒木が多く、大きな倒木の場合はそこでバイクを停めて歩いて進むしかありません。

また、毒虫はもちろん、毒蛇なども多く生息している地域です。この時にも大きな毒蛇を見ました。噛まれると殆ど助からないという、日本では想像しにくいような強力な毒を持つ蛇だそうです。他にもミャンマーとの国境が近いということもあり、麻薬取引が行われていることもあるそうで、隊から絶対に離れないようにと告げられるほどでした。美味しいお茶にはこのような人たちの努力と苦労があるのですね。

易武

早朝から何時間も歩き続けて数時間、昼すぎにようやく目的の茶樹に到着しました。
数日前に新芽の状態を確認しに来ていたとのことで(この行程を何度も往復しているということも驚きなのですが)綺麗な大葉種の新芽が出ていました。大変大きな茶樹で実際には木に登って茶摘みをするほどです。そして茶摘みが終わったら来た道を下山。深夜まで製茶が続きます。

この野生茶樹に限らず切り戻しを行っていない喬木の茶樹は以前にもブログでご説明したように木登りをして茶摘みを行います。民族衣装を着た摘み子さんたちがそういった茶樹の茶摘みを行っている写真を見たことのある方も少なくないと思います。整備された平らな場所にある茶樹の場合は足場を組むこともありますが、傾斜が厳しい場合や原生林にある茶樹の場合は足場を組みことはまずできません。決して登りやすいとはいえない木に登って茶摘みを行うしかありません。
あまり問題にされることはないのですが、この際に木から転落、十分な治療を受けられず後遺症が残ってしまうというケースは意外と多いのです。もともと、山の中であったり、一番の集落である易武郷まで戻っても数時間、そこにも日本人が思う十分な治療のできる病院はありません。

易武

普洱生茶の価格は年々上昇しています。不当な価格の上昇は受け入れられるものではありませんが、高い値のつく普洱茶は実はこういった驚くような苦労とリスクを抱えて作られています。こうして作られたお茶は本当に美味しく、茶樹のパワーが伝わってくるかのような宝物のようなお茶です。そういった人々の努力と苦労も思って大事に何年もかけて楽しんでいこうと思います。


雲南の友人から届きました。
普洱の思茅、景谷茶山(苦竹山)では早くも茶摘みが始まったそうです。
これは彝族の方による製茶です。

当店取扱のお茶は高地や山深い場所にある茶樹からのものが多く、茶摘みは例年、雲南でも3月中旬以降、四川でも3月下旬頃(入荷は4月中旬頃)のものですが、春の訪れを感じますね。


四川高山桂花紅茶 2017
四川高山桂花紅茶 2017

入荷が遅れておりました四川高山桂花紅茶が入荷しました!

今回は通常、桂花紅茶には使用されることのない最高品質のゴールデンチップが美しい紅茶を特別に選んで作られています。花茶は桂花紅茶に限らず、その花の香りを楽しむという性質上、それなりの品質の茶葉を選ぶことが殆どです。この桂花紅茶はそのまま単独の紅茶としても美味しく香り高く楽しめる品質の紅茶をベースに使用しているため、桂花の優しい香りに加えて、紅茶本来の甘い香りも楽しめます。

茶葉はもちろん、使用する桂花も無農薬で作られている、当店向けに特別に作っている桂花紅茶です。

大益 老茶頭 2016年
大益 老茶頭 2016年

秀逸なプーアル熟茶の代表格としてリピートされる方も多い、大益の老茶頭が入荷しました!

茶頭を磚茶の形に固めたものです。
茶頭というのはプーアル熟茶を製造するのに必要な渥堆工程(麹菌などによる後発酵)で発生する、いわゆる半端モノです。渥堆工程では積み上げた茶葉に水をかけ、温度と湿度を上げた状態で後発酵を行います。その発酵過程で茶葉同士が固まりになってきます。それを人間が鍬のような道具でほぐしていくのですが、そこで発生する、特に熟成が進んだために、ほぐしきれなかった塊を茶頭といいます。

しっかり熟成が進んでいる良質の茶葉が多く、お値打ち品です。
モウ海茶廠(大益)は熟茶の技術には定評があり、この茶頭も非常に評判が高く人気があります。