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碧露軒茶芸館

碧露軒茶芸館

成都を出て北京まで戻って来ました。

北京は南の上海や杭州などと違って茶芸館といったイメージが無いかもしれませんが、日本の料亭のような役割を持っているビジネスの場としての茶芸館は実は結構あります。中国でビジネスというと白酒で乾杯のイメージが強いですが、きちんとした商談を行う時にはお酒は飲まず、こういった茶芸館で行うそうです。意外と知られていませんよね。

今回お連れしていたお客さまに、美しい茶芸を楽しめて、ゆっくりと落ち着ける茶芸館を一度体験していただこうと碧露軒茶芸館に行ってきました。ここは以前にも何度か来ている茶芸館ですが、中国大陸ではかなり上位に入るのではないかと思うほどに美しい茶芸を見ることができます。
また、国際倶楽部飯店(St.Regis Beijing/セントレジス北京)に併設しているマンション楝の1階にあることもあって、とても豪華で素敵なインテリアと雰囲気も楽しめます。深夜1時位まで営業しているのも嬉しいです。夜の北京を楽しんだ後に行っても大丈夫です。

碧露軒茶芸館

個室と普通の半個室席が選べます。個室の場合は別途個室料金がかかります。(個室の広さなどによって個室料金は変動します。)私たちは秘密の商談をすることもないので普通の半個室席で。完全な個室にはなっていませんが、十分落ち着けます。

茶譜(お茶のメニュー)は緑茶から青茶、普洱茶などかなり揃っています。中にはかなりビンテージの経ったプレミア物の普洱茶も揃っています。ただし、ビジネス用の茶芸館という上に、ここは北京でもかなり高級な茶芸館ですので価格は高めです。
私たちは鳳凰単欉の蜜蘭香を選びました。煎持ちの良いお茶の中では一番お手頃で、確か600元位(この時期は7800円位でした)です。ここにサービス料などが加算されますが、こういったスタイルの茶芸館は1グループで1つのお茶を楽しみますので、人数で考えればそれほどでもないですし、この雰囲気、茶芸の美しさを考えたら良心的だと思います。

碧露軒茶芸館

お茶をオーダーすると担当の茶藝師さんが茶道具一式などを持ってテーブルに来てくれます。このお店は目の前でお茶を淹れてくれるスタイルです。
ここで働く茶藝師さんたちは茶藝師の専門学校の卒業生だそうです。茶藝師の専門学校といっても、かなり本格的なもので、良くあるカルチャースクール的なものではなく、全日制の専門学校とのこと。その卒業生の中から選ばれた彼女たちの茶芸は本当に美しくて見応えがあります。
もちろん淹れてくれるお茶もとても美味しく、もう飲めませんと言わない限り、ずっとお茶を淹れてくれます。みなさん、とても良い方ばかりで、茶藝師の専門学校の話やお茶の話などをしながら一緒にお茶を楽しみました。

それと、こちらの店長さんがとても素敵な女性です。芯の強さと優しさを持っている女性で、この時は話が弾んで彼女のとっておきのお茶まで特別に出していただき、スタッフの方も含めてみんなで楽しむことに。
お茶の縁ですね。またお会いしましょう。なんて言葉もいただいて、帰り道は心まで心地よい余韻でいっぱいでした。

碧露轩茶艺馆(国际俱乐部店)
中国・北京市朝阳区建国门外大街21号北京国际俱乐部饭店公寓1楼
010-65327008


鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

鳳凰単欉 草蘭香
鳳凰単欉 草蘭香

この草蘭香は2012年の鳳凰単欉の中では最高の香気と滋味を持っています。
烏崠山の中でも標高1000mを越える高い場所にある1本の老欉(老茶樹)から作られるため、非常に生産量が少なく年間10キロしか作ることができない貴重な鳳凰単欉です。こうした高山にある老欉から作られるお茶には特韵と呼ばれる特別な香気、味わいがあります。この草蘭香はその特韵が良く出ている素晴らしい出来上がりとなっています。
この上なく上品な甘い花の香りを感じていただけます。
最高の鳳凰単欉を味わってみたい方に自信を持っておすすめします。


発送業務お休みのお知らせ

4月11日から15日までのあいだ、中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。

4月9日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日10日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、4月9日中に入金確認ができたご注文を4月10日に発送させていただきます。それ以降のご注文は4月16日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

老舎茶館

老舎茶館

四川省でのお茶の旅も終わり、輸出手続きなどで北京へ。
少し開いた時間に有名な老舎茶館へ行ってきました。

老舎茶館は小説家、劇作家として有名な老舎にちなんで命名された茶館です。
1988年創業の老舗で、今も伝統的演芸も楽しめる茶館として人気があります。
国賓も訪れることがあるとか。

老舎茶館

大碗茶の屋台も残されています。
1980年代に老舎茶館となり、現在に至っていますが
元々は大碗茶と呼ばれる「どんぶり茶」のお店でした。
1杯2分という安さでとても人気があったそうです。

私たちが行った際には販売されていませんでしたが
今も1杯2分という価格を守って大碗茶の販売が続けられています。
(10:00〜16:30までの販売だそうです。)

老舎茶館

時間帯によっては演芸鑑賞もできますが、私たちは茶館へ。
一般的な茶館と同じく個室が選べます。
個室によって料金が変わりますので(個室代)どの個室が空いているのかなどを聞いて決めます。

個室に案内されたらオーダーするお茶を決めます。
基本的には個室についた茶藝師の女性がお茶を淹れてくださいます。
私たちは鳳凰単欉をお願いしました。

北京にはこの老舎茶館の他にもいくつかの茶館があります。
それぞれ特色がありますが、主にはビジネス接待などで使われる高級茶館です。
この老舎茶館はどちらかと言うと観光客向けの茶館になりますので
最高の茶藝とはいきませんが、お値段も比較的お手頃で
北京の茶館を体験してみたいという方にはお勧めです。

今回はちょっと長いお茶の旅でしたが、この老舎茶館でその旅も終わりです。

この旅で訪れた北京、四川での茶縁は新たに広がりつつあります。
また近いうちに旅に出ますので、美味しいお茶などのご報告ができればと思っています。


古玉 茶荷 Aタイプ
古玉 茶荷 Aタイプ

白磁のシンプルな茶荷が入荷しました。
上質な白磁を使用しています。
シンプルなデザインですので他の茶器との相性を気にせずにお使いいただけます。
茶荷は軽視されがちですが、1つ持っているととても便利な道具の1つです。

幅の広いタイプもございます。
古玉 茶荷 Bタイプ

紫砂茶玩 ウサギとコウモリ
紫砂茶玩 ウサギとコウモリ

丁寧に作られたウサギとコウモリの茶玩です。
ウサギは長い耳で福を集め、物事がトントン拍子に進む縁起の良い動物とされています。
コウモリも同様に蝙蝠の「蝠」が「福」と同じ音で呼ばれるため、中国では大変縁起の良い動物です。

北京・お茶の旅

北京・馬連道

お茶を仕入れるのに北京へ行くのは少し変わっているかもしれません。
一般的にお茶を仕入れる場合は中国でももっと南の広州の芳村茶葉市場や福建省や浙江省の茶産地から直接買い付けることが殆どではないかと思います。
実際に北京でお茶を仕入れていますというと驚かれます。

北京には馬連道茶葉市場という中国でも2番目に大きなお茶市場があります。(1番大きい市場は広州の芳村茶葉市場です。)
その規模は秋葉原の電気街を全てお茶問屋さんにしたような規模といえば感覚が伝わるでしょうか?とにかく広大です。
ここに全国からお茶が集まってきています。
特に北京はここ数年の経済発展に後押しされた政府高官をはじめとする富裕層の需要があり、品質の良いお茶が集まるようになっています。昔はジャスミン茶ばかりと言われていましたが(北京をはじめとする地域はジャスミン茶を好む地域でした)、現在はありとあらゆるお茶が取引されています。

馬連道茶葉市場が他の市場と違うのは生産者の直営店が多いことです。といっても全体の10%あるかどうかといったところですので、実際には何度も通って広大な市場を1件1件開拓していく必要はあります。
お茶市場に並ぶ問屋さんの殆どは生産者からお茶を買い付けてきて販売をしている茶商さんです。実は日本に正式輸入する場合、生産者以外から購入したお茶を輸入することはできません。検疫手続きの際には生産者による各種証明書やそれらへのサインなどが必要となるからです。正式通関ができなくなるため、市場に並ぶほとんどの茶商さんからは仕入れとして購入することができません。個人で利用するお茶を市場の茶商さんから購入するのは問題ないのですが、私たちの場合はそうはいきません。
本来であれば茶産地を回って各生産者と交渉して買い付けるべきなのですが、それでは出張費などのコストが無視できなくなりますし、その分商品の値段に反映することになってしまいます。(もちろんもっと大規模に運営していれば無視できるコストだと思いますが・・・)南北福建省、雲南省、浙江省・・・ざっと中国一周できてしまいます。中国各地を回らずに生産者と直接交渉ができることは時間もコストも有利になります。
また、他地域のお茶市場は特定のお茶に限られる品揃えであることも多いのですが(普洱茶ばかりだったり、鉄観音のお店ばかりだったりします)、馬連道茶葉市場は比較的まんべんなく様々な種類のお茶が集まってきていることも魅力的です。

お茶の生産者にとっても北京は進出したい都市の1つであるようです。市場に出店していない生産者でも産地から北京で出向いてきてくれることもよくあります。北京の茶商さんたちのネットワークで産地から生産者を招待して北京へ来てもらい、サンプルの試飲や取引の交渉といったことも頻繁に行われます。茶商さんたちの共同買付けみたいな感じです。

北京・馬連道

3月の中国出張はまず北京からスタートしました。

馬連道茶葉市場ではありませんが、普段から鈴茶堂がお世話になっている茶商さんへのご挨拶に伺います。
この茶商さんは店舗を北京の事務所代わりに使わせていただいたり、前述の茶商さんたちのネットワークに鈴茶堂も入れて下さったり、共同で仕入れしていただいたり・・・鈴茶堂の中国ベースとも言えるお店です。もうかなり長いお付き合いで鈴茶堂のパートナーというだけでなく、私たちの大切な友人でもあります。
ご挨拶した後はさっそく滞在中のスケジュールの確認です。事前に決めていた産地から来ていただく生産者の方にお会いするスケジュールの確認からはじまり、オーダーしていたお茶や商品の確認、輸出(日本へは輸入)手続きの準備など、やることは沢山あります。
近所のお店へのご挨拶も。これらの茶商さんたちとも仕入れのネットワークなどでお世話になっている間柄です。

ひと通り終わったら情報共有も欠かせません。私たちと付き合いのある茶商さんたちはとても勉強熱心な方々です。それぞれのお茶の産地を故郷に持つ茶商さんたちの知識は本当に面白く、勉強になります。普洱茶のプロは雲南省出身の茶商さん。ご主人は年中雲南へ戻り良質な普洱茶を探しています。杭州の茶農家の息子でもある茶商さんは浙江省の緑茶のプロフェッショナルです。福建省出身の茶商さんご夫婦は奥さまが武夷山のご出身で武夷岩茶のプロ。ご主人は福建省南部の安渓のご出身で鉄観音のプロ。宜興出身のご夫婦は紫砂茶器の目利きです。何人もの作家さんと親しく交流されています。安徽省の茶業さんは鈴茶堂の祁門紅茶を作っているプロです。祁門と一口にいっても様々なランクがあり、祁門紅茶とは本来どうあるべきか、数日かけて徹底的に付き合ってくださったこともありました。
お茶を飲みながら、それこそ夜になって建物が閉館するまで1日中ずっと話し込んでいます。とても贅沢な時間です。そのうち秘蔵のお茶を出してきたり・・・下の写真の普洱茶もその1つでした。何と80年代の普洱茶です。

北京・馬連道

1日目は茶商さんたちへのご挨拶とスケジュール確認、情報交換で終わってしまいました。
2日目はお茶メーカーさんの事務所訪問からスタートです。
首都でもある北京は各地のお茶メーカーさんの事務所が沢山あります。
鈴茶堂がお世話になっている中国蔵茶の事務所もその1つです。北京事務所の所長は個人のお茶マニアの時からの長い付き合いで、私たちの良き友人でもあります。
今回の中国出張の目的の1つに四川省雅安市にある中国蔵茶の工場訪問があります。北京事務所所長のご好意で普段は外国人の訪問を受け付けない工場の訪問が許可されることになっていました。まずは所長にお礼と実際のスケジュール確認で事務所を訪問しました。
この時期、丁度北京では中国蔵茶のプロモーションが北京で行われていました。(ご招待いただいていたのですが、ちょうど開催日の夜に北京入りというスケジュールだったため伺うことができませんでした・・・残念です。)そのため、事務所にはいつもの所長だけでなく中国蔵茶雅安本社の幹部が勢揃いしている状態で・・・緊張しました。普段だったらお会いすることができない、中国茶の世界では先生と言われる方々にまでご紹介いただきました。ありがとうございます。

他にも翌日からの四川訪問に備えて蒙頂山の茶業さんや茶農さんへ最終連絡。現地入りしてからのスケジュールを確認して、いよいよ四川省へ移動します。


10906.13
大益 2009年 普洱熟散茶

茶商さんたちと共同買付けしたうちの1つ、大益の2009年普洱熟散茶です。
熟茶の製造技術に定評のある大益では珍しい散茶の形状です。
なによりナッツのような香ばしい香りと果物を飲んでいるかのような香りと深みのある甘みがとても美味しいフルーティなお茶です。
全くかび臭さなどはないため、冷やしても美味しくいただけます。

云南曼岗茶业 七子饼茶 2006年
云南曼岗茶业 七子饼茶 2006年

一生もののプーアル茶としてもおすすめできるのが、雲南曼崗茶業の2006年七子餅茶です。
おかげさまで最後の1枚になりました!

標高2200mにある原生林の野生茶樹から取れた萌葉を使用した特別な餅茶で、伝統的な手作業の製法を頑なに守って作っている貴重なプーアル茶です。プーアル茶でありながら清らかな蘭の香りを持ち、回甘と芳醇なうま味あふれるお茶に熟成されています。これほど素晴らしいプーアル茶にはなかなか出会うことはできません。今はもちろん、10年20年と楽しんでいただけるプーアル茶です。

あまりにも美味しくて鈴茶堂としてだけでなく自分個人用にも保管しておこうと追加在庫を現地に依頼していますが、生産量が少なく人気が高いため、まだ在庫の確保ができておりません。現在のところは次回入荷が未定になっています。
私としては見つかって欲しいのですが・・・(笑