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普洱生茶の製茶

易武

友人の易武天能茶庄での製茶をご紹介いたします。

この易武天能茶庄では昔からの製法で製茶を行っています。小さな茶農家の多い易武では比較的中規模な製茶場ですが、他の地域に比べるとかなり小さな、家族・親戚で運営する製茶場です。名茶師と名高い何能天老師が監修しながら(かなりご高齢のため現在は直接製茶を行っていません)、その跡を継いだ友人が中心となってお茶を作っています。製茶場には揉捻機はもちろん、篩分機も乾燥機もありません。基本的に手工、手作りでのお茶作りにこだわっています。

殺青工程もこうした窯で行います。現在、殆どの製茶場、茶農家においても殺青機を使用していますが、ここでは薪の火力による殺青にこだわります。ガスや電気では味わい、香りが変わってしまうとのこと。薪による殺青は殺青機と違い製茶技術が要求される難しい作業です。

易武

薪の原料にもこだわります。基本的には易武の山で取れた木材を使用しますが、原料の茶葉の状態、仕上がりのイメージにあわせて木材の種類を変えていくのだとか。

薪による殺青は人の手によるところが大きいため、どうしても殺青にムラが出ます。このムラによる揺らぎがこうしたお茶の美味しさを作り出していくと考えます。大手製茶場のお茶は機械を使用して殺青も均一に行われますが、やはりどこか均一的になりがちです。薪による殺青は火力の調節なども加わり大変な作業ですが、その揺らぎが味わいにちょっとした変化をもたらしたり、香りに高さを加えたり、味わいに深みを与えていきます。また熟練した茶師が実際に手に触れながら、その目で確認しながら行う製茶は機械の製茶ではできません。

易武

これは鮮葉を萎凋しているところです。最近では普洱茶でも萎凋を行うことは時間や手間がかかるので行われなくなりつつあります。しかしながら、萎凋を行うことで香りや味わいが格段に良くなることは事実です。生産性を考慮する場合に萎凋工程を短縮、あるいは無くしてしまうという傾向が強いのですが、ここではしっかりと萎凋を行います。作るお茶のイメージによっては醗酵まで行うこともあるそうです。

山深い場所にあるとはいえ、雲南、西双版納の日ざしは強く、萎凋は基本的に日陰で行います。青空の下ではあっという間に鮮葉が焼けてしまうのだとか。
ここは茶師でもある友人茶師の奥様が頻繁に香りや茶葉の状態を確認しながら萎凋を進めていきます。

易武

野外ではできたばかりの毛茶(荒茶)を乾燥させています。普洱茶は晒青緑茶を元に作られています。
(晒青緑茶を天日で殺青すると誤った説明を見かけますが、晒青緑茶は乾燥工程が天日という意味です。)
この乾燥工程も最近では乾燥室、乾燥機を使用することが増えていますが、ここではそのような設備はなく、全て天候次第、太陽の光を使用して行っています。
普洱茶は麹菌による後発酵が行われるお茶であるため、乾燥室や乾燥機を使う場合でもかなり低温で時間をかけて行います。(高温で乾燥を行うと茶葉表面にいる麹菌が殺菌されてしまうため)それでも天日による乾燥よりもずっと楽で安定しているので普及しています。それもそのはず、太陽の光で乾燥させていると言っても頻繁に茶葉の状態を確認し、天地を返して均一に日の光があたるように調整しながら行っています。なので休む暇もないという状態です。西双版納の日ざしの強さは乾燥工程でも同様で、日差しが強すぎたり、茶葉の乾燥度合いによっては木陰に移動させたり、日よけを用意したりと本当に大変な作業です。


能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014
能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014

易武天能茶庄の乾倉で3年間、大切に熟成させています。

使用する茶葉は易武の山深い場所にある自然のままに育った古茶樹、茶葉の殺青(発酵を止める工程)もガスではなく薪を使い、製茶機械を可能な限り使用しない昔ながらの製法にこだわっています。もちろん、圧延工程も昔ながらの石磨圧延です。

非常に高く綺麗な、そして長く続く見事な、易武の人たちの言うところの「蘭花香」が感じられます。ちょうど熟成が一段落したところで、本来持っている香り高さに加えて蜜のような甘い香りも深く出ています。易武らしい甘味は深くしっとりと、優しいミネラル感とあわせて複雑な、それでいて喉に心地よい仕上がりになっています。3年間熟成させていますが、易武での徹底した乾倉管理ということもあり、いわゆる陳香は感じられません。

飲み終えた時にはぜひ葉底、茶殻もご鑑賞ください。大変に丁寧に作られた綺麗な茶葉です。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。

居和堂 臙脂紅粉彩三果蓮子杯 / 大紅袍朱泥 楊嬌 匏尊 / 感徳鉄観音 炭焙 2017秋 入荷しました!

先行予約販売を行っておりました鳳凰単叢 芝蘭香 高山雪片ですが、おかげさまで完売いたしました。ありがとうございます。
一般販売は行いませんのでご了承ください。
今回ご紹介した雪片はたいへん品質がよく、昔からの製法で丁寧に製茶されています。一般的な雪片は早く消費するように言われることが多いのですが、今回の雪片は時間の経過と共に変わる香り、味わいもお楽しみいただけます。ぜひお手元でゆっくりとお楽しみください。


居和堂 臙脂紅粉彩三果蓮子杯
居和堂 臙脂紅粉彩三果蓮子杯

居和堂は清代から続く官窯の伝統を守り続けることで知られる景徳鎮の名窯です。
原料の選出、加工、製作に至るまで徹底し、官窯としての伝統を今も守リ続けています。
中国伝統陶芸工芸大師が率いる工房として、その技術の高さ、造形の素晴らしさは中国国内だけでなく世界的にも広くその名を知られている工房です。

落ち着いた品格のある臙脂紅をベースに桃、柘榴、佛手柑という吉祥文様が描かれています。一筆一筆丁寧に描かれた粉彩の茶杯です。また、造形も素晴らしく、その大きさといい、手に馴染み非常に使いやすい形状です。厚みも非常にバランスがよく、お茶の味わい、香りを最大限に引き出します。

楊嬌 匏尊
楊嬌 匏尊

朱泥の中では最高品質の大紅袍を使用した茶壺が入荷しました。

楊嬌は非常に技術力の高い女性紫砂作家です。
若くして紫砂大師となった範澤鋒の一番弟子として、その高い技術力、センスの良さで非常に注目されている作家です。既に作品の入手が難しくなりつつあります。師との長い付き合いということもあり、入手が可能となりました。
また範澤鋒を中心とする技術力の高いことで知られる工房、龍徳堂で保有する大紅袍の使用許可を受けているということでも、将来が楽しみな作家です。


濃香系鉄観音と呼ばれる焙煎を施した鉄観音は、品質のあまり良くない清香系鉄観音を焙煎したり、売れ残った清香系鉄観音を焙煎しているものが多く見られますが、本来、濃香系鉄観音は清香系とは製法が異なり、元々の鮮葉の質、発酵度合いなど、全く異なる品質が茶樹栽培の時点から求められるものです。この鉄観音は鮮葉から濃香系鉄観音を作るためにこだわって作られています。

福建省安渓感徳の中でも標高1800mを超える山の中で作られた鉄観音です。鉄観音の原産地、安渓は今や随分と開発が進み、都会となっている部分も多いものですが、この鉄観音は安渓の中でも北側の感徳で作られています。感徳といっても大変広く、その中でも大変な山の中にある茶農家で作られています。標高が高いというだけでなく、電気がようやくあるのみといった昔のままの村で無農薬栽培で作られています。

感徳鉄観音 炭焙 2017秋 軽火
感徳鉄観音 炭焙 2017秋 軽火

とても品質にこだわる、そして製茶技術の高い茶師による鉄観音です。
2017年は気候にも恵まれ、大変良い仕上がりとなりました。
軽火といっても1ヶ月ほどかけて焙煎を行って仕上げます。フレッシュな味わいも残しつつ、炭焙煎の美味しさも加えたこの鉄観音は製茶に高い技術が求められます。

今楽しむのであれば上記の軽火鉄観音がお勧めですが重火(重焙煎)もご紹介いたします。

感徳鉄観音 炭焙 2017秋 重火
感徳鉄観音 炭焙 2017秋 重火

焙煎技術が高いため、通常の鉄観音よりも水分が少なく仕上がっています。(軽火も同様)時間と共に変わっていく美味しさをお楽しみいただけます。
特にこの重火は長期の後熟成を楽しむことを目的としていることもあり、大変にポテンシャルの高い茶樹の鮮葉を厳選して製茶しています。製茶してまもない今の時期はその茶樹の強さも感じます。実際の飲み頃は1年後、2018年末ごろからです。

すぐにベストな状態でお楽しみいただくには軽火をおすすめいたします。
重火との焙煎の違いを楽しむこともお勧めさせていただきたく、この重火は特別に後熟成が完了する前にご紹介させていただきます。

重火でのおすすめは2016年の秋茶が飲み頃です。

易武の風景

易武

易武郷自体もかなり山奥といった場所にありますが、易武茶山全体からみれば入り口となる場所です。西双版納の茶産地の中でも易武は資本の大きい企業とも言えるような茶業さんが少ないのですが、数件ある大きな茶業さんはこの易武郷にあります。
易武郷から少し外れると易武古鎮と呼ばれる昔からの集落があります。易武郷は大きな茶業さんや製茶の時期は賑わうホテルが数件、その他は人々の日常生活に必要な食材や日用品の市場や商店、食堂などがありますが、易武古鎮は住居かとても小さな茶業さんがあります。

古鎮の茶業さんでは易武茶山のもっと奥にある麻黑寨や曼撒寨などいった場所などから持ち込んできた茶葉を製茶しています。茶葉は鮮葉の場合もあれば、茶農家さんから買い付けた毛茶(荒茶)など様々です。実際、とても小さな茶業さんが多く、製茶技術のレベルもバラバラです。餅茶の成形を行うことのできる設備や技術を持つ製茶場は少数で、製茶場としての認可を受けていない茶業さんも少なくありません。昔ながらといってしまえばそれまでですが、今後は衛生管理や原材料となる茶葉のトレースなども課題となってくると思いますが税金の問題もあり、意識や知識の向上といった部分は、まだ時間がかかるのかもしれません。(当店では認可を受けていない製茶場、茶農家からの仕入れは行っていません。)

易武

普洱茶は日光の力を借りて作られます。この時期の易武は至る所で茶葉を乾燥させている光景が見られます。萎凋を行っているもの、揉捻が終わって乾燥工程にあるもの、餅茶の成形が終わり固形茶の乾燥工程にあるものなど様々です。勐海(モウ海)などでは比較的機械化されている固形茶の乾燥工程でも易武では殆どが日光を使って乾燥させています。設備がないということもありますが、日光を使った方がより味わいが深くなると易武の人たちは口にします。自然の光だけに強すぎる日は影を作ってその光を弱めたり、弱い日は太陽が出てくるまでじっと待っていたり、お茶を作る仕事もなかなか大変です。

こうして茶葉を並べて萎凋や乾燥を行っている間にも頻繁に試飲します。この茶葉はどの程度の強さで、萎凋の程度はどの程度がいいのか、陽の光が強すぎていないかなどを確認しながら製茶を進めていきます。のどかな風景に見えますが、春の製茶時期は静かな戦いの場です。最後まで全ての工程でベストを尽くすべく徹底的に茶葉の状態を確認しています。特に鮮葉に近い状態の茶葉は製品茶の状態のお茶よりもはるかに刺激が強く胃にかなり負担がかかります。舌が鈍るので茶菓子などを一緒に食べるということもできず、茶師さんたちの胃もこの時期は大変です。

易武

これは友人の親戚が営む製茶場です。同じ古鎮の中にあり、ここでも餅茶の成形を行うことの出来る数少ない製茶場です。散茶や毛茶(荒茶)と違い餅茶はその製品としての普洱茶がどこの茶業から出品されたものなのかなどを明記する必要があります。製品のトレースができなければ出荷できないに等しい状態です。(私製茶などは除きます)現在は中国国内でもそういった品質に対する姿勢が厳しくなってきていることもあり、彼らの製茶場は非常に衛生的に管理されています。製茶場の敷地内は野外でもゴミ1つ落ちていない状態が普通ですし、室内に至っては更に徹底されています。日本も含め世界的にも非常に衛生的、綺麗にしていることに驚かされます。
もちろん、その反対の製茶場もあります。正直な所、ここでつくられたお茶は飲みたくないと思うようなこともあります。産地を訪れ、生産現場を確認、信頼できる人から譲っていただくというのはとても大事なことだと改めて実感しました。


中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006
中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006

中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。
元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。この藍印鉄餅は2006年に作られた、その鉄餅の復刻版です。

雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。広東入倉ですが土臭さなどは感じられません。

広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさに普洱茶熟成のお手本のように育っています。

班盆古樹純料谷花茶 2012年
班盆古樹純料谷花茶 2012年

樹齢300年以上の茶樹から完全手作りで作られた普洱生茶です。
名前の中にある「班盆」という言葉はこのお茶の産地の村の名前です。雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い場所にある村で、標高は1700~1900mという場所にあります。班盆は老班章と同様に古茶樹園が知られ、このお茶はその中でも樹齢300年以上の茶樹から作られています。

この普洱茶はまるで蜜をそのまま飲んでいるかのような、素晴らしい香りを持っているお茶です。普洱茶というと独特の香りを連想する方も多いと思いますが、このお茶は緑茶や白茶に近いような、フレッシュさを持っています。

今回、このお茶は中国で高名な普洱茶専門家である私たちの師から特別に譲っていただきました。師が自ら現地へ赴き、作った、とても貴重なお茶になります。あまりにも上質な茶葉を使用しているため、グラム数の大きくなる餅茶にすると非常に高額になってしまうために、1つ1つ小さな固形茶にしたというお茶です。
是非この機会に特別な普洱茶をお楽しみください。

易武 再訪

易武

2017年の春の雲南行きでは易武での製茶を中心に見せていただいてきました。前年12月に訪れた易武古鎮で代々製茶を営む友人の製茶場を再訪、こちらをベースに色々と見せていただきました。
12月に来た際には静かだった古鎮も4月は製茶シーズン真っ最中ということもあり、静かな中にも活気があるような、この時期独特の雰囲気に変化しています。小さな古鎮にも人が増え、地元の人たちに加えてこの時期は買い付けに来る茶商さんたちの姿も見られます。特にここ最近は中国国内で普洱茶が投資対象として注目を集めていることもあり、そのような普洱茶を買い付けようと長期間に渡って滞在するバイヤーも多く見られます。

易武

製茶自体は3月から始まりますが製茶工程自体は4月でも最盛期という状態です。毛茶(荒茶)のメンテナンスは当然、広い茶山ではまだ茶摘みも始まっていない場所もかなりあります。一口に易武といっても茶山はとても広く、また場所によって気温などもかなり異なります。山深い場所にある野生茶樹などはこれからが茶摘み、製茶の本番ということも。
早朝に出かけていって登山、茶摘みを行って下山、戻ってくるのは夜も遅い時間という場所も多く(そういった場合はそのまま深夜まで製茶を行います)、この時期の茶師さんたちは本当に大変です。

易武

2017年の春の雲南は私たちが滞在していた時には無かったものの、大雨や雹などでかなりの減産となってしまい大変な年でもありました。易武だけでなく、勐海(モウ海)の老班章なども同様で、全体的に普洱茶の価格高騰が激しい年でもありました。
こうした話を聞くとその年のお茶はよくないのではと思いがちですが全てのお茶がよくないということではありません。大雨や雹に見舞われる前に摘み取りができた茶葉も少なくありません。また、茶山は広く、山を越えるだけで気候も変わるようなことも少なくなく、被害のない場所などもあります。茶農家さんや茶業さんも生活があるため、減産した分は価格に反映するしかないということはありますが、特に中国では縁が重視されるということもあり、信頼関係がしっかりしている場合はそれほど影響しないということもあります。なにより、こういった年は普洱茶に限らず他の茶産地も同様ですが、突出して良いお茶も出てくることも多く、自然というのは不思議なものです。

易武

易武には数日間滞在させていただき、茶摘みから製茶までじっくりと見せていただきました。
茶摘みについてはかなり山奥の野生茶樹まで行かなくてはならないということで、当初は危険すぎるので連れていけないとまで言われたものの、日本からわざわざ来たのだからと連れていっていただいたりとご迷惑をおかけしながらもたくさん勉強させていただきました。
かなりたくさんのことを教えていただいたので全てをご紹介しきれないのですが、少しずつご紹介させていただきます。


南糯山 古樹雲南紅茶 2017
南糯山 古樹雲南紅茶 2017

古茶樹で有名な雲南省南糯山の樹齢300年以上の茶樹から作られた、非常に上質な古樹雲南紅茶です。通常、雲南紅茶は俗に言う茶畑で栽培された若い栽培茶樹から作られますが(台地茶)この古樹雲南紅茶は上質なプーアル生茶を作るような、少数民族が代々大切に守ってきた古茶樹から手摘みで丁寧に摘み取られた茶葉から作られています。
毎年楽しみにされるお客さまも多く、当店でも人気の高い紅茶です。

艶やかな黒褐色の茶葉にゴールデンチップの金色が差し込んだ非常に美しい茶葉です。金色一色の雲南紅茶と違い、非常に深い甘味と複雑な旨み、古樹の持つミネラル感が素晴らしい紅茶です。

雲南紅茶は甘味を出しやすく、飲んで誰もが美味しいと思うお茶が多いものです。その反面、味わいが単調で飽きやすい、飲み続けにくいということもあります。この雲南紅茶は複雑さと奥行きの深さが違います。雲南紅茶は飽きやすい味わいが多く、当初は当店でもご紹介していなかったのですが、この南糯山の紅茶は私たちの認識を覆すものでした。自信を持っておすすめいたします。

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。

2018年 あけましておめでとうございます

雲南シーサンパンナ
中国雲南省西双版纳 景洪湄公河

あけましておめでとうございます。

2018年も中国でいつも通りにお茶に囲まれて迎えました。
おかげさまで鈴茶堂も7年目を迎え、はじめた当初からお付き合いいただいている作り手さんはもちろん、友人の紹介や偶然知り合った作り手さんたちにも、日本に自分たちのお茶を紹介してくれてありがとうと逆にお礼を言われることも多くなり、これも支えてくださっているみなさまのお陰と身を引き締める思いで年明けを迎えました。どうもありがとうございます。
日本へ輸出されるお茶となると大手企業さんのものが目立つこともあり、また、日本とはお茶の価値観が違うということもあって日本人は良いお茶を買わないという認識が多く伝わっているのも事実ですが、そういったお茶の選び方とは違うということが分かってもらえてきたのか、ここ最近は友人の紹介などで色々な作り手さんから試してみて欲しいと逆にお申し出いただくことも多くなりました。なかなか数が多く試飲しきれないほどになってきたこと、その後の自主検査など、ご紹介するまでになかなか時間がかかってしまうため少しずつではありますが、今年も美味しいお茶をみなさまにご紹介していけるように進んでいこうと思います。

新年の特別企画として、メールマガジンご購読者およびWebショップ会員の方を限定して鳳凰単欉の雪片をご用意しました。
鳳凰単欉は温暖な地域で作られることもあり、ほぼ1年を通して製茶が行われます。その時期にあわせて、春茶、暑茶(夏茶)、秋茶、雪片(冬茶)と呼ばれます。一般的に春茶が多く、また上質な茶葉として扱われますが、北風に晒されて育った新芽から作られる雪片は茶樹の力をしっかりと貯め込んだ上質なお茶として知られています。また生産量が少なく、殆どの雪片は気候の関係からも、産地の中でも低山と呼ばれる標高の低い地域の茶畑から作られることが殆どです。
今回ご紹介する雪片は低山ではなく高山にある茶畑で栽培された茶葉からつくられた、数少ない雪片の中でも更に希少な高山雪片です。
1つは芝蘭香。清らかな香りが素晴らしく、とても上質な雪片です。先行予約として特別価格でご提供させていただきます。(予約期間終了後は価格が変わります。またご予約で入荷量に達した場合の一般販売はございません。)
もう1つは更に希少な金玉蘭の老欉(古樹)で樹齢130年以上のものです。鳥肌がたつほどの素晴らしいお茶で、雪片の美味しさとはこのようなものなのかと感動するほどの味わいです。
どちらも日頃の感謝を込めて特別価格にてご紹介させていただきますが、金玉蘭は生産量が更に少ないこと、原価以下でのご提供となりますため一般販売はありません。

お申込み方法は既に配信済のメールマガジンをご覧ください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

金玉蘭 高山老欉雪片は完売いたしました。ありがとうございます。

2018.01.14 芝蘭香 高山雪片もご予約で完売いたしました。一般販売はございません。ありがとうございます。

2017年 どうもありがとうございました

福建土楼
中国福建省云水遥 客家土楼

2017年はおかげさまで鈴茶堂にとって良い年とすることができました。
今年も多くの方にご利用いただき、また、当店のお茶を扱ってくださる店舗も増え、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございます。

一方でお客さまにはご不便、ご迷惑も色々とおかけしたこともあったかと思います。
前年の倍の入荷量に増やすなど対応しておりましたが完売してしまう商品も多く、お問い合わせいただくこともありました。基本的に生産量の少ない手作り、またはそれに近いお茶が殆どのため、これ以上、入荷量を増やすことが難しい状態であったりと改善の難しい問題ではありますが、ご希望されるみなさまになるべくお求めいただけるよう作り手とのコミュニケーションを密にとって改善していきたいと思っております。
また、お茶会の開催ができなかったことも申し訳なく思っております。おかげさまでご注文料が増え、人手が足りなくなりつつある状態ですが、コストはなるべく低く抑えて美味しく上質なお茶をご紹介していくという基本を忘れずに改善に努めてまいります。
今年中に開催したいと思っていたお茶の淹れ方、お茶についての講習会も開催できず仕舞いでしたが、来年からはプライベートサロンにて開催いたします。とても小さなサロンですので少人数での開催となりますが、みなさまと一緒に美味しくお茶を楽しむ場を楽しみたいと思っております。

2018年も基本を忘れず、私たちが美味しい、飲みたいと思うお茶、使いたいと思う茶器だけをご紹介していきます。
私たちは日本、中国1名ずつのスタッフで運営する小さなショップですが、友人であるさまざまな茶産地の茶農家さん、作り手さんをはじめ、中国各地の茶商さんたちの協力で成り立っています。この縁と感謝を来年もお伝えしていくよう努めてまいります。

2017年もどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください。

年内発送分のご注文受付について(変更)

現在、ご注文が大変混み合っておりますため、年内発送分のご注文受付締め切りを早めさせていただきます。

12月20日24時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文、および、銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は12月20日24時までにご注文、かつ、12月23日中までに入金確認ができた場合は年内、26日までに発送させていただきます。(12月22日から24日は除く)

通常よりも発送までにお時間をいただいております。大変申し訳ありません。

2018年は1月8日から発送開始となります。

ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

木舞屋

木舞屋

鈴茶堂のお茶をお楽しみいただけるお店が増えました。
四谷三丁目駅近くの荒木町にある木舞屋(こまいや)さんです。

木舞屋(こまいや)
東京都新宿区荒木町9番地 美舟ビル201
03-3356-4526
19:00〜26:00(月・水〜金)(火曜定休)
17:00〜26:00(土) 
17:00〜24:00(日)
※水曜日のみ11:30〜ランチタイム、13:00よりカフェタイム

四谷三丁目駅より徒歩5分

鈴茶堂サイト内紹介ページ

木舞屋

懐かしい雰囲気を持つ荒木町にある小さなカウンターバーです。
木と竹を使った素敵な雰囲気のバーで、地元の人はもちろん、荒木町を訪れる人たちの隠れ家のようなバーです。扉を明けてしまえば、初めての人にも入りやすい不思議な暖かさを持ったお店です。

熟練したオーナーバーテンダーの創るカクテルが素晴らしく、鈴茶堂店主も木舞屋さんのカクテルの美味しさとその技術の高さには衝撃を受けたほどです。カクテル以外にも珍しいお酒や古いお酒などもあり、心地よく楽しめる場所です。
お茶のカクテルはもちろん、チェイサーなどにも中国茶をおすすめいたします。ご希望に合わせてご用意いたします。

木舞屋

水曜日はランチタイムも。とても美味しく、かわいらしい、おいなりさんランチが楽しめます。13時からはカフェタイムも。もちろん鈴茶堂のお茶もお楽しみいただけます。夜のバーの雰囲気と違って、竹格子の間から差し込む柔らかな陽の光に包まれた店内もまた心地よく素敵な空間です。(ランチタイム、カフェタイムは不定期にお休みする場合もあります。最新情報はFaceBookをご確認ください。)

鈴茶堂のお茶は季節に合わせて数種類ご用意しております。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

鳳凰単欉 白芽奇蘭 入荷しました! / おかげさまで6周年を迎えます / 発送業務お休みのお知らせ

しっかりと醗酵、焙煎を行ったクラッシックなタイプの鳳凰単欉の後熟成が終わり、美味しくお楽しみいただけるようになりました!

先日、広東省の産地を訪問してきたということもあり、今回はいつも以上にこだわった鳳凰単欉をご紹介させていただきます。

鳳凰単欉 蜜蘭香 2017
鳳凰単欉 蜜蘭香 2017

鳳凰単欉の中で有名な品種として知られています。日本にも多く輸入され鳳凰単欉と聞くと蜜蘭香を連想される方も多いと思います。蜜蘭香はライチやマスカット、桃の香りに例えられる華やかなお茶です。

お茶にも流行があります。数年前まで鳳凰単欉といえば蜜蘭香が最も多く栽培、生産されていました。そのため、産地の中でも低山(標高の低い位置)でも殆どが蜜蘭香の栽培という状況になり、様々な品質の蜜蘭香が流通していました。現在は蜜蘭香の流行は去り、現地では鴨屎香(ここ最近は銀花香とも呼ばれます)がそれにとって代わりました。
これは蜜蘭香というお茶にとって良いことであると考えます。
流行にのって大量生産された品質の低い蜜蘭香ではなく、本来の蜜蘭香らしさを追求する生産者のみが蜜蘭香を大事に育て製茶するようになります。今回ご紹介する蜜蘭香もそういった生産者によるもので、高山で造られた無農薬、無肥料の茶樹から作られています。

鳳凰単欉 兄弟香 2017
鳳凰単欉 兄弟香 2017

兄弟香は元々、標高1000m以上の高山地区にある樹齢200年以上の古茶樹に遡ります。
芝蘭香系の茶樹で、その味わい、香りが美味しいことから広まるようになりました。他の有名な品種に比べると栽培する茶農家も少なく、生産量の多い品種ではありませんが、深みのある味わいと優しい香りが素晴らしい鳳凰単欉です。

過去に何度か兄弟香をご紹介しようと検討したことがありますが、元々の生産量が多くないということもあって品質に納得ができるものがなく見送ってきました。今回は納得のいく品質の兄弟香をご紹介することができました。(無農薬、無肥料)

鳳凰単欉 姜母香 2017
鳳凰単欉 姜母香 2017

姜母香は鳳凰単欉の中でも古く、基本となる品種です。
基本品種の1つで、日本での知名度はそれほどありませんが、現地では非常に評価の高いお茶として大事にされています。特韵と呼ばれる素晴らしい甘さと余韻が素晴らしく、微かに清涼感とスパイシーさを感じる奥行きの深さが素晴らしいお茶です。

産地でも高山地区で栽培されている樹齢200年以上の茶樹から作られています。
無農薬はもちろん、無肥料、無剪定で栽培された、昔ながらの栽培方法、製茶方法を行っている上質な姜母香です。

既にご紹介済の鳳凰単欉も美味しくお楽しみいただけます。
特に東方紅は店主イチオシの美味しさです。


あまり日本では見かけることのない白芽奇蘭が入荷しました!

白芽奇蘭は日本での知名度の低さからか、あまり見かけることはありません。また、安価な烏龍茶として紹介されることも多く、お勧めできるような品質ではないお茶が多いという実情もあります。
今回は白芽奇蘭でも納得できる品質のものをご紹介させていただきます。

白芽奇蘭 2017秋
白芽奇蘭 2017秋

広東省との境に近い、福建省平和県の白芽奇蘭です。2017年の秋茶になります。

清代、乾龍帝の時代に命名された250年以上の歴史あるお茶です。
新芽が白っぽく、蘭の香りを楽しめるお茶として命名されました。
この白芽奇蘭の産地、平和県は山間に集落が点在するような、素朴でのどかな場所です。
この地域では蜜柚と呼ばれる果物と、この白芽奇蘭の製茶が主に行われています。
とても温暖な気候に育てられた優しい味わいが特徴です。

大変に珍しい紅茶も入荷しました!

白芽奇蘭紅茶 2017秋
白芽奇蘭紅茶 2017秋

まだ限られた生産者のみではありますが、紅茶が作られるようになってきました。元々この地域の茶樹は紅茶の生産にも向いています。結果、とても美味しく上質な紅茶ができました。

甘い花香が高く感じられます。味わいもそれに応じるように深く甘く、ニッキのような清涼感も感じられます。大変上質な紅茶です。


ご予約いただいておりました漳平水仙は先日発送させていただきました。
多くの方にご予約、ご注文いただき、どうもありがとうございます。

ご紹介をはじめた当初は全く知名度のないお茶ということもあって、人気のないお茶であったのですが、ここ数年は入荷が追いつかない状態にまでなり、大変うれしく感謝しております。
当店がご紹介する漳平水仙は品質にこだわりますため、生産量が少なく、ご迷惑をおかけすることもございますが、来年も美味しい漳平水仙をご紹介できますよう努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

2017年秋茶は全て完売いたしました。(在庫調整分も全て完売です。)
2018年5月頃に春茶のご予約受付を開始する予定です。


12月13日で鈴茶堂Webショップはおかげさまで6周年を迎えます。

2017年も今までにないほど多くのお客さまにご利用いただき、日本、中国のスタッフ共々大変うれしく感謝しております。
美味しい、安心できるお茶をご紹介したいと思って努めておりますが、多くのお客さまにご利用いただけることは本当に嬉しく励みになります。どうもありがとうございます。

7年目も変わらず、より美味しいお茶、使いやすく造形の優れた茶器をご紹介していけるよう努めてまいります。

お世話になっているみなさまにお礼の気持ちをと思い、今年も12月6日から5000円(税抜き)以上ご注文いただいた方には心ばかりではありますが、お茶のセットをプレゼントいたします。
今年は一般的には入手しにくいお茶を各産地の友人たちの協力もあり、ご用意しました。

プレゼントのご用意には限りがございますため、在庫が終わり次第終了となりますのでご了承ください。
既にたくさんのご注文をいただいております。そのため、プレゼント在庫がわずかとなっております。ご注文のタイミングではプレゼントは終了となります。ご了承ください。
終了いたしました。ありがとうございます。

周年記念のお茶のセットは終了してしまいましたが、メールマガジンご購読およびWebショップ会員様で5000円(税抜き)以上のご注文をいただいた方には、ささやかですが非売品の店主秘蔵のお茶をプレゼントさせていただきます。(セットではありません)

どうぞよろしくお願いいたします。


12月は変則的に発送業務をお休みさせていただきます。
12月22日から24日および27日から2018年1月7日まで発送業務がお休みとなります。

特に27日から来年1月7日までは中国出張となりますため、その期間のご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

12月20日17時までのご注文は翌日21日に発送させていただきます。それ以降、24日24時までのご注文は25日、26日の発送となります。

24日24時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は12月26日までに発送させていただきます。
銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合、12月24日中に入金確認ができたご注文を12月26日までに発送いたします。それ以降のご注文は翌年1月8日以降の発送となります。

また、ご注文が混みあう場合はお休み前の発送締め切りを早めさせていただく場合もございます。ご了承ください。

大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

現在、ご注文が大変混み合っておりますため、年内発送分のご注文受付締め切りを早めさせていただきます。

12月20日24時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文、および、銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は12月20日24時までにご注文、かつ、12月23日中までに入金確認ができた場合は年内、26日までに発送させていただきます。(12月22日から24日は除く)

通常よりも発送までにお時間をいただいております。大変申し訳ありません。
ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

モウ海茶廠 訪問 その2

モウ海茶廠

基本的に工場内は撮影禁止とのことで、写真はとても少ないのですが、掲載の許可をいただきましたので改めていくつかご紹介させていただきます。
これは一源井と呼ばれる井戸です。勐海茶厂(モウ海茶廠)に古くからある井戸で、圣泉(聖泉)とも呼ばれ、とても大事にされています。この井戸の水質が非常によく、今も餅茶の成形の際に使用する蒸気はこの井戸の水が使われているそうです。

工場内を一通り見学した後に、すぐそばにある研修施設でこの井戸の水を使ってお茶を淹れていただきました。とても柔らかくて甘い水で、この水を使ったお茶は優しく深みがあり、美味しくいただきました。
ちなみに工場の周囲には研修施設の他にも社員寮や社宅などが立ち並んでいて、このあたりはモウ海茶廠とその関連施設で働く人たちの集落のようになっています。とても福利厚生なども充実していて、雲南省だけでなく中国全土からモウ海茶廠へ就職しに来る人も多いのだそうです。

モウ海茶廠

現在の一源井は葉などが井戸に落ちることを防ぐために鉄帽子と呼ばれる蓋がされています。最上部はガラスになっています。中を除くとかなり深い井戸であることが分かります。10m以上の深さがあるそうで、中にはパイプが設置されていて、そこから工場内へ汲み上げられています。
苔とシダが生えていて、井戸の中は不思議な静かさを持った雰囲気になっています。

この井戸の底にも入ることができるそうです。ただし実際に製茶に使用している水ということもあり、徹底的に管理されています。入ることができる人はごく一部の方だけだそうです。

モウ海茶廠

これは熟茶の醗酵槽です。現在のモウ海茶廠ではこのように近代的な設備で醗酵を行っています。
この醗酵槽がある7号院(7号館)では40年以上にわたって熟茶の醗酵に使用する麹菌の研究が続けられています。研究施設も見せていただきましたが、様々な麹菌があり、原材料の茶葉の種類や状態、目的とするお茶の味わいや香りに合わせて使い分けを行っているそうです。
こうした近代的な醗酵槽だけでなく、昔ながらの醗酵槽も復刻版としての製品を作る際に一部使用していますが、衛生管理、製品管理という観点からも現在はこのような設備で醗酵を行うことが主流になっているそうです。

工場内はとても近代的なビルが並んでいると思えば、平屋の昔ながらの製茶場も並んでいたりします。どちらも稼働している工場で、製品によって、工程によって使い分けを行っているそうです。


プーアル熟散茶 2009年
プーアル熟散茶 2009年

普洱熟茶には定評のある勐海茶厂(モウ海茶廠)の大益・普洱熟散茶です。
大益には珍しく固形茶ではなく散茶の形状で2009年の製造です。
深みのある旨味と甘味があります。香りはナッツのような香ばしい香りとナツメのような果物の香りがあります。カビ臭さなどは一切感じません。湯温が高い時にはアミノ酸系の旨味が強く感じられます。湯温が下がってくると回甘が強くなってきて、果物のような味と香りが強く出てきます。
普洱茶は臭いと思っている方、美味しく無いお茶と思っている方にはもちろん、普段使いの普洱茶として飲みやすくおすすめです。まさに普洱熟茶の基本となるような美味しいお茶です。

新会柑 大紅柑
新会柑 大紅柑

雲南省の西双版纳勐海茶区で作られた普洱熟茶を茶枝柑と呼ばれる果実の中に詰め、焙煎、熟成を行った陈皮(陳皮)普洱茶です。
11月から1月にかけて収穫された大紅柑に宮廷級普洱熟茶を丁寧に詰め、何日もかけて低温で焙煎を行います。
大紅柑は陳皮と呼ばれる漢方として珍重される果実でもあります。年数が経過すればするほど体によく、香りが良くなるとされ、この陳皮普洱茶も10年以上保存が可能なものです。果実、大紅柑自体の品質も大変に良いものを使用しています。漢方生薬として珍重される程に品質の高い大紅柑です。

ヘタの部分を除き、中に詰められている宮廷級普洱熟茶を取り出し、大紅柑の皮を必要に応じてちぎって一緒にお茶と淹れてお楽しみください。甘く柔らかい香りが素晴らしく、また、使用されている普洱熟茶の甘味に寄り添うように一体感のあるお茶が楽しめます。とても身体が温まり、飲みやすく、バランスの良いお茶です。上質なオレンジティーのような香りと甘い味わいで、普洱茶とは思えないほどの洗練された美味しさです。