涌溪火青 産地訪問

涌溪火青

安徽省では涌溪火青の産地を訪問してきました。

涌溪火青は安徽省を代表する緑茶の1つです。とはいえ、生産量がそれほど多くないせいか、安徽省以外の場所ではあまり流通の無いお茶の1つです。安徽省以外の茶市場では殆ど見かけることはないように思います。

明代末期にはこのお茶の記録がある歴史のあるお茶で、茶葉の形がとても特徴的なお茶です。艶のある球状の緑茶で、すっきりとした爽やかな緑茶です。ガンパウダーと呼ばれる球状の緑茶と良く間違えられますが、それとは異なります。(ガンパウダーは基本的に輸出用の安価な緑茶で産地などが異なり、涌溪火青は銘茶と呼ばれる高級茶になります。)

涌溪火青発祥の地

安徽省泾县(涇県)涌渓がその産地で、茶産地の中でもかなりの田舎に位置しています。
実際、かなり山深い場所にその茶畑と工場があり、大型車の通行ができないということで、生産者の方の自家用車に分乗しての訪問となりました。おそらく雨が降り続いたり、天候によっては簡単に通行止めになってしまいそうな、そんな山奥にあります。

写真はその涌溪火青発祥の地です。製茶工場はさらに山深い場所にありました。

涌溪火青 製茶場

製茶場では木製の揉捻機がありました。
木製の揉捻機は自分たちで制作しているそうです。涌溪火青の製茶に最適になるよう、色々な工夫が行われている揉捻機です。

涌溪火青 製茶場

こちらは涌溪火青の製茶工程でも重要な掰老锅で使われる鉄鍋です。
この鍋の中で低温で加熱、長時間の整形を行うことで、特徴的な球状の緑茶に仕上がります。鍋の深さは一般的な緑茶の製茶に使われる鉄鍋よりもかなり深みのあるもので、これは安徽省に多い特徴のように思います。

涌溪火青 製茶場

こちらはその掰老锅を行う機械です。機械といっても意外と手作業が必要な部分が多く、結構大変そうな感じです。熱源は電気と炭火の両方があり(写真は電気です)、この機械も他のお茶には使われることが無いため、この地域でしか使われていないそうです。

涌溪火青 茶畑

製茶場の横にはこんな茶畑もありました。
基本的には在来種が使用されているそうですが、その在来種にもいくつかのパターンがあります。葉が大きい物もあれば小さいものも、長細い形をしたものもあれば、その逆のものもあります。どうやら在来種の中でも数系統に分かれているようでした。


2月13日からの中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
無事に帰国いたしました。明日より発送業務を再開させていただきます。
順次、品切れの茶器・茶道具なども入荷いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。


10135.1
天心岩 半天腰
岩茶の本流を感じさせるような品格のある花果香と火の香りが素晴らしく
岩茶とはこのような美味しさのあるお茶だったと再認識させてくれるような格の違う深みのある美味しさがあります。
まるで上質なモルトウィスキーのような奥行きのある複雑な味わいに仕上がっています。

10134.1
慧苑坑 瓜子金
甘く深みのある果香と柔らかい甘味のバランスが良い岩茶に仕上がっています。
煎を進めていくと甘い味わいが変化してお菓子のようなニュアンスもでてきます。
火入れの程度は中火。強すぎず弱すぎず、絶妙のバランスで火入れが行われています。

10133.1
天心岩 黄玫瑰
黄玫瑰はまだ比較的新しい品種で、2013年から本格的に収穫がはじまりました。
綺麗な優しいバラの香りのする岩茶です。
美しい琥珀のようなお茶は香りだけでなく爽やかな甘味と複雑で上品な滋味
しっかりとしたミネラル感と合わさり、上品で軽やかな美味しさがあります。