安徽農業大学での講習、試験が終わった後は、バスで同じ安徽省内にある黄山へ移動です。
同じ省内といっても広い中国のこと、安徽農業大学のある合肥から黄山へはバスで5時間以上かかりました。
途中、中国茶を学ぶものには馴染み深い長江(揚子江)を渡りました。
この長江流域で作られるお茶の量は中国全体のお茶生産量の70%近くを占めます。また、中国茶を産地で区分けする茶区も、この長江がその境界線の1つとなっている位にお茶の生産に関係の深い川になっています。写真の通り、とても川幅が広く、まるでちょっとした海の入江の一部のようです。川とは思えないほどに大きな貨物船が行き来している様子も見られます。
合肥周辺ではあまりお茶の生産はしていませんが、黄山へ向かって数時間もすると段々と茶畑が増えてきます。
このあたりは有名な黄山毛峰という緑茶の産地で、そのせいか潅木型の背の低い茶樹が殆どです。
平地に茶畑があることは滅多に無く、殆どが山深い場所の急な斜面に作られています。中国茶は本当に傾斜のきつい場所で作られることが多いですね。
山深い場所を通っているからなのか、お茶の産地だけあって霧が出やすいのか、段々と今にも雨が振りそうな曇り空になってきたのですが、一瞬雲の切れ目ができて黄山の姿を少しだけ見ることができました。
写真ではかなり小さくなってしまっていますが、実際はとても美しい幻想的な山の姿でした。
段々と霧が深くなり、山の姿も見えなくなってきました。近くにある黄山毛峰の茶畑だけが、かろうじて見えるような状態です。どんどん山深い場所へ入ってきているようです。斜面に茶畑があるのは変わりませんが、霧の深さは段違いに深くなってきています。このあたりで採れる茶葉の方が良いお茶になりそうな気候です。きっと高級茶が生産される場所なんでしょうね。
茶畑に囲まれた風景を眺めながら半日以上かけて黄山市へ到着です。
正山小種の最高級、金駿眉や銀駿眉に続くものとして作られている紅茶です。
武夷山桐木村の標高1000m以上の場所の茶樹を、立夏の前に一芯二葉で摘み取り、製茶したものです。そのため、一般的な正山小種よりも細く繊細な茶葉に仕上がっているのが特徴です。
妃子笑の中にも色々等級があります。今回鈴茶堂が入手したものは中でも最上級の特級 妃子笑になります。リンゴのような甘い果香が非常に強く、驚くほどに深みのある旨みと甘さを持つ上質な紅茶に仕上がっています。
雲南省で作られる白茶の月光美人です。
この雲南白茶は樹齢100年を越す無農薬栽培の老茶樹から一芽一葉で丁寧に摘み取り、製茶されています。太陽の光ではなく、静かな月の光を浴びて緩やかに微発酵、乾燥の工程を経て作られます。
この白茶は2008年に作られています。白茶はプーアル茶などと同様に時間が経過した方が柔らかく甘みが増し、美味しくなっていきます。この2008年の月光美人も大分落ち着きが出て美味しくなってきました。
白茶は去熱を取るため夏向きのお茶とされていますが、決して必要以上の熱を取ってしまうようなことはありません。むしろ白茶の持つ強力な抗酸化作用や美肌効果で乾燥が激しいこれからの季節にもお勧めです。
餅茶の形状をしていますので長く保存しやすくなっています。1枚は平均して357gですので120回近くお楽しみいただけます。