12月のワークショップにご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
今月は以下のお茶でした。
鳳凰単欉 夜来香 2021
中国・広東省潮州市潮安県烏崠山大庵
伝統 九曲紅梅 2021
中国・浙江省大湖山
九曲紅梅磚茶 2011
中国・浙江省大湖山 および 湖南省益陽
(回により)
冰島 古樹晒紅 2019
中国・雲南省临沧市勐库冰島村
今月はちょっと面白いお茶を淹れていただきました。
いつもお世話になっている陳和震老師から実験的に作ったという九曲紅梅磚茶をいただきました。紅茶である九曲紅梅を磚茶(固形茶)にしたものを湖南省に送り、茯茶と同じ金花と呼ばれる冠突散囊菌で10年間発酵を行ったものです。この「九曲紅梅磚茶」と元々の九曲紅梅を淹れ比べてみました。
最初の頃は黒茶らしいニュアンスがあるのですが、煎を重ねていくと普通に美味しい紅茶に戻ってしまいます。これは「紅茶品種を使った黒茶」ではなく、「紅茶に金花発酵を行った黒茶」であったからだと思います。なかなか面白い試みだとは思いますが、黒茶としては微妙なところです。
ただ、老師が名人と呼ばれるのには、こうした好奇心と探究心の強さに導かれる技術向上があってこそなのだと思います。もう引退されてもおかしくないご高齢ではありますが、いつまでも元気で美味しいお茶を作り続けてほしいです。老師の作った実験的なお茶は他にもあります。またみなさんと味わってみようと思っています。
最後に店主が淹れたお茶はこちらです。
楊聘號 班禪緊茶 2008
中国・雲南省西双版納
班禪緊茶は元々、民国初期にチベットのパンチェン・ラマのために作られた緊茶でした。民国初期に数年間作られたものの、その後一旦途絶えてしまい、これはその復刻版です。いろいろなメーカーから復刻版がだされていますが、これは楊聘號のものです。
楊聘號は私人茶庄の1つで、私人茶庄の例にもれず毛沢東主導による主要産業の国営化に飲み込まれてしまい、一度消滅してしまいました。2000年に復活し、その際に古六大茶山の古茶樹を使って製茶を行うことを名言しています。この班禪緊茶も復活まもない時期であったこと(復活したばかりの頃は特に品質に気合のはいったお茶であることが多いです)、おそらくこのお茶も古六大茶山の古茶樹を使用していると思われます。
古茶樹としか思えない茶葉本来が持つ強さと優しさ、深みのある味わいが、13年の歳月を経ることで奥行きのある、驚くような美味しいお茶になっていました。久しぶりにこんなに美味しい普洱茶を味わったように思います。ワークショップのみなさまと美味しい時間を一緒に過ごさせていただくことができて嬉しいです。ありがとうございます。
1月のワークショップはお休みとなります。次期は2月、3月で行う予定です。詳細が決まりましたら現在ご参加の方を優先してお伝えさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。