普洱茶の圧延工程

易武

最近は散茶も増えてきましたが基本的には普洱茶をはじめとした黒茶は固形茶の形状をしています。これはチベットなどの辺境の地に住む人々の健康を守るも生活に欠かせないものとしてお茶が取引されていたころの名残です。現在は輸送手段も向上していますが、かつて人や馬が厳しい山を越えてお茶を運ぶ際に運びやすくするために固形茶の形状にして運んでいました。
輸送手段が向上している現在でも変わらず固形茶は作られ続けています。基本的に良いお茶は固形茶に、それほどでもない品質のものは散茶に(固形茶にまで加工しない)という伝統的な意味もありますが、味わいの深さが固形茶と散茶では違うという意味もあります。そのためか品質、味わいにこだわる茶師の方がより固形茶であることにこだわることが多いようです。

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普洱茶の名産地である易武でも固形茶の成形、圧延工程を行うことができる製茶場は限られます。特に昔ながらの石の重しを使った石磨圧延となると尚更です。機械で圧延するよりも熟成が柔らかく進み、味わいも香りも良くなります。この易武天能茶庄ではこの石磨圧延しか行っていません。

これは毛茶(荒茶)を固形茶にするべく1枚分の重さを計っているところです。大手の製茶場では機械で自動的に軽量して終わりですが、ここでは今ではなかなか見かけなくなった天秤ばかりで茶葉の重さを計っています。

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計った1枚分の茶葉は餅茶の直径に合わせた筒に入れられます。ここで茶葉を成形用の布袋に入れて、蒸気で蒸しながら餅茶の形にするべく丸い形にまとめていきます。乾燥している毛茶(荒茶)はそのままの状態で成形しようとすると砕けてしまいます。固形茶にするためには一度作られた乾燥した荒茶を蒸して柔らかくしてから行います。
これが餅茶をはじめとした固形茶が散茶に比べて味わい深く美味しくなる理由です。茶葉が軽く蒸されることで深みが増していきます。もちろん普洱茶や黒茶だけでなく、最近多く見られる白茶なども固形茶の方がより味わい深く、香りが良いというのも同じ理由です。

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成形用の布袋に入れて丸く成形された茶葉に重しを乗せて平らにしていきます。この重しは作る餅茶の大きさにあわせて数種類用意されています。この時はとても上質で高価な野生茶樹の普洱茶の成形を行っていたので通常サイズの餅茶ではなく、1枚100gの小さい餅茶を作っていますが(通常サイズの餅茶にすると高価過ぎて買い手がつかないために小さいサイズにしています)重しのサイズは通常サイズです。1斤(500g)サイズの大型の餅茶用の重しは更に大きく、持ち上げるのも大変です。
茶葉の熱が取れて形がある程度固定されるまで重しはそのままです。重しだけでは重量が足りない場合は重しの上に人が乗って調整します。これを1枚1枚行っていきます。かなりの重労働で、こうして実際に見ていると昔ながらの石磨圧延が行われることが少なくなってきた理由が良くわかります。

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形が落ち着いたら専用の棚で軽く乾燥させます。乾燥度合いを見て布袋を外して茶葉を休ませたら本格的な乾燥工程に入ります。
整然と並ぶ餅茶ですが、この餅茶は1枚1枚、こうしてたくさんの人の手で丁寧に作られています。もちろん散茶のまま販売した方が作業も減って楽になることはもちろんですが、餅茶にする工程も普洱茶の香り、味わいに重要な作業の1つなのです。日本では固形茶は量が多いから、崩すのが大変そうだからという理由で敬遠されがちですが、本来の普洱茶を楽しむには固形茶です。特に普洱生茶では大きく変わります。ぜひ固形茶の美味しさ、楽しさも楽しんでいただければと思います。


自家栽培陳皮普洱茶
自家栽培陳皮普洱茶

先日の中国出張の際に長く家族ぐるみでお付き合いしている友人茶商から自家栽培した陳皮を使った陳皮普洱茶をいただきました。帰国後に改めて飲んでみたところ、とても優しく美味しいお茶であることに驚き、ぜひ当店でもご紹介させて欲しいとお願いしたところ特別に作っていただけることになりました。

友人の故郷、浙江省で自家用に栽培された無農薬の陳皮を贅沢に使った陳皮普洱茶です。

陳皮は友人茶商の親戚が特別に栽培しているマンダリンオレンジ(陳皮の原料)を使用しています。この農家では主に佛手柑を栽培していますが自家および親戚内での消費用として無農薬・有機栽培で陳皮も作っています。
普洱茶は熟茶に定評のある大益のものを使用しています。普洱茶の専門家でもある友人のセレクトで癖のない飲みやすい美味しい普洱茶を選んでいます。

自家栽培陳皮普洱茶

元々は自家用のお茶として作られているため、ご予約分のみの製造、ご紹介となります。

一般的な陳皮普洱茶のような強い香りはなく、優しいほっとするような柑橘の香りが特徴的です。普洱茶は癖のない上質な熟茶を使用しているため、飲みやすく、さらっとした甘味が感じられます。カフェインが殆ど無いお茶でもありますのでお休み前のお茶としてもおすすめです。また、寒い季節の健康管理に取り入れるのもおすすめです。一般的な陳皮普洱茶や青柑茶の香りが強すぎて苦手という方にもおすすめいたします。

ご予約は1月28日24:00までとさせていただきます。
陳皮の量に限りがありますため、予定数を超えた場合はご予約を早期終了させていただきます。
発送は入荷後、2月10日頃を予定しております。

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。