昆明 雄達茶城

昆明 雄達茶城

2016年の12月、2017年の4月は中国雲南省へ視察、茶産地訪問をしてきました。
雲南省は言わずと知れた普洱茶の産地ですが、その他にも紅茶や白茶、緑茶など、色々なお茶を作る地域でもあります。おそらくこれだけ多くの種類を作っている省は他には無いのではないかと思うほどです。

まずは省都である昆明の茶市場、雄達茶城を見学してきました。
当店の場合、このような茶市場からお茶を仕入れるということは無いのですが、一般的な街中のお茶屋さんや一部のお茶好きな人たちは、こうした茶城と呼ばれる茶市場へ出向いてお茶を購入します。規模は地方によって様々。中国でも一番大きな茶市場は広東、次が北京と続き、他の地域の茶市場は概ねそれほど大きくないことが多いのですが、ここ昆明の雄達茶城は比較的広い方だと思います。

昆明 雄達茶城

何度も拡張をしているようで、エリアによって雰囲気も違います。やはり雲南ということもあって雲南のお茶、普洱茶が多いですね。お茶の種類はたくさんありますが、紅茶、緑茶に至ってもほとんど全てが雲南のお茶です。これは他の茶産地に近い場所にある茶市場の中でも珍しい方だと思います。大抵は他の地域のお茶もたくさん並んでいることが多いものです。例えば四川省の茶市場では鉄観音や普洱茶のお店がたくさんあり、四川のお茶屋さんと同じくらいの数です。黄茶以外のお茶はほぼ作っているという雲南ならではの光景かもしれませんね。

昆明 雄達茶城

12月ということもあってわりと閑散としています。春の新茶シーズンであれば賑わっていたのかもしれませんが、茶市場の状況が厳しいというのは昆明も同じようです。人件費や物価の上昇によるお茶の価格の上昇と(特に物価の上昇は厳しく、ここ5年で概ね3倍といったところでしょうか。)、政府による贈り物禁止キャンペーンの影響はやはりここでも決して少なくないようです。友人茶業のお店を訪問、お茶をいただきながら、厳しい状況などをお伺いしてきました。この茶市場でも閉店するお店も多く、たしかにところどころ空き店舗のままになっています。これも時代の変化なのかもしれません。

昆明 雄達茶城

時代の変化といえば、普洱生茶の仕上げ方も以前とは随分変わってきました。
普洱茶といえば時間が経過して美味しくなるものとして知られています。特に普洱生茶の良いものは成分が強く、作られてすぐは美味しく楽しむことが難しいお茶でした。地域差はあるものの、ここ最近は萎凋を長く、香り高く、製茶後の早い時期から美味しく楽しめるような製法が広がりつつあります。製茶にも時代の変化があります。
雲南では色々と試飲させていただきましたが、とても美味しく、たしかに強さは感じるものの優しく、香りが非常によく出ているのが特徴です。3年経過後はもっと美味しくなると言われたものの、あまりの美味しさに(飲んでしまって)3年ももたないのでは・・・?というほどの美味しさを持つ普洱生茶が増えています。


2017年 麻黒寨 喬木古樹茶
2017年 麻黒寨 喬木古樹茶

できたばかりの普洱生茶は強くて美味しいと感じられないと思いがちですが、このお茶は違います。雲南の普洱茶の中でも特に易武は甘いお茶であることが知られていますが、この麻黒寨で作られたお茶はその特徴がよく分かるように優しく甘いお茶に仕上がっています。香りは見事な蜜香が感じられ、飲み込んだ後の余韻も非常に長く強く感じられます。しっかりとしたミネラル感がありながらも、優しく、とても心地の良いお茶です。
普洱茶は苦手という方にもぜひお試しいただきたいお茶です。あまりの美味しさに普洱茶の認識が変わるようなお茶です。


毎年楽しみにお待ちいただいている蒙頂黄芽が入荷しています!

この蒙頂黄芽は蒙頂山主峰の標高1200m付近で栽培されている茶樹を2017年4月4日に摘み取り、製茶されています。

特有の癖が強い黄茶や、殆ど緑茶としか思えないような黄茶が増えている中、この蒙頂黄芽は黄茶本来の旨みを持ちながら癖を取り除いたような純粋に蒙頂黄芽としての美味しさを楽しめる上質な黄茶に仕上がっています。黄茶は美味しくない、癖があると思っている方にも是非お試しいただきたいお茶です。

2017年 特級 蒙頂黄芽
2017年 特級 蒙頂黄芽