高山茶園

インドネシア国営第8農園

インドネシア国営第8農園は高地にあるバンドンからも更に車で数時間かかる山の中にあります。急傾斜の山道をずっと登って行くと、日本や中国の茶園とはまたスケールの違う広大な敷地が広がっています。見渡す限り茶畑と山しかないような茶園で圧倒されます。

こちらでは主にCTC加工用の茶畑と工場があります。

インドネシア国営第8農園

プランテーション式経営の影響と思われるような茶園の責任者の自宅兼ゲストハウスがあります。私たちもこちらのゲストハウスにお世話になりました。内部は暖炉のある欧米風の住宅設備になっていて何人ものゲストが同時に宿泊できるようになっています。
高山地帯のため朝晩は非常に冷え込みます。10月というのに真冬のような寒さで、室内にあった暖炉には本当に助けられました。

インドネシア国営第8農園

茶園の中にはそこで働く人々の住宅、学校、病院、商店などが揃っています。月に何度かは市場も開かれるそうで、まるで1つの街のようになっています。聞けば、一生をこの茶園の中で過ごす人も少なくないそうで、このスケールの広さを目の当たりにすると納得できます。
とはいえ、もっとより良い仕事を求めて茶園から離れる人も若い人を中心に増えてきているそうです。このあたりの労働力の確保という問題はどこも深刻な問題になりつつあるようです。

インドネシア国営第8農園

茶園の中にあるCTCの工場です。
一般には内部は見せていただけないのですが、特別に見学させていただきました。ありがとうございます。
とても衛生的な工場で、品質保持に非常に力を入れていました。真剣にお茶と向き合う姿勢が素晴らしく、インドネシアのお茶の中でもこちらが高い品質を保ち続けている理由が理解できます。

インドネシア国営第8農園

非常に広い茶園で全てを見せていただくには数日から1週間位は必要なのではないかと思うほどでした。
しかし管理が徹底されていること、この摘み取ったばかりの茶葉の美しさを見ても、美味しいお茶が作り続けられているのが伝わってきます。


無農薬 碧潭飄雪 2015
無農薬 碧潭飄雪 2015

今年もジャスミン茶、碧潭飄雪の2015年ロットが入荷いたしました。

現在流通するジャスミン茶には完全無農薬のものはまず存在しません。というのも、茶葉よりも香りの強いジャスミンの花を栽培する場合に花が虫を引き寄せてしまうため、無農薬で栽培することが非常に難しく、茶葉は無農薬でもジャスミンは農薬を使用せざるを得ないという事情があります。

この碧潭飄雪はそのジャスミンの花においても無農薬にこだわっています。

この碧潭飄雪に使われるジャスミンの花は、木にネットをかけて栽培し、それらの木から摘み取られたジャスミンを使って作られています。非常に手間のかかる栽培方法ですので、ごくわずかの量しか作ることができません。

茶葉は四川省蒙山の標高1000m以上という高山地帯で栽培された
蒙頂甘露を使用しています。こちらも無農薬で栽培されています。

当店の碧潭飄雪の特徴は無農薬というだけではありません。
ジャスミン茶を作るためには生の花から花の香りを茶葉に移しますが、その際にどうしても花のもつ水分が茶葉に吸収されてしまいます。そのため、1晩花の香りを移した茶葉は加熱して乾燥させます。これを何日も何度も繰り返すのですが、段々と茶葉も焼けてしまいます。多くのジャスミン茶に焼けたような味が残るのはそのためです。
この碧潭飄雪にはその独特の味がありません。
非常にフレッシュで甘く爽やかな香りと味を持っています。

ジャスミン茶はどれも同じと思っている方も多いと思いますが、そういった方にぜひお勧めしたい、非常に美味しいジャスミン茶です。

南糯山 古樹滇红(雲南紅茶) 2015
南糯山 古樹雲南紅茶 2015

南糯山 古樹雲南紅茶の2015年ロットも入荷しました。

古茶樹で有名な雲南省南糯山の樹齢300年以上の茶樹から作られた非常に上質な古樹雲南紅茶です。

一般的な雲南紅茶は甘く、誰もが美味しいと思えるお茶である反面、味わいが分かりやすすぎて飲み続けるには飽きてしまう部分もあります。当店では飲み続けられる美味しさを持った雲南紅茶を探しました。

今回のこの雲南紅茶は金色一色ではありませんが、その香りと味わいの複雑さ、奥深さが違います。金色の雲南紅茶が入門向けとすれば、このお茶は上級者向け、玄人好みの味わいです。昨年にこのお茶と出会い、雲南紅茶にこれほど奥行きのある美味しさを持つものがあったのかと驚きました。
2015年は深みのある甘さが良く感じられる仕上りです。

少数民族が代々大切に守ってきた古茶樹から丁寧に作られた紅茶です。
ぜひ、大切な時間に楽しんでいただければと思います。

宜興紅茶
宜興紅茶

紫砂茶壺で有名な江蘇省宜興で作られる歴史ある紅茶です。
この地域では唐代から献上茶を作る地域として知られてきました。今も陶芸だけでなくお茶作りは変わらず続けられています。

日々、緑茶を楽しむ地域が殆どと言って良い中国の中でも、この宜興では日常的にこの宜興紅茶が楽しまれています。素直に優しく甘いこの紅茶は一度飲んでみると、宜興の人たちに愛されているのが良く分かります。

細い縒りの黒褐色が美しい茶葉から淹れた紅茶は甘く優しい花果香で、主張するような感じでもなく、自然な感じで心地よく感じられます。それに対応するように味わいも優しい甘さと奥行のある滋味が、素直に、しかし、しっかりと、身体になじむような美味しさとなって感じられます。
ここ最近、主張するような強さのある紅茶が多い中、こういった肩の力が抜けた自然体で楽しめる紅茶は貴重です。