麗江の茶馬古道

束河古鎮

雲南では西双版納の他に麗江へも再訪してきました。前回訪問した秋とちがって、この12月は訪れる人も少なく、また違った表情を見せていました。麗江の束河古鎮を中心にいくつか古鎮をまわりましたが、基本的にこのあたりは茶馬古道として栄えた場所です。今でもその痕跡が残っていて、こうした石畳も茶葉古道ならではの風景です。四川ルートも同じように石畳であったり、その跡が残っています。

束河古鎮

束河古鎮の中心から少し外れた、現在の古鎮の外周、山に沿った細い道が、かつて茶馬古道としてメインに使われていた道とのことを地元のお年寄りにお聞きして行ってきました。
人の多い中心から外れていることもあり、人影もまばらですが、側溝に綺麗な水が豊富に流れる綺麗な道でした。この側溝は昔も今も、この地に住む人々の生活用水として使われていて、果物や飲み物を冷やしたり(とても水が冷たいです)、野菜を洗ったり、この水で水撒きをしたりしています。

束河古鎮

少し歩くと観光地としてのお店などはすっかり影を潜めて、畑や地元の人向けの商店などが並ぶようになります。かなり古い建物が多く、中には既に傾いている建物もありますが、そういった建物も補強しながら使用しているようです。凄いですね。売っているのは日用品や地元の野菜や果物など。長くこの地に住む人々の生活を支え続けてきたのでしょうね。

束河古鎮

この束河古鎮は麗江の中でも水が非常に綺麗です。その束河古鎮の中でも、この茶馬古道のあたりは中心から外れているせいか更に水が綺麗なのが印象的です。
地元のナシ族のご夫婦がこうして洗い物をしている風景も素敵ですね。このあたりでは水をみんなが綺麗に快適に使用するために、野菜や果物を洗ったり冷やす場所と洗い物をする場所、洗濯をする場所と水の使用場所が決まっているそうです。

束河古鎮

この茶馬古道から少し道を外れた場所に、かつて束河茶馬王と呼ばれた王氏一族の建物が残されています。以前は束河茶馬王故居記念館として公開されていたそうですが、訪問時には閉められていました。かなり建物の損傷も多く、人気も感じられなかったので、現在は公開を中止しているのかもしれません。
それでもかつての栄華を伺わせる立派な邸宅で、茶馬古道が実際に活用されていた頃を思わせます。最盛期には3500頭以上の馬を保有し、4000人以上が働き、交易はチベットを越えてネパール、インドなどまで行っていたとか。

白沙古鎮

麗江の白沙古鎮から望む玉龍雪山です。麗江では天気が良ければ、至る所でこの山を眺めることができます。
この山の向こうはもうすぐ西蔵、チベットです。茶馬古道の雲南ルートでは西双版納をはじめとする雲南各地で作られたお茶が、この麗江を通ってチベットやその先のネパール、インドまで運ばれていました。
四川ルートも同様ですが、その自然の険しさ、そこを乗り越えて運ぶ人々の凄さを実感できます。


中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006
中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006

中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。
元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。この藍印鉄餅は2006年に作られた、その鉄餅の復刻版です。

雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。広東入倉ですが土臭さなどは感じられません。

広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさに普洱茶熟成のお手本のように育っています。

通常であれば倉熟成を行い、ここまで状態が良く、香り高い普洱茶はそれなりに高価になります。今回、黒茶専門家として大陸ではとても高名な師のおかげで現地と殆ど変らない価格でご提供できることになりました。とても美味しく、そして本当におすすめできる普洱茶です。

※1筒(7枚)でご購入をご希望の場合はお問い合わせください。(45,500円・税抜)

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。