先日の台湾出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
台湾では現地友人たちやお茶の作り手さんたちに大変歓迎していただき、普通では入手できないようなお茶を譲っていただいたり、冬茶の見通しを相談させていただいたりと、とても充実した訪問をすることができました。
新たに迎えるお茶や茶器は順次届く予定です。届き次第ご紹介させていただきます。
旅の様子も改めてご紹介させていただきます。
ご紹介が遅くなってしまった8月から9月にかけての中国訪問ですが、最初はWebと仕入れを担当させていただいている私の高級評茶員養成・受験講座の受講から始まりました。
以前から各地の茶業さん、茶農家さん、作り手さんたちから色々と教わってきてはいたものの、一度きちんと体系的に学びたいと思い始めて評茶員を受験していました。評茶員というのは簡単に言ってしまえばお茶のソムリエ、評価者のようなもので、中国では主にお茶工場などの品質評価やお茶屋さんが取得する資格です。最近は日本語での受講、受験も可能となっています。
普通にお茶を楽しむ分には必要ない資格ですが、何故このようなお茶になるのかといったことも分かるようになり、私にとっては今までの復習のようだったり、バラバラになっていた知識がそれぞれ結びつくような答え合わせのようだったり、目からウロコが落ちるような新しい知識との出会いだったりと、とても刺激的で楽しい学習経験となっています。
折角なので納得するまでやってみようと思い、日本中国茶協会が主催する上級資格の講座に参加するため、安徽省の合肥にある安徽農業大学の茶葉学部へ行ってきました。
安徽省は中国でも有数のお茶の産地です。
お茶に関する教育機関としては浙江省か安徽省の安徽農業大学かという程の名門とされています。
こちらはその受講した大学内の茶葉学部の建物です。さすが、しっかり茶葉楼と書かれています。
朝8時半から夜9〜10時までの長時間の授業でした。
評茶を繰り返し、座学もみっちり、ホテルに戻ってからは最終日に行われる試験に向けて復習と、とにかく寝る時間もあまりないような体力的にもかなり辛い5日間でしたが、かなり本格的な内容で、普通は授業を受けることができないような素晴らしい先生方の授業を受講でき、参加して良かったと今も思っています。
おかげで茶業さんや作り手さんたちとの会話も今までよりももっと深い話までできるようになり、先日訪問した台湾では「そこまで分かっているのなら・・・」と秘蔵のお茶まで出していただいたり、確実に世界が広がってきたようです。
お茶の世界は奥が深すぎて、まだまだ勉強していかなくてはならないことも沢山あるので、今後も継続して勉強は続けていきます。
受講期間中はとにかく授業漬けだったため、みなさまにお見せできるような写真もあまりないのですが、安徽省の美味しい食事をいただくことができたり、初めて訪れる合肥の街並みを少しですが楽しむことができました。
大学内はとても広く、日本ではあまり考えられないのですが学生の寮や退職した教職員の方の住宅なども敷地内にあります。写真はその学生寮の1つです。スーパーやちょっとした商店もあったりと、まるで1つの町になっています。
緑が豊かなとても綺麗な場所で、今度は受講という時間が限られた状態ではなく訪れてみたいと思うような場所でした。
出会った先生方をはじめ、学生のみなさんもとても親切にしていただき、本当に感謝しています。
安徽省のここに限ったことではありませんが、街のみなさんもとても親切で、夜、息抜きに街中を散歩していても中国語が怪しい私に色々と世話してくださったり、感謝という言葉が離れない素敵な経験をたくさんさせていただきました。
#おかげさまで高級評茶員試験に合格しました。
今年は武夷岩茶の当たり年と言われています。
とても出来の良い岩茶が多い中でも特に光っているのがこの悦明香です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。
武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。