雅安、カンゼ・チベット、アバ・チベットとまわって、ようやく成都まで戻って来ました。
以前にも行った成都の茶葉市場、大西南茶葉市場ですが、今回はお連れしていたお客さまをご案内する意味もあり、再度見学にいってきました。半年ぶりの大西南茶葉市場は鉄観音の秋茶の出荷で賑わっていました。前回は春の新茶シーズンで、四川省のお茶が沢山並んでいたのですが、今回は鉄観音が中心です。
北京の馬連道や広州の芳村茶葉市場と違って、かなり小さい印象のある大西南茶葉市場ですが(それでも中国西部最大のお茶市場だそうです)、やはり競争が厳しいのか、たった半年ぶりにも関わらずお店が変わっているところもちらほらありました。お茶市場はここ成都に限った話ではありませんが、どこも競争が厳しいようです。お茶自体の値上がりもそうですが、地代・家賃の値上がりが激しいようで、しっかり顧客を掴んでいないお店はすぐに撤退を余儀なくされる状態です。
こちらは市場の街路樹の根本です。こんなところにも「茶」の文字があります。
四川の市場ですが、意外と揃っているのは雲南省のお茶です。普洱茶はどこの市場でも人気があることもあり揃っていますが、この市場では雲南緑茶なども入手することができます。地理的に近いために、雲南省の茶業さん(製造者)が直接出店しているケースが他の地域の茶市場よりも多いように思います。
折角なのでいくつかお店を覗いてきました。勉強用にいくつかのお茶を購入したり、ご一緒していたお客さまには茶葉市場の雰囲気を味わっていただきました。
日本では市場や卸に行くと一般販売はされていないことが多いですが、中国では一般販売も業務販売もあまり区別していません。ですので、初めて訪れるお店で買い物をすることも可能です。一般販売と業務販売の違いは価格ですが、明確な区別はなく、良く買いに来てくれるお得意さまや20キロや30キロといった大量に購入する場合は安い価格で販売するなどしています。
価格は基本的に交渉ですが、中国向けのガイドブックなどに書かれているような値切り交渉はあまり意味がありません。というのも、良心的な質の良いお茶を扱うお店は元々大きく利益を乗せるような価格は提示しないことが殆どで、価格交渉もこれだけ大量に購入するならこれだけ安くできますよといった感じです。提示額の半額になるということはなく、逆に大きく値切れるようなお茶屋さんはあまり信用ができない、むしろ観光客向けのお店であることが殆どです。普段から地元の人たちが買いに来るような信頼のあるお店は、そんな商売の仕方をすると誰も来なくなってしまうんですね。
購入の単位は斤で表します。1斤は500g(台湾の1斤は600g)です。観光地のお土産屋さんのようなお茶屋さん以外の最低販売量はどこも大概、1両で50g(台湾は37.5g)です。日本だと50gも?と思ってしまうところですが、実際のところ、50gで購入する人は殆どいません。中国(台湾もわりと当てはまりますが)では本当にお茶を沢山飲むので大体は1斤単位で購入します。少なくても半斤(250g)単位で購入していて、現地の方の感覚だと半斤以下の量は逆に恥ずかしいとか。両の単位で購入すると外国人、特に日本人だと分かるそうです・・・(日本人と区別が付きにくい韓国人も斤単位で購入することが殆どだそうです)
とはいえ、大概のお店は1両から購入することができますので、もし現地でお茶市場に行くことがあれば、遠慮せずに、ぜひ覗いてみてください。購入する際には必ず試飲して納得できるものを、納得できる価格で購入してください。日本の方が思っているよりも、ずっと高価なお茶は沢山あります。日本ではお茶は比較的安いような感覚がありますが、基本的に高級な嗜好品として扱われています。びっくりするほど高いお茶でも詐欺などではなく、正当な価格であることが殆どですが、中には観光地やそれに近いお店では高額を要求するケースもありますので、自分の納得できる金額で購入するようにしてください。慣れてくるとお茶市場巡りは楽しいですよ!
とても美味しい武夷岩茶です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。
武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。
武夷山の正岩地区にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老枞水仙(老欉水仙)です。特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)の中でも齢を重ねた特別な古樹だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
煎を重ねていくほどに旨味が出てくるのもこの百年老欉水仙の特徴です。回甘も強く、喉を過ぎてからの余韻が長く続きます。上品な花の香りと落ち着きのある甘い火の香りから始まり、煎を進めるうちに果実のような香りも出てきます。
これは凄いと思える最高の武夷岩茶です。