白茶製茶場

政和大白茶種

急斜面から丁寧に手で摘み取られた茶葉は、摘み子さんがそれぞれ製茶場へ持ち込みます。摘み子さんの賃金はその茶葉の量によって決まります。まだシーズンが本格的に始まっていないこともあってか価格が確定していなかったようで、重量を量ったあとは工場長と摘み子さんの価格交渉が長く続いていました。

この白茶に限らず、物価や人件費が高騰している中国では、どこの製茶場でも摘み子さんも含めて人件費の上昇が大きな問題になってきています。単純に流通価格に反映できれば問題ないのですが、景気に陰りが見えてきていることもあって、なかなかそのまま反映できるということではないようです。そんな事情もあって、摘み子さんや作り手さんの確保は茶樹の成長度合いをみながら、ぎりぎりまで招集できないとのことでした。

白茶 製茶場

白茶は摘みとった茶葉をそのまま、揉捻などの加工をせず、なるべく人の手に触れることがないように室内の風通しの良い場所でそのまま自然に酸化発酵させて作られます。
まだ一部の茶畑でしか十分に成長していないこともあって、ほんの少しですが、このように製茶が進められていました。

白茶 製茶場

本格的に茶摘みがはじまるようになると、こちらの出番になります。
シーズン真っ盛りになると、この棚にびっしりと茶葉が並べられて製茶が行われます。まだこちらの出番はないので前のシーズンが終了した時のままになっているそうですが、その時期には床にムシロを引いて、十分に発酵した茶葉をムシロの上に落としていくそうです。
例年では新明節前に製茶が本格化するそうだったのですが、2014年は気温が低い日が続いていて、私達が訪問した新明節になってもまだ殆ど稼働できていない状態でした。

白茶 製茶場

発酵を行う部屋は製茶場の2階部分にあります。というのも、発酵時に気温が低すぎるような場合には1階のこのボイラーで温風を出して2階全体を温めることができるようになっています。
燃料は薪です。この製茶場には電気がかろうじて引かれているのみで、水道もガスもありません。周囲に居住しているのも茶業さんのご一家のみ。本当に山の中の製茶場です。

白茶 製茶場

こちらは白茶を乾燥させて仕上げているところです。
白茶の定義としては茶葉を摘み取ったまま、手を加えずに自然に酸化発酵させるのみとされていますが、実際には出来上がったお茶の中の水分量が多すぎて保存することができません。実際にはこうして熱を加えて乾燥させて仕上げています。

政和白茶

出来上がったばかりの白茶をいただきました。
美しい翠色の茶葉がとても美しく、甘く爽やかな美味しい白茶です。無肥料のお茶に共通する、喉にしっかりと残るような独特の甘さのある白茶で、本当に美味しいお茶でした。


野生寿眉
野生寿眉

普段は人の立ち入らない山の中に群生している茶樹から作られた白茶で野生種を使用しているため白茶の分類上、寿眉としていますが、丁寧に手摘みで作られた上質なお茶です。茶農家さんの自家用に作られたこのお茶を譲っていただきました。

繊細な花の香りを感じるお茶です。驚くほど粘性のある茶水はしっかりと爽やかな甘味があります。茶樹の力強さを感じさせるミネラル感もあり、派手さはありませんが、しみじみと美味しいお茶です。

毎日のお茶としてもお勧めできる価格でご紹介できるのは、この茶農家さんが私たちの中国の親友の友人という茶縁のおかげです。

漳平水仙 紅茶 2014年
漳平水仙 紅茶 2014年

福建省の珍しい紅茶、漳平水仙紅茶、ご好評をいただいております!

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。
英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。