白茶の茶業さん訪問

政和大白茶種の茶畑

武夷山駅から車で数時間、ようやく目的地の白茶茶業さんの茶畑、製茶場に到着しました。見事な赤土の茶畑で、見渡す限り山の斜面部分には茶樹が植えられています。

この茶業さんの茶畑は無農薬はもちろん、無肥料を徹底して管理されています。30キロ平方メートル以上もの広さの茶畑ですが、無農薬および無肥料で栽培を徹底することで政府より現代農業技術の模範基地として指定を受けているそうです。無農薬栽培も大変なことですが、無肥料で栽培するとなると生産量がどうしても激減してしまいます。この両方を徹底して行うということは、なかなかどうして難しいことです。

茶摘み

例年であれば新明節前から茶摘みが始まるのですが、この2014年の春は気温がなかなか上がらず、茶畑の殆どの場所では茶摘みがまだ始まっていませんでした。茶樹の成長度合いによって茶摘みが始まっている場所もありましたが、まだまだ小規模です。実際には私達が訪問した1週間後から本格的に始まったそうです。

茶畑の斜面はとてもきつく、茶摘みの人たちは立って摘むのがやっとという感じです。場所によっては斜面に這いつくばるようにして摘み取っていきます。実際にその斜面まで行ってみましたが、慣れていないと茶摘みを行うどころか立っているのがやっとという傾斜地です。

政和大白茶種

政和大白茶種の茶樹です。
まだこの時は新芽が十分に大きくなっていない状態の茶樹が殆どでした。この芽がもっと大きく肥えてくるようになると本格的に茶摘みが始まります。
場所によっては既に摘み取れるまでに成長した茶樹もあり、少し茶摘みもさせていただきましたが、基本的に人の手を加えていない茶畑のため、茶樹が人の背の高さ以上になっていたり、足元が不安定な傾斜地だったりと、なかなか重労働です。

湧き水

これは茶畑の中にある湧き水です。
この茶畑では無農薬・無肥料を徹底しているため、とても綺麗な水が湧き出ていました。実際に飲むこともできるとのことで、飲ませていただきましたが、とても柔らかく甘いお水でした。
この地域では水道が整備されていないため、茶業さんの住居も兼ねる製茶場では、この茶畑の山から湧き出ているお水を使って生活をしているそうです。実際には電気しか通っていないような山奥です。

この茶畑の下にある水田ではオタマジャクシが沢山いました。この水田も自家用のお米を育てているということもあって、無農薬・無肥料で管理しているそうです。

野いちご

茶畑には茶樹以外の植物もそのままの状態になっています。
最も多く見かけたのが、この野いちごです。丁度私達が訪問した時には白く可愛らしい花が咲いていました。他にも山椒の木が花を付けていたりと、とても美しい茶畑を見せていただきました。


無農薬・無肥料栽培 政和白茶
無農薬・無肥料栽培 政和白茶

この時に訪問した福建省政和の茶業さんによるものです。こちらは最適な気候になるまで十分に待ってから作られた白茶です。

ここ数年で一番美味しい、凄いと思う白茶です。

無農薬・無肥料で栽培された政和大白茶種の茶樹から丁寧に摘みとって作られた白茶です。茶商によっては野生茶として流通されるような白茶で、ほとんど管理はされていませんが急勾配の山の斜面にある茶園のものです。当店では日本で言う「野生」とは概念が違うと考えますので野生茶とは呼びませんが、極めて人の手をかけないよう、自然のままの状態で育てられています。そのため生産量が少なく、斜面がきびしいために茶摘みも容易ではないため、ほとんど流通することのない白茶です。

珍しいだけでなく、とても甘く美味しいお茶です。
今年は例年にないほどたくさんの白茶を試飲しましたが、この白茶が飛びぬけて甘く美味しい白茶でした。

香りは甘い花の香りがこの上なく清らかに感じられます。粘性のあるトロっとしたお茶は複雑で柔らかく、花の蜜を添加しているのではないかと思ってしまうほどに爽やかで濃厚な甘味を感じていただけます。蜜のような味わいにミネラル感と滋味が合わさり、言葉にならないほどの美味しさです。