5月5日に西新宿のPicolerで開催させていただいたお茶会、おかげさまで無事終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、本当にどうもありがとうございました!
今回は届いたばかりの新茶をテーマにご紹介させていただきました。
今年は気候に恵まれた場所が多かったせいもあり、例年よりも品質の高い、美味しいお茶が多いように思います。そんなこともあって、ご紹介するお茶を絞り込むのに苦労したのですが、これはと思うものを淹れさせていただきました。
縁あって特別に譲っていただくことのできたお茶ばかりです。現地親友の友人が試験的に作っている雲栖龍井、恩師が作った黄山毛峰、同じく親友のお母様が山に入って作った野生茶、製茶機械から自作するまでに拘る作り手さんが作る蒙頂甘露といった、どれもお金だけでは入手できない特別なお茶ばかりです。
中国緑茶の美味しさを実感していただければ本当に嬉しく思います。
無農薬・無肥料 明前 雲栖龍井
特弐 黄山毛峰
山田シェフによるデザート 杏のババロア
金華 野生茶
明前 蒙頂甘露
今回も茶器は春らしい桜色のARITA PORCELAIN LABを中心に湯宣武老師の紫砂茶壷などを使わせていただきました。
山田シェフにより杏のババロアはとても美味しくいただきました。特に紫蘇とミントのソースが絶品で、もっともっと食べたくなるような後を引く美味しさでした。ありがとうございます!
お土産にお持ちいただいたものはこちらになります。
明前 四川玖瑰紅茶
無農薬・無肥料 明前 雲栖龍井
金華 野生茶
珍珠黒茶
四川玖瑰紅茶は実際にお茶会でお淹れしようかと最後まで悩んだのですが、ショップでもご紹介予定ということもあり、お土産にさせていただきました。毎年人気の高い紅茶ですが、特に今年は驚くほどに高い玖瑰香がでていて、茶葉だけの香りとは思えないほどに良い仕上がりになっています。ぜひご自宅でゆっくりお楽しみいただければと思います。
雲栖龍井と野生茶はお茶会でご紹介したものと同じお茶です。
珍珠黒茶は懇意にしていただいている四川省蒙頂山の作り手さんが試験的に作っているものです。とても美味しい黒茶に仕上がっています。一般的に販売するまでには、まだ何年か必要とのことですが、先駆けてご紹介させていただきました。
次回のお茶会は7月5日(日)新宿のAfter Tasteさんになります。詳細が決まりましたら、メールマガジンからご連絡させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
このお茶の産地である蒙頂山(蒙山)は世界で最初に茶樹の人工栽培がおこなわれた場所です。その歴史からも分かるように、この蒙頂山でとれる上質なお茶は唐代から清代末まで皇帝献上茶としてその名を馳せてきました。
本来の蒙頂茶はほかの地域には見られない独特の甘みを持っています。喉にへばりつく様な濃厚な甘味です。今年は特にそれが強く感じられます。聞けば本来の中国緑茶に行われていた石灰による乾燥を行う後工程を今年から取り入れたとのことで、昨年までのお茶とは格が違います。
甘いキャラメルのような栗香と蘭香と合わさり、キャラメルビスケットのような上質なお茶に仕上がっています。
日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、
中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
蒙頂甘露がキャラメルビスケットとすると、こちらはすっきりとした甘味で爽やかな印象の柏餅といった感じのお茶に仕上がっています。味わいはすっきりとした甘味で、喉にへばりつく様な独特の甘味もあり、日本茶がお好きな方には馴染みやすい緑茶です。
中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶の蒙頂黄芽です。
黄茶の特徴は悶黄(もんおう・メンファン)という工程にあります。悶黄とは摘み取った茶葉が酸化発酵しないように加熱(殺青)した後に、まだ茶葉が熱を帯びている状態で紙に包む、木箱に入れるなどをして、茶葉自体の持つ熱と水分で数時間から数十時間蒸らすというものです。蒙頂黄芽の場合は和紙で少量ずつ包んで行います。
特有の癖が強い黄茶や、殆ど緑茶としか思えないような黄茶が増えている中、この蒙頂黄芽は黄茶本来の旨みを持ちながら癖を取り除いたような純粋に美味しさを楽しめる上質な黄茶に仕上がっています。
今年はしっかりとした悶黄が特徴的で、癖になるような、後を引く旨味が余韻の長さと共にしみじみと美味しいと思える仕上がりになっています。香ばしい火香と甘い花香を感じます。香ばしさの中にしっかりとした甘味、複雑なミネラル感が合わさって独特の味わいに仕上がっています。煎持ちも非常に良いお茶です。
予想以上にたくさんのご注文をいただき、日本在庫分は完売となってしまいましたが、追加入荷いたします。現在はご予約をお受けしております。7月上旬のお渡し予定となります。(完売した日本在庫分と同一ロットになります)
雲南からも新茶が届いています。
頭春茶と呼ばれる雲南緑茶です。中国・雲南省南部の思茅にある標高1800m付近にある茶園で2015年3月25日に摘み取られました。
果実のような甘い香りと深みのある優しいミネラル感、旨味がバランスよく、柔らかく優しい甘味が感じられます。飲み終えた後の余韻も長く、体の中から甘さが戻ってきます。
他の地域にはない独特の美味しさを持つ雲南緑茶ですが、今年は蒙頂茶同様、大変に良い仕上がりで、例年になく優しく柔らかい甘いお茶に仕上がりました。年によっては淹れ方にコツが必要なお茶ですが、今年はその仕上がりの良さからも大変淹れやすい優しいお茶になっています。