2014年の鳳凰単叢が入荷しました。
ご好評の鴨屎香 冬片や生産量が少なく、ここ数年ご紹介できなかった梔蘭香なども入荷しています!
鴨屎香を直訳すると「鴨の糞の香り」という意味ですが、あまりにもこの品種の茶樹から作られたお茶が香り高く美味しいため、その木を盗まれないように「鴨屎香」と名づけたことに由来しています。その名の通り、数年前までは一部で栽培されていたのみでしたが、現在は標高の低い場所にある茶園でも大量に栽培されるようになりました。
この鴨屎香はその茶園栽培のものではなく、標高1000m付近にある、樹齢80年ほどの1本の茶樹から11月中旬に摘み取られた冬茶です。
清らかな甘い花の香りと微かな乳香が感じられるお茶です。一般的な鳳凰単叢に見られる苦みが殆ど無く、すっきりとした上品な甘さと茶園栽培のものには無い繊細なミネラル感が感じられます。
鴨屎香はとても美味しい鳳凰単叢の1つですが、その中でも老茶樹の単叢ならではの味わいが楽しめるお茶です。
玉蘭とは中国語で白木蓮を意味します。その名の通り白木蓮のような品のある上質な香りを持つ鳳凰単叢です。
かつて、鳳凰単叢は三無主義と呼ばれる、茶樹に「肥料を与えない・選定を行わない・農薬を与えない」方法で栽培されてきました。しかしながら近年流通している殆どの鳳凰単叢が作られる茶園栽培では、この三無主義はまず行われていません。生産量が劣る三無主義は今や一部を除いて殆ど行われていないのが現状です。
この玉蘭香は樹齢はまだ若い茶樹ですが、この三無主義で栽培された茶樹から作られました。そのため、ミネラル感のしっかりした味わいが楽しめます。
その名の通りクチナシのような品のある上質な香りを持つ鳳凰単叢です。玉蘭香と同じく、三無主義で栽培された茶樹から作られています。
香りは非常に綺麗な梔子の花の香りとバターのような乳香があります。深みのある甘味と鳳凰単叢らしい抜けの良い苦味、しっかりとしたミネラル感が複雑、かつバランスよく楽しめます。
数年前にご紹介したことのある鳳凰単叢ですが、大変ご好評をいただいたにも関わらず、生産量が安定しないため、ここ数年入荷できずにいました。
今回はいつもの湯宣武の作品以外にも若手作家の作品のご紹介です。
非常に土質に拘る作家に限定しています。私自身も長く使っている作家さんたちですが、とても使いやすい上質な茶壺です。
お茶会などにご参加いただいた方は何度か目にしていただいている、国家級工芸美術師である湯宣武の紫砂茶壷が入荷しました。
湯宣武は非常に技術力の高い人気のある女性紫砂作家です。夫である范澤鋒は紫砂茶壷の大家で、彼の作品は既に日本円にして数十万~数百万円という値がついています。
現在は紫砂泥の採掘井が政府によって閉鎖されています。そのため、紫砂茶壷の原料である紫砂泥の価格が高騰し、本来は茶器に使用されるべきではないような土も使用して作られることが多々あります。安価な紫砂茶壷はそのような原料を使用している可能性が高いだけでなく、土質が柔らかいため、相当な時間をかけても美味しくお茶を入れることができるまでには育ちません。
湯宣武は夫の范澤鋒と共に紫砂泥を既に確保しているため、非常に上質な紫砂泥を使用して作品を作っています。また、その技術力の高さから硬い土質のままで作り上げることができるため、とても硬度の高い茶壷になっています。彼女の茶壷は数回の使用で茶壷に香りや味わいが取られてしまうことなく、美味しくお茶を淹れることができます。
蓮蕾のモチーフをあしらった美しい茶壷です。
工芸美術師の徐国強による小周盤です。
近年、作家物の紫砂茶壺は200ml前後の大きさのものが多く、日本人が好む小壺が作られることが少なくなってきています。この徐国強の小周盤は100mlという使いやすい大きさであるだけでなく、均整の取れた美しい形の茶壺に仕上がっています。
徐国強は技術力が高いことで知られる、人気のある若手の紫砂作家です。確かな技術により、しっかりと締まった土を扱うことのできる作家の1人で、この作品に使用されている紫砂泥も安心してお使いいただける品質のものです。細部まで丁寧に作られており、非常に使いやすいのも特徴です。
工芸美術員の顧新軍による宛玉壺です。
顧新軍は土質に拘ることで知られる、人気のある若手の紫砂作家です。
その拘りは非常に強く、石英、雲母、赤鉄鉱の含有量が多い、非常に良質な土が採れる井戸で知られ、現在は閉鎖されてしまった江蘇宜興丁山黄龍山脈4号井の土を多く保有しています。
この作品もその4号井の土を使用して作られており、他の作品には見られない、手が吸い付くような作品に仕上がっています。また、非常に使いやすい均整の取れた造形です。
ありがとうございます。完売いたしました。
工芸美術員の王育春による石瓢です。
王育春は工芸美術大師の倪順生氏に師事している、非常に技術が高いことで知られる若手紫砂作家です。努力家でもあり、日々、土質から焼成まで研究を続けています。そんな彼の作品にはファンも多く、収集家も多く存在するほどです。
この石瓢壺もシンプルながら洗練された造形で、品格も感じさせる仕上がりです。基本の形とも言える石瓢ですが、それだけに造形の狂いが目立つ形でもあります。この石瓢は全体の均整はもちろん、細部に至るまで非常に美しく細やかに作られています。
また、特筆すべきはその土質です。
段泥の茶壺の多くは納得できるような硬度を持っているものが少ないのですが、この石瓢壺の土質の良さは他に類を見ないほど素晴らしいものがあります。上質な紫砂が採れることで知られる黄龍山本山から採れる、現在では貴重とも言える原鉱段泥を使用して作られています。段泥の茶壺でここまで完成度の高い茶壺は滅多にありません。
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