龍泉窯の劉傑大師による柴窯(薪窯)の作品が入荷しました。
若くして中国伝統工芸大師、麗水市工芸美術大師となった非常に優秀な作家です。APECやG20、一路一帯といった国賓を迎えて行われる晩餐会で使用される食器の制作にも携わり、龍泉窯の中でも技術の高い作家として知られています。
今回は4月下旬に開窯(窯出し)された蓋碗作品が入荷しました!
一般的な龍泉窯の作品の中でも彼の造形と釉薬の美しさは抜き出ていますが、特にこの粉青は透き通るような水色の美しい作品です。この色あいを表現するのはとても難しく、また2つと同じ色合いのものはありません。
柴窯(薪窯)での蓋碗の制作は本当に大変です。実際に窯出しされた蓋碗の80%は作品として満たさないとされて廃棄されます。この時(2020年4月)の作品も15個窯入れしたものの、作家自身に「自分の作品」として認められた蓋碗はたった2個でした。
この蓋碗はそのうちの1つです。
彼自身、お茶が好きということもあり、非常に使いやすい茶器を創り出します。美しさだけでなく、細部までこだわり抜いた精密さは使いやすく、美味しくお茶を淹れることができる稀有な作品を生み出しています。
釉薬に至るまで自ら山の中に赴き素材を探して作っています。この釉薬が美しさだけでなく、美味しくお茶を楽しめる茶壺を実現させています。不思議なことに岩茶や鳳凰単叢といった烏龍茶と非常に相性がよく、驚くほど優しく柔らかくお茶を淹れることができます。
これは先日、この作品が生み出された4月下旬に開窯(窯出し)された際の様子です。ここから1つ1つの作品を劉傑大師が自ら確認していきます。
大変に厳しく、細部に至るまで念入りに何度も確認します。この品質へのこだわりは他に類を見ない厳しさです。私自身、ここまで厳しく品質にこだわる作家を日本も含め、他に知りません。この作品に対する姿勢も彼の作品の評価に、若くして大師となりえた理由の1つなのかもしれません。