台湾 凍頂・杉林溪 訪問

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

中国大陸のお茶が多い鈴茶堂ですが、実は台湾茶とのお付き合いは四半世紀以上になります。
鈴茶堂の代表が長年、台湾を往復していたこともあり
今回の茶業さん訪問は現地の友人たちが大勢集まっての同窓会のようでした。

私たちが訪問したのは凍頂烏龍茶で有名な南投県鹿谷郷とその先の杉林溪です。
台中から車で1時間半ほどの山の中、標高800m程の場所に鹿谷郷があります。
更に山を登って行ったところが杉林溪で、こちらの標高は更に高く1500~1800mの高山地帯です。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

この日は茶畑によって秋茶の茶摘みが行われていました。
山の斜面や標高によって茶摘みのタイミングを計っています。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

摘み取った茶葉はこのようにトラックに積み込み、大急ぎで麓の製茶所まで運ばれます。
このタイミングを逃すと美味しいお茶が作れません。
茶摘みの時期のこの地域は茶葉を摘んだトラックが何においても最優先です。
道路工事の車も警察車両も茶葉を摘んだトラックには道を譲ります。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

この茶葉の量を33人の摘み子さんで摘み取ります。
時間は90分。茶葉の量は60斤(36キロ)です。
もちろん手摘みですから、熟練した技術が必要な大変な作業です。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

私たちがご紹介する予定の凍頂烏龍茶は最近主流になりつつある焙煎の浅いタイプのものではなく、ある程度きちんと焙煎をしている伝統的な製法のものです。
長年お世話になっている鹿谷のこの茶業さんは伝統的な製法を今も頑なに守り、龍眼の炭で焙煎した伝統的な凍頂烏龍茶を作り続けています。

台湾の凍頂で製茶が始まったのは19世紀中頃。
鹿谷郷初郷村出身の林鳳池という学生が科挙の試験を受験するために大陸に渡り、帰郷の際に武夷山から茶樹を持ち帰ったのが起源とされています。
この学生のスポンサーとなっていたのが、この作り手さんのご先祖で、スポンサーとなったお礼に凍頂の持ち帰った茶樹と製茶技術を譲り受けたそうです。
台湾でも知る人ぞ知る茶業さんで、一般的な知名度はありませんが、歴代の台湾総統が訪問するような伝説的な茶業さんです。

私たちの訪問時には3代目当主が出迎えていただき、お茶や茶器の話、ご家族の話まで、楽しく充実した訪問をさせていただきました。
取り置いていた今年の春茶を分けていただき、その美味しさに変わりがないことを再確認させていただき、後にしました。

杉林溪の作り手さんは優秀な製茶技術を持つことで地元ではとても有名な方です。
こちらは冬茶から本格的に扱わせていただく予定ですが、今回は特別に美味しい紅茶も分けていただきました。
紅茶といっても普通に思い描く紅茶とは違い、東方美人のような深みのある複雑な旨味と果実のような甘さを持つ、青茶と紅茶の中間のような味わいです。

台湾のお茶は近日中にご紹介させていただく予定です。


I05
プーアル茶盆

品切れが続いていたプーアル茶盆ですが再入荷いたしました!

プーアル茶や蔵茶などの固形茶を崩すときに使用する茶盆です。
1つ持っていると非常に便利で、散茶を小分けする際にもお使いいただけます。

K-16
マルチティーサーバー K-16

こちらもご好評いただき品切れが続いていたマルチティーサーバーですが、再入荷いたしました!

鈴茶堂のお茶をお楽しみいただけるBar Argyllさんで実際に使用しているものと同じになります。
1〜3人でお使いいただけるサイズです。

K-16
マルチティーサーバー K-16

大き目サイズのマルチティーサーバーは現在ご予約承り中です。
入荷予定は10月下旬以降となっております。

どちらも品質、耐久性、使い勝手共にご好評をいただいております。
ご自宅だけでなく、オフィスにも、とても便利なティーサーバーです。
茶葉を潰さずに煎を重ねていくことができますので、何煎も楽しむことができる中国茶はもちろん、日本茶やハーブティーなど、お茶の種類を問わずにお使いいただけます。

Rum Festa 2012 SHINJUKU レポート

Rum Festa 2012 SHINJUKU

先日お知らせさせていただいた Rum Festa 2012 SHINJUKU が9月23日に開催されました。
鈴茶堂も見学にお伺いさせていただきました。

Rum Festa 2012 SHINJUKU

あいにくの雨でしたが、会場には沢山の方がいらっしゃっていました。
ライブ演奏やDJプレイなどもあって大盛り上がり。
陽気で楽しいイベントでした。

Rum Festa 2012 SHINJUKU

ラムフェスタですので、試飲用のラムが沢山並んでいます。
これだけ並んでいると壮観ですね。

Rum Festa 2012 SHINJUKU

鈴茶堂の正山小種紅茶を使ったカクテルはこのような感じでご提供させていただいておりました。
Pere Labatというフレンチ・クレオール・ラムと正山小種紅茶を使ったカクテルです。
爽やかな味わいで女性を中心に人気が高かったようです。

主催されていたジャパンインポートシステム様、鈴茶堂の紅茶を使ったカクテルを選んでくださったBAR Argyllさま、ありがとうございました!

ラムフェスタ終了後もBAR Argyllさんでティーカクテルがお楽しみいただけます。
是非正山小種紅茶に限らず、色々な組み合わせで楽しんでみてください!

Rum Festa 2012 SHINJUKU

今回の台湾・中国出張では長期間に渡って発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
それぞれの土地で出会った方々から本当に親切にしていただき、沢山の新しい出会いもあり、とても充実した出張となりました。
新たに迎えるお茶たちは現在通関手続中です。通関終了次第、ご紹介させていただきます。
また、旅の様子などもブログでご紹介させていただきます。

Rum Festa 2012

9月23日(日)に開催されるラムフェスタ2012 新宿で鈴茶堂の正山小種紅茶を使ったカクテルが登場することが決まりました!

ラムフェスタとは、カリブ海に浮かぶマルティニーク島やグアダループ島、マリーガラント島などフランス海外県の島々で作られる「フレンチ・クレオール・ラム」に特化した、株式会社ジャパンインポートシステムが主催するラム酒の祭典です。2011年からはフランス本土の生産者も加わり、「ラムフェスタ・プラス」として規模を拡大したイベントです。

株式会社ジャパンインポートシステム様サイトより引用

新宿の開催では、鈴茶堂のお茶を提供してくださっているBAR ArgyllさんのブースでPere Labatというフレンチ・クレオール・ラムと正山小種紅茶を使ったカクテルが提供される予定です。
少し試飲させていただきましたが、爽やかでとても美味しいカクテルです。

BAR Argyllさん以外にも新宿地区の多くのバーのカクテル・ブースが予定されています。マルティニーク現地フードなども用意されているそうです。
ご興味のある方は是非遊びに行ってみてくださいませ!

ラムフェスタ2012 新宿

Bar Argyll

正山小種紅茶に限らず、渋みが殆ど無い中国紅茶と洋酒との相性はとても良く、私自身も良く作って楽しんでいます。
鈴茶堂の祁門紅茶や四川高山紅茶はスモーキーさがない正統派の中国紅茶なので、お酒との相性がとても良く、ラムをはじめとしたお酒と合わせるととても爽やかで美味しいカクテルになります。

ラムフェスタ終了後もBAR Argyllさんでお楽しみいただけます。
是非色々な組み合わせで楽しんでみてください!

発送業務お休みのお知らせ

四川の茶農家さんにて

誠に勝手ながら、中国・台湾出張・研修のため
8月23日から9月16日までの間
発送業務をお休みさせていただきます。

8月22日14時までのクレジットカードによるお支払い方法を
お選びいただいたご注文は22日に発送させていただきます。
銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は
8月22日14時までに入金確認ができたご注文については同様に
当日中に発送させていただきます。
それ以降のご注文は9月17日以降の発送となります。

今回はかなり長い出張・研修となります。
ご迷惑をおかけしますが、お早めのご注文をお願いいたします。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、
ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、
ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに
お時間をいただく場合がございます。
ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、
ご返信などに最長で1週間程度のお時間をいただくことも予想されます。
ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますよう
お願いいたします。

四川の茶農家さんにて

今回は少し長くお休みをいただくことになってしまい、
大変ご迷惑をおかけします。
今回は現地スタッフとの打ち合わせや売り切れや
品薄になってしまったお茶や茶器などの仕入れといった通常の出張とは別に
茶産地訪問やお茶についての研修の受講なども予定しているため
長期間の旅になってしまいました。
体力が続くか不安がありますが、素晴らしいお茶と出会えるように
頑張って行ってまいります。

老舎茶館

老舎茶館

四川省でのお茶の旅も終わり、輸出手続きなどで北京へ。
少し開いた時間に有名な老舎茶館へ行ってきました。

老舎茶館は小説家、劇作家として有名な老舎にちなんで命名された茶館です。
1988年創業の老舗で、今も伝統的演芸も楽しめる茶館として人気があります。
国賓も訪れることがあるとか。

老舎茶館

大碗茶の屋台も残されています。
1980年代に老舎茶館となり、現在に至っていますが
元々は大碗茶と呼ばれる「どんぶり茶」のお店でした。
1杯2分という安さでとても人気があったそうです。

私たちが行った際には販売されていませんでしたが
今も1杯2分という価格を守って大碗茶の販売が続けられています。
(10:00〜16:30までの販売だそうです。)

老舎茶館

時間帯によっては演芸鑑賞もできますが、私たちは茶館へ。
一般的な茶館と同じく個室が選べます。
個室によって料金が変わりますので(個室代)どの個室が空いているのかなどを聞いて決めます。

個室に案内されたらオーダーするお茶を決めます。
基本的には個室についた茶藝師の女性がお茶を淹れてくださいます。
私たちは鳳凰単欉をお願いしました。

北京にはこの老舎茶館の他にもいくつかの茶館があります。
それぞれ特色がありますが、主にはビジネス接待などで使われる高級茶館です。
この老舎茶館はどちらかと言うと観光客向けの茶館になりますので
最高の茶藝とはいきませんが、お値段も比較的お手頃で
北京の茶館を体験してみたいという方にはお勧めです。

今回はちょっと長いお茶の旅でしたが、この老舎茶館でその旅も終わりです。

この旅で訪れた北京、四川での茶縁は新たに広がりつつあります。
また近いうちに旅に出ますので、美味しいお茶などのご報告ができればと思っています。


古玉 茶荷 Aタイプ
古玉 茶荷 Aタイプ

白磁のシンプルな茶荷が入荷しました。
上質な白磁を使用しています。
シンプルなデザインですので他の茶器との相性を気にせずにお使いいただけます。
茶荷は軽視されがちですが、1つ持っているととても便利な道具の1つです。

幅の広いタイプもございます。
古玉 茶荷 Bタイプ

紫砂茶玩 ウサギとコウモリ
紫砂茶玩 ウサギとコウモリ

丁寧に作られたウサギとコウモリの茶玩です。
ウサギは長い耳で福を集め、物事がトントン拍子に進む縁起の良い動物とされています。
コウモリも同様に蝙蝠の「蝠」が「福」と同じ音で呼ばれるため、中国では大変縁起の良い動物です。

四川省雅安茶廠 訪問

四川省雅安茶廠 訪問

蒙頂山訪問の後は今回の目的、蔵茶を製造する四川省雅安茶廠を訪問させていただきました。

四川省雅安茶廠は1546年創業という最も古い歴史を持つ蔵茶のメーカーで
その伝統的な蔵茶の製造方法は今も最重要国家機密に指定されています。
そうした理由からか一般の茶廠訪問は通常認められず
ましてや外国人の訪問は更に認められません。
今回は鈴茶堂がお世話になっている茶廠の方のご好意で訪問が許可されました。

四川省雅安茶廠の本社は宿泊している西康大酒店と同じビルにありますが
訪問する工場は街から少し離れた場所にあります。
国家農業科技園という警備の厳しいエリアの中にあり
このエリアにも許可がないと入れないような場所にありました。

空気の綺麗な山の麓にあるとても綺麗な工場で
現在は新しい工場も作っている最中でした。

四川省雅安茶廠 訪問

茶廠では副廠長の余栋钢先生が出迎えてくださいました。
余先生は中国茶の世界ではとても素晴らしい先生で、通常はお会いすることすらなかなかできない方です。
お忙しい中、数時間、余先生には蔵茶についてご説明していただきました。
私たちの質問にも快く答えていただいたり、美味しい蔵茶の楽しみ方を教えていただいたり
とても貴重な体験と知識をいただきました。

茶廠では自由に撮影ができませんので、あまり写真がないのですが
余先生の後ろにあるオブジェは上海万博のために作ったものだそうです。
オブジェの後ろにある茶色の巨大なパネルは蔵茶でできています。
他にも歴史ある古い蔵茶が展示されていたり
普通は見ることのできないような貴重なものを沢山拝見させていただきました。



蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

蒙頂山 茶農家訪問

蒙頂山 茶農家訪問

鈴茶堂がお世話になっている茶農家さんを訪問しました。

蒙頂山の中腹にある、この茶農家さんでは
ちょうど緑茶の製茶をしていました。
朝に摘まれたばかりの鮮葉を使って蒙頂甘露を作っています。

この茶農家さんでは機械を使った現代的な製茶も行なっていますが
昔ながらの機械を使わない製茶も伝統を忘れないようにと
今も頑なに行なっています。
お茶に対してとても熱い情熱を持っている職人さんです。

蒙頂山 茶農家訪問

あたり一面、とても良いお茶の香りが充満していました。
山の中腹とはいえ、標高の高い場所のため、ひんやりとした美味しい空気と
小鳥のさえずりが心地良い、とても素敵な工房です。

とはいえ、職人さんは真剣そのもの。
重労働の揉捻(発酵を止めた茶葉を揉んで成形します)も黙々と行なっています。
上の写真は茶葉薄く広げて香りを出す攤放(たんふぁん)という工程です。
これがあの華やかな蒙頂甘露の香りを生み出すんですね。

殺青と言う茶葉の酸化発酵を止めるべく熱を加える工程を動画に撮らせていただきました。
日本の緑茶と違って蒙頂甘露をはじめとする中国緑茶の多くは釜炒りです。
熱い鉄鍋にも怯むこと無く、素手で茶葉の状態を確認しながら殺青を続けています。

出来立ての蒙頂甘露と数日前に作ったという紅茶をご馳走になりました。
とても美味しく、宝石のように綺麗な茶葉が印象的でした。

ショップでは既に完売してしまいましたが、手作りの蒙頂甘露はこの茶農家さんによるものです。
手摘み、手作りのために数量が少ない貴重なお茶です。

機械を使用して作った緑茶もそうですが、出来立ての新茶はまだ火が残っていると言われます。
この火が抜けた状態が最も美味しく、熟成が進んだ状態と言って良いと思います。
機械で作られた緑茶の方が早く火が抜けるように思いますが
手作りの緑茶が美味しくなるのは、好みにもよりますが製造後半年以上経過してからとも。
(私の好みは1年位経過した方が美味しいと感じますが・・・)
熟成が進むと香りが更に良くなり、味も丸く深みのある甘さを楽しめます。
低温で保存しながら、熟成による変化をゆっくりと楽しんでください。


10808.2
特級 明前 蒙頂甘露

とても美味しい蒙頂甘露です。
花の香りと丸く甘い芳醇な味と合わさって、とても品のある美味しい緑茶です。
水出しでも美味しくお楽しみいただけます。

10914.1
雲南白茶 翠玉

去熱効果や美肌効果を持つと言われる白茶です。
雲南省の樹齢100年を越す無農薬栽培の茶樹から丁寧に摘み取り、製茶されています。
ミネラル感を感じることができる甘い美味しいお茶です。
温かいうちでももちろん、冷やしても水出しでもお楽しみいただけます。

蒙頂山

蒙頂山

まずは蒙頂山の観光ルートを辿ってみました。
あまり人気のない観光地なのか、あるいは早朝だったからか
観光客は私たち以外に殆ど見かけることがなく貸切で楽しんできました。

蒙頂山の半分位は車で登ることができます。
あまり標高の高い山というイメージはなかったのですが(1500m弱位です)
急な斜面が続くのは中国ならではの地形で、
車で登り始めてすぐに険しい山という印象に変わりました。

蒙頂山

車で行けるところまで行くと世界茶文化博物館やロープウェイ乗り場のある広場に出ます。
ここには蒙頂山のお約束、巨大な茶壷がお出迎えです・・・
本当に大きいです。

蒙頂山

ロープウェイに乗って更に上へ向かいます。
かなりの急斜面に見渡す限り、茶樹が植えられています。
普通に立っていられないような斜面も茶畑になっています・・・
中国茶には珍しくない斜度ですが、こうして見ると改めて無農薬で当然と実感できますね。
農薬はおろか、肥料も持って登れそうにありません・・・(^^;

蒙頂山

ロープウェイの終点には天蓋寺があります。
ここでは茶聖と呼ばれた陸羽や
この地に茶樹を植えて人工栽培を歴史上初めて行った呉理真が祀られています。

蒙頂山

朝早かったせいもあって、観光客は誰もいません。
静かで気持ちのよい空間です。

蒙頂山

天蓋寺を通り抜けて更に奥へ行くと千年茶樹王や苔むした古い山門などが現れます。

それまでの観光地的な雰囲気から一変して
荘厳な雰囲気の古い建築物が時間の経過と共に崩れながらも
そのままの状態で残されていました。

蒙頂山

こちらは蒙泉井、または甘露井と呼ばれる古井戸です。
甘露大師がお茶を育てるために、ここで水を汲んだとされています。

この先に皇帝専用茶樹園の皇茶園があります。

蒙頂山

赤い門と柵に囲まれ、虎の石像に守られながら皇茶園はありました。
思ったよりも小じんまりとした茶園ですが、今も茶樹がしっかり育っています。

蒙頂山でもこの付近は殆ど頂上近くで、3月のこの時期はかなり寒くまだ芽も動いていない状態でした。



貢品 碧潭飄雪

蒙頂山で栽培された茶葉を使って丁寧に作られた蒙頂甘露に
四川省はもちろん、中国大陸でも最も品質の良い四川省楽山市のジャスミンの花を厳選して
丁寧に香りを移したジャスミン茶です。
ここでご紹介させていただいた社長がこだわり抜いて製茶した
雑味のない本当に美味しいジャスミン茶です。


春韻白毫

君子蘭の香りを丁寧に移した、とてもめずらしい花茶です。
このお茶のベースにも、ここ蒙頂山で作られた蒙頂甘露が使われています。
花茶が苦手な方や男性の方がハマってしまう、不思議なお茶です。

蔵茶の街 雅安

蔵茶の街 雅安

茶業さんや茶馬司を訪問した後は雅安の街へ。
雅安では蔵茶が中心に作られている、いわば蔵茶の故郷です。

雅安は青衣江を囲むように広がる山間の街で、廊橋と呼ばれる特徴的な橋が有名です。
なかでも、街の中心になっている雅州廊橋は雅安のシンボルになっています。

蔵茶の街 雅安

年間の殆どは雨か霧という雨の街でもあります。
昔のまま時間が止まっているかのような、とても静かな街です。

この写真は早朝、まだ霧が出る前に撮影したものです。
こうして見ると、街がかなり高く険しい山に囲まれているのが分かります。

蔵茶の街 雅安

霧が晴れているのは日の出後の数時間ほどしかありませんでした。
昼間は霧に覆われて周囲に山があることすら分からなくなります。

蔵茶の街 雅安

町中にある廊橋は橋というだけでなく、それぞれ色々な役割を持っているようです。

この廊橋の上には茶館がありました。

雅安にも成都と同じように茶座が川沿いを中心にありましたが
雨が多いこの街では廊橋の上に作られた、屋根のある茶館の方が人気のようでした。

蔵茶の街 雅安

こちらは雅安の中心にある雅州廊橋の中です。
とても大きい廊橋で、中は商店街になっています。
蔵茶のお店や日用品などのお店が並んでいました。

蔵茶の街 雅安

観光地以外では珍しい人力車も沢山走っています。
タクシーよりもまだまだ人力車が人々の足代わりのようです。

蔵茶の街 雅安

四川省雅安茶廠の方のご好意で、この茶廠が経営する雅安西康大酒店に宿泊させていただきました。

雅安西康大酒店は元々は雅安市の迎賓館として使われていたホテルで
今は茶廠が経営するお茶をテーマとしたホテルとして一般の利用も可能になっています。

蔵茶の街 雅安

ホテルの中はもちろん、客室の壁にも蔵茶で作られたタイルで飾られています。
蔵茶のタイルで消臭と殺菌効果はもちろん、お茶の香りでリラックス効果もあるそうです。
確かにとても良い香りのするホテルで、設備は古いながらも快適に過ごすことができました。

このホテルを拠点に蒙頂山と雅安を回ります。


花香 漳平水仙
花香 漳平水仙

湿度も気温も上がってきた時に爽やかに楽しめる、とても珍しい固形の烏龍茶です。
1回分ずつ紙に包まれていますが、現地の人が楽しむサイズになっているため
茶葉の量もたっぷり10g前後になっています。
1日中楽しめるのはもちろん、水出しでもしっかりたっぷり楽しめる
CPの良い烏龍茶です。

桂花 漳平水仙
桂花 漳平水仙

こちらはその漳平水仙の金木犀の花の香りを持つ桂花香型です。
落ち着いた香りをお好みの方にお勧めです。

茶馬司

茶馬司

その昔、1000年以上前から長い間、現在の四川省や雲南省とチベットはお茶の交易がありました。
野菜の栽培が難しい厳しい自然にあるチベットでは人々の健康を維持するためにお茶が欠かせない飲み物でした。
ともすれば肉食に偏りがちな彼らの健康を保つために、今で言う黒茶はその機能からも毎日摂取しなくてはならない飲み物でしたし、今もそれは変わらないようです。

チベットからはお茶の対価として馬が運ばれてきました。
こうして茶馬古道(サウスシルクロードなどとも呼ばれます)が生まれ、1人100キロ以上のお茶を背負い、何ヶ月も場合によっては1年もかけて厳しい山道を通ってチベットへお茶が運ばれていました。
その茶馬古道の起点の1つが蒙頂山の麓、ここ雅安市です。

茶馬司

茶馬司というのは、その茶馬古道の関所のようなもので、交易に対する税金や交換比率などを司る役所です。
その遺跡が蒙頂山の麓に残っています。

建物は近年、観光地化を目指して再現されたもののようで、それほど古いものではありません。
とはいえ、周囲には何もないこともあって観光地としての役割は果たしていないようです。
誰もいない、半分廃墟のようになっていました・・・

茶馬司

当時の様子を説明した文章や絵などが掲示されています。
馬を繋ぎ止めていた柱なども再現されていて、当時の様子が分かりやすく説明されています。

茶馬司

中はガランとした静かな空間でした。
中にはかなり詳細な資料や説明があり、当時の貴重な写真や、茶馬古道のルート図などもあります。

はるか昔の茶馬古道に思いを馳せながら、ゆっくり見学させていただきました。

茶馬司

おそらくお隣さんの収穫した野菜だと思います。
この写真を撮影している間にも2羽の鶏が足元を走ってどこかに消えていきました。

こんなのどかな遺跡もなかなかいいですね。



蔵茶 金尖 雅細

この地域で作られ、茶馬古道を通って運ばれていたお茶がこの蔵茶です。
今もチベットの人々の生活にはなくてはならないお茶として変わらず運ばれています。
この金尖 雅細は中でも最高品質の香り高い美味しい蔵茶です。

下関特級沱茶 2007年
下関特級沱茶 2007年

この地域のお茶と同じように雲南省からチベットへ運ばれていたもう1つのお茶がこの普洱茶です。
近年に開発された人工的に後発酵させた普洱茶ではなく、昔ながらの作り方をした爽やかなお茶です。
10年単位で長くお楽しみいただけます。