台中 工房訪問

陶山工房

2013年の11月は中国大陸をまわったあと、すぐに台湾へ向かいました。

台湾でお茶と言えば台中。ここではお茶の縁がきっかけで茶業さんたちだけでなく、作家さんたちとも交流させていただいています。日本では台湾の陶磁器と言うと台北近郊の鶯歌が有名ですが、鶯歌のように小売のお店が並ぶような街ではないものの、多くの作家さんたちの工房が台中にもたくさんあります。今は世界的に評価の高い暁芳窯も昔は台中に工房があったそうです。

まずは以前にもお伺いした陳文濱老師の陶山工房へお伺いしました。

陶山工房

ご自身もお茶好きという陳文濱老師は自分が使いたい、使いやすいと思う茶器を作っていらっしゃるそうです。丁度出来上がったばかりの作品を拝見させていただきながら、茶器やお茶、台湾のこと、日本のことなど、色々な話をしていました。作品に対してとても真摯な方で、素敵な作品が生み出されるのも納得です。最近は柴窯(薪を燃料とした窯)拘っているそうです。

陶山工房

基本的に陳文濱老師の作品はとても人気が高く、なかなか入手できないのですが、丁度出来上がったばかりのこのうつわを気に入ってしまい、お願いして譲っていただきました。
今年5月のお茶会でも使わせていただきましたが、実はこのうつわは茶杯です。とても大きな茶杯で、まるで日本の抹茶碗のようですが、中に茶葉を入れてお湯を3分の1ほど注ぎ、その香りを楽しみながら飲むことを目的としているそうです。大きな茶杯なので飲む際に鼻が茶杯の中に入ることで香りを楽しみやすくなっています。

蔡順意老師工房

他にも白宗平老師の主催する陶祠創意工作坊や蔡順意老師の工房なども訪問させていただきました。
白宗平老師は絵付けが素晴らしく、とても繊細な絵付けをされる作家さんです。蔡順意老師は青磁が専門。美しい貫入の入った青磁の作品を作っていらっしゃいます。

陶山工房

台中ではこうした作家の方が工房を構えていて、それぞれ得意とする分野が違います。例えば陳文濱老師が元となるうつわを作り白宗平老師に絵付けを依頼するといったパターンや、青磁の場合はその工程を蔡順意老師に依頼するなど、それぞれが得意な工程を分業して1つの作品を作るという分業制が行われています。

台中はお茶だけではなく芸術の街でもあり、作家さんたちの原点でもあるんですね。


漳平水仙 紅茶 2014年
漳平水仙 紅茶 2014年

漳平水仙紅茶、ご好評をいただいております!

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。
英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

野生寿眉
野生寿眉

普段は人の立ち入らない山の中に群生している茶樹から作られた白茶で野生種を使用しているため白茶の分類上、寿眉としていますが、丁寧に手摘みで作られた上質なお茶です。茶農家さんの自家用に作られたこのお茶を譲っていただきました。

繊細な花の香りを感じるお茶です。驚くほど粘性のある茶水はしっかりと爽やかな甘味があります。茶樹の力強さを感じさせるミネラル感もあり、派手さはありませんが、しみじみと美味しいお茶です。

毎日のお茶としてもお勧めできる価格でご紹介できるのは、この茶農家さんが私たちの中国の親友の友人という茶縁のおかげです。