易武古鎮

易武古鎮

易武の友人を訪ねてきました。
易武は景洪から見ると勐海とは逆方向の勐腊県、ざっと120kmの距離にあります。とはいえ、勐海のように道路が整備されているとは言い難く、また、山深い場所にあるため車でもかなり時間がかかります。私たちが行った際にも土砂崩れや細い山道での事故などが発生し、通行止めになることが数回あり、当初予想していた時間の倍以上、出発した景洪からは5時間近くかかって到着しました。

易武は六大茶山(革登、倚邦、莽枝、蛮砖、曼撒、攸乐(基诺))の中心となる場所です。その中でも入り口となるのが易武郷です。決して大きくない山間の町ですが、その先の麻黒寨や大漆樹寨といった村にはこのような町はありません。日用品や食料品の市場、学校や銀行(小規模な支店ですが)、商店や旅館、ホテルなどがあるのも易武郷で、茶山に住む人々の中心となっています。

易武古鎮

その易武郷の横に昔ながらの易武古鎮があります。本来はこの易武古鎮がこの地域の中心でしたが、古い集落であるため道幅も狭く、迷路のような細い路地が続き、車が入るのもぎりぎりです。そのような事情もあり、現在の町の中心は易武郷と呼ばれる町と易武古鎮と区分けされるようになりました。
易武郷と違い、易武古鎮は歩く人も少なく、とても静かな集落です。少数民族から漢民族(といってもかなり昔に移住してきた人たちが殆どです)が入り混じって住み、お茶に関わりながら何世代も生活をしています。

易武古鎮

山の中にあるため起伏が激しく、古い石畳が続きます。古鎮自体はとても小さく、古い建物が密集している場所はあっという間に終わり、だんだんと茶畑が見えてきます。このあたりで採れる茶葉は決して上質なものではありませんが、この地で暮らす人達の日常のお茶として生活に欠かせないものとして栽培されています。また、易武古鎮に限らず、こうした茶山では茶樹栽培が優先されるため、野菜などの農家が非常に少ないのも特徴です。その為、生活に必要な野菜などは別の場所から運んでくることが多く、実はそういった食料品の価格は都市部よりも高くなっています。そうしたこともあり、ちょっとした自家用の野菜を作るといった小さな畑が古鎮の周辺には点在しています。

易武古鎮

古鎮を歩いていても殆ど人に出会いません。たまにすれ違う人がいても、若い人は殆どいないといった状態です。多くはお年寄り、あるいは子供たちといった感じで、お茶の名産地である易武でも後継者問題というのは深刻なようです。中にはこの地に残り、お茶を作り続ける人たちもいますが、若い人の多くは都市部へ働きに行ってしまったり、野菜や果物と違って収穫した後にも製茶という加工が必要という、いわゆる農業の中でも重労働な製茶を嫌って街へ出る人も増えているそうです。

易武古鎮

易武古鎮の全景です。山に張り付くように集落が作られています。古い建物は老朽化が激しく、今も残っている建物の半分以上は既に人が住まない空き家になっているそうです。建て直しも進んでいて、訪問時の12月は製茶があまり行われない時期ということもあり、建物の建て直しや修復を行っている場所も多く見られました。数年もしたら、またこの景色も変わってしまうのかもしれません。


班盆古樹純料谷花茶 2012年
班盆古樹純料谷花茶 2012年

樹齢300年以上の茶樹から完全手作りで作られた普洱生茶です。
名前の中にある「班盆」という言葉はこのお茶の産地の村の名前です。雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い場所にある村で、標高は1700~1900mという場所にあります。班盆は老班章と同様に古茶樹園が知られ、このお茶はその中でも樹齢300年以上の茶樹から作られています。

この普洱茶はまるで蜜をそのまま飲んでいるかのような、素晴らしい香りを持っているお茶です。普洱茶というと独特の香りを連想する方も多いと思いますが、このお茶は緑茶や白茶に近いような、フレッシュさを持っています。

今回、このお茶は中国で高名な普洱茶専門家である私たちの師から特別に譲っていただきました。師が自ら現地へ赴き、作った、とても貴重なお茶になります。あまりにも上質な茶葉を使用しているため、グラム数の大きくなる餅茶にすると非常に高額になってしまうために、1つ1つ小さな固形茶にしたというお茶です。
是非この機会に特別な普洱茶をお楽しみください。

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。