漳平水仙 発祥の地

漳平

漳平水仙の発祥の地とされる茶農家さんを訪問させていただきました。
一口に漳平といってもかなり広い地域になります。漳平水仙を作っているのは漳平市ですが、これは広さにして日本の1つの県位はあります。その中でも双洋镇と呼ばれる地域で行われていますが、それでもそれなりの広さがあります。その中でも漳平水仙発祥の茶農家さんは山の中の方にあります。

漳平

こちらも昔ながらの土壁の農家で、かなり大きい方ではないかと思います。茶畑のある山の中腹にある集落の1つで、今も人が変わらず製茶や農業を営んでいます。メインはお茶作りですが、他の茶農家と同様に養蜂も行われていました。
漳平の中でもこの茶農家を含むこの集落が最も昔から漳平水仙を作ってきた人たちです。今も漳平の他の地域から製茶技術を学びに訪れる人が絶たないとのこと。ここの作り手さんたちも快く教えているようです。

漳平

古い農家ですが、かなり立派な闽南式建築で見応えがあります。基本的にこの地域は土壁で、これは温湿度の調節にも役立っているそうです。日本と同じですね。
最近は現代式のコンクリートによる家も増えているそうですが、昔ながらの土壁の家の方がはるかに快適とのこと。ただし、この建築方法を行うことができる技術者が年々減ってしまっているそうで、壊れてももう直すことが難しいそうです。お茶に限らず技術の伝承というのは難しいですね。

漳平

訪問した際には造形工程が行われていました。基本的に家族総出で行います。他の地域と少し造形方法が異なります。これは本来の作り方がこれだったということではなく、人手不足を補うために造形方法を変えたのだそうです。製茶にあたっての人手不足はどの地域でも深刻な問題です。特に漳平水仙のような特殊なお茶は他の地域から技術者を呼ぶ訳にもいきません。

漳平

一度にたくさんの固形茶を造形できるように工夫されています。四角形のセルクルのような型を並べて、そこに毛茶(荒茶)を詰めて蓋をして、大きな万力のような機械で一度に圧力をかけて固めます。この方法だと1つ1つ作る必要がなく、一度にたくさんの固形茶を作ることができ、またお茶を詰める人、圧力をかける人と分業も可能になります。

漳平

家の裏の山には茶畑が広がっています。こちらは完全な自然農法、まったく何も手を入れていない茶畑です。最初から手をかけないと決めていたのではなく、ここ数年は人手不足が深刻で、茶畑の整備まで手が回らなくなってきてしまったとのこと。また、作り手もこの集落にはわずか3名となってしまい、今年は摘み取ることすら出来ない茶畑が半分以上になったとか。以前は紅茶も作っていたそうですが、今はそこまで手が回らないとのこと。漳平水仙の紅茶は作ることができる作り手、茶農家さんが限られているので残念です。
わずかに残る作り手さんのうちの1人にお話をお伺いしました。製茶時期でお忙しい状況であったにも関わらず、できたばかりの漳平水仙を数種類淹れてくださり、お茶のこと、自然のこと、村のこと、色々なことを教えていただきました。ありがとうございます。


漳平水仙 紅茶 2016年秋茶
漳平水仙 紅茶 2016年秋茶

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

南糯山 古樹雲南紅茶 2016
南糯山 古樹雲南紅茶 2016

通常、雲南紅茶は俗に言う茶畑で栽培された若い栽培茶樹から作られますが(台地茶)、この紅茶は上質なプーアル生茶を作るような、少数民族が代々大切に守ってきた古茶樹から手摘みで丁寧に摘み取られた茶葉から作られています。

雲南紅茶は甘味を出しやすく、飲んで誰もが美味しいと思うお茶が多いものです。その反面、味わいが単調で飽きやすい、飲み続けにくいということもあります。この雲南紅茶は複雑さと奥行きの深さが違います。

2016年はここ数年では一番と言えるほどに美味しく上質に仕上がりました。
複雑なミネラル感、上品な香りと甘味のバランスが最高の仕上がりとなっています。


12月19日から来年1月11日までのあいだ中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
今回は中国でも遠方、雲南省の西双版納の方まで足を伸ばすため、かなり長期間のお休みとさせていただいております。
12月16日22時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は12月18日までに発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月16日中に入金確認ができたご注文を12月18日までに発送いたします。それ以降のご注文は来年1月12日以降の発送となります。また、ご注文が混みあう場合はお休み前の発送締め切りを早めさせていただく場合もございます。ご了承ください。
発送業務をお休みさせていただいている期間もご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。特に今回は通信環境の無い地域へ訪問している期間もございますため、最長で1週間程度お時間をいただく可能性もございます。
大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。