炭焙煎 漳平水仙

漳平

炭焙煎の漳平水仙を作る茶農家さんも訪問させていただきました。
通常の漳平水仙は電気の乾燥機を使って乾燥や焙煎を行います。電気のないころは炭焙煎が普通であったと思いますが、火の調節などが難しく、現在、炭焙煎を行うことのできる茶農家は数件となってしまいました。
この茶農家さんでは昔からの製法を変えること無く、今も炭焙煎のみの漳平水仙を作り続けています。

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造形し、紙で包んだ漳平水仙をこのような篭に入れて焙煎を行っていきます。この焙煎篭は武夷山などのものと似ていますが、少し形状が異なるようです。見た感じでは若干こちらのほうが口が広く、浅いような印象です。
炭焙煎と聞くと茶色い焙煎がしっかり効いた茶葉を思い浮かべますが、この焙煎具合にも色々あります。軽火のものから重火まで、その時の茶葉の状態を見て決めていくそうです。

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数時間おきに天地をかえして、まんべんなく焙煎できるようにします。この焙煎工程は茶葉の状態にもよりますが、最低でも2〜3日。長い場合は茶葉を休ませながら1週間から1ヶ月以上になることも。最初の焙煎、2日位はほとんど徹夜で作業にあたります。焙煎を行うことのできる作り手さんが少ないこともあり、大変な重労働です。
この茶農家では茶摘みから焙煎までのすべての工程を自分たちで行います。時期によっては他の茶農家から持ち込まれた漳平水仙の焙煎依頼もあるそうですが、電気乾燥機で焙煎する場合と炭焙煎で行う場合では発酵度合いを変えた方が良いなど、なかなか思うような仕上がりにはならないようです。焙煎工程を理解しているからこそ分かるという、まさに職人の技術ですね。

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頻繁に炭の状態をチェック、灰を被せて火の調節を行います。この火の調節が本当に難しく、技術を問われます。散茶の形状の茶葉と異なり、紙で包まれている漳平水仙の場合は水分量を低下させることも、均一に焙煎を行うこともなかなかできることではありません。散茶の焙煎よりもずっと長い時間が必要な上、より低温で行うことが求められます。そんな大変な作業のせいか、年々炭焙煎のものは生産量が低下しつつあります。

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この茶農家では使用する炭も自家製にこだわっています。炭の質が悪いとうまく焙煎ができないとのことで、製茶の時期に合わせて炭から作っているそうです。これは本当に大変なことです。炭の材料となる木材探しから(山の中へ入って自分で探すそうです)、その炭焼きまで作り手が一人で行うというのは他に聞いたことがありません。武夷山などでも天然木から作られた炭(練炭を使うことも多いので)を使う作り手さんはいますが、炭焼きからというのはなかなかいません。

炭焙煎を行った漳平水仙は清香系のものもありますが、多くは軽火(軽焙煎)と重火(重焙煎)です。先日ショップでご紹介した炭焙煎は重火タイプのものになります。(完売いたしました。ありがとうございます。)
近年は焙煎を行った漳平水仙でも電気乾燥機を使用したものが多いのですが、炭火焙煎のものはまた香りや味わいの深さが異なります。


漳平水仙 紅茶 2016年秋茶
漳平水仙 紅茶 2016年秋茶

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。


12月19日から来年1月11日までのあいだ中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
今回は中国でも遠方、雲南省の西双版納の方まで足を伸ばすため、かなり長期間のお休みとさせていただいております。
12月16日22時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は12月18日までに発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月16日中に入金確認ができたご注文を12月18日までに発送いたします。それ以降のご注文は来年1月12日以降の発送となります。また、ご注文が混みあう場合はお休み前の発送締め切りを早めさせていただく場合もございます。ご了承ください。
発送業務をお休みさせていただいている期間もご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。特に今回は通信環境の無い地域へ訪問している期間もございますため、最長で1週間程度お時間をいただく可能性もございます。
大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。