台中を拠点に南投縣のお茶産地を訪問した後は台北へ移動しました。
台北では特に用事というものは無かったのですが、魚池郷の廖鄉長紅茶故事館で色々と説明をしてくださった方がお勧めしてくださった茶藝館へ行ってきました。
紫藤廬
台北市新生南路三段16巷1號
02-2363-9459
紫藤廬といえば日本の方にも有名な茶藝館ですが、実は廖鄉長紅茶故事館で案内してくださった方が半年前までこちらで勤務されていたとのこと。お茶が好きで製茶に関わりたくて転職したそうです。
紫藤廬のマダムにお会いして廖鄉長紅茶故事館で元気に頑張っているということをお伝えしたところ、とても喜んでいただき、こちらが恐縮するほどに良くしていただきました。ありがとうございます。
紫藤廬は老朽化のためリノベーションされているものの、日本統治時代に建てられた歴史ある建物を利用しています。台湾の古蹟として指定されていて、丁寧に使われている様子がわかります。
敷地内には立派な藤の木があります。こちらも台北市の保護樹木に指定されているそうです。開花する時期に是非訪れてみたいと思うほどの見事な古樹です。
内装は日本統治時代を思わせる和室などもあり、どことなく懐かしいような雰囲気です。
工夫茶形式でお茶をいただきます。
魚池郷でお話を伺った際にお勧めされていたのが、こちらの凍頂烏龍茶。茶譜にはいくつかの凍頂烏龍茶がありますが、その中でも一番こだわっているという作り手さん指定のもの。発酵も火入れもしっかりと行われている伝統的なタイプで、とても美味しくいただきました。
工夫茶形式での淹れ方がわからない場合はお店の方が教えてくださるそうです。茶藝の方法が良くわからないという場合は遠慮なくお店の方に聞いてみてください。日本語を話すことが出来る方もいらっしゃるようです。
余った茶葉は持ち帰ることもできます。選んだお茶にもよりますが、煎がきくので意外と使い切れないです。
店内ではお茶や茶器の販売もしていました。お茶は実際に茶藝館で使われているもののようですが、他にも台湾らしくビンテージの普洱茶などもあります。茶器はアンティークが多いようです。
かつて、台湾には沢山の茶藝館がありましたが、近年はその数もだんだんと減ってきてしまっています。こうした気軽に立ち寄れる茶藝館はずっと長く続いて欲しいものです。
2014年凍頂烏龍茶 春茶です。
最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通しています。
最終焙煎は台湾の凍頂で行いますが、茶葉は大陸の福建省やベトナムから運ばれてきたもの・・・ということも残念ながら珍しくありません。
この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。
古式龍眼炭焙煎にこだわり、火入れも1ヶ月近くかけて行います。
とても高い技術力とそのこだわりで、通常の凍頂烏龍茶よりも、ずっと水分が少なく仕上げることができます。その水分量の少なさは普通の作り手では茶葉を焦げ付かせてしまったり、美味しく仕上げることができないほどです。この水分量の少なさと龍眼炭を使った焙煎、しっかりと行っている発酵により、年月を経た方が香り高く、柔らかく深みを増す性質を持っています。
実際に私どもの手元には10年前からのこの作り手による凍頂烏龍茶を保管していますが、好みはあるものの、古いものほど柔らかく深みのある、美味しい味わいになっています。
届いたばかりのフレッシュな凍頂烏龍茶の味わいを楽しむのも
お手元でその変化を楽しむのも
ビンテージ違いでその味わいや香りの違いを楽しむのもお勧めです。