西双版納 勐海 普洱茶工場 2 / 発送業務お休みのお知らせ

西双版納 勐海 普洱茶工場

一般的に知られる普洱茶の固形茶の成形も見せていただきました。
これは今では少なくなりつつある石磨圧延に使用する重しです。1つ1つ、人の手で成形、押し固めていくのでとても大変な作業です。労力も必要ということ、時間もかかるということもあり、昔ながらの石磨圧延ができる製茶場は限られています。
この製茶場では機械による圧延も行いますが、良い品質の茶葉のみを石磨圧延で行っているということでした。他の製茶場でも同じような場合が多く、品質の良いもの、良いお茶は石磨圧延を行うということが多いようです。確かに石磨圧延は味わいも香りも違います。

西双版納 勐海 普洱茶工場

ここ数年、良く作られるようになってきた小さな固形茶です。良く見かける小沱茶と違い、球形をしているのが特徴です。
元々、普洱茶は良いお茶であればあるほど固形茶にしてきました。逆に言えば散茶はそれほど良いお茶ではないことが多かったのです。しかし、ここ数年の普洱茶の価格高騰に伴い、従来の大きさの固形茶では高額になりすぎて買い手がつかないということが増えてきました。そこで1回分ずつ球形にすることが多く見られるようになりました。小沱茶の形にしないのは機械が必要で、良いお茶は機械を使用せずに成形したいということもありますが、殆どの小沱茶は品質が良いとは言えないものが多く、差別化を図るためにもこの形で落ち着いたようです。

西双版納 勐海 普洱茶工場

この成形にもいくつかの方法があります。一般的にはビニールを使用して成形していく方法です。丸めて形が落ち着くまでビニールで包んだままにしておきます。その後、乾燥させていきます。このビニールは表面がツルツルしていることもあり、これを使用した固形茶は表面が平らで綺麗に作ることができます。しかし、通気性がないため味わいや香りに影響してきます。
本当に良いお茶はここでビニールではなく布を使います。ビニールほど形は綺麗にできませんが、通気性があるため、完成したお茶の香りや味が良いのはこちらの方です。布の種類も工場によってこだわりがあります。

西双版納 勐海 普洱茶工場

成形した固形茶はこうして乾燥させていきます。普洱茶の乾燥は基本的に晒日、太陽ですが、ここまで成形した普洱茶を野外で乾燥させることはあまりありません。太陽の光が強く、茶葉の色が焼けてしまったり、当然ながら味わいなどにも影響するため、太陽の光が程よく入る室内で日光量を調節しながら数日かけて乾燥していきます。
天気の悪い日や時間が無い場合、また大量に製造する場合は乾燥室で乾燥を行います。実際に熱を加えて乾燥させていきますが、通常のお茶よりもずっと低温で時間をかけて乾燥を行っていきます。

西双版納 勐海 普洱茶工場

完成した固形茶は包装して出荷します。雲南の製茶場では製茶したお茶は通常全て出荷します。後熟成などは基本的に購入した茶商が行います。この製茶場でも基本的に全て出荷していますが、なかには自分の所で熟成倉を持ち、一部は出荷せずに自分で熟成しているところもありますが少数です。

乾燥が終わったお茶を包装していく紙は通常の紙とは少し違います。和紙というのでもないのですが、楮が通常よりも多い紙を使用します。この紙も専門の工場で作られています。小さな町工場のような感じの場所が多く、希望にあわせて作ってもらうことができます。
包装したお茶は昔ながらの竹の包みで7枚で1筒という具合にまとめていきます。

西双版納 勐海 普洱茶工場

こうして一連の成形工程を見てきましたが、成形だけでもかなり大変な作業で、殆どは人の手で1つ1つ行っています。大益などの大きな製茶場では殆どを機械化することができましたが、村の小さな製茶場では殆どがこうして手作業で今もお茶を作っているのが現状ですが、勐海は比較的機械化が進んでいる方ではないかという印象です。易武の方では全く製茶機械がないということも珍しくありません。(易武については改めてご紹介していきます。)


4月の中国雲南出張では長年に友人を訪ねてシーサンパンナの易武を中心に茶産地をまわってきました。
2017年の春の易武はお茶作りにとって決して穏やかな年ではありませんでした。大雨や雹、急激な気温の急降下に見舞われ、大きな減産となってしまったのは事実です。とはいえ、そういった年でも例年と変わらない、中には例年以上に良いお茶も作られます。ただし産出量が少ないため価格が高騰してしまうという事情があります。

製茶期間中、この地を訪問してきました。これはその際に代々、麻黒寨で茶農家を営む友人から譲っていただいた貴重なプーアル生茶です。
本来であればこの価格でご紹介できるような品質のお茶ではありませんが
長年の友人ということ、新たにショップでも易武のお茶の美味しさを
日本の方にご紹介したいということで、譲っていただくことができました。

2017年 麻黒寨 喬木古樹茶
2017年 麻黒寨 喬木古樹茶

できたばかりのプーアル生茶は強くて美味しいと感じられないと思いがちですが、このお茶は違います。雲南のプーアル茶の中でも特に易武は甘いお茶であることが知られていますが、この麻黒寨で作られたお茶はその特徴がよく分かるように優しく甘いお茶に仕上がっています。香りは見事な蜜香が感じられ、飲み込んだ後の余韻も非常に長く強く感じられます。しっかりとしたミネラル感がありながらも、優しく、とても心地の良いお茶です。

能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014
能天源七子餅茶 易武正山古樹 古式手工 2014

このお茶は易武の古鎮で代々お茶作りを営む易武天能茶庄は今年で9代目という歴史ある茶農家さんによるものです。名作り手と名高い何能天老師とその息子さんによるプーアル茶は小さな製茶場でありながらも易武の中でも高い評価を受けています。

使用する茶葉は易武の山深い場所にある自然のままに育った古茶樹、茶葉の殺青(発酵を止める工程)もガスではなく薪を使い、製茶機械を可能な限り使用しない昔ながらの製法にこだわる茶農家です。もちろん、圧延工程も昔ながらの石磨圧延です。

非常に高く綺麗な、そして長く続く見事な、易武の人たちの言うところの「蘭花香」が感じられます。ちょうど熟成が一段落したところで、本来持っている香り高さに加えて蜜のような甘い香りも深く出ています。易武らしい甘味は深くしっとりと、優しいミネラル感とあわせて複雑な、それでいて喉に心地よい仕上がりになっています。3年間熟成させていますが、易武での徹底した乾倉管理ということもあり、いわゆる陳香は感じられません。

友人である茶農家さんのご好意により麻黒寨古樹茶、能天源七子餅茶は現地と変わらない価格でご紹介できるようになりました。上質なプーアル生茶の美味しさをお楽しみいただければと思います。


6月24日から6月26日までのあいだ中国出張のため、
発送業務をお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。
大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。