月別アーカイブ: 2020年7月

宜興紅茶 高山鳳凰単叢夜来香 入荷しました!

このたびの豪雨被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧を、心よりお祈りいたします。

この影響により、一部地域での集荷・配送の停止や遅延が発生しております。該当する地域への発送をご希望の方には、ご注文後改めてご連絡いたします。お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


4年ぶりに宜興紅茶が入荷しました。
農薬はもちろん化学肥料も一切使わず、機械を使わずに手作りで丁寧に作られた紅茶です。

手工 宜興紅茶 2020
手工 宜興紅茶 2020

紫砂茶壺で有名な江蘇省宜興で作られる歴史ある紅茶です。この地域では唐代から献上茶を作る地域として知られてきました。今も陶芸だけでなくお茶作りは変わらず続けられています。

日々、緑茶を楽しむ地域が殆どと言って良い中国の中でも、この宜興では日常的にこの宜興紅茶が楽しまれています。ほっこりと、心がほぐれるような、寄り添うような優しさは、この宜興紅茶ならでは。このお茶が宜興の人たちに愛されている理由が分かります。
いろいろと心が疲れてしまうような状態が続いていますが、そんな時にぜひ味わっていただきたい紅茶です。

宜興の地で代々、紫砂茶器とお茶づくりを行う一家の宜興紅茶です。紫砂作家として活動する家族、お茶づくりを行う家族、お互いに支え合いながら1つの家の中で暮らしています。家族が創った茶器で、家族が作ったお茶を楽しみながら日々を重ねていく、そんな素朴で甘い宜興の人たちの暮らしに寄り添うお茶です。


通常であれば夜来香に限らず、鳳凰単叢は少なくとも夏を越した頃までは後熟成を行います。今はまだ、このお茶の持つ深みのある香り、味わいは、十分に出てきていません。
通常であれば、この夏の時期にご紹介することはありませんが、季節と共に変わっていく変化もお楽しみいただければと思い、この夜来香は夏からご紹介することにしました。

高山鳳凰単叢 夜来香 2020
高山鳳凰単叢 夜来香 2020

夏の今はさっぱりとした花果香、微かな乳香と爽やかな甘味が美味しいお茶です。
お茶というものは、はるか昔から、それを楽しむ人々の生活に寄り添いながら、日々変わっていくものなのだなと実感できるほど、このバランスが夏に心地よく感じられます。

季節が変わりゆくにつれ、このお茶もその香りと味わいを変えていきます。秋にはより深みを増した沁み入るような香りと味わいに、冬には更に奥行きを増した複雑な香りとスープのような滋味のある味わいへと変化していきます。
人びとの生活に根ざし、季節とともに一緒に変わっていく、お茶の楽しさ、美味しさもぜひ体感してみてください。

ワークショップ 2020年7月 ありがとうございました!

ワークショップ 2020年7月

7月のワークショップにご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
今月は以下のお茶でした。

野生福鼎白牡丹 2011
中国・福建省福鼎市

福鼎貢眉 2011
中国・福建省福鼎市

重火 老岩茶 水仙 2005
中国・福建省武夷山

鳳凰単欉 黄梔香
中国・広東省潮州市潮安県烏崠山

ここ数年、夏の白茶は日本でもすっかり定着してきました。白茶というと白毫銀針や白牡丹が人気ですが、実は寿眉も大変美味しい白茶です。中国茶を学ぶ際に「良いお茶」は白毫銀針、白牡丹、寿眉の順であると聞くことが多いものですが、実際には今回の貢眉のように白毫銀針の価格よりも高価な寿眉もあります。(もちろん白毫銀針の中でも価格差が大きいのですが)良いお茶、品質が低いお茶と認識されがちですが、実はどれもそれぞれ味わいや香りがある個性的なお茶です。また高温で淹れた際の味わいと低温で淹れた際の味わいの違い、湯温のコントロールについても多くの方に課題が残ったようです。高温を保って淹れることができるようになった方は多いのですが、低温で淹れるのは難しいという方も多いのですが、体幹が安定し、お湯のコントロールができれば、どちらもできるはずです。今後の課題としたいと思います。

ワークショップ 2020年7月

また、今回は老岩茶の水仙も味わっていただきました。今の岩茶にはない昔の製法によるもので、こちらもまた面白かったのではないかと思います。今の岩茶にはない無骨でありながらも繊細な味わいと香りを実感していただければ嬉しく思います。

最後に店主が淹れたお茶はこちらです。

九龍巣 白鶏冠 2009
中国・福建省武夷山九龙窠

店主の秘蔵茶の1つです。四大名叢の1つとして有名な岩茶でありながら、意外と味わったことのないという方も多い岩茶ではないでしょうか?味わい、香りが一般的な「岩茶」とは大きく異なること、生産量が少ない、また価格が下がらない理由などについてもご説明させていただきました。今回の白鶏冠は最高品質のものです。なかなか難しい岩茶の1つですが、美味しくお楽しみいただけたのではないでしょうか。

8月のワークショップはお休みとなります。
9月以降は8月にスケジュールを決め、現在継続中の方を優先にご連絡、予約の受付をさせていただきます。
新型コロナウイルスの感染状況や異常気象など、なかなか落ち着かない状況ですが、9月にまたお会いできることを楽しみにしております。

洞庭碧螺紅茶 巴達小餅 在山堂 柴窯粉青小品杯 入荷しました!

昨年、スポット入荷した洞庭碧螺紅茶ですが数日で完売してしまった紅茶です。もともとは大変高価な紅茶ということもあり、以後の取り扱いを断念していました。
今年の2月、まだ日本では新型コロナウイルスの感染が殆どなかった頃、当店からマスクなどをこの作り手さんにもお送りしていました。そのお礼をしたいとお申し出いただき、今年もご紹介することができました。昨年よりも品質の高い碧螺紅茶が届きました。

洞庭碧螺紅茶 2020
洞庭碧螺紅茶 2020

碧螺春は龍井茶と並ぶ中国を代表する緑茶です。
非常に細かい芽と豊富な白毫、それに裏付けられる深みのある甘みと旨味が特徴的な名茶です。その碧螺春の鮮葉を使用して作られた紅茶です。

元々白毫が非常に多い茶葉を使用しているため、ゴールデンチップが見事です。茶葉が細かく、1つ1つ手摘みで行われた茶摘みの苦労が伝わる繊細な茶葉です。

湯を注ぐとため息がでるほどに深く優しく清らかな果花香が立ちのぼります。上質なカカオのような甘い香りは碧螺紅茶特有のものです。その香りを引き立てるような甘い茶水は深い旨みもあり、微かな酸味と合わさり、これまでにない素晴らしい味わいをお楽しみいただけます。


大変美味しくコストパフォーマンスの良いプーアル生茶で、以前に大変ご好評をいただきました巴達小餅の2017年が再入荷しました!
北京の茶倉で3年間後熟成を行ってきました。

巴達小餅 古樹生茶 2017
巴達小餅 古樹生茶 2017

巴達には古くからの古茶樹園が多くあり、標高1500から2000mのあたりに古茶樹園が作られ、製茶されています。このあたりでは霧や雨が多く、年間を通して温暖な気候で暑すぎることも、寒すぎることもない、どちらかといえば涼しい気候で、茶樹栽培には大変適しています。古くからある喬木大葉種を中心として製茶が行われていますが、そのような温暖で霧の多い気候のため、モウ海の中でも苦味や渋みが少ない、優しい味わいのプーアル茶が多いことも特徴です。

この巴達小餅は巴達の標高1800m付近にある古茶樹園から摘み取られた茶葉から作られました。樹齢は300年以上とのことですが、正確な樹齢は不明とのことです。昔ながらの石磨圧延で成形され、100gの小餅として作られています。


龍泉窯の劉傑大師による柴窯(薪窯)の作品が入荷しました。
若くして中国伝統工芸大師、麗水市工芸美術大師となった非常に優秀な作家です。APECやG20、一路一帯といった国賓を迎えて行われる晩餐会で使用される、食器の制作にも携わり、龍泉窯の中でも技術の高い作家として知られています。

在山堂 劉傑 柴窯粉青小品杯
在山堂 劉傑 柴窯粉青小品杯

彼自身、お茶が好きということもあり、非常に使いやすい茶器を創り出します。美しさだけでなく、細部までこだわり抜いた精密さは使いやすく、美味しくお茶を楽しむことができる稀有な作品を生み出しています。釉薬に至るまで自ら山の中に赴き素材を探して作っています。この釉薬が美しさだけでなく、美味しくお茶を楽しめる茶器を実現させています。不思議なことに岩茶や鳳凰単叢といった烏龍茶と非常に相性がよく、驚くほど優しく柔らかくお茶を楽しむことができます。

在山堂 劉傑 柴窯粉青小品杯

一般的な龍泉窯の作品の中でも彼の造形と釉薬の美しさは抜き出ていますが、特にこの粉青は透き通るような、宝石のように美しい作品です。この色を表現するのはとても難しく、また2つと同じ色合いのものはありません。


毎日のお茶としてお楽しみいただいている方も多く、人気の高い蔵茶が再入荷しました。
品切れでご迷惑をおかけしました。

蔵茶 康磚(布袋)
蔵茶 康磚(布袋)

蔵茶は四川省の雅安で作られる黒茶で、プーアル茶などを含む黒茶の中では最も古い歴史を持ちます。辺境の少数民族へと運ばれ、消費される辺茶であり、その名の通り、蔵茶はチベットへ運ばれ、消費されるお茶です。

甘い香りで味は非常に柔らかくて甘く、飲みやすく、癖は全くといってよいほどにありません。香ばしさもあり、香り高く、品のある甘さが感じられます。
蔵茶は胃腸に優しいのが特徴です。美味しく楽しめる日常のお茶として、おすすめのお茶です。

暑い夏には特におすすめです。
ヤカンなどで煮出した蔵茶を冷水筒で冷やして味わっていただくと癖もなく、甘く美味しく、優しいお茶になります。(5gで1リットル)また蔵茶は冷やしてお楽しみいただいても体を冷やしすぎることなく、胃腸に優しいのが特徴です。胃腸をはじめ、体に疲れがでるこの時期こそおすすめのお茶です。水出しのお茶などは体に疲れが溜まっていたりすると、体を冷やしすぎてしまったり、胃に負担がかかることも少なくありません。
店主は過去に急性胃腸炎になった際、当然、お茶はもちろん、白湯も受け付けないほど胃腸が弱っていたのですが、この蔵茶だけは大丈夫でした。それほど胃腸、体に優しいお茶です。