武夷山滞在中は主に午前中は各地の茶畑を見学させていただき、午後は工場で焙煎のブラッシュアップや色々な作り手さんを訪問したりと沢山の経験をさせていただきました。
こちらは御茶园(御茶園)と呼ばれる場所です。
御茶园というのは武夷山の皇帝専用の茶園で、宋、元、明代の皇家焙茶局が管理していた畑です。かつてはここで龙团凤饼(龍団凰餅)も作られ、現在も200種類以上の茶樹が植えられています。
武夷山市茶叶科学研究所(武夷山市茶葉科学研究所)の販売部門である武夷星茶業有限公司という会社が管理しています。この会社は武夷山はもちろん、中国各地や香港にも沢山の支店を持つ大きな会社ですので、ご存知のかたも多いと思います。
この御茶園で栽培された茶葉から作られた岩茶も販売されていました。(前回のお茶会でオマケで淹れさせていただいた小紅袍はこの御茶園のものです。)
御茶園全体はなだらかな傾斜になっています。茶畑は段々畑のように石垣で区分けされた中にあります。ブロックごとに植えられている茶樹の品種が異なっていて、ちょっとした品種博物館のようになっていました。
この敷地内には武夷星茶業の茶館もあります。観光シーズンではないこの時期は営業を行っていないようでしたが、スタッフの方に声をかけると中を見学させていただけます。中には茶館としてのスペースの他に昔の製茶道具や製茶風景の写真などが展示されています。
まだ残暑が厳しいですが、少しずつ秋の気配が感じられるようになってきました。先日入荷した紅茶が大変ご好評いただいております。
大湖山で栽培された伝統的な品種である鳩坑小葉種を使用し、昔ながらの製法を守って作られています。
とても技術の高い、現地では非常に有名な作り手が全て手作業で機械を使わずに作ったとても上質な九曲紅梅です。
もう1つの九曲紅梅は珍しい奇蘭種を使って作られたものです。
中国茶に詳しい方は奇蘭と聞いて不思議に思われると思います。
奇蘭は福建省などにある青茶(烏龍茶)の茶樹品種です。この九曲紅梅に使われているのは台湾の奇蘭種です。
かつて、この地でお茶作りをしようとした台湾人が持ち込み植えたまま放置されている奇蘭の茶畑があり、その半野生化した茶畑から摘み取って作ったものがこの九曲紅梅です。
奇蘭種の方はスポット的なお取り扱いになりますので追加入荷の予定は今のところありません。
生産量が少ないため、今後の輸入予定も未定です。
品切れが続き、ご迷惑をおかけしていた四川高山紅茶が入荷しました。
当店でも一番人気の四川高山紅茶です。
今年4月の四川省雅安大地震では製茶所も被害を受け、紅茶の生産も危ぶまれていましたが、何とか自分たちで製茶所を直しながら製茶を行ったそうです。(本格的な修復も製茶のシーズンが終わったため、ようやく始まったそうです。)
現在も当店では四川のお茶の売上げの一部を地震の義捐金として寄付させていただいております。
そのお礼として今回、茶業さんからの仕入れ価格を下げていただき、以前よりもお求め安いお値段でご提供できることになりました。