成都お茶事情

成都の茶座

上海から四川省成都へ移動、成都では茶業兼茶商をしている友人のお店を訪問したり、四川省のお茶事情を見てきました。

成都をはじめとした四川省では野外に椅子とテーブルを並べた青空茶館、茶座が有名です。成都では鹤鸣茶社が有名な茶座です。雅安をはじめとした地方にも街の景観が良い場所や公園に茶座が設けられているのが良く見られます。地元の人たちはこうした茶座でゆっくりとお茶を飲みながらトランプをしたり、おしゃべりをしたり、思い思いに過ごしています。
こうした地元の人たちに愛されている茶座ですが、それでも少しずつその数は減ってきているようです。文殊院という古い由緒あるお寺の中にあった茶座をはじめ、街が都会化するのにつれて、かつてあった茶座が無くなってきているようです。残念ですが、これも変化なんですね。
そんな中、偶然通りかかって茶座を見つけました。観光地として有名な文殊院の近くの裏路地にある茶座で、名前もない地元密着型の茶座です。とても活気のある茶座で、地元の人たちの憩いの場として賑わっていました。
姿を消してしまう茶座もあれば、こうして残っていく茶座もあります。

大西南茶城

成都の北部、五块石にある大西南茶城です。
中心部からは少し離れた場所にあるため、交通の便が良いとは言えない場所ですが、ここに来ると四川省を中心とした中国西部のお茶事情が分かります。
写真はその茶城の中にある友人の店舗、裕昌源茶庄です。成都では最も上質な茶葉を扱っているお店の1つで、四川省のお茶はもちろん、作り手でもある店主自ら雲南省へ赴いて作った普洱茶、上質で美味しい岩茶などを揃えています。1935年の創業とのこと。ちょっとした老舗です。
お店の奥にはとても雰囲気の良い茶室もあり、店主のコレクションでもある素敵な紫砂茶壺や茶器が飾られています。
この日も沢山の素敵な茶器と美味しいお茶をいただき、お茶話で時間が経つのを忘れてしまうほどでした。

紫砂茶壺

大西南茶城でも普洱茶の人気は衰えることはないようで、地元四川省のお茶と並んで殆どのお店で普洱茶を扱っているのは変わらないようです。ただし、以前よりもお店によってその質の差が大きくなってきているようで、友人のお店のように非常に上質な普洱茶を扱っているお店は少数、その他は普通かそれ以下の量産型の茶葉を扱っているようでした。普洱茶自体が非常に人気が出てきてしまい、自ら現地に赴いて製茶に参加できる店舗とそうではない店舗の仕入れることができる茶葉の質が随分と差が出てきているようです。

そういった雰囲気もあり、茶城の中でも店舗の入れ替わりが目立っていました。以前に覗いてみたり、勉強用にと買い求めた店舗の半分以上が無くなって全く違うお店になっていたり。
成都のここに限ったことではありませんが、なかなか競争が厳しい状況にあるようです。

裕昌源茶庄
成都市金牛区五块石大西南茶城2-1-68号
028-83152938
日本語は全く通じませんが成都の大西南茶城へお越しの際はぜひ遊びに行ってみてください。


3月28日から4月10日の中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
発送業務を再会させていただきました。

今年も美味しい四川と雲南の新茶を見つけてきました。通関・検疫が完了次第、ご紹介させていただきます。
今回は新茶の買付けの他にも福建省政和にある白茶の茶畑と製茶場、武夷山なども訪問してきました。こちらは順にブログでご紹介させていただきます。(プログにアップするのが遅れがちで申しわけありません。)


桜の時期も過ぎようという頃ですが、まだ朝晩は冷え込みますね。
そんな時には身体の芯から温めてくれる岩茶がお勧めです。

10135.1
天心岩 半天腰
岩茶の本流を感じさせるような品格のある花果香と火の香りが素晴らしく
岩茶とはこのような美味しさのあるお茶だったと再認識させてくれるような格の違う深みのある美味しさがあります。
まるで上質なモルトウィスキーのような奥行きのある複雑な味わいに仕上がっています。

10134.1
慧苑坑 瓜子金
甘く深みのある果香と柔らかい甘味のバランスが良い岩茶に仕上がっています。
煎を進めていくと甘い味わいが変化してお菓子のようなニュアンスもでてきます。
火入れの程度は中火。強すぎず弱すぎず、絶妙のバランスで火入れが行われています。

10133.1
天心岩 黄玫瑰
黄玫瑰はまだ比較的新しい品種で、2013年から本格的に収穫がはじまりました。
綺麗な優しいバラの香りのする岩茶です。
美しい琥珀のようなお茶は香りだけでなく爽やかな甘味と複雑で上品な滋味
しっかりとしたミネラル感と合わさり、上品で軽やかな美味しさがあります。

10131.1
慧苑坑 千里香
名前の通り、驚く程に素晴らしい甘い花の香りを持つお茶です。
甘さと複雑な旨味が合わさり、非常に良いバランスの岩茶に仕上がっています。

10117.1
流香澗 悦明香
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。
またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり
非常に複雑で奥深い味になっています。

10108.5
百年老枞水仙(百年老欉水仙)
慧苑坑にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老欉水仙です。
特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。