賀開 製茶場

賀開 製茶場

賀開古茶園を見学した後は、老師の案内で同じ賀開茶山の中にある製茶場を訪問させていただきました。案内をしてくれている老師は老班章でも名作り手として有名な方で、その技術を学びたいという作り手さんたちも少なくありません。今回訪問させていただいた賀開の作り手さんも老師に師事している方の1人です。

製茶場は古茶園から少し山をおりた場所にありますが、とても眺めの良い場所にあります。急斜面の途中に建てられた製茶場からの眺めはとても気持ちよく美しかったです。これで12月の空とは思えないほどですね。

賀開 製茶場

時期的にもさすがに製茶は行っていませんでしたが、新しく作っている途中という紅茶の製茶場を見せていただきました。これは殺青釜ですが、まだ未完成です。この後に金属の釜を設置するようになっています。こういった製茶場は雲南に限らず自分たちで作ることが多いです。自分で建物から建てることも珍しくありません。
釜の傾斜は地域によって違います。西双納版は概ね同じような角度の傾斜が多いですが、四川省や浙江省、安徽省や福建省など、それぞれの地域によって角度や形式が変わってきます。

賀開 製茶場

これはできたばかりの萎凋槽です。紅茶の発酵を促進するために利用します。
下側に熱風を送り込むことで温度を上げて発酵を促します。通常はガスや電気などの熱源を使うことが多いのですが、ここでは薪を使用する予定とのことで、外側には薪を燃やす炉があります。
賀開の古茶樹を使用した紅茶を作るそうで、とても美味しそうですね。

賀開 製茶場

晒青に使うスペースです。かなり広大な空間で、雨でも大丈夫なように屋根があります。台湾の製茶にも同じような建物を利用しますが、大きく違うのは太陽の強さでしょうか。台湾の場合は雨を避けるという目的で作られますが、西双版納ではその他に強すぎる太陽の光を軽減するという目的でもあり、台湾の製茶場のように屋根の開閉はできないことが殆どです。
西双版納では日光がとても強く、あまりに強い太陽光は茶葉の色を変えてしまったり(まさに焦げたように黒くなります)、味わいにも影響するため、逆に日除けをつけたりしてコントロールしながら乾燥させています。


無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しい普洱茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

この2008年の無量山 寨子坡は現地に住むイ族によって作られました。標高1700~2400m付近の半野生古茶樹(無肥料・無農薬)から摘み取られた茶葉を使用しています。採取した場所の標高にばらつきがあるのは茶園のものではなく、原生林のような山の中に点在する茶樹から摘み取っているため、正確な標高が分かりません。また、樹齢も樹高などから200年は軽く越えていると思われますが、正確な樹齢は分からないということです。昔ながらの作り方で丁寧に作られた普洱茶です。