お茶の旅」カテゴリーアーカイブ

上海 天山茶城

天山茶城

高級評茶員養成・受験講座が終了して上海へ戻って来ました。
ここからは台湾へ行っていた代表と今回の旅に途中同行されることになったお客様と合流して各地をまわります。

上海は意外とお茶に関連するものが少ない都市ですが、市場もいくつかあります。
今回はその中の1つ、天山茶城を見学しに行ってきました。

広州や北京のお茶市場を知っていると拍子抜けする位に小さい市場です。この日だけなのかもしれませんが、訪れる人も少なく、少し寂しいような気もする市場です。メインとなる天山茶城は外壁修理中でした。この天山茶城を中心に周囲にもお茶屋さんが並びます。

天山茶城

茶城の中はこんな感じになっています。
やはり人は少ないようで、すれ違う人は殆どがここで働く人や呼び込みの店員さんたちです。

上海の中心部に近い場所にあることもあってか、卸市場というよりは観光客向けのお茶市場といっても良さそうな感じの品ぞろえが多いです。小分けで綺麗なパッケージになっているものも多く、お土産にしやすいようになっています。お店も飾り気のない卸のお店というよりも綺麗で入りやすい内装になっていることも多く、店員さんたちの呼び込みの言葉は中国語よりも日本語や韓国語、英語の方が多く聞かれます。
とはいえ、市内の一般小売のお店よりは価格も抑えられていることも多いですから、上海観光の際にお茶を買うのであれば良い場所と思います。ただし、中には観光客と分かると品質に対してかなりの高値をつけてくる業者も多いですので、購入する際には必ず試飲して、納得できる価格かどうかで決めるようにしてください。
中には日本ではあまり見かけないようなお茶などもありますので、面白いと思います。

こういった市場は本当に玉石混淆ですが、中には良いお店もあります。一番は通ってよいお店を見つけて信頼関係を築くことです。あるいは信頼できる人の紹介などが確実です。どちらも難しい場合は訪れるお客さんの多い人気のあるお店などを選ぶのも1つの方法です。

#鈴茶堂のお茶は基本的に生産者より直接譲り受けております。ここで仕入は行なっておりません。


師走で忙しい12月、疲れがちな胃腸や身体に優しい蔵茶が人気です。
カフェインを全く含まない四川省雅安茶廠の蔵茶は全く刺激性がなく、二日酔いや体調を酷く崩した際にも楽しめる、白湯よりも身体に受け入れやすい優しい黒茶(麹菌後発酵茶)です。
解毒作用や整腸作用、循環器系改善、減脂作用などがあるとしてチベットをはじめ、中国では親しまれています。


蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

祁門工場見学

祁門工場

もう1つの祁門紅茶場見学は祁門工場とも言えるような近代的な大きな工場でした。
まだ新しい工場のようで経済開発区の中にあります。

ここでは主に製品にするための最終加工の部分を見学させていただきました。

祁門工場

様々な機械で茎を取り除いたり、茶葉を大きさ別に分けていきます。
ここでも殆どの生産は終了していましたが、まだ一部の作業も行われていました。

祁門紅茶場は手作業での篩い分けを見せていただきましたが
ここでは機械を使用した方法をとっています。
(こちらの方法の方が一般的な篩い分け方法です)

祁門工場

こうした工程を経て毛茶(荒茶)だった祁門が製品茶として仕上がっていきます。
篩い分けられたお茶は各紅茶場やメーカー毎に決められた等級に分けられて出荷されます。

一般的に低い等級のものは食品加工用やペットボトル飲料など向けに
中程度のものはティーバックや国内外の大きなお茶メーカーさん・販売店さんなどへ
高い品質のものは高級茶として主に国内市場へ、一部は海外へ出荷されます。

祁門工場

このような大規模なメーカーさんでは、各ロット毎に品質のばらつきがでないようにブレンドを行なって出荷します。
この巨大なタンクは紅茶の保存タンクです。
タンクの下から茶葉が取り出せるようになっていて、そこでブレンドが行われます。

祁門工場

祁門に限ったことではありませんが、普通はなかなか製茶場の中を見学させていただいたり
ましてや撮影させていただくことはできません。
今回、色々と見学、撮影までさせていただくことができ
こうして皆様にご紹介できることができたことに、対応してくださった関係者のみなさまに感謝しています。


鈴茶堂Webショップ1周年・お茶プレゼントですが
多くのご注文をいただき本当にありがとうございます。

用意させていただいていたお茶も種類によっては既に終了してしまったものもありますが
早期終了はなるべくせずにいきたいと思っております。
そのため、プレゼントさせていただくお茶の内容が本日ご注文分から変更になります。

また、既にご注文いただき、プレゼントをお送りさせていただいた方には
お茶の組み合わせが違うものをお送りさせていただきます。
可能な限りプレゼントさせていただくお茶が重複しないようにさせていただきますが
限られた中からお選びしているため、種類が重複してしまった場合はどうぞご容赦ください。

よろしくお願いいたします。

祁門 茶山公園

祁門 茶山公園

茶山公園は祁門の街中にあります。

中には特に何がある訳でもないのですが
祁門の茶畑と製茶の様子を写したレリーフなどがあります。

祁門 茶山公園

ここに植えられている茶樹品種は祁門槠叶种(祁門櫧葉種)と呼ばれる祁門本来の品種です。1982年に安徽省の優良茶樹品種に、1984年には国家優良茶樹品種に認定されました。
この品種からは紅茶はもちろん、緑茶も作られ、現在は祁門の地以外にも浙江省、広東省、雲南省、福建省などを始めとする全国に移植されているそうです。
海外ではグルジア、ロシア、インド、日本、ベトナム、パキスタン、スリランカ、東アフリカ諸国でも栽培されているそうですが、日本ではどこで栽培されているのでしょうか?気になります。

祁門 茶山公園

実は祁門紅茶には茶樹品種の指定はありません。
実際には様々な品種で祁門は作られています。雲南大葉種で作られている祁門も実際には多く流通していますし、複数の茶樹品種をブレンドしていることも良くあります。おそらく流通している殆どの祁門は祁門櫧葉種以外で作られているのではないかと思います。
実際に目にする祁門の茶畑の茶樹品種は場所によってバラバラです。
(鈴茶堂の祁門紅茶は祁門櫧葉種です)

折角なので祁門紅茶には祁門櫧葉種を使って欲しいと思うところなのですが、栽培や製茶のしやすさや味、香りなどでそれぞれ選択が違うのでしょう。こういった違いもそれぞれの個性となって現れてくるんですね。


特級 祁門
特級 祁門

鈴茶堂の祁門は祁門櫧葉種を使って作られています。
昔ながらの手作業の多い方法で今も製茶を行なっています。祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物の香りがあります。
この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門がスモーキーな製品ばかりの中、この祁門は純粋な祁門香をお楽しみいただけます。

鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

祁門紅茶場

祁門紅茶場

黄山市から向かったのは祁門紅茶の生産地、祁門です。
やはり中国は広く、黄山市から祁門までは車で2時間近くかかります。
のどかな田園風景からはじまり、段々と山深くなったころ、山里のような集落に祁門紅茶の故郷があります。

まずは昔ながらの作り方を行なっている祁門紅茶場から見学です。
鈴茶堂の祁門を作っている紅茶場も後から地図を確認するとその近くにありました。そちらも昔ながらの作り方という点では似たり寄ったりのレベルです。今回は講習の一環での訪問でしたので私たちがお世話になっている祁門紅茶場へのご挨拶はできませんでしたが、こちらはまた改めて訪問させていただこうと思っています。

祁門紅茶場

審評室で評茶を見せてくださった大ベテランの評作り手さんです。
この方がこの紅茶場の品質を守っているとか。
祁門紅茶に限らず、昔ながらの伝統的な作り方をしている茶業さんには大抵こういった品質の見張り番がいます。こうした方々が常に目を光らせているから美味しいお茶が作られるんですね。

祁門紅茶場

こちらは揉捻機です。この機械を使って茶葉を揉捻していきます。大小合わせて10機位並んでいました。
こちらの紅茶場はそれなりに大きい規模の工場のようです。
まだ夏の暑い盛りでしたが、既に生産は終了しています。

祁門紅茶場

この大きなプールのようなものは萎凋槽です。ここに茶葉を入れて発酵を行います。
萎凋槽の終端部分にはボイラーと大きな送風機があり、そこから熱風を送り込んで発酵を促進させていきます。

祁門紅茶場

人の手で茶葉を大きさ別に篩い分けを行なっています。特別に実演してみせてくださいました。
竹のザルの目の大きさに合わせて茶葉の大きさを分別しています。この作業が出来る職人さんは非常に少なく、後継者不足が深刻な問題となっているそうです。職人の後継者不足は日本と同じです。

工場は祁門の香りがずっと漂っていて、とても良い香りがしていました。


特級 祁門
特級 祁門

鈴茶堂の祁門もこの紅茶場近くで作られています。
もっと小規模の小さな紅茶場ですが、こちらも昔ながらの手作業の多い方法で今も製茶を行なっています。
祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物の香りがあります。
この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門がスモーキーな製品ばかりの中、この祁門は純粋な祁門香をお楽しみいただけます。

四川高山紅茶
四川高山紅茶

同じく人気の高い紅茶が四川高山紅茶です。
甘いキャラメルのような香りと味は他の紅茶にはなかなか見られない特徴です。
四川省・蒙頂山の標高1200m以上という高山地帯で栽培された茶葉を使用して丁寧に作られています。とても小規模ですが、真面目な茶業さんがとても丁寧に製茶を行なって作る上質で希少な紅茶です。

長江と黄山の茶畑

長江

安徽農業大学での講習、試験が終わった後は、バスで同じ安徽省内にある黄山へ移動です。
同じ省内といっても広い中国のこと、安徽農業大学のある合肥から黄山へはバスで5時間以上かかりました。

途中、中国茶を学ぶものには馴染み深い長江(揚子江)を渡りました。
この長江流域で作られるお茶の量は中国全体のお茶生産量の70%近くを占めます。また、中国茶を産地で区分けする茶区も、この長江がその境界線の1つとなっている位にお茶の生産に関係の深い川になっています。写真の通り、とても川幅が広く、まるでちょっとした海の入江の一部のようです。川とは思えないほどに大きな貨物船が行き来している様子も見られます。

茶畑

合肥周辺ではあまりお茶の生産はしていませんが、黄山へ向かって数時間もすると段々と茶畑が増えてきます。
このあたりは有名な黄山毛峰という緑茶の産地で、そのせいか潅木型の背の低い茶樹が殆どです。
平地に茶畑があることは滅多に無く、殆どが山深い場所の急な斜面に作られています。中国茶は本当に傾斜のきつい場所で作られることが多いですね。

黄山

山深い場所を通っているからなのか、お茶の産地だけあって霧が出やすいのか、段々と今にも雨が振りそうな曇り空になってきたのですが、一瞬雲の切れ目ができて黄山の姿を少しだけ見ることができました。
写真ではかなり小さくなってしまっていますが、実際はとても美しい幻想的な山の姿でした。

茶畑

段々と霧が深くなり、山の姿も見えなくなってきました。近くにある黄山毛峰の茶畑だけが、かろうじて見えるような状態です。どんどん山深い場所へ入ってきているようです。斜面に茶畑があるのは変わりませんが、霧の深さは段違いに深くなってきています。このあたりで採れる茶葉の方が良いお茶になりそうな気候です。きっと高級茶が生産される場所なんでしょうね。

茶畑に囲まれた風景を眺めながら半日以上かけて黄山市へ到着です。


特級 妃子笑
特級 妃子笑

正山小種の最高級、金駿眉や銀駿眉に続くものとして作られている紅茶です。
武夷山桐木村の標高1000m以上の場所の茶樹を、立夏の前に一芯二葉で摘み取り、製茶したものです。そのため、一般的な正山小種よりも細く繊細な茶葉に仕上がっているのが特徴です。
妃子笑の中にも色々等級があります。今回鈴茶堂が入手したものは中でも最上級の特級 妃子笑になります。リンゴのような甘い果香が非常に強く、驚くほどに深みのある旨みと甘さを持つ上質な紅茶に仕上がっています。

雲南白茶 月光美人 2008
雲南白茶 月光美人 2008

雲南省で作られる白茶の月光美人です。
この雲南白茶は樹齢100年を越す無農薬栽培の老茶樹から一芽一葉で丁寧に摘み取り、製茶されています。太陽の光ではなく、静かな月の光を浴びて緩やかに微発酵、乾燥の工程を経て作られます。
この白茶は2008年に作られています。白茶はプーアル茶などと同様に時間が経過した方が柔らかく甘みが増し、美味しくなっていきます。この2008年の月光美人も大分落ち着きが出て美味しくなってきました。

白茶は去熱を取るため夏向きのお茶とされていますが、決して必要以上の熱を取ってしまうようなことはありません。むしろ白茶の持つ強力な抗酸化作用や美肌効果で乾燥が激しいこれからの季節にもお勧めです。
餅茶の形状をしていますので長く保存しやすくなっています。1枚は平均して357gですので120回近くお楽しみいただけます。

安徽農業大学

安徽農業大学

先日の台湾出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
台湾では現地友人たちやお茶の作り手さんたちに大変歓迎していただき、普通では入手できないようなお茶を譲っていただいたり、冬茶の見通しを相談させていただいたりと、とても充実した訪問をすることができました。
新たに迎えるお茶や茶器は順次届く予定です。届き次第ご紹介させていただきます。
旅の様子も改めてご紹介させていただきます。

ご紹介が遅くなってしまった8月から9月にかけての中国訪問ですが、最初はWebと仕入れを担当させていただいている私の高級評茶員養成・受験講座の受講から始まりました。
以前から各地の茶業さん、茶農家さん、作り手さんたちから色々と教わってきてはいたものの、一度きちんと体系的に学びたいと思い始めて評茶員を受験していました。評茶員というのは簡単に言ってしまえばお茶のソムリエ、評価者のようなもので、中国では主にお茶工場などの品質評価やお茶屋さんが取得する資格です。最近は日本語での受講、受験も可能となっています。
普通にお茶を楽しむ分には必要ない資格ですが、何故このようなお茶になるのかといったことも分かるようになり、私にとっては今までの復習のようだったり、バラバラになっていた知識がそれぞれ結びつくような答え合わせのようだったり、目からウロコが落ちるような新しい知識との出会いだったりと、とても刺激的で楽しい学習経験となっています。
折角なので納得するまでやってみようと思い、日本中国茶協会が主催する上級資格の講座に参加するため、安徽省の合肥にある安徽農業大学の茶葉学部へ行ってきました。

安徽農業大学

安徽省は中国でも有数のお茶の産地です。
お茶に関する教育機関としては浙江省か安徽省の安徽農業大学かという程の名門とされています。
こちらはその受講した大学内の茶葉学部の建物です。さすが、しっかり茶葉楼と書かれています。

安徽農業大学

朝8時半から夜9〜10時までの長時間の授業でした。
評茶を繰り返し、座学もみっちり、ホテルに戻ってからは最終日に行われる試験に向けて復習と、とにかく寝る時間もあまりないような体力的にもかなり辛い5日間でしたが、かなり本格的な内容で、普通は授業を受けることができないような素晴らしい先生方の授業を受講でき、参加して良かったと今も思っています。
おかげで茶業さんや作り手さんたちとの会話も今までよりももっと深い話までできるようになり、先日訪問した台湾では「そこまで分かっているのなら・・・」と秘蔵のお茶まで出していただいたり、確実に世界が広がってきたようです。
お茶の世界は奥が深すぎて、まだまだ勉強していかなくてはならないことも沢山あるので、今後も継続して勉強は続けていきます。

受講期間中はとにかく授業漬けだったため、みなさまにお見せできるような写真もあまりないのですが、安徽省の美味しい食事をいただくことができたり、初めて訪れる合肥の街並みを少しですが楽しむことができました。

安徽農業大学

大学内はとても広く、日本ではあまり考えられないのですが学生の寮や退職した教職員の方の住宅なども敷地内にあります。写真はその学生寮の1つです。スーパーやちょっとした商店もあったりと、まるで1つの町になっています。
緑が豊かなとても綺麗な場所で、今度は受講という時間が限られた状態ではなく訪れてみたいと思うような場所でした。
出会った先生方をはじめ、学生のみなさんもとても親切にしていただき、本当に感謝しています。
安徽省のここに限ったことではありませんが、街のみなさんもとても親切で、夜、息抜きに街中を散歩していても中国語が怪しい私に色々と世話してくださったり、感謝という言葉が離れない素敵な経験をたくさんさせていただきました。

#おかげさまで高級評茶員試験に合格しました。


正岩茶 悦明香
正岩茶 悦明香

今年は武夷岩茶の当たり年と言われています。
とても出来の良い岩茶が多い中でも特に光っているのがこの悦明香です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。

正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)
正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

中国大陸のお茶が多い鈴茶堂ですが、実は台湾茶とのお付き合いは四半世紀以上になります。
鈴茶堂の代表が長年、台湾を往復していたこともあり
今回の茶業さん訪問は現地の友人たちが大勢集まっての同窓会のようでした。

私たちが訪問したのは凍頂烏龍茶で有名な南投県鹿谷郷とその先の杉林溪です。
台中から車で1時間半ほどの山の中、標高800m程の場所に鹿谷郷があります。
更に山を登って行ったところが杉林溪で、こちらの標高は更に高く1500~1800mの高山地帯です。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

この日は茶畑によって秋茶の茶摘みが行われていました。
山の斜面や標高によって茶摘みのタイミングを計っています。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

摘み取った茶葉はこのようにトラックに積み込み、大急ぎで麓の製茶所まで運ばれます。
このタイミングを逃すと美味しいお茶が作れません。
茶摘みの時期のこの地域は茶葉を摘んだトラックが何においても最優先です。
道路工事の車も警察車両も茶葉を摘んだトラックには道を譲ります。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

この茶葉の量を33人の摘み子さんで摘み取ります。
時間は90分。茶葉の量は60斤(36キロ)です。
もちろん手摘みですから、熟練した技術が必要な大変な作業です。

台湾 凍頂・杉林溪 訪問

私たちがご紹介する予定の凍頂烏龍茶は最近主流になりつつある焙煎の浅いタイプのものではなく、ある程度きちんと焙煎をしている伝統的な製法のものです。
長年お世話になっている鹿谷のこの茶業さんは伝統的な製法を今も頑なに守り、龍眼の炭で焙煎した伝統的な凍頂烏龍茶を作り続けています。

台湾の凍頂で製茶が始まったのは19世紀中頃。
鹿谷郷初郷村出身の林鳳池という学生が科挙の試験を受験するために大陸に渡り、帰郷の際に武夷山から茶樹を持ち帰ったのが起源とされています。
この学生のスポンサーとなっていたのが、この作り手さんのご先祖で、スポンサーとなったお礼に凍頂の持ち帰った茶樹と製茶技術を譲り受けたそうです。
台湾でも知る人ぞ知る茶業さんで、一般的な知名度はありませんが、歴代の台湾総統が訪問するような伝説的な茶業さんです。

私たちの訪問時には3代目当主が出迎えていただき、お茶や茶器の話、ご家族の話まで、楽しく充実した訪問をさせていただきました。
取り置いていた今年の春茶を分けていただき、その美味しさに変わりがないことを再確認させていただき、後にしました。

杉林溪の作り手さんは優秀な製茶技術を持つことで地元ではとても有名な方です。
こちらは冬茶から本格的に扱わせていただく予定ですが、今回は特別に美味しい紅茶も分けていただきました。
紅茶といっても普通に思い描く紅茶とは違い、東方美人のような深みのある複雑な旨味と果実のような甘さを持つ、青茶と紅茶の中間のような味わいです。

台湾のお茶は近日中にご紹介させていただく予定です。


I05
プーアル茶盆

品切れが続いていたプーアル茶盆ですが再入荷いたしました!

プーアル茶や蔵茶などの固形茶を崩すときに使用する茶盆です。
1つ持っていると非常に便利で、散茶を小分けする際にもお使いいただけます。

K-16
マルチティーサーバー K-16

こちらもご好評いただき品切れが続いていたマルチティーサーバーですが、再入荷いたしました!

鈴茶堂のお茶をお楽しみいただけるBar Argyllさんで実際に使用しているものと同じになります。
1〜3人でお使いいただけるサイズです。

K-16
マルチティーサーバー K-16

大き目サイズのマルチティーサーバーは現在ご予約承り中です。
入荷予定は10月下旬以降となっております。

どちらも品質、耐久性、使い勝手共にご好評をいただいております。
ご自宅だけでなく、オフィスにも、とても便利なティーサーバーです。
茶葉を潰さずに煎を重ねていくことができますので、何煎も楽しむことができる中国茶はもちろん、日本茶やハーブティーなど、お茶の種類を問わずにお使いいただけます。

老舎茶館

老舎茶館

四川省でのお茶の旅も終わり、輸出手続きなどで北京へ。
少し開いた時間に有名な老舎茶館へ行ってきました。

老舎茶館は小説家、劇作家として有名な老舎にちなんで命名された茶館です。
1988年創業の老舗で、今も伝統的演芸も楽しめる茶館として人気があります。
国賓も訪れることがあるとか。

老舎茶館

大碗茶の屋台も残されています。
1980年代に老舎茶館となり、現在に至っていますが
元々は大碗茶と呼ばれる「どんぶり茶」のお店でした。
1杯2分という安さでとても人気があったそうです。

私たちが行った際には販売されていませんでしたが
今も1杯2分という価格を守って大碗茶の販売が続けられています。
(10:00〜16:30までの販売だそうです。)

老舎茶館

時間帯によっては演芸鑑賞もできますが、私たちは茶館へ。
一般的な茶館と同じく個室が選べます。
個室によって料金が変わりますので(個室代)どの個室が空いているのかなどを聞いて決めます。

個室に案内されたらオーダーするお茶を決めます。
基本的には個室についた茶藝師の女性がお茶を淹れてくださいます。
私たちは鳳凰単欉をお願いしました。

北京にはこの老舎茶館の他にもいくつかの茶館があります。
それぞれ特色がありますが、主にはビジネス接待などで使われる高級茶館です。
この老舎茶館はどちらかと言うと観光客向けの茶館になりますので
最高の茶藝とはいきませんが、お値段も比較的お手頃で
北京の茶館を体験してみたいという方にはお勧めです。

今回はちょっと長いお茶の旅でしたが、この老舎茶館でその旅も終わりです。

この旅で訪れた北京、四川での茶縁は新たに広がりつつあります。
また近いうちに旅に出ますので、美味しいお茶などのご報告ができればと思っています。


古玉 茶荷 Aタイプ
古玉 茶荷 Aタイプ

白磁のシンプルな茶荷が入荷しました。
上質な白磁を使用しています。
シンプルなデザインですので他の茶器との相性を気にせずにお使いいただけます。
茶荷は軽視されがちですが、1つ持っているととても便利な道具の1つです。

幅の広いタイプもございます。
古玉 茶荷 Bタイプ

紫砂茶玩 ウサギとコウモリ
紫砂茶玩 ウサギとコウモリ

丁寧に作られたウサギとコウモリの茶玩です。
ウサギは長い耳で福を集め、物事がトントン拍子に進む縁起の良い動物とされています。
コウモリも同様に蝙蝠の「蝠」が「福」と同じ音で呼ばれるため、中国では大変縁起の良い動物です。

四川省雅安茶廠 訪問

四川省雅安茶廠 訪問

蒙頂山訪問の後は今回の目的、蔵茶を製造する四川省雅安茶廠を訪問させていただきました。

四川省雅安茶廠は1546年創業という最も古い歴史を持つ蔵茶のメーカーで
その伝統的な蔵茶の製造方法は今も最重要国家機密に指定されています。
そうした理由からか一般の茶廠訪問は通常認められず
ましてや外国人の訪問は更に認められません。
今回は鈴茶堂がお世話になっている茶廠の方のご好意で訪問が許可されました。

四川省雅安茶廠の本社は宿泊している西康大酒店と同じビルにありますが
訪問する工場は街から少し離れた場所にあります。
国家農業科技園という警備の厳しいエリアの中にあり
このエリアにも許可がないと入れないような場所にありました。

空気の綺麗な山の麓にあるとても綺麗な工場で
現在は新しい工場も作っている最中でした。

四川省雅安茶廠 訪問

茶廠では副廠長の余栋钢先生が出迎えてくださいました。
余先生は中国茶の世界ではとても素晴らしい先生で、通常はお会いすることすらなかなかできない方です。
お忙しい中、数時間、余先生には蔵茶についてご説明していただきました。
私たちの質問にも快く答えていただいたり、美味しい蔵茶の楽しみ方を教えていただいたり
とても貴重な体験と知識をいただきました。

茶廠では自由に撮影ができませんので、あまり写真がないのですが
余先生の後ろにあるオブジェは上海万博のために作ったものだそうです。
オブジェの後ろにある茶色の巨大なパネルは蔵茶でできています。
他にも歴史ある古い蔵茶が展示されていたり
普通は見ることのできないような貴重なものを沢山拝見させていただきました。



蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

蒙頂山 茶農家訪問

蒙頂山 茶農家訪問

鈴茶堂がお世話になっている茶農家さんを訪問しました。

蒙頂山の中腹にある、この茶農家さんでは
ちょうど緑茶の製茶をしていました。
朝に摘まれたばかりの鮮葉を使って蒙頂甘露を作っています。

この茶農家さんでは機械を使った現代的な製茶も行なっていますが
昔ながらの機械を使わない製茶も伝統を忘れないようにと
今も頑なに行なっています。
お茶に対してとても熱い情熱を持っている職人さんです。

蒙頂山 茶農家訪問

あたり一面、とても良いお茶の香りが充満していました。
山の中腹とはいえ、標高の高い場所のため、ひんやりとした美味しい空気と
小鳥のさえずりが心地良い、とても素敵な工房です。

とはいえ、職人さんは真剣そのもの。
重労働の揉捻(発酵を止めた茶葉を揉んで成形します)も黙々と行なっています。
上の写真は茶葉薄く広げて香りを出す攤放(たんふぁん)という工程です。
これがあの華やかな蒙頂甘露の香りを生み出すんですね。

殺青と言う茶葉の酸化発酵を止めるべく熱を加える工程を動画に撮らせていただきました。
日本の緑茶と違って蒙頂甘露をはじめとする中国緑茶の多くは釜炒りです。
熱い鉄鍋にも怯むこと無く、素手で茶葉の状態を確認しながら殺青を続けています。

出来立ての蒙頂甘露と数日前に作ったという紅茶をご馳走になりました。
とても美味しく、宝石のように綺麗な茶葉が印象的でした。

ショップでは既に完売してしまいましたが、手作りの蒙頂甘露はこの茶農家さんによるものです。
手摘み、手作りのために数量が少ない貴重なお茶です。

機械を使用して作った緑茶もそうですが、出来立ての新茶はまだ火が残っていると言われます。
この火が抜けた状態が最も美味しく、熟成が進んだ状態と言って良いと思います。
機械で作られた緑茶の方が早く火が抜けるように思いますが
手作りの緑茶が美味しくなるのは、好みにもよりますが製造後半年以上経過してからとも。
(私の好みは1年位経過した方が美味しいと感じますが・・・)
熟成が進むと香りが更に良くなり、味も丸く深みのある甘さを楽しめます。
低温で保存しながら、熟成による変化をゆっくりと楽しんでください。


10808.2
特級 明前 蒙頂甘露

とても美味しい蒙頂甘露です。
花の香りと丸く甘い芳醇な味と合わさって、とても品のある美味しい緑茶です。
水出しでも美味しくお楽しみいただけます。

10914.1
雲南白茶 翠玉

去熱効果や美肌効果を持つと言われる白茶です。
雲南省の樹齢100年を越す無農薬栽培の茶樹から丁寧に摘み取り、製茶されています。
ミネラル感を感じることができる甘い美味しいお茶です。
温かいうちでももちろん、冷やしても水出しでもお楽しみいただけます。