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新茶 第2弾 入荷しました & 発送業務お休みのお知らせ

浙江省

入荷が遅れていた新茶が入荷しました。

第2弾はとても珍しい野生茶と普洱茶(プーアル茶) の新茶です。

金華 野生茶
金華 野生茶

野生茶は浙江省金華市に住む私たちの友人のお母様が毎年春になると手作りしているもので、本来は名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしかみんな野生茶と呼ぶようになりました。

この地域では自家消費用のお茶はその家を守る主婦が作ります。春になると各家庭の主婦は所有する畑の片隅にある茶樹などから茶摘みし、その年のお茶を作るそうです。この友人のお母様はそういった茶樹よりも安全で美味しいものを飲んで欲しいという思いから付近の山に登り、そこで自生する野生茶樹から茶葉を摘んでお茶を作ります。

標高約800mの中国特有の急斜面の山を登り、1日ずっと茶摘みをして回っても1日で作れるお茶の量はたった250gだそうです。山が厳しいうえに野生茶樹は成長が遅く、また点在して生えているために折角山に入っても少しずつしか摘めないそうです。そうして苦労して摘み取った茶葉は、夜を徹してお茶に加工されます。

薄い金色の透明なお茶は表面に艶もあり、自家製茶とは思えない品質です。香りは若干弱いものの、花の香りと豆のほっこりした香りが感じられます。味は驚くように甘く、自然な、身体にすっと入ってくるような優しい味わいは、農薬はもちろん、肥料すらも与えられずに自然のままに育ってきた野生茶樹の美味しさです。製品化されているお茶には無い、上品で優しい美味しさがあります。

今回は友人にお願いして鈴茶堂でご紹介するように譲っていただきました。
数に限りがあるお茶ですので、是非お早めにご注文ください。

もう1つの新茶は普洱生茶の班盆 早春茶です。

班盆 早春茶
班盆 早春茶

雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い班盆という村で作られた2013年の普洱生茶です。今年に最初に摘み取られた茶葉で作られたお茶です。
完全に手作業で作られているため、良くある小沱茶の形ではなく、単純に丸めただけの形をしています。

先にご紹介させていただいている、班盆古樹純料谷花茶 2012年の妹分のようなお茶になります。

薄い金色の透明度が高いお茶は蜜のような、甘い樹液を連想するような香りと、ミネラル感のある深みのある甘さが心地よい美味しさです。とても柔らかく、出来たばかりの普洱生茶とは思えないような優しさは、班盆ならではの味わいです。

今はとてもフレッシュで美味しい味わいが楽しめますが、年月と共に緩やかに熟成もしていきます。段々と味に今とは違う深み、甘さが感じられるように変化し、5年、10年と経過したものは上質なブルゴーニュワインのような深みのある味わいになっていきます。
時間と共に変わっていく香気や味わいも楽しんでいただけるお茶です。

普洱茶はかび臭い、美味しくないと思っている方にも是非お勧めです。普洱生茶の美味しさをぜひ味わってみてください。

岩茶 慧苑肉桂
岩茶 慧苑肉桂

新茶ではありませんが、とても美味しい武夷岩茶、慧苑肉桂が入荷しました。
慧苑坑という特別な場所で摘み取られた茶葉から作られているため「慧苑肉桂」と呼ばれています。

慧苑坑という場所は正岩茶区の中心となる特別な地域です。その場所で育った武夷岩茶は特別な香気と味わいを持っています。正岩茶ならではの味わい、岩韻が素晴らしいこのお茶は、むせ返るような見事な花果香と質の良い岩茶特有の蜜蝋のような深み、ミネラル感、甘味がとても上品なバランスで同居しています。

岩茶本来の美味しさを知るのに最適な、最高のお手本のような武夷肉桂です。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

5月30日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日31日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、5月30日中に入金確認ができたご注文を5月31日に発送させていただきます。それ以降のご注文は6月12日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。


蒙頂山 茶業さん

四川省雅安市の地震について、多くの方にご心配いただき、またご配慮をいただき、本当にどうもありがとうございました。

みなさまにご購入いただいた四川のお茶の売上の一部を雅安市蒙頂山の茶業さんを通して寄付させていただくことにしました。
以前にもブログで紹介させていただいた茶業さんで、公的な役職などには何も就いてはいないのですが、実質的な村の世話役で、その村の茶葉農家を抱え、栽培技術の指導を行っています。
とても村人の信頼の厚い方で、私たちも何度かお会いして信頼しています。
必ず地域の復興のために役立ててくれると思います。

蒙頂山 茶業訪問

義捐金の送付先は中国赤十字をはじめ、いくつかの支援団体を検討しましたが、本当に被災された方まで支援が届くかどうか確信が持てない状況で、私たちがもっとも信頼できる、そして被災されたご本人とその村にお渡しさせていただくことにしました。
どうぞご理解いただければと思います。

今後も当面の間、継続して蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

台湾茶の輸出木箱

台湾茶藝

台湾でのお茶の老師をお伺いし、貴重なお茶などを沢山見せていただきました。

老師は台湾では有名な茶商さんでもあります。台北の多くのお茶屋さんや卸店、台湾では誰もが知っているようなお茶屋さん(というよりも、日本では台湾ならではのお茶系飲料を開発したお店として有名かもしれません)へ茶葉を卸しているというだけでなく、普洱茶鑑定の権威でもあり、台湾で普洱茶関係の書籍が出版される際にはその鑑定の依頼が来るという方でもあります。当然ながら老師のところには沢山の貴重な普洱茶が沢山あります。

また、台湾茶藝の先生でもあり、素敵な茶室を持っていらっしゃいます。上の写真はその老師の茶室です。

台湾茶の輸出木箱

その老師のところにあった昔の台湾茶の輸出木箱です。
これは台湾の包種茶の木箱です。何と中身もそのまま入っているとのこと。まだ当分は開けるつもりはないそうです・・・
鈴茶堂でも40年ものの包種老茶を取り扱っていますが、包種茶の老茶は本当に美味しいです。普通に探すと3〜5年の若い老茶や年数を偽ったものが多く、きちんと年月を経た柔らかな老茶はなかなか出会えません。

色種の輸出木箱

こちらは大陸・福建省産の色種の輸出木箱です。1981年とあります。こちらも中身入り・・・どんな状態になっているかは分かりませんが、状態が良ければ火入れなどの手入れをして、まだ飲めるのではないかと思います。開ける際には是非呼んでいただきたいと思います。(笑

普洱茶の権威である老師ですが、台湾茶にもとても造形が深く、色々と教えてくださいます。
当店の香檳烏龍茶、石錠の青心烏龍種から作られている東方美人ですが、その美味しさに驚かれた方も多いと思います。台湾茶の中では凍頂烏龍茶に並んでリピートの多いお茶です。
その香檳烏龍茶を自ら監修して作ったのが老師です。本当に丁寧に作られていて、実際、私たちも驚くほどに素晴らしい香檳烏龍茶なのですが、これを手頃な価格で譲っていただけたのも老師のおかげです。(普通であれば現在の価格で提供できないような品質です。)

普洱茶から台湾茶、台湾と大陸の鉄観音についてなど、この時も沢山のお茶を試させていただき、そして色々と教えていただきました。また、台中では沢山の方のご好意で、素晴らしい作り手さんや茶人のみなさまに引きあわせていただき、沢山の茶縁を広げることができました。
本当にお茶の縁というものは凄いのだなと改めて実感させていただいた訪台になりました。


10905.8
1970年代 重庆乌龙沱茶(重慶烏龍沱茶)

老師から特別に譲っていただいた貴重な重慶沱茶です。
重慶「烏龍」沱茶となっているのは、これが烏龍種から作られているからです。今ではその姿を消してしまいましたが、昔は重慶でも烏龍在来種がありました。その烏龍在来種から晒日緑茶を作り、現在もある沱茶と同様の作り方をしたのがこのお茶です。香港乾倉での熟成を経て、香港返還直前に台湾へ移した貴重な重慶沱茶です。
貴重というだけでなく、とても美味しいお茶です。重慶沱茶特有の药香からはじまり、煎を重ねていくとナッツ系の美味しい烏龍茶といった感じになります。15煎も越える頃には茶気も消えて、甘い旨みが続く美味しい烏龍茶に変化します。

10905.7
7542青饼(青餅) 中茶牌 1995年

こちらも老師が鑑定した孟海茶厂(孟海茶廠)の名レシピ、7542の普洱生茶です。1995年に製造され、香港と台湾の乾倉で熟成を行った非常に美味しい生茶に仕上がっています。
古いだけの普洱茶は探せば本物、偽物問わず見つけることができます。しかし保存状態によって普洱茶は全くその美味しさが違ってきます。この7542は非常にバランスが良く、厚みもあり、芳醇という言葉が相応しい美味しさです。カビ臭いということは全くなく、生茶の尖った感じもなく、ビンテージのブルゴーニュワインのような繊細な広がりがあります。

陳文濱老師 工房訪問

陳文濱老師 工房訪問

台中ではお茶の縁がきっかけで知り合うことのできた、陳文濱老師の工房を訪問させていただきました。

陳文濱老師は台湾ではもちろん、海外でも数多くの賞を受賞されている芸術家です。作陶家というだけでなく、陶刻家としても。そして漆を使った芸術作品も多く発表されている漆陶人として知られています。

陳文濱老師ご自身もお茶が好きとのことで、工房には自らお作りになった茶器が沢山飾られています。ご自分で使うためとのことでしたが、どれも素敵な茶器で、使いやすい工夫がされていたのが印象的でした。

陳文濱老師 工房訪問

沢山のオーダーが入っているそうで、工房には作業中の作品が所狭しと並んでいます。
中にはとても可愛らしい小さな茶壷もあったのですが、これは別の作品の素材になるとのこと。そのままでも十分使えるのに何となく勿体無いような気がしてしまいますが、どんな作品になるのか楽しみです。

陳文濱老師はとても穏やかで優しい雰囲気を持っている方で、作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作陶のこと、茶器のこと、漆のことなど沢山のお話を聞かせていただきました。

陳文濱老師 工房訪問

茶器の他にも大きな作品も見せていただきました。

こちらは陶器に漆を使っている作品で、不思議な質感と色合いがとても綺麗でした。実際に見るとかなり大きく、迫力がありながらも優しさもあるような、老師の人柄が分かるような素敵な作品でした。

陳文濱老師 工房訪問

これは私が一番気に入った作品です。かなり大きな作品で、とても迫力があります。
陶器に漆を塗って焼き上げたものだそうです。不思議な色合いと質感は漆によるものなのですね。見る角度を変えると色合いと質感がまた異なって見えます。素敵で不思議な作品です。

作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作業の手を止めてニコニコともてなしていただき、とても良くしていただきました。
ありがとうございました。


明前 四川玖瑰紅茶
明前 四川玖瑰紅茶

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶が入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

特級 蒙頂黄芽
特級 蒙頂黄芽

黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

四川省雅安市は4月19日に大地震が発生して大きな被害が出ておりますが、これらのお茶は震災前に製茶、輸入されたものです。幸い、現地関係者に大きな人的被害はありませんでしたが、建物の一部崩壊などが発生し、今も懸命に復旧作業に努めています。鈴茶堂では出来る限りの支援を行っていきます。
鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

杉林渓茶区

蒙頂緑茶や雲南緑茶の新茶ですが、多くの方にご注文をいただき、本当にありがとうございました。
一時期、ご注文が大変混み合い、通常よりも発送にお時間をいただいておりました。
ご迷惑をおかけして、申しわけありません。

現在は通常通り発送させていただいております。
どれもとても美味しい新茶です。この機会に美味しい中国緑茶をお試しください。

杉林渓茶区

凍頂烏龍茶の凍頂茶区を更に奥へ向かい、かなり斜度のきつい斜面を登って行くと杉林渓茶区があります。
このあたりは標高1600mを軽く超えたあたりで、何と雲海の上に茶畑が広がっています。見渡す限りの雲の上の茶畑は、幻想的でとても美しい光景でした。

11月中旬といっても汗ばむほどの暑さを感じる程でしたが、ここ杉林渓茶区は寒くて震えてしまうほどに気温が低い状態でした。標高が高く、麓との温度差がかなり大きいようです。
この日はちょうど冬茶の摘み取りが始まった日で、杉林渓茶区の中でも最も標高の高い、気温の低い茶畑から摘み取った茶葉の製茶が始まっていました。

杉林渓茶区

この製茶場は茶畑と同じように標高の高い場所にあります。何でも麓で製茶を行うと、せっかく標高の高い場所で摘み取った茶葉も味わいが変わってしまうとか。摘み取った茶葉を麓の製茶場へ運ぶために、猛スピードで茶葉を摘んだ軽トラックが下っていくことも多いなか、この作り手さんの茶葉は山を登ってくることもあるそうです。

摘み取った茶葉を日光萎凋しています。
まだ茶摘みが始まったばかりで茶葉の量が少ないのですが、最盛期には茶葉が一面に敷き詰められます。周囲には茶葉から香る花の香りが充満していました。まるで目の前に本物の花があるかのように錯覚するような香りで、改めて茶葉の力を感じさせられます。

萎凋をしている場所は製茶場の最上階にあるガラス張りの温室のようなところです。周囲はすっかり気温が低くて寒いほどですが、ここは日の光で暖められていて暖かいです。
屋根は開閉式になっていて、気温の高い春茶の時期には屋根を開放して日光萎凋を行うそうです。標高が高いため、気温が低くなりがちな高山茶ならではの工夫ですね。

杉林渓茶区

こちらは団揉機です。
台湾茶に多い丸い形状の茶葉をつくるために行う作業、「団揉」を行う機械です。軽く乾燥まで終えた茶葉を布袋に入れて硬く締め付けます。大きなボール状にしてから、この団揉機にかけてゴロゴロ転がしながら茶葉を丸めていきます。
途中、何度か布袋の中の茶葉を取り出して、絡み合った茶葉を解きほぐし、再度「団揉」を行います。これを何度も繰り返していくと、綺麗な球形のお茶になります。

家族総出で冬茶の製茶を行なっている忙しい最中にも関わらず、快く製茶の様子を見せていただきました。みなさん真剣に無言で黙々と作業を行なっているのが印象的でした。


2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

今年は春が来るのが早く、四川でも例年より早く茶摘みがはじまりました。蒙頂山茶区でも標高の低い地域では3月上旬からはじまっていたようです。

私たちがお願いしている蒙頂の作り手さんは蒙頂山の中でも主峰、その中の標高1200m付近にある茶畑の茶樹から1つ1つ手摘みした茶葉にこだわっているため、他の地域よりも気温がなかなか上がらず、茶摘み日が一般的なものよりも1週間ほど遅くなっています。
蒙頂山はとても気温差が大きく、麓では汗がにじむ程暑くても、山の上の方は寒くて震えてしまうような場所です。気温が低く、寒暖差が大きい分、とても美味しい新茶です。

今回、蒙頂甘露は等級の異なる2種類を入荷しました。どちらも個性の異なる美味しいお茶です。
これらの等級の違いをお試しいただけるよう、これらをセットにした蒙頂甘露テイスティングセットもご用意いたしました。

2013年 蒙頂甘露テイスティングセット

2013年 特級 明前 蒙頂石花
2013年 特級 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
蒙頂石花にはいくつかのタイプがあります。
大きくは伝統的な製法によるものと、それらを改良した製法によるものに分けられます。昨年にご紹介した蒙頂石花は後者の伝統的な製法を改良したタイプですが、今年は伝統的な製法による蒙頂石花を選びました。摘み子さんたちが1つ1つ手摘みし、製作り手の方が最低限の機械しか使わずに真剣に丁寧に作った真面目なお茶です。

これらの蒙頂緑茶を組み合わせたお得なセットもご用意しました。

2013年 蒙頂緑茶セット

思茅 早春茶
思茅 早春茶

中国国内でも流通の少ない雲南緑茶の新茶も入荷しました。
多くの雲南緑茶は柑橘系の香りがありますが、この早春茶は桜餅のような香りがあります。雲南紅茶を連想させるような、深みのある優しい甘さが感じられる美味しい雲南緑茶です。

とても美味しい、この桜餅のような甘い雲南緑茶をお求めやすいお値段でご紹介することができました。ぜひ毎日のお茶としてお楽しみください。

2013年 新茶 入荷しました

蒙頂茶

4月の中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。

今回は緑茶の新茶を中心に選んできました。
日本人は新茶に対して特別な思いを持っています。本来は中国茶も日本茶も、できたての新茶ではなく、少し時間をおいて落ちつかせたお茶のほうが味わい深いのですが、やはり春の訪れを知らせる新茶は特別です。これは中国の人々にも同じような感覚があるようで、日本ほどではありませんが、お茶市場ではいつもとは少し違う、なんとなく浮足だったような雰囲気に包まれていました。

今年は中国でのお茶の価格が下がったと言われています。政府が高額な接待や贈り物を禁止したため、一番の贈り物とされてきたお茶の需要が少なくなったからのようです。確かに春の新茶でいつもとは違う雰囲気の市場ではあるものの、例年よりも人出が少ないような感じでした。
では確かにお茶の価格が下がったのかというと、実際に価格が下がったお茶は普通には手が出ないような超高額のお茶に限定されていたようです。まさに贈り物とされてきたお茶が対象となっていたようで、それ以外のお茶は例年通りか、物価や人件費の上昇に合わせて値上がりしています。ちょっと残念ですが、市場価格とは関係なく、昨年の取引量が予想を超えるものであったおかげで、私たちが取引させていただいている作り手さんや茶業さんたちからは少し抑えた価格で提供していただくことができました。今年の緑茶は昨年よりも少しお求めやすい価格になっています。これもご利用いただいているみなさまのおかげです。どうもありがとうございます。

蒙頂茶

今年も鈴茶堂では四川の緑茶を選びました。
各地の作り手さんや茶業さんからから沢山のサンプルをいただき、様々な地域の緑茶を試飲してきましたが、やはり、昨年と同様に四川の作り手さんの作る緑茶が一番美味しく、他のお茶とは違う魅力がありました。
特に今年は蒙頂甘露の出来が素晴らしく、貢級と特級、2つ等級の蒙頂甘露をご紹介することにしました。どちらも素晴らしく美味しく、それぞれの個性が違うので選びきれませんでした。貢級は最高品質の蒙頂甘露です。とても小さな萌葉が白毫(シルバーチップ)に覆われていて、まるで銀粉のような美しい茶葉です。素晴らしい香りと繊細で上品な味わいで、初春を感じさせる緑茶になっています。特級はそれよりも少し成長した茶葉で作られ、繊細な貢級に対して、ふくよかで、キャラメルビスケットのような香りと甘味を持つ日本人好みのお茶に仕上がっています。

2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

蒙頂石花は伝統的な製法で作られたタイプに変わりました。四川では蒙頂甘露よりも好まれているお茶で、昨年ご紹介したものは伝統的な製法を更に改良した作り方で製茶されたタイプでした。今年は伝統的な製法で作られたタイプをご紹介します。また違った美味しさをお楽しみいただけると思います。あまり日本では知名度のないお茶ですが、味わいは名前の知られている蒙頂甘露よりも日本人好みです。今年の蒙頂石花は甘味に加えて、塩気を感じるような上質な美味しさがあります。

2013年 特級 明前 蒙頂石花

もう1つ、雲南の緑茶も選びました。
雲南省南部にある思茅地域で作られた早春茶です。今年最初に摘み取られた茶葉から作られている緑茶です。
雲南緑茶というと柑橘系の果物の香りのあるものが多いのですが、この早春茶は甘い桜餅のような香りがあります。それだけでなく、雲南紅茶を連想させるような甘い味わいがとても美味しく、これは是非ご紹介させていただきたいと思い、入荷することにしました。

思茅 早春茶

新茶は緑茶だけではありません。

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶も入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

明前 四川玖瑰紅茶

他にも珍しい黄茶、蒙頂黄芽も入荷しています。
黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

特級 蒙頂黄芽


雅安
雅安市雨城区 2012年

これらのお茶が作られた四川省雅安市では4月19日、大地震が発生、大きな被害が出ております。
私たちとお付き合いのある蒙頂山および雅安の作り手さん、茶業さんたちには幸いなところ、軽傷はあったものの、大きな人的被害はありませんでした。しかしながら、被害の大きい地域と近い地域のため、揺れが激しく、建物の一部倒壊などがあったそうです。今も余震が続く中、懸命に復旧作業に努めています。

当店でご紹介する四川茶は全て震災前に製茶、輸入されたものです。

今年の新茶はどれも捨てがたい位に美味しいお茶ばかりです。それだけに四川雅安地震は本当に辛く、毎日ニュースを見ては心が締め付けられるような思いでいます。幸い、私たちの友人や知人に人的被害はなかったものの、何度か訪れているこの雅安とその周辺では日本人だということで、前回の四川大地震での日本の支援に対してお礼を伝えてもらったり、東日本大震災を心配していただいたりと、とても良くしていただきました。素朴で優しく、素敵な地域です。

被害が最も酷いと伝えられる地域は、平常時でも細い山道に落石や崩落が頻発しているようなところで、地図ではほんの2時間程度の場所でも実際に移動してみたら5時間もかかるような場所です。救助や支援活動が難航しているようですが、安否が分からない方々がどうかご無事でありますように、そして被災された皆様が早く安心出来るよう、祈らずにいられません。そして亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。
出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

台湾・凍頂 再訪

凍頂

昨年の11月中旬、凍頂烏龍茶の冬茶、打ち合わせのため、台湾南投県鹿谷郷の作り手さんを改めて訪問してきました。

2012年の冬はなかなか気温が下がらず、私たちが訪れた11月中旬も暑さを感じるような気温で冬茶の摘み取りは凍頂の中でも一部でしか行われていませんでした。鹿谷郷の町も出来たばかりの冬茶を販売しているのは観光客向けのみといった感じで、嵐の前の静けさのような、静かさの中に熱気を保っているような不思議な雰囲気に包まれていました。
この年は天候に恵まれず、凍頂ではありませんが、同じ南投県の渓頭では気温が下がらない上に雨が多く、高山茶を作っている作り手さんは冬茶の製造を見送ったりと、お茶にとっては厳しい年でした。

私たちがお世話になっている作り手さんは一般的な「冬茶」と呼ばれる時期のものよりもずっと気温が下がった、遅い時期に摘み取り、製茶を行います。作り手さんによっては「冬片」と呼ばれる時期のお茶ですが、この作り手さんは「春茶」と「冬茶」のみ。気温がしっかり下がって、茶樹がベストなタイミングになったら作るというシンプルな信念で冬茶を作っています。
ただし、リスクも大きく、気温が十分に下がる時期まで茶摘みを待っていると予想外の降霜や降雪などで冬茶の製造が全くできないということもあります。以前、温暖な気候である凍頂でも予想外の降雪があり、その年の冬茶が殆どできないということがありました。作り手さんにとっては冬茶の製造ができない、つまり冬場の収入が全くないということに繋がり、死活問題にもなってしまいます。そのため、最近は以前は秋茶と呼ばれていたような時期に、早め早めに冬茶として茶摘を行うように変化してきているようです。(前述の渓頭の作り手さんはそういった意味では本当に断腸の思いで冬茶の製造を断念されたのだと思います。とても真面目に、真剣にお茶を作る方で、こちらは改めてご紹介させていただければと思っています。)

顧景舟大師の茶壷

私たちが訪れたこの時期もそんな時期で、周囲の作り手さんたちは茶摘みのタイミングを計っていた時期でしたが、この作り手さんは「うちはこの分だと12月だからね。まだまだ先。」とのんびりと構えていました・・・周囲の作り手さんは明日、茶摘みを始めるかどうかとピリピリしているというのに、この作り手さんのところだけは至って普通の雰囲気。何とも不思議な感じです。

この作り手さんは凍頂に大陸から持ち込まれた茶樹を受け取って以来、代々製茶を続けている家系で、私たちの訪問に合わせて高齢の先代まで出迎えてくださいました。普段は息子さんに任せている先代ですが、今も要人向けの特別なお茶の製茶や出来上がったお茶の最終チェックは先代が必ず確認しているそうです。といっても、息子さんも私たちよりもずっと年上のベテランの作り手さんです。まだまだ任せておけないということなのでしょうか?とても頑固な職人気質の先代です。

凍頂烏龍茶を等級別や製茶年別にテイスティングさせていただきながら、お茶作りについて、これから作る冬茶や美味しい淹れ方などを教えていただきました。
この作り手さんは製茶技術はもちろんのこと、焙煎技術が非常に高く、一般的な凍頂烏龍茶よりもずっと水分を少なく仕上げることができます。普通はそこまで水分を少なくしてしまうと味わいに影響が出てしまうのですが、この作り手さんのものは逆に味わいが深く、年月を重ねて楽しむことが可能になります。この時にも製造年別にテイスティングさせていただきましたが、10年近く経過したものの方が味わいが深くて柔らかい美味しさになっています。「老茶」とは別ですが、入手した人が適切に保管さえしていれば何年も楽しめるように作られています。中には何年の春茶が一番好みというのもでてきて、とても良い経験をさせていただきました。

既に当店で凍頂烏龍茶をお求めになっている方は是非、湿度と高温を避けて保存していただき、時間の経過と共に変化する美味しさを楽しんでいただければと思います。その際、冷蔵庫では保管しないでください。高温にならない場所で保管していただければ常温保存で大丈夫です。

写真の茶壷はこの作り手さんの宝物である顧景舟大師の茶壷です。話が弾んで、特別に出してきて見せていただきました。
顧景舟というのは茶壷作家の名前で、紫砂の人間国宝の様な方です。現代の紫砂作家の中ではこの方を越える作家はいないと言われ、作品は安くても数百万円、高いものは億を越える金額がつけられます。
そんな素晴らしい茶壷を実際に見せていただきました。流石に迫力を感じる作品で、言葉に出来ないような品があり、素晴らしい茶壷でした。写真が上手く撮れていないのが残念ですが・・・

凍頂

こちらは凍頂の茶畑です。この作り手さんの茶畑ではありませんが、雰囲気が伝われば。
茶畑の中に檳榔(ビンロウ)の椰子の木があるのが特徴的です。この景色を見ると凍頂に来たという実感が湧きます。


凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

2012年の冬は気候が難しく、一時は冬茶の製造を断念することも考えていた程だったそうです。12月に入ってから、ようやく量は少ないものの、納得できる品質の冬茶を作ることができました。他の作り手がとっくに冬茶の摘み取りを終えるころまで充分に待ってから作られたこの冬茶は数が少ないものの、非常に良い出来の冬茶になりました。

この作り手の凍頂烏龍茶は醗酵が強く、伝統的な龍眼の炭による火入れもしっかり行うため、実質的な賞味期限がないどころか、年月を経た方がより柔らかく美味しくなります。この冬茶も本当に美味しいのは、あと数カ月後、今年の6月以降位ですが、味わいの変化も楽しめるお茶としてご紹介させていただいています。

20101.2
凍頂烏龍茶 2012年春茶

2012年の春茶です。もうすぐ今年の春茶も登場するような時期ですが、鈴茶堂でご紹介する凍頂烏龍茶の中で一番の飲み頃はこの春茶です。柔らかく深い味わいと清らかな品のある花の香りは、この作り手の凍頂烏龍茶ならではのものです。
今からがこのお茶の最も美味しい時期です。
上質な凍頂烏龍茶を是非お試しください。


雅安

4月20日に中国四川省雅安市で発生した大地震ですが、当店がお世話になっている蒙頂山の作り手さんは全員無事が確認できました。
一番被害の酷い地域からさほど離れていない場所ですので、相当に揺れが激しかったようです。建物の倒壊などはあったようですが、人に被害はないとのことです。
ご心配いただいたみなさま、ありがとうございます。

まだ情報があまり入ってきていない状態ですが、相当に大きな災害であったと思われます。今もニュースで目にする雅安市やその周辺の状況を目にして、愕然とする思いでおります。被災された方のご無事と、どうか1日も早く安心して過ごすことができるよう、祈らずにいられません。出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

今年も鈴茶堂では蒙頂山の新茶をご用意しております。既に日本へは到着済です。
通関・検疫が完了次第、ご紹介させていただきます。
とても真面目に丁寧に作られている美味しい新茶です。
どうぞよろしくお願いいたします。

#写真は雅安市雨城区にある雅安廊橋で、雅安市のシンボルです。被害が少ないことを祈ります。

碧露軒茶芸館

碧露軒茶芸館

成都を出て北京まで戻って来ました。

北京は南の上海や杭州などと違って茶芸館といったイメージが無いかもしれませんが、日本の料亭のような役割を持っているビジネスの場としての茶芸館は実は結構あります。中国でビジネスというと白酒で乾杯のイメージが強いですが、きちんとした商談を行う時にはお酒は飲まず、こういった茶芸館で行うそうです。意外と知られていませんよね。

今回お連れしていたお客さまに、美しい茶芸を楽しめて、ゆっくりと落ち着ける茶芸館を一度体験していただこうと碧露軒茶芸館に行ってきました。ここは以前にも何度か来ている茶芸館ですが、中国大陸ではかなり上位に入るのではないかと思うほどに美しい茶芸を見ることができます。
また、国際倶楽部飯店(St.Regis Beijing/セントレジス北京)に併設しているマンション楝の1階にあることもあって、とても豪華で素敵なインテリアと雰囲気も楽しめます。深夜1時位まで営業しているのも嬉しいです。夜の北京を楽しんだ後に行っても大丈夫です。

碧露軒茶芸館

個室と普通の半個室席が選べます。個室の場合は別途個室料金がかかります。(個室の広さなどによって個室料金は変動します。)私たちは秘密の商談をすることもないので普通の半個室席で。完全な個室にはなっていませんが、十分落ち着けます。

茶譜(お茶のメニュー)は緑茶から青茶、普洱茶などかなり揃っています。中にはかなりビンテージの経ったプレミア物の普洱茶も揃っています。ただし、ビジネス用の茶芸館という上に、ここは北京でもかなり高級な茶芸館ですので価格は高めです。
私たちは鳳凰単欉の蜜蘭香を選びました。煎持ちの良いお茶の中では一番お手頃で、確か600元位(この時期は7800円位でした)です。ここにサービス料などが加算されますが、こういったスタイルの茶芸館は1グループで1つのお茶を楽しみますので、人数で考えればそれほどでもないですし、この雰囲気、茶芸の美しさを考えたら良心的だと思います。

碧露軒茶芸館

お茶をオーダーすると担当の茶藝師さんが茶道具一式などを持ってテーブルに来てくれます。このお店は目の前でお茶を淹れてくれるスタイルです。
ここで働く茶藝師さんたちは茶藝師の専門学校の卒業生だそうです。茶藝師の専門学校といっても、かなり本格的なもので、良くあるカルチャースクール的なものではなく、全日制の専門学校とのこと。その卒業生の中から選ばれた彼女たちの茶芸は本当に美しくて見応えがあります。
もちろん淹れてくれるお茶もとても美味しく、もう飲めませんと言わない限り、ずっとお茶を淹れてくれます。みなさん、とても良い方ばかりで、茶藝師の専門学校の話やお茶の話などをしながら一緒にお茶を楽しみました。

それと、こちらの店長さんがとても素敵な女性です。芯の強さと優しさを持っている女性で、この時は話が弾んで彼女のとっておきのお茶まで特別に出していただき、スタッフの方も含めてみんなで楽しむことに。
お茶の縁ですね。またお会いしましょう。なんて言葉もいただいて、帰り道は心まで心地よい余韻でいっぱいでした。

碧露轩茶艺馆(国际俱乐部店)
中国・北京市朝阳区建国门外大街21号北京国际俱乐部饭店公寓1楼
010-65327008


鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

鳳凰単欉 草蘭香
鳳凰単欉 草蘭香

この草蘭香は2012年の鳳凰単欉の中では最高の香気と滋味を持っています。
烏崠山の中でも標高1000mを越える高い場所にある1本の老欉(老茶樹)から作られるため、非常に生産量が少なく年間10キロしか作ることができない貴重な鳳凰単欉です。こうした高山にある老欉から作られるお茶には特韵と呼ばれる特別な香気、味わいがあります。この草蘭香はその特韵が良く出ている素晴らしい出来上がりとなっています。
この上なく上品な甘い花の香りを感じていただけます。
最高の鳳凰単欉を味わってみたい方に自信を持っておすすめします。


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成都・大西南茶葉市場 再訪

成都・大西南茶葉市場

雅安、カンゼ・チベット、アバ・チベットとまわって、ようやく成都まで戻って来ました。
以前にも行った成都の茶葉市場、大西南茶葉市場ですが、今回はお連れしていたお客さまをご案内する意味もあり、再度見学にいってきました。半年ぶりの大西南茶葉市場は鉄観音の秋茶の出荷で賑わっていました。前回は春の新茶シーズンで、四川省のお茶が沢山並んでいたのですが、今回は鉄観音が中心です。

北京の馬連道や広州の芳村茶葉市場と違って、かなり小さい印象のある大西南茶葉市場ですが(それでも中国西部最大のお茶市場だそうです)、やはり競争が厳しいのか、たった半年ぶりにも関わらずお店が変わっているところもちらほらありました。お茶市場はここ成都に限った話ではありませんが、どこも競争が厳しいようです。お茶自体の値上がりもそうですが、地代・家賃の値上がりが激しいようで、しっかり顧客を掴んでいないお店はすぐに撤退を余儀なくされる状態です。

成都・大西南茶葉市場

こちらは市場の街路樹の根本です。こんなところにも「茶」の文字があります。

四川の市場ですが、意外と揃っているのは雲南省のお茶です。普洱茶はどこの市場でも人気があることもあり揃っていますが、この市場では雲南緑茶なども入手することができます。地理的に近いために、雲南省の茶業さん(製造者)が直接出店しているケースが他の地域の茶市場よりも多いように思います。

折角なのでいくつかお店を覗いてきました。勉強用にいくつかのお茶を購入したり、ご一緒していたお客さまには茶葉市場の雰囲気を味わっていただきました。

日本では市場や卸に行くと一般販売はされていないことが多いですが、中国では一般販売も業務販売もあまり区別していません。ですので、初めて訪れるお店で買い物をすることも可能です。一般販売と業務販売の違いは価格ですが、明確な区別はなく、良く買いに来てくれるお得意さまや20キロや30キロといった大量に購入する場合は安い価格で販売するなどしています。
価格は基本的に交渉ですが、中国向けのガイドブックなどに書かれているような値切り交渉はあまり意味がありません。というのも、良心的な質の良いお茶を扱うお店は元々大きく利益を乗せるような価格は提示しないことが殆どで、価格交渉もこれだけ大量に購入するならこれだけ安くできますよといった感じです。提示額の半額になるということはなく、逆に大きく値切れるようなお茶屋さんはあまり信用ができない、むしろ観光客向けのお店であることが殆どです。普段から地元の人たちが買いに来るような信頼のあるお店は、そんな商売の仕方をすると誰も来なくなってしまうんですね。

購入の単位は斤で表します。1斤は500g(台湾の1斤は600g)です。観光地のお土産屋さんのようなお茶屋さん以外の最低販売量はどこも大概、1両で50g(台湾は37.5g)です。日本だと50gも?と思ってしまうところですが、実際のところ、50gで購入する人は殆どいません。中国(台湾もわりと当てはまりますが)では本当にお茶を沢山飲むので大体は1斤単位で購入します。少なくても半斤(250g)単位で購入していて、現地の方の感覚だと半斤以下の量は逆に恥ずかしいとか。両の単位で購入すると外国人、特に日本人だと分かるそうです・・・(日本人と区別が付きにくい韓国人も斤単位で購入することが殆どだそうです)

とはいえ、大概のお店は1両から購入することができますので、もし現地でお茶市場に行くことがあれば、遠慮せずに、ぜひ覗いてみてください。購入する際には必ず試飲して納得できるものを、納得できる価格で購入してください。日本の方が思っているよりも、ずっと高価なお茶は沢山あります。日本ではお茶は比較的安いような感覚がありますが、基本的に高級な嗜好品として扱われています。びっくりするほど高いお茶でも詐欺などではなく、正当な価格であることが殆どですが、中には観光地やそれに近いお店では高額を要求するケースもありますので、自分の納得できる金額で購入するようにしてください。慣れてくるとお茶市場巡りは楽しいですよ!


正岩茶 悦明香
正岩茶 悦明香

とても美味しい武夷岩茶です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。

正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)
正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。

百年老枞水仙(百年老欉水仙)
百年老枞水仙(百年老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老枞水仙(老欉水仙)です。特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)の中でも齢を重ねた特別な古樹だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
煎を重ねていくほどに旨味が出てくるのもこの百年老欉水仙の特徴です。回甘も強く、喉を過ぎてからの余韻が長く続きます。上品な花の香りと落ち着きのある甘い火の香りから始まり、煎を進めるうちに果実のような香りも出てきます。
これは凄いと思える最高の武夷岩茶です。

発送業務お休みのお知らせ

蒙頂山茶区

4月11日から15日までのあいだ、中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。

4月9日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日10日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、4月9日中に入金確認ができたご注文を4月10日に発送させていただきます。それ以降のご注文は4月16日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

蒙頂山茶区

今年は中国各地で茶摘が例年よりも早く行われているようで、ちらほらと新茶が日本にも到着しはじめているようです。

私たちがお付き合いしている四川省の作り手さんのお話では、標高の低い地域では3月上旬から茶摘が始まっているものの、標高の高い場所にある茶畑はまだ少しかかりそうとのことでした。それでも例年よりも少し早く茶摘が始まりそうです。

私たちが取り扱いさせていただく新茶は標高の高い茶畑のものですので、まだ少しお待たせしてしまいますが、最高に美味しい、上質な新茶をご紹介させていただきたいと思っています。
どうぞもう少しお待ちください。


班盆古樹純料谷花茶 2012年
班盆古樹純料谷花茶 2012年

最高に美味しい、普洱生茶が到着しました。

樹齢300年以上の茶樹から完全手作りで作られた普洱生茶です。
名前の中にある「班盆」という言葉はこのお茶の産地の村の名前です。雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い場所にある村で、標高は1700~1900mという場所にあります。班盆は老班章と同様に古茶樹園が知られ、このお茶はその中でも樹齢300年以上の茶樹から作られています。

この普洱茶はまるで蜜をそのまま飲んでいるかのような、素晴らしい香りを持っているお茶です。普洱茶というと独特の香りを連想する方も多いと思いますが、このお茶は緑茶や白茶に近いような、フレッシュさを持っています。

今回、このお茶は中国で高名な普洱茶専門家である私たちの師から特別に譲っていただきました。師が自ら現地へ赴き、作った、とても貴重なお茶になります。あまりにも上質な茶葉を使用しているため、グラム数の大きくなる餅茶にすると非常に高額になってしまうために、1つ1つ小さな固形茶にしたというお茶です。
是非この機会に特別な普洱茶をお楽しみください。

和合 下関沱茶 2007年
和合 下関沱茶 2007年

下関茶廠の2007年和合下関沱茶です。2007年1月の出庫(未入倉)の少し大きめ、125gサイズの沱茶です。

和合という名前は平和などを願ってという意味で名づけられました。政府幹部からの指示で商品化されたもので、贈答用に使用できる品質、中でも老茶樹を指定して作られていると言われています。

蜜香、蘭香が感じられ、甘さはしっかりと深みのあるタイプで雲南紅茶のような甘さを持っています。これは茶葉に含まれているシルバーチップの甘さがしっかり出ているためです。柔らかい渋みとすっきりした苦味のバランスも良く微かな酸味もあります。

雲南紅茶を連想させるような甘いプーアル生茶に仕上がっています。

下関布朗沱茶 2010年
下関布朗沱茶 2010年

下関茶廠の下関布朗沱茶です。布朗茶区の茶葉を使った生茶で、標高1800m以上の地域で採取された茶葉を使用して作られています。

爽やかな荷香、遅れて蜜香、橙香、微かな烟香があります。中でも蜜香が強く、甘い深みのある香りをお楽しみいただけます。フレッシュさを感じるような果実のような甘さと柔らかい酸味と、うっすらとした渋みのバランスが非常に良い美味しい普洱茶です。強さも持ちながら、優しい味わいが同居しているような印象です。

比較的年数が経過していなくても美味しく楽しめるのは布朗茶区の茶葉の特徴でもあります。年数が経過したプーアル茶はどうしても高価になりがちですが、この2010年下関布朗沱茶はまだお求め安い価格でご紹介できます。

今飲んでも十分に美味しく、この先も長くお楽しみいただけます。

四川高山紅茶のシフォンケーキ

四川高山紅茶のシフォンケーキ

FacebookやTwitterではお知らせしていましたが、新宿のAfter Tasteさんの新作は鈴茶堂の四川高山紅茶を使った四川高山紅茶のシフォンケーキでした。ありがとうございます!

お店で提供を開始した日は即日完売してしまい、私たちもいただくことが出来なかったのですが、ようやく実際にいただいてくることができました。

紅茶のシフォンケーキというとアールグレイなどを使うことが多いと思いますが、四川高山紅茶のシフォンケーキはもっと柔らかく優しい味わいになっています。お茶のもつ天然の甘い香りはそのまま。とても優しくて美味しいシフォンケーキでした。さすが斎藤シェフ。

四川高山紅茶

もちろん、After Tasteさんでは四川高山紅茶のご用意もございます。ぜひ、四川高山紅茶のシフォンケーキとあわせてお楽しみください。15時から18時までのカフェタイムはお得なケーキセットもご用意しています。

四川高山紅茶のシフォンケーキをご用意していない場合や売り切れてしまっている場合もございます。どうしても四川高山紅茶のシフォンケーキが食べたいという場合は事前にお店までお問い合せの上、ご来店ください。

フラン・タルト

このシフォンケーキ以外にも美味しいデザートのメニューがたくさんあります。こちらはフラン・タルト。イチゴはこの時期だけの限定だそうです。こちらも絶品。

シフォンケーキだけでなく、鈴茶堂のお茶を使ったカクテルなども続々と開発中とのことです。四川省のジャスミン茶、碧潭飄雪を使ったカクテルも登場します。

新宿にお越しの歳はぜひお立ち寄りください。

Bistro&Bar After Taste
(アフターテイスト)

東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
15:00~翌1:00
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
ビックロの裏手、天ぷらつな八さんの目の前のビル5Fです。

鈴茶堂サイト内紹介ページ


四川高山紅茶
四川高山紅茶

一般的な四川紅茶よりももっと香り高く深い甘みを持つこの紅茶は、鈴茶堂でも人気のあるお茶の1つです。天然の茶葉の香りとは思えないほどの香りと、砂糖を入れていないとは思えないほどの甘い紅茶は、リピートされる方がとても多いお茶です。
中国式に蓋碗や茶壷で丁寧に淹れると深みのある甘さと香りが、ティーポットで淹れた場合はすっきりとした甘さと柔らかい微かな渋みが楽しめます。シチュエーションに合わせて淹れ方を変えておためしください。


貢品 碧潭飄雪

蒙頂山で栽培された茶葉を使って丁寧に作られた蒙頂甘露に、四川省はもちろん、中国大陸でも最も品質の良い四川省楽山市のジャスミンの花を厳選して丁寧に香りを移したジャスミン茶です。茶葉はもちろんですが、ジャスミンの花も無農薬栽培にこだわっているとても手間をかけたお茶です。(ジャスミンの花は虫がつきやすく、無農薬栽培をするのはとても大変です。)
こだわりの上に高い製茶技術を持った作り手が作っているため、ジャスミン茶に良くある「焼けた感じ」が一切ありません。普通のレベルとは違う、上質なジャスミン茶を楽しみたい方にお勧めします。

正山小種
正山小種

Lapsang Souchong(ラプサン・スーチョン)という名前で有名な紅茶です。日本で販売されている殆どの正山小種はイギリスを中心としたヨーロッパを経由して輸入されているものです。そのため、とても焙煎香が強く、「このお茶は臭いお茶だ」と認識されている方が多いと思います。
イギリスやヨーロッパでは非常に焙煎香の強いものを好みます。これはイギリスの水が硬水のため、香りや色、味が非常に出にくいことに起因します。そのため、輸出用の正山小種は中国国内向けのものよりもはるかに強い焙煎を行います。また、このように強い焙煎を行うため、上質な茶葉をヨーロッパ輸出用に使うことも滅多にありません。
鈴茶堂での正山小種は中国国内の富裕層向けに作られている伝統的な龍眼香のあるものです。その中でもバランスの良いものを厳選しました。本物の伝統的な正山小種を楽しみたい方にお勧めです。