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武夷岩茶 金駿眉 正山小種 入荷しました!

岩茶工場

中国・福建省武夷山より最終調整の終わった岩茶が入荷しました。

今回のご紹介は夏にも美味しい岩茶の中でも、普通はあまり流通しない、武夷正山茶区の中でも品質の高い茶区のものです。
岩韻ってどんな感覚なんだろう?という方にもお勧めです。まさに岩韻のかたまりのような上質な岩茶ばかりです。

慧苑坑 鉄羅漢
慧苑坑 铁罗汉(鉄羅漢)

四大名欉として知られる鉄羅漢です。
本来の生産地は福建省武夷山のなかでも慧苑坑という場所ですが、現在では生産される鉄羅漢の殆どが慧苑坑以外の場所で栽培されています。
慧苑坑とは三坑両澗と呼ばれる、ワインで言うところのグランクリュ畑。その正岩茶区の中心となる地域で作られた素晴らしい岩韻を持つ鉄羅漢です。

北斗峰 野生北斗
北斗峰 野生北斗

北斗という武夷岩茶は大紅袍よりも上質な岩茶として知られています。
その上品な香りと味わいは他の岩茶にはなかなか見られないほどに素晴らしいのですが、市場に流通する量は決して多いとは言えません。通常、北斗として流通する岩茶は北斗一号と呼ばれる新たに改良された品種の茶樹から作られていますが、この野生北斗は品種改良前の原種の「北斗」から作られています。
その中でも原産地域である北斗峰で栽培されている大変貴重な岩茶です。

10132.1
青獅子岩 金牡丹

先日のお茶会でご紹介させていただいた金牡丹です。
福建省農科院研究所が作出した比較的新しい品種です。非常に香り高く、味わいも良いことから評価の高い品種ではあるものの、栽培量が極めて少なく、産地である武夷山はまだしも、中国でも金牡丹という品種を知らない人の方が圧倒的に多い希少な岩茶です。
その中でも青獅子岩と呼ばれる山深い場所で作られている金牡丹です。この青獅子岩で作られる岩茶は最高の味わい、香り、岩韻を備えています。同じ品種の岩茶でも他の場所で作られた岩茶とは全く別物と言って良いほど味わいと香りの深さがあります。
産地でもまず青獅子岩の金牡丹に出会えることはありません。

10109.3
流香澗 雀舌

武夷天心岩の岩壁に数本だけ生えている大紅袍母樹の1つに起源する岩茶です。
慧苑坑と同じく三坑両澗と呼ばれる茶区の1つ、流香澗で作られた雀舌です。
雀舌は正岩茶区、半岩茶区、外山茶区を問わず数多く作られている品種ですが、流香澗で育てられたこの岩茶はそれらと同じ雀舌とは思えないほどに品格を感じる落ち着いた華やかさを持つ岩茶です。

近年は岩茶のブームということもあり、本来の岩茶とは随分違う製法のものが多く流通するようになってしまいました。今回はこれらを味わっておけば本当の岩茶ってどういうお茶であったのか、その凄さも含めて感じていただけるような岩茶を選びました。
どうぞこの機会にお試しください。

10121.7
金駿眉

価格が上昇しすぎてしまって入荷する予定はなかったのですが、今回は少量ですが入荷しました。
これは金駿眉を最初に作り出した作り手の1人から譲り受けたもので、生産地の桐木の中でも標高1200m以上の高地で採取した樹齢100年を超える野生茶樹の茶葉から作られたものです。
本物の金駿眉を飲んでみたいという方からのお問い合わせが多く、今回、作り手が保管していた分を少量分けていただきました。作出した本人自ら製茶したオリジナルの金駿眉です。

10121.6
伝統 正山小種

その金駿眉の作り手が作った正山小種です。
通常、正山小種の殆どは古来から桐木にある在来種と中葉種の水仙の両方をブレンドして作られています。これは在来種の採取量が少ないということ、非常に繊細な味わいの品種で在来種のみで作られた紅茶は味わいの深みを出すことが難しいという理由です。
この正山小種は桐木の中でも標高1000mを越える地域に昔からある樹齢100年を越える在来種からのみ作られています。通常であれば繊細すぎる味わいに仕上がってしまうことが多々ありますが、名人ともいえる作り手の技術で繊細さを持ちながら非常に上品で滋味深い紅茶になっています。

また、正山小種と言えば独特の焙煎香が挙げられますが、輸出用には追加焙煎を行って非常に強い香りをつけています。そのような追加焙煎を行わない中国国内流通用の上質な正山小種でも出荷先地域によって香り付けの程度が異なります。華北方面は強めに、華南方面は弱めにというように調節されていますが、この正山小種はそのような調節を行わないこの地域本来の香りで仕上げています。

中国国内流通向けの伝統的製法の味わいの濃い正山小種もございます。
(在来種・水仙種使用)
正山小種

また、使用品種の違いを比較しやすいお得なセットもご用意しました。
正山小種 テイスティングセット

白茶 & 漳平水仙 入荷しました!

福建省の茶畑

去熱作用や美肌作用があると言われ、まさに夏向きのお茶として知られる白茶が入荷しました。
今年は白茶のオリジナル、福建省の白茶も入荷しております。

白茶の中には、独特の癖を持つものも多く、あまり好きになれないという方もいらっしゃいます。実は当店にも同じ感想を持つスタッフがいたのですが、そのスタッフも納得して美味しいと楽しめる品質の白茶を探しました。

10125.1
白毫银针(白毫銀針)

茶王、美女といった別名を持つほど有名な白茶の最高級品です。白毫銀針と名前の付くお茶は沢山ありますが、このお茶は甘い花香と
シナモンスティックのような上品な清涼感を持っています。
この香りと味わいを探して福鼎県の作り手のものに出会いました。奥行きのある旨みと甘さ、複雑で品のあるミネラル感、長く続く余韻と、茶王と呼ばれる理由を実感していただけるお茶です。

10126.1
政和 野生白牡丹

こちらは福建省政和県の白茶です。
この野生白牡丹は山中にある野生茶樹から作られています。この地で白茶を作り続けている作り手が自家用にと山中に入って摘み取り、製茶したものを分けていただきました。貴重で大変手間のかかるお茶であるため、一般には流通させていないものですが、この作り手さんとは長年の友人でもあり、鈴茶堂にならと譲っていただきました。
無農薬はもちろん、肥料すら施されていない純粋な野生茶です。

清涼感を伴った甘い花香のある薄い金色のお茶です。
少し粘性のあるトロっとしたお茶は複雑で柔らかく、驚く程に深みのある甘い味わいが楽しめます。
のど越しが素晴らしく良く、余韻も長く続きます。煎をすすめていくと上質なシナモンティーのような爽やかさへ変化するのも、この野生白牡丹の特徴です。

白茶は年月を経た方がより柔らかく旨味を増していくお茶です。
お手元で時間の経過による変化を楽しみながら、大切にお楽しみいただければと思います。

10914.3
思芽 雲南白茶

毎日の常備茶として、安心して美味しくお楽しみいただける、雲南白茶も入荷しています。

この雲南白茶は雲南省南部の思茅の標高1800m付近にある茶園で2013年3月中旬に摘み取られました。無農薬栽培の茶樹から丁寧に摘み取り、製茶されています。ビロードのような白毫が非常に美しい茶葉です。

雲南大葉種の持つ深い甘さと、夏向きの爽やかな紅茶のような風味、プーアル生茶のようなミネラル感を持つ深みのある味わいです。

思芽に住む少数民族の作り手さんが丁寧に作った白茶です。
今回はその作り手さんのご好意もあり、お求めやすいお値段でご紹介することができました。
ぜひ夏の常備茶としてお楽しみください。

10130.5
伝統 漳平水仙 2013年

中国・福建省の漳平市という場所で伝統的に作られている烏龍茶です。
その形はとても珍しい固形の烏龍茶で、四角い茶餅の形をしています。

中国の茶商さんですら知らない人が殆どという流通の少ない珍しいお茶で、私たちは何年もこの漳平水仙を作る茶農家さんを探していました。やっと納得いく品質の漳平水仙を作る茶農家さんとのご縁ができ、昨年からご紹介させていただいています。

爽やかな香りと味を持つお茶です。
これからの時期にぴったりで、普通にお湯で淹れるのはもちろん、アイスティーにしたり、水出しにしても美味しくお楽しみいただけます。

非常に煎が続くのも特徴で、通常の淹れ方であれば15煎以上は楽しめます。
私たちの場合は2日にかけて楽しんだり、お湯で普通に淹れた後に水出しにして楽しんだりしています。

それでも茶葉が多すぎるという場合は千枚通しなどで茶葉を砕かないように、注意しながら半量程度の大きさに固形茶を崩してお使いください。

こちらは伝統的な製法を守って作られているものです。

10130.6
桂花 漳平水仙 2013年

漳平水仙には桂花香型と花香型とありますが、この漳平水仙は金木犀の花の香りを持つ桂花香型になります。
ふわっとむせ返るように出てくる金木犀の香りが見事な落ち着きのある香りを持ち、甘く、柔らかい味と旨味、複雑なミネラル感が印象的です。
2013年はとても綺麗に香りが出ています。

10130.7
漳平水仙 紅茶 2013年

漳平水仙紅茶も入荷しております!

烏龍茶の漳平水仙よりも実は人気の高い紅茶ですが、昨年は予想以上に早く完売してしまい、ご不便をおかけしました。
今年も入荷しております。

紅茶も今年はとても美味しく仕上がっています。

10806.1
蔵茶 康磚(布袋)

夏となると黒茶という気分でもない気がしますが実は蔵茶がおすすめです。

当店でも夏の常備茶として、ヤカンいっぱいに作って冷水筒へ。
冷蔵庫で冷やして楽しんでいます。

黒茶に良くある癖や臭いがなく、また刺激性もカフェインもないため、身体を冷やしすぎることも負担をかけることもなく、お子様からお年寄りまでシチュエーションを選ばずにお楽しみいただけます。

5gの茶葉で1リットルのお茶を作ることができますので、1袋250gでざっと50リットル近くの蔵茶を作ることができる計算になります。

この夏の常備茶としてお勧めします。

便利なティーバックタイプもあります。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ) おためし(送料込み350円)

新茶 第2弾 入荷しました & 発送業務お休みのお知らせ

浙江省

入荷が遅れていた新茶が入荷しました。

第2弾はとても珍しい野生茶と普洱茶(プーアル茶) の新茶です。

金華 野生茶
金華 野生茶

野生茶は浙江省金華市に住む私たちの友人のお母様が毎年春になると手作りしているもので、本来は名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしかみんな野生茶と呼ぶようになりました。

この地域では自家消費用のお茶はその家を守る主婦が作ります。春になると各家庭の主婦は所有する畑の片隅にある茶樹などから茶摘みし、その年のお茶を作るそうです。この友人のお母様はそういった茶樹よりも安全で美味しいものを飲んで欲しいという思いから付近の山に登り、そこで自生する野生茶樹から茶葉を摘んでお茶を作ります。

標高約800mの中国特有の急斜面の山を登り、1日ずっと茶摘みをして回っても1日で作れるお茶の量はたった250gだそうです。山が厳しいうえに野生茶樹は成長が遅く、また点在して生えているために折角山に入っても少しずつしか摘めないそうです。そうして苦労して摘み取った茶葉は、夜を徹してお茶に加工されます。

薄い金色の透明なお茶は表面に艶もあり、自家製茶とは思えない品質です。香りは若干弱いものの、花の香りと豆のほっこりした香りが感じられます。味は驚くように甘く、自然な、身体にすっと入ってくるような優しい味わいは、農薬はもちろん、肥料すらも与えられずに自然のままに育ってきた野生茶樹の美味しさです。製品化されているお茶には無い、上品で優しい美味しさがあります。

今回は友人にお願いして鈴茶堂でご紹介するように譲っていただきました。
数に限りがあるお茶ですので、是非お早めにご注文ください。

もう1つの新茶は普洱生茶の班盆 早春茶です。

班盆 早春茶
班盆 早春茶

雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い班盆という村で作られた2013年の普洱生茶です。今年に最初に摘み取られた茶葉で作られたお茶です。
完全に手作業で作られているため、良くある小沱茶の形ではなく、単純に丸めただけの形をしています。

先にご紹介させていただいている、班盆古樹純料谷花茶 2012年の妹分のようなお茶になります。

薄い金色の透明度が高いお茶は蜜のような、甘い樹液を連想するような香りと、ミネラル感のある深みのある甘さが心地よい美味しさです。とても柔らかく、出来たばかりの普洱生茶とは思えないような優しさは、班盆ならではの味わいです。

今はとてもフレッシュで美味しい味わいが楽しめますが、年月と共に緩やかに熟成もしていきます。段々と味に今とは違う深み、甘さが感じられるように変化し、5年、10年と経過したものは上質なブルゴーニュワインのような深みのある味わいになっていきます。
時間と共に変わっていく香気や味わいも楽しんでいただけるお茶です。

普洱茶はかび臭い、美味しくないと思っている方にも是非お勧めです。普洱生茶の美味しさをぜひ味わってみてください。

岩茶 慧苑肉桂
岩茶 慧苑肉桂

新茶ではありませんが、とても美味しい武夷岩茶、慧苑肉桂が入荷しました。
慧苑坑という特別な場所で摘み取られた茶葉から作られているため「慧苑肉桂」と呼ばれています。

慧苑坑という場所は正岩茶区の中心となる特別な地域です。その場所で育った武夷岩茶は特別な香気と味わいを持っています。正岩茶ならではの味わい、岩韻が素晴らしいこのお茶は、むせ返るような見事な花果香と質の良い岩茶特有の蜜蝋のような深み、ミネラル感、甘味がとても上品なバランスで同居しています。

岩茶本来の美味しさを知るのに最適な、最高のお手本のような武夷肉桂です。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

5月30日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日31日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、5月30日中に入金確認ができたご注文を5月31日に発送させていただきます。それ以降のご注文は6月12日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。


蒙頂山 茶業さん

四川省雅安市の地震について、多くの方にご心配いただき、またご配慮をいただき、本当にどうもありがとうございました。

みなさまにご購入いただいた四川のお茶の売上の一部を雅安市蒙頂山の茶業さんを通して寄付させていただくことにしました。
以前にもブログで紹介させていただいた茶業さんで、公的な役職などには何も就いてはいないのですが、実質的な村の世話役で、その村の茶葉農家を抱え、栽培技術の指導を行っています。
とても村人の信頼の厚い方で、私たちも何度かお会いして信頼しています。
必ず地域の復興のために役立ててくれると思います。

蒙頂山 茶業訪問

義捐金の送付先は中国赤十字をはじめ、いくつかの支援団体を検討しましたが、本当に被災された方まで支援が届くかどうか確信が持てない状況で、私たちがもっとも信頼できる、そして被災されたご本人とその村にお渡しさせていただくことにしました。
どうぞご理解いただければと思います。

今後も当面の間、継続して蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

2013年 新茶 入荷しました

蒙頂茶

4月の中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。

今回は緑茶の新茶を中心に選んできました。
日本人は新茶に対して特別な思いを持っています。本来は中国茶も日本茶も、できたての新茶ではなく、少し時間をおいて落ちつかせたお茶のほうが味わい深いのですが、やはり春の訪れを知らせる新茶は特別です。これは中国の人々にも同じような感覚があるようで、日本ほどではありませんが、お茶市場ではいつもとは少し違う、なんとなく浮足だったような雰囲気に包まれていました。

今年は中国でのお茶の価格が下がったと言われています。政府が高額な接待や贈り物を禁止したため、一番の贈り物とされてきたお茶の需要が少なくなったからのようです。確かに春の新茶でいつもとは違う雰囲気の市場ではあるものの、例年よりも人出が少ないような感じでした。
では確かにお茶の価格が下がったのかというと、実際に価格が下がったお茶は普通には手が出ないような超高額のお茶に限定されていたようです。まさに贈り物とされてきたお茶が対象となっていたようで、それ以外のお茶は例年通りか、物価や人件費の上昇に合わせて値上がりしています。ちょっと残念ですが、市場価格とは関係なく、昨年の取引量が予想を超えるものであったおかげで、私たちが取引させていただいている作り手さんや茶業さんたちからは少し抑えた価格で提供していただくことができました。今年の緑茶は昨年よりも少しお求めやすい価格になっています。これもご利用いただいているみなさまのおかげです。どうもありがとうございます。

蒙頂茶

今年も鈴茶堂では四川の緑茶を選びました。
各地の作り手さんや茶業さんからから沢山のサンプルをいただき、様々な地域の緑茶を試飲してきましたが、やはり、昨年と同様に四川の作り手さんの作る緑茶が一番美味しく、他のお茶とは違う魅力がありました。
特に今年は蒙頂甘露の出来が素晴らしく、貢級と特級、2つ等級の蒙頂甘露をご紹介することにしました。どちらも素晴らしく美味しく、それぞれの個性が違うので選びきれませんでした。貢級は最高品質の蒙頂甘露です。とても小さな萌葉が白毫(シルバーチップ)に覆われていて、まるで銀粉のような美しい茶葉です。素晴らしい香りと繊細で上品な味わいで、初春を感じさせる緑茶になっています。特級はそれよりも少し成長した茶葉で作られ、繊細な貢級に対して、ふくよかで、キャラメルビスケットのような香りと甘味を持つ日本人好みのお茶に仕上がっています。

2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

蒙頂石花は伝統的な製法で作られたタイプに変わりました。四川では蒙頂甘露よりも好まれているお茶で、昨年ご紹介したものは伝統的な製法を更に改良した作り方で製茶されたタイプでした。今年は伝統的な製法で作られたタイプをご紹介します。また違った美味しさをお楽しみいただけると思います。あまり日本では知名度のないお茶ですが、味わいは名前の知られている蒙頂甘露よりも日本人好みです。今年の蒙頂石花は甘味に加えて、塩気を感じるような上質な美味しさがあります。

2013年 特級 明前 蒙頂石花

もう1つ、雲南の緑茶も選びました。
雲南省南部にある思茅地域で作られた早春茶です。今年最初に摘み取られた茶葉から作られている緑茶です。
雲南緑茶というと柑橘系の果物の香りのあるものが多いのですが、この早春茶は甘い桜餅のような香りがあります。それだけでなく、雲南紅茶を連想させるような甘い味わいがとても美味しく、これは是非ご紹介させていただきたいと思い、入荷することにしました。

思茅 早春茶

新茶は緑茶だけではありません。

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶も入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

明前 四川玖瑰紅茶

他にも珍しい黄茶、蒙頂黄芽も入荷しています。
黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

特級 蒙頂黄芽


雅安
雅安市雨城区 2012年

これらのお茶が作られた四川省雅安市では4月19日、大地震が発生、大きな被害が出ております。
私たちとお付き合いのある蒙頂山および雅安の作り手さん、茶業さんたちには幸いなところ、軽傷はあったものの、大きな人的被害はありませんでした。しかしながら、被害の大きい地域と近い地域のため、揺れが激しく、建物の一部倒壊などがあったそうです。今も余震が続く中、懸命に復旧作業に努めています。

当店でご紹介する四川茶は全て震災前に製茶、輸入されたものです。

今年の新茶はどれも捨てがたい位に美味しいお茶ばかりです。それだけに四川雅安地震は本当に辛く、毎日ニュースを見ては心が締め付けられるような思いでいます。幸い、私たちの友人や知人に人的被害はなかったものの、何度か訪れているこの雅安とその周辺では日本人だということで、前回の四川大地震での日本の支援に対してお礼を伝えてもらったり、東日本大震災を心配していただいたりと、とても良くしていただきました。素朴で優しく、素敵な地域です。

被害が最も酷いと伝えられる地域は、平常時でも細い山道に落石や崩落が頻発しているようなところで、地図ではほんの2時間程度の場所でも実際に移動してみたら5時間もかかるような場所です。救助や支援活動が難航しているようですが、安否が分からない方々がどうかご無事でありますように、そして被災された皆様が早く安心出来るよう、祈らずにいられません。そして亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。
出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

台湾茶 お取扱い開始しました

台湾

台湾茶のお取扱いを開始しました。

中国茶を好きになったきっかけが台湾のお茶という方は結構多いと思います。
私たちもその例に漏れず、最初に好きになった中国茶は台湾のお茶でした。

台湾のお茶に限らずですが、お茶にも流行があります。

当時はそれほど盛んではなかった高山茶も、今はどんどん新しい茶畑が開発され
以前とは比べものにならない程に標高の高い地域でも作られるようになりました。
高山茶の流行や主に緑茶を楽しんでいた大陸の人々が台湾のお茶も買い求めるようになり
お茶の火入れはどんどん浅く、発酵も浅い、緑茶に近いものが多く作られるようになってきました。

時代による嗜好の変化はお茶にもあります。
そのような変化も必要なことで、当然のことなのですが
一方で本来の美味しさから外れてきてしまったり
製茶技術が伴わないのに標高の高い地域で作られているだけで高値で取引されているようなお茶も
気が付くと随分増えてきました。

鈴茶堂が台湾茶を取り扱うにあたって思っていることは
伝統的な美味しさを持つものは、その本来のお茶らしさ、美味しさををお伝えできるものを
新しく生み出された銘茶は、その作り手の情熱が伝わるような美味しさを持つものを
根拠となる確かな技術を持って生み出された銘茶であるものだけをお伝えしようということです。

この機会に台湾茶のおいしさを再認識していただければ嬉しく思います。


20101.1
凍頂烏龍茶 雀舌

台湾歴代の総統や国内外の政財界をはじめとする著名人が求めにこの作り手を訪れるという
通常ではなかなか入手できない銘茶です。
指定された茶畑の一部のみで育つ茶葉のみを使用し、更に収穫された鮮葉を厳選して作られています。

今現在でも十分に美味しく楽しめるのですが
この雀舌は適切に高温多湿を避けて保存すれば何年も愉しむことができます。
年月を経ていくほどに柔らかく更に深みのある味わいに変化します。

20101.2
凍頂烏龍茶 2012年春茶

雀舌と同じ作り手による凍頂烏龍茶です。

香りや味わいはもちろん、楽しんだ後の茶殻を確認しても、その製茶技術が高いことが分かります。
伝統的な龍眼の炭を使用した焙煎はこちらのお茶にも行われています。
台湾のお茶は成分が強く、飲み続けるには胃に負担がかかりすぎてしまうものが多いのですが
この作り手のお茶は適度な発酵と焙煎を行うため、そのようなことはありません。

日常的に楽しむのに最適な凍頂烏龍茶です。

20103.1
杉林溪烏龍紅茶

杉林溪は凍頂茶区の奥、標高を更に上げた高山地帯にあります。
高山茶が有名な地域ですが、紅茶も作られています。

この地域では高い技術を持つことで有名な作り手が自ら開発した紅茶がこの杉林溪烏龍紅茶です。

一般的に連想するような紅茶のイメージとは少し異なり
東方美人を連想させるような独特の果実香のある、限りなく青茶に近い紅茶です。
紅茶と青茶の良い所を合わせたような、とてもまろやかで優しいお茶に仕上がっています。

新茶・新商品入荷しました。

蒙頂山茶畑

3月の中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。

今回の中国出張ではお世話になっているメーカーさんのご厚意もあり、少し足を延ばして四川省雅安、蒙頂山とその周辺にも行ってきました。ちょうど現地では茶摘みが始まったところで、茶畑での茶摘みから製茶まで見せていただき、できたての新茶を持ち帰ってきました。

日本では意外とあまり見かけない中国・四川省の蒙頂甘露、蒙頂石花というお茶です。
とても有名なお茶の産地の銘茶ですが、実は中国でもあまり見かけることがありません。福建省などのお茶の産地に比べると農家や茶廠が小さく、小規模なためか蒙頂茶はその名前の割に中国国内でも流通が少なく、四川省以外の都市ではあまり見かけません。質の良いものとなると更に難しく、日本へもあまり輸入されることがありません。

3月20日に茶摘み、製茶された蒙頂甘露です。
花の香りと丸く甘い芳醇な味を持つ金色のお茶です。

10808.2
特級 明前 蒙頂甘露

茶農家さんが全て手作りで製茶した蒙頂甘露も入荷しています。
全て手作りのため生産量が少なく、こちらは在庫のみで終了となります。

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手工 明前 蒙頂甘露

日本ではあまり知られていませんが
中国最古の銘茶である蒙頂石花も入荷しております。

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特級 明前 蒙頂石花

本当にできたての新茶のため、落ち着いてきたとはいえ、まだ火の香りが強く感じられます。これから1ヶ月ほどかけて徐々に風味や味が変化していきます。今も感じることができる花の香りはもっともっと強くなり、味も甘みが深く丸く変化します。そういった変化を楽しめるのもこの時期だけの特典です。
どうぞこの機会に上質な蒙頂茶を味わってみてください。

茶摘みや製茶の様子は近日中にブログでご紹介させていただく予定です。


密かに売り切れてしまっていた普洱茶に新アイテムが入荷しました。

お値段が高額のため売れないだろうな・・・でも売れなくても良いかな?(美味しいので自分用にしたいと思っていました;)なんて密かに思っていた勐海生餅でしたが、おかげ様で完売いたしました。この勐海生餅とは別ロットを今回の中国出張で確保することができました。

完売してしまった勐海生餅は2010年のファーストロットでしたが、今回入荷の餅茶はセカンドロットになります。
この勐海生餅はある人の特別オーダー品で茶樹はもちろん、摘み取られた鮮葉から指定されて作られるため、一般流通品のように大量生産することができません。そのため、このセカンドロットまでの製造になります。お値段もその分お求めやすくなっております。

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勐海生餅 2010年

勐海生餅と同様に一生もののプーアル茶としてもおすすめできるのが、雲南曼崗茶業の2006年七子餅茶です。
標高2200mにある原生林の野生茶樹から取れた萌葉を使用した特別な餅茶で、伝統的な手作業の製法を頑なに守って作っている貴重なプーアル茶です。

プーアル茶でありながら清らかな蘭の香りを持ち、回甘と芳醇なうま味あふれるお茶に熟成されています。これほど素晴らしいプーアル茶にはなかなか出会うことはできません。今はもちろん、10年20年と楽しんでいただけるプーアル茶です。

10905.1
云南曼岗茶业 七子饼茶 2006年

珍しく一生もののプーアル茶のご紹介が続きましたが、普段使いのプーアル茶も入荷しております。

熟茶には定評のある勐海茶厂(モウ海茶廠)・大益のプーアル散茶です。
大益には珍しく固形茶ではなく気軽に飲みやすい散茶の形状になっています。
このプーアル散茶は驚くことに果物のような味と香りを持っています。その上、普段使いにできる手ごろなお値段です。

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大益 2009年 普洱熟散茶


プーアル茶や蔵茶などの固形茶を崩すとき、みなさんはどうされていますか?
菓子箱の蓋などを再利用して使っても良いのですが、こんな専用の茶盆もあります。

元々は個人で愛用していたのですが、使っているのを見た方から欲しいとのご要望をいただき、今回いくつか入荷することになりました。
1つ持っているとなかなか便利な茶盆です。

I05
プーアル茶盆


ご好評のマルチティーサーバーも新アイテムが増えています。

鈴茶堂のお茶をお楽しみいただけるBar Argyllさんで実際に使用しているマルチティーサーバーがWebショップでもお買い求めいただけるようになりました。
1〜3人でお使いいただけるサイズです。

K-16
マルチティーサーバー K-16

同じくイタリアンレストラン、La Beltaさんで長年ご使用いただいている
マルチティーサーバーも入荷しました。
こちらは少し大きめのサイズで3〜4人でお使いいただけるサイズです。

K-07
マルチティーサーバー K-07

他にも茶水の色が確認しやすいガラスの飲杯も入荷しております。

J01.1
ガラス 飲杯

今回の中国出張では沢山の方のご厚意で色々な発見をすることができました。
天候に恵まれて四川では新茶の製造に立ち会えたり、地元にしか流通していないような珍しい紅茶に出会えたり、外国人にはなかなか訪問させていただけない中国蔵茶の工場訪問も実現させていただきました。
また、とても珍しい烏龍茶を作る茶農家さんとも出会うことができ、お茶のコンディションと相談しながらになりますが、近日中にご紹介させていただく予定です。
どうぞお楽しみに。