投稿者「suzuchado」のアーカイブ

咸陽 涇渭茯茶 訪問

涇渭茯茶

西安に向かった一番の目的は隣の咸陽にある涇渭茯茶を生産している咸陽涇渭茯茶有限公司の工場訪問でした。

黒茶として知られる茯磚茶は1368年(明代の洪武元年)ごろに陜西省咸陽で発明されました。生産地が現在の陜西省涇陽であったため、当初は泾阳砖(涇陽磚)と呼ばれていました。また、その売買には政府の許可証が必要であったため、「官茶」「府茶」とも呼ばれています。当時はシルクロードをつたって、西アジア、東ヨーロッパ、ロシアなどへ運ばれていたそうです。
1958年以降、流通経路の見直しなどがあり、その生産地が湖南省へ移ってしまいます。そういった事情などもあり、陜西省での磚茶作りが一度途絶えてしまいます。

涇渭茯茶

現在、黒茶の生産が最も多いのは湖南省です。湖南省で作られている茯茶のオリジナルは、この咸陽の涇渭茯茶であるとして、2011年にこの涇渭茯茶が復活します。復活には3年以上の研究、試行錯誤を繰返したと聞いています。

涇渭茯茶の工場はまだ新しく、非常に衛生的です。近年新しく復活したお茶の工場ということもあり、海外輸出も視野に入れているのか、衛生面に相当に気を使っているのがわかります。
本社と工場では社内の研究機関である茶葉研究所の職員さんと董事長(日本で言うところの取締役会長のような役職です)の紀暁明氏、自ら対応していただき、製造工程から細かい質問まで答えていただき、大変勉強させていただきました。

咸陽涇渭茯茶有限公司 董事長 紀暁明氏
咸陽涇渭茯茶有限公司 董事長 紀暁明氏

茶樹は同じ陜西省でも紫陽県、漢江流域を中心とした山間部で主に栽培されています。この地域は昔から銘茶として有名な午子仙毫や紫陽毛尖の産地としても知られる昔ながらのお茶の産地です。そこで摘み取られた茶葉は毛茶(荒茶)まで加工され、この咸陽にまで運ばれてきます。咸陽ではその後の工程、発酵と固形茶として緊圧加工が行われます。

涇渭茯茶

涇渭茯茶の製造工程は独特です。まずはお茶を入れる容器から作成します。ガーゼに糊で指定された木材を使用して作られた特別な紙を両面に貼り付け、茯茶用の長方形の形をした型に貼り付けて数日乾燥させておきます。
運ばれてきた毛茶(荒茶)は大きな包丁のような刃物で切り刻み、適度な大きさになるまで大きさ別の篩いにかけて分別、サイズを整えていきます。
大きさを整えた茶葉は醗酵用の建物の内部に積み上げて、普洱茶の熟茶と同様に水をかけて麹菌発酵を促します。まずは5日ほど醗酵を行い、その後は広げて乾燥させます。

涇渭茯茶

醗酵した茶葉を茯茶用の型分(3kgの茯茶には3.1kgの茶葉)を取り熱した鉄鍋に入れます。その鉄鍋の中で茶葉をドーナッツ状に整え、中心に茶葉の茎のみを煮込んだ汁を入れ攪拌します。

茶葉の粗熱を取り、茯茶用の型に3人がかりで詰め込んでいきます。茶葉を型に入れる人、上から圧力をかける重しを持っている人、茶葉を均一にする人という具合で、結構な重労働です。非常に近代的で衛生的な工場ですが、これらの工程は今も人が行っています。
詰め込み終わった茶葉は密封した後、ところどころ鉄串で空気穴をあけ、通気性が良くなるように茅の茎を差して醗酵用の部屋へ移動します。

涇渭茯茶

発酵用の部屋のある建物は金花と呼ばれる茯茶特有の麹菌が生きています。この麹菌を守るために一部の人しか建物に足を踏み入れることはできません。
醗酵部屋の中では醗酵具合にあわせて保管場所を変えたり、シュロ布をかけたり、外したりと調整を行っています。20日ほど経過すると金花と呼ばれる金色の麹菌がお茶の表面に現れてくるそうです。

この金花は正式名称を冠突散囊菌(Eurotium Cristatum)という麹菌です。湖南省の茯茶にも同じく金花がありますが、涇渭茯茶のそれとは少し違うようで、胞子が大きいのが特徴です。そのためか湖南省のものは日本へ持ち帰ると大抵は金花が消えてしまうのですが、涇渭茯茶の金花はそれよりもかなり消えにくい性質を持っています。研究所の方にも質問させていただいたのですが、おそらく湖南省の茯茶よりも涇渭茯茶の方が金花が大きいからではないかとのことでした。

涇渭茯茶

現地では健康によいお茶として知られています。メーカーである咸陽涇渭茯茶有限公司によると涇渭茯茶には以下の効果が認められているそうです。
・消化促進、整腸作用
・高脂血症や肥満解消(脂肪分解)
・免疫向上、抗癌作用
・血糖値を下げ、抗酸化作用、
・含有フェノールによる毛細血管保護

抗癌作用についてはかなり力を入れて研究しているようで、清華大学と共同研究を今も行っているそうです。研究データなども見せていただきました。今後も涇渭茯茶の効果については継続して研究を行っていくそうです。

涇渭茯茶

本社の中には復刻前の涇渭茯茶も展示されています。すべてショーケースに入って展示されていますが、いくつかはケースから出した状態で見せていただくことができました。「官茶」という文字がはっきりと残っています。

董事長が涇渭茯茶は普洱茶のように高価なお茶にはせず、一般の人達が普通に美味しく楽しめる価格帯を守っていきますとお話になっていたのが印象的でした。消費期限の無い黒茶は普洱茶でなくても近年は投機対象として扱われるようになりつつあり、価格の上昇が見られるようになってきました。中国国内の人件費が高騰しつつある中、この涇渭茯茶に限らず茶葉価格の上昇という問題はかなり大きくありますが、メーカー自らがそれに対応していこうという姿勢は消費者としてとても嬉しいことです。
伝統的な部分は伝統的なままに、近代的な良いものはきちんと取り入れるというしっかりとした姿勢でお茶づくりに向き合っているメーカーという印象を持ちました。

涇渭茯茶には様々なラインナップがあります。日常的に楽しめるものから、特別に指定された茶畑から作られた高級なもの、昔ながらの大きさをしたコレクターズアイテムとも言えるようなものまで様々です。
それぞれ細かな違いはありますが、癖の少ない甘く柔らかいお茶でした。


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泾渭茯茶(涇渭茯茶)

咸陽涇渭茯茶有限公司が復活させた涇渭茯茶です。

1つ1つ手作業で1回分の大きさの固形茶にして仕上げられているため、気軽にお楽しみいただけます。

柑橘系の果香のある棗系、微かに薬香が感じられますが、全体的に香りは控えめです。味わいは甘く柔らかいミネラル感があり、爽やかでありながらも複雑な美味しさがあり、黒茶特有の癖も少なくお楽しみいただけます。温かいままはもちろん、冷やしても美味しく楽しめます。

中国出張のため、発送業務再開後7月10日以降の発送となります。ご了承ください。


この時期ならではの水出し茶も入荷しております。

当店で取り扱いのある黒茶以外のお茶は基本的に水出しでもお楽しみいただけます。この時期、気軽に水出し茶を楽しみたいということで、以前からご要望の多い、水出し用パッケージでのご提供を行います。

水出しとしてももちろん、ティーバッグとしてお湯で温かいままでも美味しくお楽しみいただける品質の茶葉です。数量限定でのご提供になりますので、気になるお茶がある場合はお早めにご注文ください。

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水出し茶 正岩 武夷肉桂(メールマガジンご購読者限定)

通常であれば水出しにするにはもったいない品質の茶葉です。
牛欄坑の近く、若干外れた場所にある高品質の茶葉でご用意しました。
(茶商によっては牛欄坑として販売されるような場所です)
正岩ならではの味わいがお楽しみいただけます。

水出しの場合は通常、1パックにつき500cc~1Lの水で一晩抽出します。(濃い目がお好きな場合は500ccで、さっぱりとした味わいがお好きな場合は1Lでお楽しみください。)
お好みにより水の量や抽出時間を変えてお楽しみください。
抽出後のお茶は冷蔵庫で保管し、お早めにご賞味ください。
もちろん熱湯を注いで温かいお茶としてもお楽しみいただけます。

水出し茶 慧苑 武夷肉桂(メールマガジンご購読者限定)
こちらも通常であれば水出しにするにはもったいないような品質です。
ただし、輸送時に破損してしまった茶葉を使用していますので
熱湯で温かいお茶としてもお楽しみいただけますが
こちらは水出しでお楽しみいただくほうがおすすめです。
その分、大変お得なお値段でのご提供となっています。

水出し茶 蜜蘭香単叢
香り高く、甘く深みのある水出し茶が楽しめます。
もちろん熱湯で温かいお茶としてもお楽しみいただけます。

水出し茶 単叢紅茶
この紅茶は青茶・烏龍茶で知られる鳳凰単欉の茶葉から作られました。
一般的な紅茶よりもしっかりした、深みのある甘さ、清涼感が特徴的です。

水出し茶 蒙頂甘露
水出し茶というと中国茶の場合は青茶をメインに考えてしまいますが、気温の高い時期に美味しくすっきり楽しめるのは実は緑茶のほうが適しています。
すっきりと甘く爽やかな水出し茶をお楽しみください。

水出し茶 雲南緑茶
雲南緑茶は水出しと非常に相性の良いお茶の1つです。
甘さはもちろん、華やかな爽やかさも楽しめます。
日常的にお楽しみいただく常備茶としておすすめです。

水出し茶 雲南緑茶
甘くしっかりした雲南紅茶は水出しにも最適です。
こちらも常備茶としてお楽しみください。

上記以外の黒茶以外のお茶は基本的に水出しでも美味しくお楽しみいただけます。
7月および8月に黒茶以外のお茶をご注文頂いた場合は水出し・アイスティーの作り方をおつけしてお届けいたします。

中国出張のため、発送業務再開後7月10日以降の発送となります。ご了承ください。


7月5日から7月9日までのあいだ、中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑、ご不便をおかけして申し訳ありません。
発送業務の再開は7月10日となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

また、7月20日はイベントのため、発送業務がお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

西安 金康路茶文化街

金康路茶文化街

チベットから青蔵鉄道で西安まで移動しました。

シルクロードの起点として有名な西安にも茶市場があります。
茶市場はいくつかありますが、最も大きく賑わっているという金康路茶文化街へ見学にいってきました。西安の城壁の外へ少し、車で5分ほど行った場所にあります。

長楽中路を中心に金康路茶文化街が広がっています。周囲には大きな茶城もいくつかあります。金康路茶文化街に面した路面店はどちらかと言うと一般の人たちをターゲットとしているような割りと綺麗なお店が多く見られます。ちょっとした茶城の中は奥に行けばいくほど業者向けといった感じのお店が多く見られます。といっても中国は日本のように卸だから一般人には販売しませんということはなく、大量に購入する(≠業者)お客さんは卸売価格まで値下げできる、少量(10〜15キロ位まででしょうか?)購入のお客さんはそれほど安くできないといったスタイルが殆どですので、店構えが玄人向けといっても気にせずに利用することができます。

金康路茶文化街

陜西省は実は銘茶の産地でもあります。
古くからの銘茶として知られる午子仙毫は陕西省西乡县(西郷県)の午子山で1984年から作られ始めたお茶です。現在は国家級名優緑茶とされています。この地域でのお茶作りの歴史は古く、漢代から記録があると言われています。
最近はセレンが多く含まれる健康茶として有名になりつつある紫陽毛尖は紫陽富硒茶として販売されることも増えてきました。(日本へは殆ど輸入されていないようです)
どちらも繊細でとても美味しい緑茶です。
他にも紫陽毛尖の紅茶、紫陽富硒紅茶もまだ数は少ないものの生産されています。かなり製茶方法を研究して創りだされたようで、近年になって新しく作り始めた紅茶ですが、非常に美味しい上質な紅茶です。
そして有名な涇渭茯茶。湖南省の黒茶、茯茶のオリジナルはここ陜西省でした。こちらも近年になって復活し、かなり生産量を伸ばしつつあります。

金康路茶文化街

陜西省のお茶はあまり他の地域で見かけることはありません。
中国国内の通信販売などでセレンが多く含まれる健康茶として安価な緑茶が販売されているものは見かけますが、各地の茶市場や茶葉店の店頭で・・・ということは滅多に見かけることはなく、この地に来ないと入手が難しかったり、良い品質の茶葉を買うことができないお茶でもあります。

折角なので午子仙毫、紫陽毛尖、そして紅茶を作る茶業さんを訪問して色々とお伺いすることに。午子仙毫などの緑茶はもちろんですが、午子仙毫の紅茶、紫陽富硒紅茶の完成度の高さには大変驚きました。
陜西省でのお茶づくりも少しずつ活発化してきているようです。


2014年 特級 蒙頂黄芽
2014年 特級 蒙頂黄芽

お問い合わせの多い蒙頂黄芽がようやく入荷しています。
当店の蒙頂黄芽は黄茶でありながらも癖の無い、甘く香ばしさのある、とても美味しいお茶に仕上がっています。

蒙頂黄芽は中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶に分類されるお茶です。
一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思う品格のある黄茶に仕上がっています。

蒙頂山主峰の標高1200m付近で栽培されている茶樹を2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

伝統的な製法を守りながら更に改良を重ねて作られています。
特有の癖が強い黄茶や、殆ど緑茶としか思えないような黄茶が増えている中、この蒙頂黄芽は黄茶本来の旨みを持ちながら癖を取り除いたような、純粋に蒙頂黄芽としての美味しさを楽しめる上質な黄茶です。

優しい品のある花の香りと香ばしい栗の香りを感じるお茶です。
味わいは深く甘く、複雑な旨みがしっかり出ています。
飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような感覚があり、長く余韻をお楽しみいただけます。

黄茶は美味しくない、癖があると思っている方にも是非お試しいただきたいお茶です。


7月5日から7月9日までのあいだ、中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑、ご不便をおかけして申し訳ありません。

7月2日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文、銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は同じく7月2日中に入金確認ができたご注文を7月3日または4日に発送させていただきます。それ以降のご注文は7月10日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

また、7月20日はイベントのため、発送業務がお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

凍頂烏龍茶 2014年春茶 入荷しました! / 発送業務お休みのお知らせ

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2014年凍頂烏龍茶 春茶

2014年凍頂烏龍茶 春茶が入荷しました!

最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通しています。
最終焙煎は台湾の凍頂で行いますが、茶葉は大陸の福建省やベトナムから運ばれてきたもの・・・ということも残念ながら珍しくありません。

この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。
古式龍眼炭焙煎にこだわり、火入れも1ヶ月近くかけて行います。
とても高い技術力とそのこだわりで、通常の凍頂烏龍茶よりも、ずっと水分が少なく仕上げることができます。その水分量の少なさは普通の作り手では茶葉を焦げ付かせてしまったり、美味しく仕上げることができないほどです。この水分量の少なさと龍眼炭を使った焙煎、しっかりと行っている発酵により、年月を経た方が香り高く、柔らかく深みを増す性質を持っています。
実際に私どもの手元には10年前からのこの作り手による凍頂烏龍茶を保管していますが、好みはあるものの、古いものほど柔らかく深みのある、美味しい味わいになっています。

届いたばかりのフレッシュな凍頂烏龍茶の味わいを楽しむのも
お手元でその変化を楽しむのも
ビンテージ違いでその味わいや香りの違いを楽しむのもお勧めです。

凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

凍頂烏龍茶 2013年冬茶
凍頂烏龍茶 2013年冬茶


手摘み川根茶 2014年一番茶
手摘み川根茶 2014年一番茶

手摘み川根茶 2014年一番茶 ご好評をいただいています!

この川根茶は一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。大井川の上流、標高が高く山深い場所の川根町は静岡県の中でも気温が低く、最も茶摘みが遅い場所の1つです。高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

今年は昨年よりも柔らかい花香と爽やかな甘さが特徴的に仕上がっています。
ここ数年のうちでは最も優しく甘く仕上がっているように思います。


7月5日から7月9日までのあいだ、中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑、ご不便をおかけして申し訳ありません。

7月2日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文、銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は同じく7月2日中に入金確認ができたご注文を7月3日または4日に発送させていただきます。それ以降のご注文は7月10日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

また、7月20日はイベントのため、発送業務がお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

7月のお茶会のお知らせ

お茶会のお知らせ

次回7月のお茶会は白茶がテーマです。

白茶は萌葉や若葉を丁寧に摘み取り、自然に酸化発酵をさせ、乾燥させるだけのシンプルな製法で作られるお茶です。歴史的にも非常に古いお茶で北宋の皇帝、徽宗が愛飲していたことでも知られています。
お茶の中でも茶王、美女と例えられる高貴で貴重なお茶です。
中国・福建省の一部、政和県、福鼎県で作られています。次第に雲南省でも作られるようになり、最近ではインドネシアなどでも製造が始まっています。

去熱作用(体内の余分な熱を取り去る作用)を持つと言われていることから中国・広東省や香港、東南アジアなどの熱帯地域で愛飲されています。近年ではその作用から夏場の常備茶としてこれらの地域以外でも親しまれるようになってきました。また、強い抗酸化作用を持ち美肌効果、消炎効果などが非常に高いとも言われることから女性を中心に人気があります。古くは伝染病や皮膚疾患の薬としても利用されていたこともあり、東南アジアの女性の中にはは吹き出物などができると白茶以外は飲まなくなる人もいるほどです。

7月は夏のお茶として、その白茶をお楽しみいただきます。秘蔵の白茶も登場する予定です。
After Taste自慢のデザートと共にお楽しみください。

日時 2014年7月20日(日曜)12時30分~14時30分
場所 Bistro&Bar After Taste
東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
料金 3000円(お茶4種・デザート・お土産つき)
ご予約 お席に限りがありますため、7月15日までにAfter Taste店舗までご予約ください。満席になりしだい、ご予約を締め切らせていただきます。ご了承ください。
(03-6273-2001)

多くの方とお会いできるのを楽しみにしております。

おかげさまで満席となりました。現在はキャンセル待ちをお受けしております。


身体の余分な熱を取り去る作用があるといえば白茶が有名ですが、緑茶にも同じような作用があると言われています。
水出しでもアイスティーにしても美味しくお楽しみいただける上質な緑茶が入荷しています。

2014年 明前 蒙頂甘露
2014年 明前 蒙頂甘露

中国を代表する銘茶、蒙頂甘露です。
2014年3月27日に摘み取り、製茶されています。

今年の蒙頂甘露は甘い栗の香りと清らかな甘い花の香り、その香りに答えるように深みのある甘味と爽やかな旨みが心地よく、飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような蒙頂甘露に仕上がっています。

2014年 明前 蒙頂石花
2014年 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
2014年4月3日に摘み取り、製茶されています。

とろみのある金色のお茶は甘い花とほっこりと香ばしい豆のような香りです。
丸い柔らかな甘味と上質な旨み、ミネラル感が感じられます。
翡翠のような、ふっくらと肥えた芽で構成された、とても美しいお茶です。

2014年 明前 蒙頂山禅茶
2014年 明前 蒙頂山禅茶

このお茶は1500年を越える歴史のある、ある古刹の依頼で作られました。
蒙頂山主峰の標高1100m付近で栽培されている在来種の茶樹から2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

仏教とお茶の関わりが深いのは良く知られていますが、中国ではこうしたお寺で開光(祈祷して魂を入れる)したお茶を、そのお寺の信者に分けるということが良くあります。このお茶もそうした目的で作られています。
その開光はされていませんが、今回、作り手さんにお願いして特別に分けていただきました。

とろみのある金色のお茶はキャラメルのような甘いお菓子のような甘い香りが強く感じられます。その甘い香りに応じるように濃厚な甘味とミネラル感がしっかりと感じられます。
緑茶がここまで複雑に濃厚な甘味を持てるのかと驚かされます。

希少なお茶ですが、それ以上に驚くほどに美味しいお茶です。

手摘み川根茶 2014年一番茶 入荷します!

手摘み川根茶 2014年一番茶
手摘み川根茶 2014年一番茶

今年も手摘みの川根茶が入荷します。

この川根茶は一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。大井川の上流、標高が高く山深い場所の川根町は静岡県の中でも気温が低く最も茶摘みが遅い場所の1つです。高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

中国茶がメインの当店ですが実は中国茶にこだわっている訳ではありません。美味しく、安全に楽しんでいただけるお茶をご紹介したいと日本や中国、台湾をはじめ、インドやマレーシア、タイ、インドネシアなども茶畑の確認も含めて行っているのですが、なかなか中国と台湾以外には
広げられないというのが現状です。そんな中、これは美味しいと私たちも納得できる日本のお茶がありました。
それがこの川根茶です。

手摘み川根茶

今年は気温がなかなか上がらなかったということもあり、例年より少し遅れての茶摘みとなりました。
当店では味わいの違いからも手摘みのお茶にこだわっているのですが、茶摘をする人の確保は日本も中国も台湾も大変です。基本的には作り手さんとそのご家族で行っていますが、毎年手摘みでお茶が作れるかどうか直前まで分かりません。
なんとか今年も手摘みのお茶をお届けできることができます。

発送は6月15日ごろを予定しております。
現在は美味しくお楽しみいただけるよう熟成を行っています。


あっという間に気温が上がってきて夏の訪れを感じさせるような気温になってきました。
とはいえ、朝晩は冷え込んだり、日によっては肌寒かったり、まだ不安定な陽気でもあります。
こんなときにお勧めのお茶は温かいままはもちろん、冷やしても、水出しにしても美味しく楽しめるお茶です。
当店のお茶はどれも雑味の無い上質な茶葉を使用していますので、1煎目はお湯で温かいままお楽しみいただき、その茶葉をそのまま水出しに使用しても美味しくお楽しみいただけます。この時期は寝る前のゆっくりした時間に熱湯で淹れた温かいお茶を、そのまま冷水筒に茶葉を移して水出しに、翌日の昼間は冷たいお茶を楽しむといったこともできます。

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特級 香檳烏龍茶 (東方美人)

この香檳烏龍茶は6月中旬に完全手摘みで摘み取られた茶葉を使用し、ロットの中でも最高品質のものです。落ち着きを出すために後熟成を行い、現在はこれ以上ないほどに最高の香り、味わいになっています。

東方美人の多くは新竹、苗栗などで作られる青心大有種のものが主流です。これらは果実香の強い、味わいのしっかりした火入れが強い特徴を持ちます。苦味が出やすく、中には苦味がそのまま出ているものや、多くは複数のロットや様々な品種から作られた東方美人をブレンドします。
一方、石錠で作られる東方美人は青心烏龍種から作られ、軽やかな香りと味わいで、まさにシャンパンのようです。
香檳烏龍という名前は石錠で作られた東方美人に与えられたと言われています。

その石錠郷の中でもこれ以上のものはないほどに上質な東方美人です。
もしお手元に東方美人があれば是非比べていただきたいと思うほどに、今年もとても上品に美味しく仕上がっております。

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南糯山 古樹滇红(雲南紅茶)

古茶樹で有名な雲南省南糯山の樹齢300年以上の茶樹から作られた非常に上質な古樹雲南紅茶です。

一般的な雲南紅茶は甘く、誰もが美味しいと思えるお茶である反面、味わいが分かりやすすぎて飲み続けるには飽きてしまう部分もあります。近年流行している金色の雲南紅茶は特にその傾向が強く感じられ、当店ではお問い合わせをいただくものの、WEBショップでのお取り扱いは控えておりました。

今回のこの雲南紅茶は金色一色ではありませんが、その香りと味わいの複雑さ、奥深さが違います。
金色の雲南紅茶が入門向けとすれば、このお茶は上級者向け、玄人好みの味わいです。11月の中国出張で出会ったお茶ですが、雲南紅茶にこれほど、奥行きのある美味しさを持つものがあったのかと驚きました。
(もちろん、入荷できない位に高額なお茶にはあります・・・)

少数民族が代々大切に守ってきた古茶樹から丁寧に作られた紅茶です。
ぜひ、大切な時間に楽しんでいただければと思います。

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四川高山桂花紅茶

当店で一番人気の四川高山紅茶に桂花の香りを移した四川高山桂花紅茶が入荷しました。

ベースとなっている四川高山紅茶は四川省蒙山主峰の標高1200m以上という高山地帯で栽培された茶葉を使用して丁寧に作られています。無農薬認証は得ていませんが、標高が高く斜度のきつい斜面で栽培された無農薬栽培の茶樹を使用しています。また香り付けに使用している桂花(キンモクセイ)も厳選された無農薬の桂花を使用しています。

チベット シガツェ

シガツェ・ゾン

チベットではラサに続く第2の都市、シガツェにも行ってきました。
第2の都市と言っても街自体はそれほど大きくもなく、暖かい、素朴で素敵な街でした。

写真はシガツェの街から見上げるシガツェ・ゾンと呼ばれる城塞建築です。中国共産党によるチベット侵攻の際、ここシガツェ・ゾンではかなりの抵抗を行ったそうで、そのせいで徹底的に破壊されてしまったそうです。かつての姿が分からず、現在は中国政府によってポタラ宮を模した形で再建されています。

シガツェ 自由市場

シガツェの有名なタシルンポ寺(扎什倫布寺)の近くには自由市場があります。他にも地元の人々が集まる大きな市場もあり、買い物をする人たちで賑わっています。
この自由市場では羊肉やヤク肉などの食肉から野菜、食料品、茶葉、衣料品から日用品まで揃っています。ここで私たちがチベットへ来た目的の1つでもあるドンモと呼ばれるバター茶を作る撹拌機を探しました。

ドンモ

このドンモ。事前に日本で調べて行った情報ではチベット人のお宅には必ずあるとされていました。しかし実際にラサで聞いてみたところ、現在は電動の撹拌機(ミキサーのような形状をしています)が主流になっていて、このドンモを持っている、まだ使っている家は少なくなってきているとのことでした。さらに、ドンモはお店で販売するようなものではなく、家を建てた時などに余った木材で大工さんに作ってもらうなどして入手するもので、売っているお店は観光客用の骨董品屋さんにあるかどうかと言われてしまいました。
それでも諦めきれず、シガツェでもドンモを探していたのですが、市場の蔵茶を売るお店の女性にドンモが売っている場所がないかどうか尋ねたところ、ドンモを販売している場所を教えてもらうことができました。

ドンモ製造工房

チベットでは外国人がチベット人の自宅などを訪問することが禁じられています。そのため、周囲がわかるような写真を掲載できないのですが、特別にドンモの製造工房を見せていただきました。
ドンモの材質は様々で最も上質なものは硬い木製のもので、他には柔らかい木製のもの、合板で作られたものなど様々なものがありました。またドンモに付けられた飾りも様々です。

シガツェ

気に入ったドンモを譲ってもらい、その大きなドンモを抱えて宿泊しているホテルへ戻る途中、たくさんの人たちから「何故漢民族がドンモを持って歩いているのか?」と質問を受けました。日本人だと答えると余計驚かれます。若いチベット人のなかにはドンモを見ても何か分からない人もいました。電動撹拌機の普及が進んでいて、都市部でのドンモの使用は本当に少数派になってきているのかもしれません。

ツァンパ

これはそのバター茶を使うことで有名なツァンパという食べ物です。日本で言う「はったい粉」で、加熱した麦を粉にしたものです。
ここにチベットのチーズやバター、砂糖または塩などを入れてバター茶で練って食べるものです。現地の方のお話では主に朝食に食べるそうです。意外と美味しい食べ物ですが、慣れていないせいか上手くこぼさずに練るのがなかなか大変です。

シガツェでは多くの方のご厚意によって無事にドンモを入手することができましたが、こうした伝統的な道具は今後姿を消していってしまうように思います。電動の撹拌機は確かに便利ですが、何だか寂しい気もします。


品切れでご迷惑をおかけしておりましたが、再入荷いたしました!


蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

2014年 特級 蒙頂黄芽 入荷しました!

2014年 特級 蒙頂黄芽
2014年 特級 蒙頂黄芽

お問い合わせの多い蒙頂黄芽がようやく入荷しました。
当店の蒙頂黄芽は黄茶でありながらも癖の無い、甘く香ばしさのある、とても美味しいお茶に仕上がっています。

蒙頂黄芽は中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶に分類されるお茶です。
一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思う品格のある黄茶に仕上がっています。

蒙頂山主峰の標高1200m付近で栽培されている茶樹を2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

伝統的な製法を守りながら更に改良を重ねて作られています。
特有の癖が強い黄茶や、殆ど緑茶としか思えないような黄茶が増えている中、この蒙頂黄芽は黄茶本来の旨みを持ちながら癖を取り除いたような、純粋に蒙頂黄芽としての美味しさを楽しめる上質な黄茶です。

優しい品のある花の香りと香ばしい栗の香りを感じるお茶です。
味わいは深く甘く、複雑な旨みがしっかり出ています。
飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような感覚があり、長く余韻をお楽しみいただけます。

黄茶は美味しくない、癖があると思っている方にも是非お試しいただきたいお茶です。


人気の高い湯宣武の紫砂茶壷、入荷しております。

湯宣武 紅禅
湯宣武 紅禅

湯宣武は非常に技術力の高い人気のある女性紫砂作家です。
夫である范澤鋒は紫砂茶壷の大家で、彼の作品は既に日本円にして、数十万~数百万円という値がついています。

湯宣武の作品の入荷は年々難しくなってきております。
昔から懇意にさせていただいている関係上、なんとか入手が出来る状態ですが、それでも価格の上昇などもあり、今後の入荷は難しくなると思います。

陳宗宝 福禄玉蛇
陳宗宝 福禄玉蛇

第2の湯宣武とも称される若手作家、陳宗宝の茶壷です。
范澤鋒を師に持ち、その技術の高さから近年評価が高くなってきています。
この茶壷も范澤鋒の指導の下に作られているだけあり、非常に完成度の高い、素晴らしい茶壷になっています。

紫砂茶壷には興味があるけれども、いきなり作家物は難しいという方に、入門向け茶壷のご紹介です。

実際のところ、入門用とされるレベルの茶壷は土質が柔らかいものが多く、美味しくお茶を淹れるには難しいものが多いです。そういった理由もあり、美味しくお茶を淹れることができるという前提で入門用の茶壷を探すのはなかなか難しいのですが、今回無名の若手作家による納得できる品質の茶壷を入手することができました。

紫砂小壷
紫砂小壷

日本で一般的に入門用とされている茶壷に比べるとどうしても高価になってしまいますが、紫砂以外の材料の混入などの無いもの、美味しくお茶を淹れることのできる品質であることということからも自信を持ってお勧めいたします。

5月のお茶会 どうもありがとうございました!

5月 お茶会

5月18日に新宿のAfter Tasteで開催させていただいたお茶会、おかげさまで無事終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、本当にどうもありがとうございました!

今回は新茶をテーマにご紹介しました。
中国銘茶の中でも歴史ある四川省の蒙頂甘露といった緑茶から、実際に福建省まで行って作ってきた白茶、少し珍しい明前の紅茶、そして正真正銘の野生茶樹から作られた貴重な野生茶など、この時期ならではの新茶とそれにまつわるお話をさせていただきました。

今回の茶器は唐津焼、中里太亀さんのうつわをメインに、台湾の暁芳窯、陳文濱老師のうつわなどを使わせていただきました。

ダークチェリーと鉄観音老茶のムース

お茶会の茶譜は以下の内容でした。

2014年 明前 蒙頂甘露

政和白茶

ダークチェリーと鉄観音老茶のムース

明前 四川玫瑰紅茶

蒙頂野生茶

After Tasteの斎藤シェフによる鉄観音老茶のムース、今回もとても美味しかったです。持ち帰りの出来るような硬さのあるムースと違い、本当にふわふわトロトロでとても上品で美味しかったです。次回お茶会のデザートも楽しみです。

お土産にお持ちいただいたものはこちらになります。

明前 安吉白茶
2014年 明前 蒙頂石花
政和白茶
蒙頂野生茶

明前 安吉白茶は友人の茶農家さんが丁寧に作った、とても上質な緑茶です。アミノ酸含有量が通常の緑茶よりも多く含まれている、甘く美味しいお茶です。
蒙頂石花は当店でもご紹介しているものです。日本ではマイナーな印象の緑茶ですが、味わいのバランスが良く飲み飽きない、とても良い緑茶です。
政和白茶はお茶会で淹れたものと同じ、実際に福建省政和県まで行って持ち帰ってきたものです。今年の1番最初に摘み取られた鮮葉から作られた一番茶で全部で1斤(500g)しか作ることができなかった貴重な白茶です。
蒙頂野生茶も同じくお茶会で淹れさせていただいたものです。現在は引退した茶農さんのご隠居が自ら山に分け入って野生茶樹から摘み取って作った正真正銘の野生茶です。
どのお茶も甘く美味しいものばかりです。ぜひご自宅でも楽しんでみてください。

次回After Tasteでのお茶会は7月20日を予定しています。詳細な内容やテーマは未定ですが、決まりましたらまたお知らせいたします。


今年の四川の新茶が到着しております。
どれも美味しく、上質な新茶です。
鈴茶堂定番の蒙頂甘露・蒙頂石花に加えて、今年はとある古刹の依頼で作られた希少なお茶も入荷しております。

今年は気温が低い日が続いていたため、例年より1週間ほど遅く茶摘がはじまりました。蒙頂山茶区の標高の低い地域は例年通り3月上旬からはじまっていましたが、標高の高い地域は気温が上がるのが遅れていたようです。

私たちがお願いしている蒙頂の作り手さんは蒙頂山の中でも主峰、その中の標高1200m付近にある茶畑の茶樹から1つ1つ手摘みした茶葉にこだわっています。

2014年 明前 蒙頂甘露
2014年 明前 蒙頂甘露

中国を代表する銘茶、蒙頂甘露です。
2014年3月27日に摘み取り、製茶されています。

今年の蒙頂甘露は甘い栗の香りと清らかな甘い花の香り、その香りに答えるように深みのある甘味と爽やかな旨みが心地よく、飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような蒙頂甘露に仕上がっています。

2014年 明前 蒙頂石花
2014年 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
2014年4月3日に摘み取り、製茶されています。

とろみのある金色のお茶は甘い花とほっこりと香ばしい豆のような香りです。
丸い柔らかな甘味と上質な旨み、ミネラル感が感じられます。
翡翠のような、ふっくらと肥えた芽で構成された、とても美しいお茶です。

2014年 明前 蒙頂山禅茶
2014年 明前 蒙頂山禅茶

このお茶は1500年を越える歴史のある、ある古刹の依頼で作られました。
蒙頂山主峰の標高1100m付近で栽培されている在来種の茶樹から2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

仏教とお茶の関わりが深いのは良く知られていますが、中国ではこうしたお寺で開光(祈祷して魂を入れる)したお茶を、そのお寺の信者に分けるということが良くあります。このお茶もそうした目的で作られています。
その開光はされていませんが、今回、作り手さんにお願いして特別に分けていただきました。

とろみのある金色のお茶はキャラメルのような甘いお菓子のような甘い香りが強く感じられます。その甘い香りに応じるように濃厚な甘味とミネラル感がしっかりと感じられます。
緑茶がここまで複雑に濃厚な甘味を持てるのかと驚かされます。

希少なお茶ですが、それ以上に驚くほどに美味しいお茶です。

無量山 寨子坡 2008年 入荷しました!

無量山 寨子坡 2008年
無量山 寨子坡 2008年

チーズと中国茶のマリアージュお茶会でご紹介させていただいたプーアル茶が入荷しました。蜂蜜のような香りと甘くミネラル感がしっかりとある、とても美味しいプーアル茶です。
渋味や苦味が少ないのは無量山のお茶の特徴ですが、この2008年の寨子坡もその特徴が良く出ているため、渋味・苦味はもちろん、雑味は一切感じません。回甘も強く、余韻が長く続きます。煎持ちも良く、柔らかく優しく、しっかりと美味しいお茶になっています。

そのままでも、もちろんお茶会の時のようにチーズなどとあわせていただいても美味しく楽しめます。

本来であれば餅茶は1枚をその変化も楽しんでいただきたいため、当店では餅茶を崩してのご紹介は行っておりません。
とはいえ、餅茶1枚をいきなりはなかなか勇気が必要なものです。今回はこの無量山に限り崩しでのご紹介もいたします。

無量山(无量山) 寨子坡 2008年 崩し
無量山 寨子坡 2008年 崩し

この機会にぜひ美味しいプーアル生茶を体験してください。


鳳凰単叢、ご好評をいただいております。
種類によっては既に数少なくなっているものもございます。

鳳凰単叢 玉蘭香
鳳凰単叢 玉蘭香

玉蘭とは中国語で白木蓮を意味します。その名の通り白木蓮のような、品のある上質な香りを持つ鳳凰単叢です。

かつて、鳳凰単叢は三無主義と呼ばれる、茶樹に「肥料を与えない・選定を行わない・農薬を与えない」方法で栽培されてきました。しかしながら近年流通している殆どの鳳凰単叢が作られる茶園栽培では、一本の茶樹から作られていないというだけでなく、この三無主義はまず行われていません。生産量が劣る三無主義は今や一部を除いて殆ど行われていないのが現状です。
この玉蘭香は樹齢はまだ若い茶樹ですが、この三無主義で栽培された茶樹から作られました。そのため、ミネラル感のしっかりした味わいが楽しめます。

鳳凰単叢 草蘭香
鳳凰単叢 草蘭香

お茶会でご紹介させていただいた鳳凰単叢です。

この草蘭香は標高1000mを越える高い場所にある1本の老茶樹から作られています。そのため、非常に生産量が少なく
年間10キロしか作ることができない貴重な鳳凰単叢です。こうした高山にある老叢から作られるお茶には特韻と呼ばれる高山気、つまり特別な香気、味わいがあります。
この草蘭香はその特韻が良く出ている素晴らしい出来上がりとなっています。
通常はこの価格でご紹介できない鳳凰単叢ですが、この特韻を多くの方にぜひ味わっていただきたく、今回は特別にご紹介いたします。

鳳凰単叢 坪坑老叢
鳳凰単叢 坪坑老叢

鳳凰単叢の産地、鳳凰鎮の中でも坪坑頭村の外れにある樹齢250年以上の古茶樹から作られています。当然、この茶樹からしか摘み取れないため、生産量は少なく、茶樹の状態によってはその年の生産自体を見送る、とても大事にされている古茶樹から作られています。

この坪坑老叢は他のどの鳳凰単叢とも違います。
深みのある甘く複雑な香りは落ち着きも感じさせる厚みのある深さと、うっすらと塩気を感じるような、杏系の複雑な香りを持っています。味わいも香りに負けず劣らず複雑です。見事なミネラル感、旨みに甘味と微かな酸味が加わり、凄みすら感じるような奥深さがあります。
鳳凰単叢というお茶にこのように複雑なミネラル感と旨み、滋味を持つものがあるのかと驚かせるような、別格と言える鳳凰単叢です。

老叢竹葉単叢
老叢竹葉単叢

この老叢竹葉単叢は標高1200m付近にある樹齢250年にもなる、竹葉種の古茶樹から摘み取られた茶葉から製茶されています。

竹葉種はその葉の形が特徴的でこの名前がつけられました。他の一般的な品種よりも細長く、竹のような葉の形をしています。あまり栽培量が多いとは言えない品種で、中国の専門店でもあまり見かけることが少ない品種の1つです。

爽やかな甘い花香が優しく、複雑な品格を感じる香りにまとまっています。
味わいはすっきりとした甘さと複雑なミネラル感、旨みがあります。味わいのバランスが非常に良く、派手さはありませんが、爽やかさと筋の通った凛々しさはその名の竹を連想してしまいます。
濃厚な甘さの蜜蘭香とは対極の清々しい味わいと香りです。

鳳凰単叢 鴨屎香 冬片
鳳凰単叢 鴨屎香 冬片

鴨屎香を直訳すると「鴨の糞の香り」という意味ですが、あまりにもこの品種の茶樹から作られたお茶が香り高く美味しいため、その木を盗まれないように「鴨屎香」と名づけたことに由来しています。その名の通り、数年前までは一部で栽培されていたのみでしたが、現在は標高の低い場所にある茶園でも大量に栽培されるようになりました。

この鴨屎香はその茶園栽培のものではなく、標高1000m付近にある、樹齢80年ほどの1本の茶樹から11月下旬に摘み取られた冬茶です。

清らかな甘い花の香りと微かな乳香が感じられるお茶です。一般的な鳳凰単叢に見られる苦みが殆ど無く、すっきりとした上品な甘さと茶園栽培のものには無い繊細なミネラル感が感じられます。

鴨屎香はとても美味しい鳳凰単叢の1つですが、その中でも老茶樹の単叢ならではの味わいが楽しめるお茶です。

blanDouce bar & kitchen

blanDouce bar & kitchen

5月6日にオープンした西新宿のblanDouceさんで鈴茶堂のお茶がお楽しみいただけることになりました。

blanDouce bar & kitchen
(ブランドゥース)
東京都新宿区西新宿7-10-12 ダイハンビルデンス6F
03-6304-0458
18:00~翌5:00
新宿駅西口より徒歩6分

鈴茶堂サイト内紹介ページ

blanDouce bar & kitchen

ナチュラルな雰囲気の心地の良い素敵なお店です。
時間が経つのを忘れてしまうような、そんな居心地の良さとスタッフの笑顔に癒されます。

お酒はもちろん本格的なラインナップを揃えています。国産プレミアムビールのGARGERY(ガージェリー)や数々の美味しいモルトウイスキーなどのハードリカー、中には貴重なものもあるそうで、こだわりのお酒が揃っています。カクテルももちろん揃っています。その日の気分に合わせてバーテンダーさんにリクエストするのもおすすめです。
お食事もしっかり、美味しく揃っています。ちょっとしたおつまみからしっかり系まで様々なメニューが用意されています。お酒も食事もどちらもしっかり美味しく楽しめるお店です。

深夜まで営業しているのも嬉しいところです。夜中でもしっかり美味しく食事もお酒も楽しめます。

blanDouce bar & kitchen

鈴茶堂のお茶は人気の四川高山紅茶やこだわりのジャスミン茶・貢品 碧潭飄雪、身体にも心にも美味しい蔵茶などの定番のものから、本格的な伝統凍頂烏龍茶 7年老茶や先日のチーズと中国茶のマリアージュをテーマにしたお茶会でもご紹介した無量山 寨子坡2008といった上質な普洱生茶などもお楽しみいただけます。

お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください。


今年の四川の新茶が到着しております。
どれも美味しく、上質な新茶です。
鈴茶堂定番の蒙頂甘露・蒙頂石花に加えて、今年はとある古刹の依頼で作られた希少なお茶も入荷しております。

今年は気温が低い日が続いていたため、例年より1週間ほど遅く茶摘がはじまりました。蒙頂山茶区の標高の低い地域は例年通り3月上旬からはじまっていましたが、標高の高い地域は気温が上がるのが遅れていたようです。

私たちがお願いしている蒙頂の作り手さんは蒙頂山の中でも主峰、その中の標高1200m付近にある茶畑の茶樹から1つ1つ手摘みした茶葉にこだわっています。

2014年 明前 蒙頂甘露
2014年 明前 蒙頂甘露

中国を代表する銘茶、蒙頂甘露です。
2014年3月27日に摘み取り、製茶されています。

今年の蒙頂甘露は甘い栗の香りと清らかな甘い花の香り、その香りに答えるように深みのある甘味と爽やかな旨みが心地よく、飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような蒙頂甘露に仕上がっています。

2014年 明前 蒙頂石花
2014年 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
2014年4月3日に摘み取り、製茶されています。

とろみのある金色のお茶は甘い花とほっこりと香ばしい豆のような香りです。
丸い柔らかな甘味と上質な旨み、ミネラル感が感じられます。
翡翠のような、ふっくらと肥えた芽で構成された、とても美しいお茶です。

2014年 明前 蒙頂山禅茶
2014年 明前 蒙頂山禅茶

このお茶は1500年を越える歴史のある、ある古刹の依頼で作られました。
蒙頂山主峰の標高1100m付近で栽培されている在来種の茶樹から2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

仏教とお茶の関わりが深いのは良く知られていますが、中国ではこうしたお寺で開光(祈祷して魂を入れる)したお茶を、そのお寺の信者に分けるということが良くあります。このお茶もそうした目的で作られています。
その開光はされていませんが、今回、作り手さんにお願いして特別に分けていただきました。

とろみのある金色のお茶はキャラメルのような甘いお菓子のような甘い香りが強く感じられます。その甘い香りに応じるように濃厚な甘味とミネラル感がしっかりと感じられます。
緑茶がここまで複雑に濃厚な甘味を持てるのかと驚かされます。

希少なお茶ですが、それ以上に驚くほどに美味しいお茶です。