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水仙茶合作社見学

漳平

漳平では水仙茶合作社の見学もさせていただきました。

当店の漳平水仙はここのものではありませんが、この水仙茶合作社は国からの補助金と村人たちの一部が資金を出し合って設立した会社です。もちろん、当店がお世話になっている茶農家のように参加せず、自分たちだけで製茶を続けているケースもありますが、現在市場に流通している漳平水仙の多くは、この合作社を経ているのではないかと思います。

漳平

個人の茶農家では揃えるのが大変な製茶機械も全て共同で使用することができます。栽培した茶葉の摘み取りも製茶も全て共同で行うため、個人の負担を減らすという意味ではとても良い方法であると思います。特に漳平水仙のような特殊なお茶は専用の製茶機械は殆ど存在しません。そのため、一般的な製茶機械を工夫しながら使用していくしかありません。その分、手間がかかってしまったり、時間がかかってしまうという問題があり、それを個人の茶農家で吸収していくのはなかなか大変なことです。

漳平

丁度訪問した際は造形工程を行っていました。作業をしている人たちは、この会社に出資をした村の人達です。
漳平水仙の造形は荒茶(毛茶)の状態、まだ水分の多い柔らかい茶葉を1つ1つ型に入れて押し固め、専用の紙で包んでいきます。これがなかなか難しく、少し作業を体験させていただきましたが、適量に綺麗に整形するのは技術が必要です。

漳平

これが造形に使用する型です。この型も自分たちで作っています。型の中には鉄の重しが入っているので、なかなか重量のある木型になっています。一般的にはこの型を使用しますが、茶農家によっては別の形状の型を使用する場合もあります。それについてはまた追ってご紹介したいと思います。

この漳平でも人手不足は深刻な問題です。こうした合作社はその人手不足を解消するのにも役立っているようです。各個人の茶農家が製茶を行うよりも、お互いに協力して製茶を行うほうがずっと効率がよく、人手も集まります。

漳平

こうして紙に包んだ状態になった茶葉を感想、焙煎していきます。紙ごと乾燥を行うこと、固形になっていることなどからも通常の乾燥機をそのまま使用することはできません。散茶の状態を想定している乾燥機では温度が高すぎてしまいます。そのため、茶葉の様子を頻繁に確認しながら乾燥機の扉を開けながら行います。この扉を開ける角度も含め、乾燥時の温度管理は作り手さんの腕次第です。

合作社は人手不足などの問題解消にはとても有効な対策の1つだと思います。一方で一定の品質は保たれるものの、茶農家さん、作り手さんによって変わる品質、味わいが全て均一化されてしまうという問題もあります。それでも福建の中でも取り残されてしまった感のある漳平水仙が、今後市場で生き残り続けていくためにも合作社の役割には期待をしたいところです。


新会柑 珍珠青柑
新会柑 珍珠青柑

陳皮プーアル茶の1種ですが、青い小さな新会柑と呼ばれる広東省の果実の中に宮廷級プーアル熟茶を詰めて焙煎しているお茶です。これがプーアル茶ではなく、上質なアールグレイのように爽やかで美味しいお茶に仕上がっています。

雲南省の西双版納モウ海茶区で作られたプーアル熟茶を茶枝柑と呼ばれる果実の中に詰め焙煎、熟成を行ったお茶です。ここ数年、中国で徐々に流行りはじめ、様々な品質のものが流通するようになりました。通常は陳皮プーアル茶と呼ばれるオレンジ色の果実に詰め込んだプーアル熟茶ですが、これは新会柑と呼ばれる広東省の果実、中でも青柑を使用しています。非常に香りが爽やかなのが特徴で、その香りはまるで上質なアールグレイのように素晴らしく美味しいお茶に仕上がっています。

近頃は天然のアールグレイ果汁を使った紅茶は少なくなりましたが、これはそれを思い出させるような素晴らしい香りと味わいを持っています。青柑の爽やかで品のある香りはもちろん、プーアル熟茶の深みのある柔らかい旨味と甘味がプーアル茶であることを忘れさせてしまうほどにバランスよく味わい深いお茶になっています。
人工香料には決してまねできない品格のある高い香りと深い味わいがお楽しみいただけます。

漳平水仙の産地

漳平

漳平水仙の産地を訪問してきました。

数年前、漳平水仙を初めてご紹介した頃は日本はもちろん、中国国内でも殆ど知られていないお茶でした。福建省南部以外の場所で漳平水仙と言っても知らない茶商が殆どといった感じで、日本でも知名度の無いマイナーなお茶としてWebショップでご紹介しても殆ど売れなかったお茶でした。今では中国国内での知名度も少しずつアップし、日本でも少しずつ人気が出てきているようです。おかげさまで毎年、前年の倍以上の量を入荷し続けておりますが、殆ど完売する状況で、嬉しくありがたく思っています。漳平水仙の知名度アップに少しながらお手伝いできたかと思っていますが・・・

当店の漳平水仙の故郷はこのような昔のままの村で作られています。土壁の昔ながらの茶農家で、話には聞いていたものの実際の村がとても素朴な状態のままであることに驚かされました。

漳平

漳平水仙の産地全てがそうではないのですが、この村では茶畑と山、そして人が住む村について昔から変わらず守られている事柄があります。それは山の上の方、頂上付近には茶畑を作らないことが1つです。これは山とその自然を守ることが目的で、たしかに茶樹は一般的にあまり深く根を生やしません。そのため、斜面を全て茶畑にしてしまうと崩落が発生したりすることがあります。そういったことを防ぐためにも山の上の方、3分の1は原生林のまま手をつけないというルールがあるそうです。
もう1つは茶畑より上に家を建てないということ。これは茶畑を生活排水などで汚染しないようにということです。そして、化学肥料や農薬は絶対に使わないということ。たとえ種子の殺菌剤であっても薬は使用しません。これが徹底されています。その徹底ぶりがすばらしく、ここまで環境、茶畑に配慮する茶産地は私も初めて見ました。

漳平

漳平水仙には桂花香型と蘭花香型と大きく2種類に分けられます。これは茶畑の標高の違いです。比較的低い場所の茶畑から摘み取られたものは桂花香型とされ、山の上の方、1割ほどの場所から摘み取られた茶葉から作られたものが蘭花香型となります。この香りの差は標高差によって作られるもので、台湾などの高山気と同じようなものです。蘭花香型の方が清涼感のある透明な香気が感じられます。
写真は蘭花香型となる茶畑です。藪のようにしか見えませんが、ちゃんとした茶畑になっています。人の手は最低限しかかけずに自然のままに作る、山と共生していくという姿勢が徹底されているのがよくわかります。

余談ですが、紙で包むこの製茶方法が台湾の包種茶の元となったと言われています。漳平とこの周辺で昔から行われていた製茶方法が台湾へ伝わり、今の包種茶となったそうです。

漳平

漳平水仙の茶畑は生き物がたくさんいます。これは一般的に無農薬有機栽培を行っている茶畑よりもずっと多いです。かつて一度も化学肥料や農薬を使ったことのない土、土地ならではの光景です。ですので、漳平水仙の茶葉には細かい虫食いの跡がたくさんあります。あまりにも多い場合は製茶に使うことはできませんが、写真程度の状態では普通に製茶に使用されます。この場所では自然の生き物を受け入れ、共に生きていくということが当たり前に受け入れられています。害虫ではなく、共に生きる仲間という感覚のようです。ですので、特に駆除などはせず、対策としては茶葉よりも虫が好む木、果樹などを茶樹の近くに植えるという程度しか行いません。

漳平

また、特徴的なのはこの巣箱です。茶畑で養蜂も行っています。茶樹の間や農家の軒先などにたくさん設置していて、この養蜂も村の重要な収入源となっています。とても香りの良い美味しい蜂蜜になります。
他にも茶油なども作られています。茶産地では茶油も作ることがよくありますが、この漳平水仙の茶油は今まで色々と試してきた中でも一番と言って良いほどに香りが良いものでした。


漳平水仙 紅茶 2016年秋茶
漳平水仙 紅茶 2016年秋茶

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。


12月19日から来年1月11日までのあいだ中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
今回は中国でも遠方、雲南省の西双版納の方まで足を伸ばすため、かなり長期間のお休みとさせていただいております。
12月16日22時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は12月18日までに発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月16日中に入金確認ができたご注文を12月18日までに発送いたします。それ以降のご注文は来年1月12日以降の発送となります。また、ご注文が混みあう場合はお休み前の発送締め切りを早めさせていただく場合もございます。ご了承ください。
発送業務をお休みさせていただいている期間もご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。特に今回は通信環境の無い地域へ訪問している期間もございますため、最長で1週間程度お時間をいただく可能性もございます。
大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

安渓 茶都

安渓 茶都

感徳の村を後にして、安渓の都市部まで戻ってきました。訪問させていただいた感徳の村は、やはり山の中にあるため、同じ安渓でも都市部まで戻るのには数時間かかります。まずは安渓での宿を決めて、急いで茶都に向かいました。

安渓には主に鉄観音の集積市場とも言える市場があり、それがこの茶都です。実際にお茶を仕入れるかというと、全てがそうではないのですが、決まった販路を持たない、あるいは新たに販路を拡大したい茶業や茶農家がこの茶都に集まります。また、茶市場としても機能しているため常設の店舗もあります。

安渓 茶都

中心部にはこのように店舗を持たず、青空市場のように茶葉が並んでいます。(実際には屋根があります)この時は既に夕方近かったため、かなり販売者も少なくなっていましたが、鉄観音のみでこの量は圧巻です。
これらの販売者は殆どが周辺の農村地帯から、これらの荷物を抱えてここまでやってきます。中にはバスを乗り継いでという人も。ですので、とにかく売りたいという気持ちが強く、歩いているだけでかなりの客引きにあいます。

安渓 茶都

品質は様々です。正直に言えば、あまり良いお茶は無かったようです。これは時間的なものもあるかもしれませんし、時期的なものもあるかもしれません。とはいえ、日本へ輸入する場合、このような市場では品質のトレースができませんので、実際には入手することはできません。ですので、一通り見学という形で終了していたのですが、常設店舗のある卸売店の方がまだ良い品質のものが多いように見受けられました。
個人用にせよ、何にせよ、原産地であっても、きちんと後までトレースできる信頼できる店舗から入手するのは変わらないですね。やはり口に入るものですから・・・

安渓 茶都

基本的には鉄観音が殆どという市場ですが、資本力のある茶業によるプロモーションも行われていました。この時も鉄観音のかなり大きな茶業さんと別に漳平水仙の茶業さんも来ていました。
この漳平水仙の茶業さん、ここ数年でかなり資本力を付けて出てきているので、その品質はともかく漳平水仙の知名度アップに頑張っているようです。この安渓以外でもちらほらと見かけるようになりました。


新会柑 珍珠青柑
新会柑 珍珠青柑

陳皮プーアル茶の1種ですが、青い小さな新会柑と呼ばれる広東省の果実の中に宮廷級プーアル熟茶を詰めて焙煎しているお茶です。これがプーアル茶ではなく、上質なアールグレイのように爽やかで美味しいお茶に仕上がっています。

雲南省の西双版納モウ海茶区で作られたプーアル熟茶を茶枝柑と呼ばれる果実の中に詰め焙煎、熟成を行ったお茶です。ここ数年、中国で徐々に流行りはじめ、様々な品質のものが流通するようになりました。通常は陳皮プーアル茶と呼ばれるオレンジ色の果実に詰め込んだプーアル熟茶ですが、これは新会柑と呼ばれる広東省の果実、中でも青柑を使用しています。非常に香りが爽やかなのが特徴で、その香りはまるで上質なアールグレイのように素晴らしく美味しいお茶に仕上がっています。

近頃は天然のアールグレイ果汁を使った紅茶は少なくなりましたが、これはそれを思い出させるような素晴らしい香りと味わいを持っています。青柑の爽やかで品のある香りはもちろん、プーアル熟茶の深みのある柔らかい旨味と甘味がプーアル茶であることを忘れさせてしまうほどにバランスよく味わい深いお茶になっています。
人工香料には決してまねできない品格のある高い香りと深い味わいがお楽しみいただけます。

早朝からの製茶

安渓感徳

福建省安渓の感徳の山の中にある村に泊めていただいた翌日は早朝から製茶を見せていただきました。
前日まで曇りがちな空も、この日は綺麗に晴れ上がり、山の中の冷たい気温に太陽の光が熱を帯びているのが感じられます。やはり福建省は太陽が強いですね。この太陽の強さが美味しい鉄観音を作り出します。
5時頃から日が昇り、日の出とともに村も活気がでてきます。早朝から畑にでる村人も多く見かけます。この村も高齢化が進んでいるようで、畑で元気に作業をする村人の中には90歳を超えているという人も珍しくありません。

安渓感徳

山肌に張り付くように建つ製茶場に息を切らしながら朝早くからお邪魔させていただきます。ちょっとした山登りのような傾斜で、ご覧の通り、本当に平地の少ない山間の小さな村です。
村の半分以上は製茶に関わる仕事をしていますが、携わっている村人の殆どは高齢者です。同じ鉄観音でも平地の大規模な茶畑や大きな工場のあるような地域であればともかく、このような山間の傾斜のきつい小さな茶畑で、最低限の製茶機械で家族で行うような茶農家では、鉄観音といえども生産量に大きな違いがあります。裕福な暮らしをできるほど生産することが出来ないというのが現状で、若い人の殆どは茶業を辞めて街へ働きに出てしまいます。

安渓感徳

まだ6時を過ぎた頃だというのに、製茶場ではフル回転で製茶が行われています。おばあちゃんやおじいちゃんが険しい崖のような茶畑で1つ1つ摘んできた大切な茶葉を1つとも無駄にしないように、真剣に製茶が続けられています。聞けば昨夜から殆ど寝ていないとのこと。それでも和気あいあいと家族ぐるみで協力しながら作業を続けています。見ている以上に重労働ですが笑顔。快く質問にも答えてくださいました。
工程毎に頻繁に試飲を繰り返し、意見も活発に出されます。それらの意見もしっかり聞いた上で家長である作り手がその程度を決めていきます。

安渓感徳

5月中旬の訪問時は主に清香系の製茶が行われています。いわゆる青い鉄観音です。下旬になると濃香系の製茶がはじまります。茶色い焙煎が行われている鉄観音が清香系です。この濃香系の鉄観音は近年はあまり作られることのなくなってしまった鉄観音ですが、この茶農家では昔から変わらず作り続けています。濃香系を作ることを止めて久しい茶農家や茶業では清香系の製茶しかできなくなってしまっている、濃香系の製茶情報を喪失してしまっていることが多く見られます。そのため、良く市場に出回っている濃香系は売れ残った清香系や品質の低い清香系を焙煎して「濃香系」と言って販売しています。これでは濃香系の美味しさが分かりません。本来の濃香系は茶葉の成長度合い、発酵の度合いも違います。濃香系を作るためには茶葉の状態が成長しすぎず、でもしっかりと成分を保っていること。そして毛茶(荒茶)の状態から休ませ、6月頃から茶葉を休ませながら炭火で焙煎を行っていきます。
2016年は雨が多く、この茶農家では残念ながら濃香系の製茶を断念してしまいました。翌月に再度訪問して焙煎も見せていただく約束をしていたのですが、来年になりそうです。とはいえ良いお茶が作れないならば妥協せず製茶しないという決断は消費者として心強く、嬉しいです。その分の収入が無くなる訳ですから、茶農家にとっては相当な決断です。品質の低いお茶は作りたくないというその姿勢は応援していきたいと思っています。


中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006
中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006

この価格帯では近年稀にみるほどの美味しく上質な普洱生茶です。
価格がお手頃ということもありますが、何より驚く位にとても美味しいということ。
特に樟香系の香りがお好きな方にはぜひ試していただきたいと思います。

中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。
元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。この藍印鉄餅は2006年に作られた、その鉄餅の復刻版です。

雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。

広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさに普洱茶熟成のお手本のように育っています。

通常であれば倉熟成を行い、ここまで状態が良く、香り高い普洱茶はそれなりに高価になります。今回、黒茶専門家として大陸ではとても高名な師のおかげで現地と殆ど変らない価格でご提供できることになりました。とても美味しく、そして本当におすすめできる普洱茶です。

※1筒(7枚)でご購入をご希望の場合はお問い合わせください。(45,500円・税抜)

安渓感徳 鉄観音の村

安渓感徳

厦門から鉄観音の産地、安渓までは車で1〜2時間ほどで到着します。しかしながら、安渓と一口に言ってもとても広く、安渓の市街地を中心としてもかなり広大なエリアで鉄観音は作られています。
今回はいつもお世話になっている感徳の茶農家さんを訪問させていただきましたが、安渓に到着したあとも山の中にずっと入っていくため、更に2時間以上かかる山奥にあります。

安渓感徳

事前に話を聞いていたよりもずっと山奥のひっそりとした村で、住人よりも鶏や鴨などの家畜の方が多そうな静かな村でした。電気は通っているものの水道やガスはありません。水がとても綺麗な地域のため、山の水をそのまま使っています。
昔からの土壁で作られた家が殆どで、険しい山肌にかろうじて引っかかっているかのように建っています。
ここでは茶農家さんのお宅に滞在させていただき、鉄観音の製茶を見せていただきました。

安渓感徳

集落のある場所から上の険しい山は殆どが茶畑になっています。この集落では無農薬、自然農法を徹底しているため、雑草もそのままです。
これには生活上の理由もあります。もちろん作るお茶の商品として無農薬、自然農法であることが価値を高めるということももちろんですが、これらの茶畑の斜面の下に位置する集落では山の水を生活用水として使っています。もちろん飲用にも利用しているため、水を得る山を汚さないということは自らの生活にも大事なことなのです。

安渓感徳

歩くのも大変なほど険しい山肌を縫うように茶樹が植えられています。そのため、他の地域のように整然とした茶畑にはなっておらず、藪のような茶畑になっています。間には楊梅の木や、足元には山苺などの植物も豊富にあります。そのせいか鳥や虫をはじめとした生き物がとてもたくさんいる茶畑になっています。
おやつに山苺を食べながら茶畑を見学させていただきました。とても心地の良い茶畑でした。

安渓感徳

既に製茶の始まっている製茶場へ。萎凋中の茶葉です。爽やかな花の香りが充満していて、小さな建物ですが、香りが充満しています。
山奥にあるため、平地よりもかなり気温は低いのですが、茶葉から発せられる熱で製茶場は暖かく、この時は萎凋の具合を冷房をつけたり消したりして調節していました。逆の場合もあります。製茶場はいつでも冷房、暖房と使えるように整備されています。
朝に摘み取られた茶葉です。基本的に鉄観音の茶葉は朝も早いうちから摘みはじめ、お昼頃には摘み取りを終了します。しかしながら、実際には1日中摘み取りが行われていることが殆どです。これは鉄観音に限らず、中国や台湾の茶産地で行われていることです。

安渓感徳

この村では昔のまま、朝のみしか摘み取りを行いません。これは味わいや香りを最大限に良くするためということがあります。一方で摘み取りを行う人出が足りないという現状もあります。安渓は茶産地の中でもトップクラスの環境の良さ(製茶するための環境が整っているという意味で)ですが、安渓の中でもこのような山奥の村はあまりその恩恵を受けられていないようです。
摘み取り時期には摘み子さんが周辺地域からやってきますが、多くは安渓の中でも、もっとアクセスのしやすい産地の大規模な茶業さんのところへ行くことが殆どです。この村では家族で今も製茶を続けています。茶畑の中には人出が足りなくて摘み取りができない場所もあります。人手不足はこの村でも深刻な問題です。

安渓感徳

私たちが到着したのがお昼過ぎということもあり、萎凋が終わった茶葉の揉捻を見せていただきました。ご存知のように丸い茶葉の鉄観音はこのように布で包む団揉と呼ばれる方法で行われます。
台湾でよく見ていたこの団揉ですが、やはり大陸の鉄観音とはまた方法が少し違います。また、台湾ではこの団揉を行う専門職の職人さんが製茶時期になると各茶業さんを回って仕事をしていることが多いのですが、安渓ではあまりそのような習慣はないとのこと。(とはいえ、安渓も広いので場所によって違うかもしれません。)特にこの村では家族総出で製茶を行うこともあり、この時は若い息子さんがお父さんに団揉の方法を教わりながら手伝っていました。こうして製茶が引き継がれていくのですね。それでも、こうした小さな山奥の村では過疎が進んでいるそうです。大手の茶業さんはともかく、小さなこうした村の茶農家では鉄観音といえども販路がすくなく、決して儲かる仕事ではありません。そのため、街に出てお茶とは関係のない仕事に就くことも多く、廃業する茶農家さんも増えているそうです。

安渓感徳

団揉は何度も繰り返し行われます。毎回布を解いて、茶葉の状態を確認しながら丁寧に団揉していきます。やりすぎても茶葉がボロボロになってしまう、団揉が足りないと煎の効かない低品質のお茶になってしまう・・・作り手の技術が試される工程です。茶葉の状態を見ながら慎重にすすめていきます。この時は本当に真剣で、別の工程では和気あいあいと話しながら作業をしていた作り手さんたちも、団揉の工程では無言で黙々と作業しています。

この日は萎凋や発酵、団揉などを見せていただきました。茶農家さんのお宅に泊まらせていただき、翌朝は早朝から開始される製茶を見せていただきます。


10118.6
感徳鉄観音 12年老茶

福建省安渓感德の伝統的製法を守り作り続けている作り手による鉄観音の12年老茶です。
2004年の春に作られた鉄観音を火入れを繰り返しながら熟成させてきました。

伝統的製法の鉄観音の入手は年々難しくなっています。お茶には流行があり、10年ほど前に鉄観音も大きく変わりました。台湾より清香型の製茶技術が伝わり、茶葉の発酵度が低く軽いものが主流になりました。
現在主流の清香型は香り高く爽やかである一方、発酵度が低く、焙煎もほとんど行われていないために保存がききません。そういった青々とした鉄観音は常温保存すらできません。冷蔵庫で半年、冷凍庫で1年といったところです。また、成分が強く、胃への負担が強いものとなってしまいました。

ビンテージの鉄観音は現在、とても入手が難しく、また本物があっても非常に高価なものになりました。この鉄観音は茶農家さんの倉庫で眠っていたものを譲っていただいたものです。終了後の再入荷はありません。

福建厦門 天成茶葉市場

福建

2016年の5月、北京から福建省へお茶の旅に出ていました。

厦門から入り、鉄観音で有名な安渓へ。
仲良くしていただいている茶農さんのお宅に滞在させていただきました。
また、その後は漳平水仙(ショウ平水仙)を見せていただきに漳平へ。
そこから北福建の武夷山へ、いつもの武夷岩茶の茶業さんを訪問してきました。

まずは寝台列車で北京から厦門へ向かいます。
夜に北京を出て、翌朝に厦門に着くので便利なのと、最近は車内も綺麗で意外と快適です。

天成茶葉市場

厦門では有名な茶葉市場、天成茶葉市場に行ってきました。
最近は郊外の高速鉄道駅の近くに新しい茶葉市場が出来ているそうですが、昔からある市内のこの市場が今も地元の人達に利用される、活気のある茶葉市場になっています。

鉄観音を中心としたお店が多く、また、茶器を扱う店舗が多いのも特徴的です。あまり大きくない小じんまりとした市場ですが、一通りのお茶は殆ど揃っているようです。ただ、やはり福建省。緑茶の扱いは他の地域よりもずっと少ないです。やっぱり福建省ですね。

天成茶葉市場

ここでは知り合いの茶業さんのご親戚がやっているお店をベースに市場を見学させていただきました。
ちょうどこの時期は鉄観音の出荷が始まったころで、いたるところで鉄観音の茎取りの作業が行われています。今や鉄観音では当たり前のように行われている茎取りですが、実はここ15年ちょっと位の話です。経済的に豊かになってきて、茎を外して見栄えを良くしようとなったとのこと。
茎の部分には甘味や旨みがたくさん詰まっているので、私個人としては取らないで欲しいとも思うのですが(美味しいですよ)、この外した茎は枕にしたり、茎茶として楽しんだりします。


既にリピートをされてるお客様もいらっしゃるほどです。ありがとうございます!
いくつかご質問をいただいておりますが、広州入倉といえども土臭さなどは全く感じられません。非常に綺麗な樟香がお楽しみいただけます。

中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006
中茶牌 藍印鉄餅 春尖 2006

この価格帯では近年稀にみるほどの美味しく上質な普洱生茶です。
価格がお手頃ということもありますが、何より驚く位にとても美味しいということ。
特に樟香系の香りがお好きな方にはぜひ試していただきたいと思います。

中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。
元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。この藍印鉄餅は2006年に作られた、その鉄餅の復刻版です。

雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。

広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさに普洱茶熟成のお手本のように育っています。

通常であれば倉熟成を行い、ここまで状態が良く、香り高い普洱茶はそれなりに高価になります。今回、黒茶専門家として大陸ではとても高名な師のおかげで現地と殆ど変らない価格でご提供できることになりました。とても美味しく、そして本当におすすめできる普洱茶です。

※1筒(7枚)でご購入をご希望の場合はお問い合わせください。(45,500円・税抜)

蒙頂山製茶場

蒙頂山

四川ではいつもの蒙頂山へもお伺いしました。
弊店がお世話になっている作り手さんで、いつも家族のように迎えてくれます。

蒙頂山の中でも茶摘みが遅い地域とはいえ、訪れた時期はちょうど春茶の製茶が一段落した時期で、茶畑は静かさを取り戻していました。時折、茶摘みをしている摘み子さんを見かけるものの、本当に静かでのどかな茶畑の風景が広がっています。この時期は茶樹を休ませるため、畑や製茶器具のメンテナンスにはいっていました。

蒙頂山

茶畑には人間よりも鶏や山鳥が多いようです。これは茶畑のそばにある作り手さんの自家用の畑ですが、どうやら七面鳥のような鳥が歩いていました。何でも野生の山鳥なんだとか。作物を荒らしていたようですが、作り手さん曰く「山に住む者でみんなで分ければいいんだよ。」と一向に気にしていません。そんな大らかな作り手さんを表すかのように、鳥や虫など、たくさんの生き物がいる静かだけれど賑やかな茶畑です。

蒙頂山

ひと通り製茶場の周囲の茶畑を作り手さんと近況を話しながら回ったあとは、すっかり火の落ちた製茶場で後熟成をさせている途中のお茶を品茶していました。静かな製茶場は少し寂しそうな感じがしますが、一時的なもの。この後は紅茶の製茶や黄茶の熟成、昨年からはじめた昔ながらの石灰による後熟成中の緑茶の手入れなど、まだまだ忙しさが続きます。一瞬のお休みといったところです。

蒙頂山

久しぶりの製茶場を見せていただいていると、作り手さんが楽しそうに説明してくれた製茶機械がありました。なんと、この機械を自作しているとのこと。
この作り手さんは本当に研究熱心で、昔の文献や引退したお年寄りから昔の製茶方法を聞いたり、他の地域の製茶方法を参考にして良い所を取り入れたりしています。製茶が忙しくない時期は大学の農学部へ講師として呼ばれることもあるほどなのですが、まさか製茶機械まで自作しているとは思いませんでした。一番忙しい時期が終わり、紅茶や花茶の製茶がはじまるまでは色々と試行錯誤しながら研究すると、とても楽しそうに話してくださいました。
やっぱりこの作り手さんのお茶は美味しいです。その理由が分かった気がします。


2016年 特級 蒙頂黄芽
2016年 特級 蒙頂黄芽

中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶の蒙頂黄芽です。
かつては皇帝への献上茶として作られていたお茶ですが、産地が限られていることや、その独特の製法(悶黄)などから、中国でもごく一部の地域でしか作られていません。一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く、好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶です。

2016年は現地の流行もあり、悶黄の弱いタイプが主流となっています。
現在流通する黄茶は緑茶と変わらないようなタイプが殆どですが、鈴茶堂では作り手さんに依頼し悶黄のしっかりした昔ながらのお茶を特別に作っていただきました。
こだわりの蒙頂黄芽です。

特に今年は産地でも雨が多く、昔ながらの蒙頂黄芽を作るのには大変に難しい年であったようです。産地の蒙頂山でも悶黄という特別な工程のある黄茶となると今年は作れないという茶業も少なくありませんでしたが、当店が懇意にしていただいている作り手さんの技術の高さが実感できる、これまでにない良い出来あがりになっています。

金華 野生茶 2016
金華 野生茶 2016

ここ数年ご紹介ができずにいましたが、今年は入荷しています!

中国、浙江省金華市でも古くからお茶が作られています。商業的な生産を目的とした茶業さんや茶農家さんはもちろんですが、一般家庭でも春になるとその年のお茶を作る習慣が残っています。

生活の習慣の中に当たり前のように
「家族のお茶をつくる」
ということが入っている地域です。

このお茶は現地に住む親友のお母様が毎年手作りしているもので、名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしか野生茶と呼ぶようになりました。普段は全くと言ってよいほどに人が立ち入らない急斜面の山の中に自生する野生茶樹から作られました。標高約800mの急斜面を1日茶摘みをして回っても1日で作れるお茶の量は多くてもたった250gとのこと。山が厳しいうえに野生茶樹は品種改良された茶樹と違って成長が遅く、また点在して自生しているために、少しずつしか摘むことができません。苦労して摘み取られた茶葉は昔ながらの方法で丁寧に製茶されます。

昔からの土着のお茶です。一般に販売されることのない自家製茶です。
その作る苦労からか、今では現地でも作る人が少なくなりつつあります。

青城雪芽 製茶場見学

青城雪芽

中国四川省にある世界遺産、都江堰では青城雪芽という緑茶が作られています。都江堰と同様に世界遺産に指定されている美しい青城山に茶畑、製茶場があります。この年の四川訪問の際にはこの製茶場も訪問、見学させていただきました。

青城雪芽は50年あまり前に作り出され、古くからあるお茶ではありませんが、この地では昔から製茶が行われてきた茶経にも登場する茶産地です。都江堰とその付近は文化大革命などで消失してしまった銘茶も多く、この青城雪芽もそういった昔の製茶方法を復活、改良して作られたと言われています。

青城雪芽

一般的に良く言われているのは清明節の前後に茶摘、製茶するということですが、実際にはもう少し早くから茶摘みが行われることが多く、その年の気候にもよりますが、清明節の頃には殆ど終わりということも少なくありません。
他の四川省の茶産地と同様に温暖で雨の多い気候で、夏は暑くなりすぎず涼しく過ごせる、過ごしやすい気候です。

この製茶場では無農薬、有機栽培を行っています。荒れ地か単なる山にしか見えませんが茶畑です。茶畑の間には野苺などもたくさん自生しています。茶樹以外の植物も豊かで、自然に任せているそうです。標高1800〜2000mの茶山は意外と急な斜面が続く山肌に茶畑が作られています。蛇なども多くいて、本当に自然豊かな茶畑でした。

青城雪芽

この日は生憎の雨で茶摘、製茶はお休みでした。本来、中国茶は雨が降っていると茶摘みを行わないと言われますが、実際には少しの雨であれば、かつ、品質が高い高級茶ではない場合、茶摘みも製茶も行うことが多くあります。この製茶場では品質に影響する雨の日はお休みするとのことで、品質に対する姿勢の厳しい製茶場でした。
それなりの規模の茶業なので機械化出来る部分はしっかり機械化されていますが、こういった殺青などに使われる鉄鍋を見ても分かるように、人が行っている工程も多く残されています。こういったお茶の味や香りを左右する工程はやはり人が行うということなのだそうです。

青城雪芽

お休みの製茶場は少し寂しい雰囲気ですが、その分、ゆっくり見学させていただきました。
工場のいたるところに作業指針や作業目標が貼りだされていて、しっかり厳しく管理されているのが分かります。実際に製茶作業が行われている時はたくさんの人で熱気がこもってしまうほどだそうです。

青城雪芽

青城雪芽は一芯一葉で摘み取られて作られる白毫の美しいお茶です。同じ四川でも蒙頂茶とはまた違う甘さを持っています。爽やかな甘味とミネラル感の強さ、滋味の深さが複雑で後を引く美味しさがあります。
いつか青城雪芽もショップでご紹介させていただければと思います。


中国・福建省の漳平水仙という場所で伝統的に作られている烏龍茶です。
その形はとても珍しい固形の烏龍茶で、四角い茶餅の形をしています。

中国の茶商さんですら知らない人が殆どという流通の少ない珍しいお茶で、私たちは何年もこの漳平水仙を作る茶農家さんを探していました。やっと納得いく品質の漳平水仙を作る茶農家さんとのご縁ができ、ご紹介させていただいています。今年はその産地まで訪問させていただき、色々と現地の様子を見せていただきました。

話に聞いているよりもずっと昔のままの村で、今も殆ど手作業で1つ1つ丁寧に作られています。また、無農薬、有機栽培を徹底しており、茶畑の中には養蜂の巣箱がたくさん配置されています。茶畑で取れるこの蜂蜜も村の大事な収入源となっています。

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伝統 漳平水仙 2016年

漳平水仙には桂花香型と花香型とありますが、このショウ平水仙は花香型の中でも最高品質の蘭花香型になります。標高800m以上の、漳平では最も高地の茶畑で作られています。また、機械を可能な限り使用しない伝統的な製法で作られています。

今年の漳平水仙は爽やかな甘味、ミネラル感、奥行きの深い滋味が花香と共に、上品にバランス良くまとまっていて、品格のある蘭香と爽やかで深みのある優しい甘味が感じられます。

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漳平水仙水仙 紅茶 2016年

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

元々生産量の少ない紅茶ですが、今年は特に少なく、大変に貴重な紅茶となりました。

文殊院 香園

文殊院

2015年の春は杭州から四川省にも行ってきました。

温暖な気候とお茶の名産地でもある四川はいたるところに茶座と呼ばれる青空茶館があります。この文殊院という歴史ある古刹にも昔から茶座があったのですが、少し前まで改修のため閉鎖されていました。この時にはその改修も終わり、また地元の方に愛される茶座として再開されていたので、早速お茶を楽しみに行ってきました。

文殊院

以前は入場料が必要だった文殊院も現在は無料で自由に入れるようになっているようです。文殊院の中からも入ることができますが、茶座へは外からも直接入ることができます。香園という名の茶座で、とても綺麗に改修されていました。

中に入ると道路側の入り口の所でお茶を購入します。ただし、大抵いつも満席に近い状態ですので、先に席を確保してからが良いようです。中国の茶館はお茶を購入して好きなだけゆっくり過ごすことができるシステムです。これも中国茶の煎が続くということもあるのだと思いますが、お湯を継ぎ足してもらいながら、みなさん思い思いに本を読んだり、友人や家族とお喋りしたり、トランプで遊んでいたりしています。

文殊院

緑茶から青茶、黒茶など色々なお茶がありますが、ここは四川省の花茶、碧潭飄雪を。蒙頂山の方で作られるジャスミン茶で飾り用のジャスミンの花が美しいお茶です。当店でも大変に人気の高いジャスミン茶です。(完売しております。2016年分は現在製茶中です。)

成都らしく蓋碗でいただきます。実は蓋碗、成都が発祥です。
この茶座の蓋碗は普通の大きさですが、これは急須としても、本来の飲むための茶器としても使えるものです。飲むため専用の蓋碗は実際にはとても大きく、急須として使うには手の大きさがちょっと足りないという位の大きさがあります。

文殊院
成都青羊区文殊院街66号


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5年寿眉

2009年の春に作られた白茶の寿眉を5年間熟成させ、固形茶にしています。
強めの発酵が施された白茶で、年月による熟成もあり、柔らかく味わいの深い白茶に仕上がっています。
近年、白茶は時間が経過した陳年のお茶の方がより美味しく、味わいが深くなることが知られるようになりました。普洱茶のように元々時間をかけて後熟成を行うという習慣のなかった白茶ですが、ここ最近はそうした年月をかけて後熟成された白茶も見られるようになりました。1年目はお茶、3年目は薬、7年目は宝と例えられる言葉もあるほどです。とはいえ、元々の茶葉の状態が良く、熟成に耐える品質を備えたものではないと年月をかけても味わいがよくなることはありません。
この寿眉は完全に管理された状態で5年間ゆっくりと熟成され、ようやく出荷されたものです。元々上質な茶葉を使っていることに加えて固形茶にする際に行われる蒸す工程がより柔らかい味わいにしています。煎持ちも良く、通常の白茶よりもずっと、じっくりと楽しむことができます。
味わいは甘く、微かな薬香が癖になるようなアクセントを与えています。茶葉の滋味がしっかりと感じられる奥行きの深い味わいです。香りは甘い花香が感じられます。

2016年 特級 蒙頂黄芽
2016年 特級 蒙頂黄芽

毎年たくさんの方が楽しみにされている蒙頂黄芽が入荷いたしました!

中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶の蒙頂黄芽です。
かつては皇帝への献上茶として作られていたお茶ですが、産地が限られていることや、その独特の製法(悶黄)などから、中国でもごく一部の地域でしか作られていません。一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く、好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶です。

2016年は現地の流行もあり、悶黄の弱いタイプが主流となっています。
現在流通する黄茶は緑茶と変わらないようなタイプが殆どですが、鈴茶堂では作り手さんに依頼し悶黄のしっかりした昔ながらのお茶を特別に作っていただきました。
こだわりの蒙頂黄芽です。

特に今年は産地でも雨が多く、昔ながらの蒙頂黄芽を作るのには大変に難しい年であったようです。産地の蒙頂山でも悶黄という特別な工程のある黄茶となると今年は作れないという茶業も少なくありませんでしたが、当店が懇意にしていただいている作り手さんの技術の高さが実感できる、これまでにない良い出来あがりになっています。


6月18日から21日までのあいだは中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

発送業務をお休みさせていただいている期間もご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

城皇閣茶楼

城皇閣

杭州の河坊街のすぐ傍に吴山(城隍山)があります。

ここには城隍阁という城隍神(街を守る神様)を祀った城隍廟があります。廟といってもかなり大きなもので、ちょっとした山にあることもあって眺めの良い場所でもあります。その城隍阁の最上階には茶楼があり、観光客で混雑している時期でも意外と空いている穴場的な茶楼があります。杭州を訪れるたびにこの茶楼でお茶をいただいています。

城皇閣

中国国内外でも有名な観光地でもある杭州、西湖は観光客がいつもたくさんいます。特に中国国内のお休みの時期に重なると、景色を楽しむどころか人しか見えないという状況になることも珍しくありません。また、美しい西湖を眺めながらお茶を楽しみたいと思って茶館を探しても満席ということもしばしば。
ここではそれほど混まず、西湖はもちろん、杭州市街地まで一望できる眺望とお茶がゆっくりと楽しめます。

城皇閣

お茶の種類はいくつかありますが、だいたいは龍井茶を楽しんでいます。
蓋碗ではなくグラスでの提供ですが、お湯を継ぎ足しながらゆっくり日が沈むまで楽しむことができます。(茶楼自体は夜遅くまで営業しているようです)お湯は保温ポットで提供されますので、自分のペースでゆっくり過ごすことができます。また、ポットのお湯は何度でも貰うこともできます。

城皇閣

意外と西湖を眺めながら、ゆっくりとお茶を楽しめる場所は少ないものです。ここは少し西湖からは離れまずが、静かにゆっくりと景色を堪能しながら過ごせる穴場的な茶楼です。
他にもおすすめの茶館がありますが、交通の便が悪いことがほとんど。車を手配しないと戻ってこれないような場所ですが、城皇閣は観光スポットでもある河坊街のすぐそばにありますので、比較的アクセスも容易です。

城隍阁茶楼
中国杭州市吴山路3号3楼


王雲雲 金彩壷
王雲雲 金彩壷

金彩が美しい茶壺です。湯の出方が非常に秀逸で、使っていて心地よく、土質もしっかりしているため、とても美味しくお茶を淹れることができます。

本来であればこの価格でのご紹介ができる茶壺ではありませんが、証明書が無いため、今回の価格でのご紹介となっております。
(証明書をご希望の方は別料金にて手配可能です。)

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5年寿眉

2009年の春に作られた白茶の寿眉を5年間熟成させ、固形茶にしています。
強めの発酵が施された白茶で、年月による熟成もあり、柔らかく味わいの深い白茶に仕上がっています。
近年、白茶は時間が経過した陳年のお茶の方がより美味しく、味わいが深くなることが知られるようになりました。普洱茶のように元々時間をかけて後熟成を行うという習慣のなかった白茶ですが、ここ最近はそうした年月をかけて後熟成された白茶も見られるようになりました。1年目はお茶、3年目は薬、7年目は宝と例えられる言葉もあるほどです。とはいえ、元々の茶葉の状態が良く、熟成に耐える品質を備えたものではないと年月をかけても味わいがよくなることはありません。
この寿眉は完全に管理された状態で5年間ゆっくりと熟成され、ようやく出荷されたものです。元々上質な茶葉を使っていることに加えて固形茶にする際に行われる蒸す工程がより柔らかい味わいにしています。煎持ちも良く、通常の白茶よりもずっと、じっくりと楽しむことができます。
味わいは甘く、微かな薬香が癖になるようなアクセントを与えています。茶葉の滋味がしっかりと感じられる奥行きの深い味わいです。香りは甘い花香が感じられます。

2016年 特級 蒙頂黄芽
2016年 特級 蒙頂黄芽

中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶の蒙頂黄芽です。
かつては皇帝への献上茶として作られていたお茶ですが、産地が限られていることや、その独特の製法(悶黄)などから、中国でもごく一部の地域でしか作られていません。一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く、好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶です。

2016年は現地の流行もあり、悶黄の弱いタイプが主流となっています。
現在流通する黄茶は緑茶と変わらないようなタイプが殆どですが、鈴茶堂では作り手さんに依頼し悶黄のしっかりした昔ながらのお茶を特別に作っていただきました。
こだわりの蒙頂黄芽です。

特に今年は産地でも雨が多く、昔ながらの蒙頂黄芽を作るのには大変に難しい年であったようです。産地の蒙頂山でも悶黄という特別な工程のある黄茶となると今年は作れないという茶業も少なくありませんでしたが、当店が懇意にしていただいている作り手さんの技術の高さが実感できる、これまでにない良い出来あがりになっています。


6月18日から21日までのあいだは中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

6月15日22時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は17日までに発送させていただきます。
銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は6月15日中に入金確認ができたご注文を17日までに発送いたします。それ以降のご注文は6月22日以降の発送となります。
また、ご注文が混みあう場合はお休み前の発送締め切りを早めさせていただく場合もございます。ご了承ください。

発送業務をお休みさせていただいている期間もご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

大変ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。