お茶の旅」カテゴリーアーカイブ

シーズン前の武夷岩茶製茶場

武夷山

やはり政和県、水吉建窯まで来たのであれば武夷山に立ち寄らないということは考えられません。いつもお世話になっている茶業さんの製茶場を訪問させていただきました。
この時期(2014年4月上旬)の武夷山はシーズン直前といったところで、観光客も少なく静かな雰囲気でありながらも、じっくりとパワーを溜めているような、動き出すタイミングを計っているような熱を帯びているような不思議な雰囲気でした。

岩茶製茶場

前回訪れた時にはフル回転していた焙煎室も時折、ビンテージの岩茶をメンテナンスする他はお休み状態です。とはいえ、この茶業さんは非常に衛生面も気にしているということもあって、チリひとつ落ちていないような非常に綺麗な状態でありました。
一口に製茶場といっても管理する人によって状態は様々です。シーズン中、実際に製茶場を使う時期は清潔を保つけれどもという茶業さんが殆どですが、こちらは感心させられるほどに徹底して清掃が行き届いています。正直なところ、ここまで製茶場を綺麗に保っている茶業さんを私は他に知りません。中国ではもちろんですが、台湾や日本でも殆どいないのでは?と思います。

岩茶

こちらは熟成中のビンテージの岩茶、水仙です。
とてもパワーのある良い岩茶は最初に摘み取られ、製茶された年にはまだまだ強すぎるということは良くあることです。むしろ、その年に美味しく楽しめることの方が少ないように思います。この水仙もタイミングを見て試飲、火入れをを行いながらじっくりと美味しく完成するのを待っているところです。
製茶場の中にはそのような岩茶がいくつもあって、シーズン中のように沢山の職人さんがいるという訳ではありませんが、工場長が一人でずっとこの作業を繰り返してオフシーズンを過ごしています。

牛欄抗肉桂

折角来てくれたんだからと、とっておきの牛欄抗肉桂をいただきながら、少しずつ動き始めていた茶樹の状態や今シーズンの予想などといった情報交換など、とても充実した時間を過ごさせていただきました。
シーズン中は忙しくてなかなか細かい話まではできないけれど・・・と、この時はかなりマニアックなお話もお伺いすることができ、大変勉強させていただきました。


岩茶 慧苑肉桂
岩茶 慧苑肉桂

昨年も大変ご好評をいただいた岩茶 慧苑肉桂が入荷しています。
とてもパワーのある岩茶ですので、他の岩茶よりも熟成に時間がかかりました。

慧苑肉桂という名前ですが、一般的には武夷肉桂と呼ばれる岩茶です。ただし、慧苑坑という特別な場所で摘み取られた茶葉から作られているため「慧苑肉桂」と呼ばれています。

慧苑坑という場所は正岩茶区の中心となる特別な地域です。その場所で育った武夷岩茶は特別な香気と味わいを持っています。正岩茶ならではの味わい、岩韻が素晴らしいこのお茶は、むせ返るような見事な花果香と質の良い岩茶特有の蜜蝋のような深み、ミネラル感、甘味がとても上品なバランスで同居しています。

岩茶本来の美味しさを知るのに最適な、最高のお手本のような武夷肉桂です。

流香涧(流香澗) 雀舌 2012年
流香澗 雀舌 2012年

大紅袍母樹の1つに起源する岩茶です。
雀舌は岩茶の中でも香り高く、味わい深い品種として知られていますが、この雀舌は特に力をしっかりと秘めた岩茶に仕上がっています。これがお茶ですか?と驚かれる方もいらっしゃるほどです。

岩茶 牛欄抗肉桂 2012年
岩茶 牛欄抗肉桂 2012年

肉桂のなかでも最高峰とされるのが、この牛欄抗で作られる肉桂です。その味わいや香りは説明が必要ないほど、素晴らしいものがあります。

青獅子岩 金牡丹
青獅子岩 金牡丹

現地でも殆ど作られることが無く、流通が非常に少ない希少な岩茶です。やはりこの品の良さ、美味しさは他の岩茶ではなかなか感じることはできません。

水吉建窯

水吉建窯

政和で白茶製茶場を見学させていただいた後に水吉建窯へも立ち寄ることができました。

水吉建窯とは、天目茶碗を焼成したとして知られている陶窯です。この付近では以前にご紹介した武夷遇林亭窯址をはじめとして、いくつかの古窯跡が残っています。唐代から作陶が盛んな地域ですが、その中でも最も有名な古窯跡といえば、この水吉建窯です。あの曜変天目茶碗はこの水吉建窯で作られたのではないかという説もあるほどです。

水吉鎮

この水吉建窯がある水吉鎮は政和と武夷山の丁度中間位の場所にあります。周囲には何もない場所で、有名な窯跡にも関わらず周囲はほんの少しの集落と田畑、山林があるのみです。
実はこの辺り、今でこそ武夷山で大切にされている老枞水仙(老欉水仙)の発祥の地でもあります。この付近で老欉水仙が発見され、今に至っているそうです。とはいえ、現在はこの付近でのお茶作りは随分と下火になってしまったようで、今も製茶業を営んでいる人はほんの僅かになってしまったそうです。

水吉建窯

一般公開されていないこともあって、訪れる人もなく、ひっそりと水吉建窯はありました。(見学には事前に許可が必要です)
周囲の住民の方もこの遺跡が一体何なのかは良く知らないようです。
観光用に一般公開されている遇林亭窯址と違って最低限の修復しかされていないということで、窯跡の中はもちろん、周囲十数メートルに渡って陶片が放置されています。ただし、窯跡から離れた場所の陶片はどうやら近年のもののようです。この地域では最近まで作陶が行われていたんですね。今は研究目的の一部を除いては、どうやら行っていないようです。

水吉建窯

遇林亭窯址と同様に山の斜面を利用して作られている龍窯(中国式の登り窯)です。規模としては遇林亭窯址よりもずっと小さいように見えるのですが、実際は世界でも例を見ない、最大級の龍窯だそうです。135.6mもの長さだそうですが、傾斜が比較的緩いせいもあって下から見上げるとそれほど大きく感じなかったのかもしれません。
非常に保存状態が良く、窯頭の様子もしっかり見せていただきました。

この地からあの曜変天目茶碗が生まれたのかもしれないと思うと、とても感慨深いです。見学できるよう手配してくださった茶業さんたちに感謝いたします。


10108.5
百年老枞水仙(百年老欉水仙)
慧苑坑にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老欉水仙です。
特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。

10134.1
慧苑坑 瓜子金
甘く深みのある果香と柔らかい甘味のバランスが良い岩茶に仕上がっています。
煎を進めていくと甘い味わいが変化してお菓子のようなニュアンスもでてきます。
火入れの程度は中火。強すぎず弱すぎず、絶妙のバランスで火入れが行われています。

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天心岩 黄玫瑰
黄玫瑰はまだ比較的新しい品種で、2013年から本格的に収穫がはじまりました。
綺麗な優しいバラの香りのする岩茶です。
美しい琥珀のようなお茶は香りだけでなく爽やかな甘味と複雑で上品な滋味
しっかりとしたミネラル感と合わさり、上品で軽やかな美味しさがあります。


年末年始は発送業務をお休みさせていただきます。

12月27日18時までのクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文はその29日までに発送させていただきます。
銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月27日15時までに入金確認ができたご注文を同じく29日までに発送させていただきます。それ以降のご注文は翌年1月10日以降の発送となります。
また、1月11日はイベントのため、発送業務をお休みさせていただきます。

ご注文状況によっては上記締め切り日時前に年内発送を締め切らせていただく場合や発送までお時間をいただく場合もございます。年内発送をご希望される場合はご注文時の備考欄に「年内発送希望」とお書き添えください。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしております。
大変ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

白茶製茶場

政和大白茶種

急斜面から丁寧に手で摘み取られた茶葉は、摘み子さんがそれぞれ製茶場へ持ち込みます。摘み子さんの賃金はその茶葉の量によって決まります。まだシーズンが本格的に始まっていないこともあってか価格が確定していなかったようで、重量を量ったあとは工場長と摘み子さんの価格交渉が長く続いていました。

この白茶に限らず、物価や人件費が高騰している中国では、どこの製茶場でも摘み子さんも含めて人件費の上昇が大きな問題になってきています。単純に流通価格に反映できれば問題ないのですが、景気に陰りが見えてきていることもあって、なかなかそのまま反映できるということではないようです。そんな事情もあって、摘み子さんや作り手さんの確保は茶樹の成長度合いをみながら、ぎりぎりまで招集できないとのことでした。

白茶 製茶場

白茶は摘みとった茶葉をそのまま、揉捻などの加工をせず、なるべく人の手に触れることがないように室内の風通しの良い場所でそのまま自然に酸化発酵させて作られます。
まだ一部の茶畑でしか十分に成長していないこともあって、ほんの少しですが、このように製茶が進められていました。

白茶 製茶場

本格的に茶摘みがはじまるようになると、こちらの出番になります。
シーズン真っ盛りになると、この棚にびっしりと茶葉が並べられて製茶が行われます。まだこちらの出番はないので前のシーズンが終了した時のままになっているそうですが、その時期には床にムシロを引いて、十分に発酵した茶葉をムシロの上に落としていくそうです。
例年では新明節前に製茶が本格化するそうだったのですが、2014年は気温が低い日が続いていて、私達が訪問した新明節になってもまだ殆ど稼働できていない状態でした。

白茶 製茶場

発酵を行う部屋は製茶場の2階部分にあります。というのも、発酵時に気温が低すぎるような場合には1階のこのボイラーで温風を出して2階全体を温めることができるようになっています。
燃料は薪です。この製茶場には電気がかろうじて引かれているのみで、水道もガスもありません。周囲に居住しているのも茶業さんのご一家のみ。本当に山の中の製茶場です。

白茶 製茶場

こちらは白茶を乾燥させて仕上げているところです。
白茶の定義としては茶葉を摘み取ったまま、手を加えずに自然に酸化発酵させるのみとされていますが、実際には出来上がったお茶の中の水分量が多すぎて保存することができません。実際にはこうして熱を加えて乾燥させて仕上げています。

政和白茶

出来上がったばかりの白茶をいただきました。
美しい翠色の茶葉がとても美しく、甘く爽やかな美味しい白茶です。無肥料のお茶に共通する、喉にしっかりと残るような独特の甘さのある白茶で、本当に美味しいお茶でした。


野生寿眉
野生寿眉

普段は人の立ち入らない山の中に群生している茶樹から作られた白茶で野生種を使用しているため白茶の分類上、寿眉としていますが、丁寧に手摘みで作られた上質なお茶です。茶農家さんの自家用に作られたこのお茶を譲っていただきました。

繊細な花の香りを感じるお茶です。驚くほど粘性のある茶水はしっかりと爽やかな甘味があります。茶樹の力強さを感じさせるミネラル感もあり、派手さはありませんが、しみじみと美味しいお茶です。

毎日のお茶としてもお勧めできる価格でご紹介できるのは、この茶農家さんが私たちの中国の親友の友人という茶縁のおかげです。

漳平水仙 紅茶 2014年
漳平水仙 紅茶 2014年

福建省の珍しい紅茶、漳平水仙紅茶、ご好評をいただいております!

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。
英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

白茶の茶業さん訪問

政和大白茶種の茶畑

武夷山駅から車で数時間、ようやく目的地の白茶茶業さんの茶畑、製茶場に到着しました。見事な赤土の茶畑で、見渡す限り山の斜面部分には茶樹が植えられています。

この茶業さんの茶畑は無農薬はもちろん、無肥料を徹底して管理されています。30キロ平方メートル以上もの広さの茶畑ですが、無農薬および無肥料で栽培を徹底することで政府より現代農業技術の模範基地として指定を受けているそうです。無農薬栽培も大変なことですが、無肥料で栽培するとなると生産量がどうしても激減してしまいます。この両方を徹底して行うということは、なかなかどうして難しいことです。

茶摘み

例年であれば新明節前から茶摘みが始まるのですが、この2014年の春は気温がなかなか上がらず、茶畑の殆どの場所では茶摘みがまだ始まっていませんでした。茶樹の成長度合いによって茶摘みが始まっている場所もありましたが、まだまだ小規模です。実際には私達が訪問した1週間後から本格的に始まったそうです。

茶畑の斜面はとてもきつく、茶摘みの人たちは立って摘むのがやっとという感じです。場所によっては斜面に這いつくばるようにして摘み取っていきます。実際にその斜面まで行ってみましたが、慣れていないと茶摘みを行うどころか立っているのがやっとという傾斜地です。

政和大白茶種

政和大白茶種の茶樹です。
まだこの時は新芽が十分に大きくなっていない状態の茶樹が殆どでした。この芽がもっと大きく肥えてくるようになると本格的に茶摘みが始まります。
場所によっては既に摘み取れるまでに成長した茶樹もあり、少し茶摘みもさせていただきましたが、基本的に人の手を加えていない茶畑のため、茶樹が人の背の高さ以上になっていたり、足元が不安定な傾斜地だったりと、なかなか重労働です。

湧き水

これは茶畑の中にある湧き水です。
この茶畑では無農薬・無肥料を徹底しているため、とても綺麗な水が湧き出ていました。実際に飲むこともできるとのことで、飲ませていただきましたが、とても柔らかく甘いお水でした。
この地域では水道が整備されていないため、茶業さんの住居も兼ねる製茶場では、この茶畑の山から湧き出ているお水を使って生活をしているそうです。実際には電気しか通っていないような山奥です。

この茶畑の下にある水田ではオタマジャクシが沢山いました。この水田も自家用のお米を育てているということもあって、無農薬・無肥料で管理しているそうです。

野いちご

茶畑には茶樹以外の植物もそのままの状態になっています。
最も多く見かけたのが、この野いちごです。丁度私達が訪問した時には白く可愛らしい花が咲いていました。他にも山椒の木が花を付けていたりと、とても美しい茶畑を見せていただきました。


無農薬・無肥料栽培 政和白茶
無農薬・無肥料栽培 政和白茶

この時に訪問した福建省政和の茶業さんによるものです。こちらは最適な気候になるまで十分に待ってから作られた白茶です。

ここ数年で一番美味しい、凄いと思う白茶です。

無農薬・無肥料で栽培された政和大白茶種の茶樹から丁寧に摘みとって作られた白茶です。茶商によっては野生茶として流通されるような白茶で、ほとんど管理はされていませんが急勾配の山の斜面にある茶園のものです。当店では日本で言う「野生」とは概念が違うと考えますので野生茶とは呼びませんが、極めて人の手をかけないよう、自然のままの状態で育てられています。そのため生産量が少なく、斜面がきびしいために茶摘みも容易ではないため、ほとんど流通することのない白茶です。

珍しいだけでなく、とても甘く美味しいお茶です。
今年は例年にないほどたくさんの白茶を試飲しましたが、この白茶が飛びぬけて甘く美味しい白茶でした。

香りは甘い花の香りがこの上なく清らかに感じられます。粘性のあるトロっとしたお茶は複雑で柔らかく、花の蜜を添加しているのではないかと思ってしまうほどに爽やかで濃厚な甘味を感じていただけます。蜜のような味わいにミネラル感と滋味が合わさり、言葉にならないほどの美味しさです。

白茶の産地・福建政和へ

北京西駅

4月の清明節の直前に白茶の産地・福建省政和まで産地を見学させていただくために向かいました。
いつものようにベースとなっている北京から出発です。

福建省政和は一番近い鉄道の駅や空港というと武夷山になります。今回も北京から福州まで向かう寝台列車で武夷山駅を目指して移動です。すっかり使い慣れてきた北京西駅から昨年、武夷山へ向かう際にも利用した列車で移動です。

武夷山駅

北京を出発した翌朝、武夷山駅に到着しました。

まだ武夷山でのお茶作りが始まっていないということもあって、割と閑散とした武夷山駅です。これがあと半月もすると各地から武夷岩茶を買い付けに来る茶商さんたちで賑わいます。昨年に訪れた武夷山駅と同じ駅には思えないほどに静かな駅前でしたが、嵐の前の静けさのような駅前でした。

武夷山駅

お世話になっている茶業さんが武夷山駅まで迎えに来てくださいました。
白茶の産地である政和県までは、この武夷山駅から車で3時間ほどかかります。行く途中の道はまだ新しい綺麗な高速道路を利用していくので、距離としてはかなり遠い場所になります。自分たちだけで行こうと思っても、なかなか難しい距離の場所です。

越南粉

まずは駅前でこの地方ならではの米粉から作られた麺、越南粉や米粉(細い麺を米粉と呼ぶようです)で朝食をとってから向かいます。これがさっぱりしていてとても美味です。朝早くでもスルッと食べれてしまうような優しい味わいで、南方の食文化というのが実感できる食べ物の1つです。


流香涧(流香澗) 雀舌 2012年
流香澗 雀舌 2012年

大紅袍母樹の1つに起源する岩茶です。
雀舌は岩茶の中でも香り高く、味わい深い品種として知られていますが、この雀舌は特に力をしっかりと秘めた岩茶に仕上がっています。これがお茶ですか?と驚かれる方もいらっしゃるほどです。

岩茶 牛欄抗肉桂 2012年
岩茶 牛欄抗肉桂 2012年

肉桂のなかでも最高峰とされるのが、この牛欄抗で作られる肉桂です。その味わいや香りは説明が必要ないほど、素晴らしいものがあります。今回は少量ですが、ご紹介させていただくことにしました。

青獅子岩 金牡丹
青獅子岩 金牡丹

今年も青獅子岩の金牡丹を入荷しました。
現地でも殆ど作られることが無く、流通が非常に少ない希少なお茶ですが、やはりこの品の良さ、美味しさが素晴らしいと思います。今年も美味しく仕上がっています。

紫藤廬

紫藤廬

台中を拠点に南投縣のお茶産地を訪問した後は台北へ移動しました。
台北では特に用事というものは無かったのですが、魚池郷の廖鄉長紅茶故事館で色々と説明をしてくださった方がお勧めしてくださった茶藝館へ行ってきました。

紫藤廬
台北市新生南路三段16巷1號
02-2363-9459

紫藤廬といえば日本の方にも有名な茶藝館ですが、実は廖鄉長紅茶故事館で案内してくださった方が半年前までこちらで勤務されていたとのこと。お茶が好きで製茶に関わりたくて転職したそうです。
紫藤廬のマダムにお会いして廖鄉長紅茶故事館で元気に頑張っているということをお伝えしたところ、とても喜んでいただき、こちらが恐縮するほどに良くしていただきました。ありがとうございます。

紫藤廬

紫藤廬は老朽化のためリノベーションされているものの、日本統治時代に建てられた歴史ある建物を利用しています。台湾の古蹟として指定されていて、丁寧に使われている様子がわかります。
敷地内には立派な藤の木があります。こちらも台北市の保護樹木に指定されているそうです。開花する時期に是非訪れてみたいと思うほどの見事な古樹です。

内装は日本統治時代を思わせる和室などもあり、どことなく懐かしいような雰囲気です。

紫藤廬

工夫茶形式でお茶をいただきます。
魚池郷でお話を伺った際にお勧めされていたのが、こちらの凍頂烏龍茶。茶譜にはいくつかの凍頂烏龍茶がありますが、その中でも一番こだわっているという作り手さん指定のもの。発酵も火入れもしっかりと行われている伝統的なタイプで、とても美味しくいただきました。

工夫茶形式での淹れ方がわからない場合はお店の方が教えてくださるそうです。茶藝の方法が良くわからないという場合は遠慮なくお店の方に聞いてみてください。日本語を話すことが出来る方もいらっしゃるようです。

紫藤廬

余った茶葉は持ち帰ることもできます。選んだお茶にもよりますが、煎がきくので意外と使い切れないです。

店内ではお茶や茶器の販売もしていました。お茶は実際に茶藝館で使われているもののようですが、他にも台湾らしくビンテージの普洱茶などもあります。茶器はアンティークが多いようです。

かつて、台湾には沢山の茶藝館がありましたが、近年はその数もだんだんと減ってきてしまっています。こうした気軽に立ち寄れる茶藝館はずっと長く続いて欲しいものです。


20101.10
2014年凍頂烏龍茶 春茶

2014年凍頂烏龍茶 春茶です。

最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通しています。
最終焙煎は台湾の凍頂で行いますが、茶葉は大陸の福建省やベトナムから運ばれてきたもの・・・ということも残念ながら珍しくありません。

この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。
古式龍眼炭焙煎にこだわり、火入れも1ヶ月近くかけて行います。
とても高い技術力とそのこだわりで、通常の凍頂烏龍茶よりも、ずっと水分が少なく仕上げることができます。その水分量の少なさは普通の作り手では茶葉を焦げ付かせてしまったり、美味しく仕上げることができないほどです。この水分量の少なさと龍眼炭を使った焙煎、しっかりと行っている発酵により、年月を経た方が香り高く、柔らかく深みを増す性質を持っています。
実際に私どもの手元には10年前からのこの作り手による凍頂烏龍茶を保管していますが、好みはあるものの、古いものほど柔らかく深みのある、美味しい味わいになっています。

届いたばかりのフレッシュな凍頂烏龍茶の味わいを楽しむのも
お手元でその変化を楽しむのも
ビンテージ違いでその味わいや香りの違いを楽しむのもお勧めです。

凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

凍頂烏龍茶 2013年冬茶
凍頂烏龍茶 2013年冬茶

魚池郷 訪問

魚池郷

台中ではいつものように鹿谷郷の茶業さんなどを訪問させていただいたのとは別に魚池郷の日月潭紅茶(水沙連紅茶)の茶業さんもいくつか訪問させていただきました。

元々、この魚池郷ではお茶作りが行われていましたが、日本統治時代にこの地がインドのアッサム地方と気候が似ているとしてアッサム(阿薩姆)の苗木を持ち込み、紅茶の生産が行われるようになりました。日本の敗戦後、その紅茶の生産も少なくなってしまっていましたが、近年になって生産量も少しずつ増え、人気がでてきています。

廖鄉長紅茶故事館

魚池郷ではいくつかの茶業さんをが見学を許可していますが、中でもおすすめはこちらの廖鄉長紅茶故事館です。
とても美しい洋館の施設で、見学設備が整っているだけでなく、実際に製茶を行っている時期にはその様子も見学させてくださるようです。

廖鄉長紅茶故事館

日本統治時代に使われていた古い製茶器具や昔の写真などの展示もあり、魚池郷の製茶の歴史を学びたい場合にもおすすめです。日本語での説明などはありませんが、漢字ですので中国語が分からなくても何となくその内容は理解できます。

施設内ではここで作られている紅茶の試飲もできるようになっています。色々な品種を試してみたいという場合にも嬉しいですね。

魚池郷

こちらは廖鄉長紅茶故事館ではありませんが、日月潭紅茶用に管理されている茶畑です。無農薬、有機栽培を徹底して栽培されているとのことで、その茶園管理の大変さが伝わってきます。
近年では紅茶ブームということもあり、少しずつ台茶18號などの栽培も増えてきたそうですが、実際にはまだまだ少なく、実際に魚池郷で作られたものではない「日月潭紅茶」も多く出回っているとのことなど、色々なお話を作り手さんなどからお伺いさせていただきました。


早期 水平壺
早期 水平壺

当店の紫砂茶壺は美味しくお茶を楽しむことのできる道具であるということに加えて、造形に狂いがないものという視点で選んでいます。当然、重要なのはその土質ですが、現在の紫砂とはまた異なる上質な土として知られている早期壷をご紹介します。

文化大革命の時代、1970年代から1980年代にかけて作られた紫砂茶壺は早期壺と呼ばれ、非常に上質な土を使用していることで知られています。当時は中国国内での需要を満たすためというよりは輸出用に作られ、それらはヨーロッパや香港、台湾、そして日本へ輸出されていました。当時の土は現在のものとは異なり、著名な作家の作品ではなくても、とても美味しくお茶を淹れることができます。

現在のように紫砂作家がそれほど確立されていない時代であったことから、早期壺の多くは大量生産品でした。そのため土質はとても上質であるもののその造形が甘いものが多くあります。この茶壺はそういった早期壺の中でも珍しく、素晴らしく整った造形と繊細な彫刻が施されています。

この水平壺は中国宜興で作られた後に台湾へ運ばれ、早期壷の収集家の手元で大事に保管されてきたものです。

伝統 九曲紅梅 2014
伝統 九曲紅梅 2014

中国浙江省を代表する紅茶として知られる九曲紅梅が今年も入荷しました。

この紅茶は福建省北部の武夷山付近から太平天国の乱の混乱を避けて浙江省のこの地へ湖埠へ移住してきた人々が作り出した紅茶と言われ、
その名にある九曲は武夷山にある九曲溪から名づけられたものと言われます。

この紅茶の伝統的な茶樹品種は在来種である鳩坑小葉種ですが、実際には様々な品種が使われています。龍井茶の品種が使われているとも言われますが、このお茶はその伝統的な鳩坑小葉種のみを使って作られています。

大湖山で栽培された伝統的な品種と製法を守って作られています。とても技術の高い現地では非常に有名な作り手が全て手作業で機械を使わずに作ったとても上質な九曲紅梅です。

2014年は昨年よりも深みのある甘さと爽やかさを持ったお茶に仕上がりました。深みのある落ち着いた花果香とコクのある甘味と滋味が複雑にバランスよく、力強く繊細に感じられます。

もう1つの九曲紅梅は珍しい奇蘭種を使って作られたものです。

九曲紅梅 奇蘭 2014
九曲紅梅 奇蘭 2014

中国茶に詳しい方は奇蘭と聞いて不思議に思われると思います。奇蘭は福建省などにある青茶(烏龍茶)の茶樹品種です。この九曲紅梅に使われているのは台湾の奇蘭種です。かつて、この地でお茶作りをしようとした台湾人が持ち込み、植えたまま放置されている奇蘭の茶畑があり、その半野生化した茶畑から摘み取って作ったものがこの九曲紅梅です。

こちらも全て手作業で機械を使わずに作られています。

今年は春先に気温がなかなか上昇しなかったこともあり、非常に生産量が少なく入手が危ぶまれたほどでしたが、多くの方のご厚意で入手することができました。とても繊細な萌葉から作られているとは思えないほどの深みのある、華やかなオレンジの様なニュアンスを持った紅茶に仕上がっています。

台中 工房訪問

陶山工房

2013年の11月は中国大陸をまわったあと、すぐに台湾へ向かいました。

台湾でお茶と言えば台中。ここではお茶の縁がきっかけで茶業さんたちだけでなく、作家さんたちとも交流させていただいています。日本では台湾の陶磁器と言うと台北近郊の鶯歌が有名ですが、鶯歌のように小売のお店が並ぶような街ではないものの、多くの作家さんたちの工房が台中にもたくさんあります。今は世界的に評価の高い暁芳窯も昔は台中に工房があったそうです。

まずは以前にもお伺いした陳文濱老師の陶山工房へお伺いしました。

陶山工房

ご自身もお茶好きという陳文濱老師は自分が使いたい、使いやすいと思う茶器を作っていらっしゃるそうです。丁度出来上がったばかりの作品を拝見させていただきながら、茶器やお茶、台湾のこと、日本のことなど、色々な話をしていました。作品に対してとても真摯な方で、素敵な作品が生み出されるのも納得です。最近は柴窯(薪を燃料とした窯)拘っているそうです。

陶山工房

基本的に陳文濱老師の作品はとても人気が高く、なかなか入手できないのですが、丁度出来上がったばかりのこのうつわを気に入ってしまい、お願いして譲っていただきました。
今年5月のお茶会でも使わせていただきましたが、実はこのうつわは茶杯です。とても大きな茶杯で、まるで日本の抹茶碗のようですが、中に茶葉を入れてお湯を3分の1ほど注ぎ、その香りを楽しみながら飲むことを目的としているそうです。大きな茶杯なので飲む際に鼻が茶杯の中に入ることで香りを楽しみやすくなっています。

蔡順意老師工房

他にも白宗平老師の主催する陶祠創意工作坊や蔡順意老師の工房なども訪問させていただきました。
白宗平老師は絵付けが素晴らしく、とても繊細な絵付けをされる作家さんです。蔡順意老師は青磁が専門。美しい貫入の入った青磁の作品を作っていらっしゃいます。

陶山工房

台中ではこうした作家の方が工房を構えていて、それぞれ得意とする分野が違います。例えば陳文濱老師が元となるうつわを作り白宗平老師に絵付けを依頼するといったパターンや、青磁の場合はその工程を蔡順意老師に依頼するなど、それぞれが得意な工程を分業して1つの作品を作るという分業制が行われています。

台中はお茶だけではなく芸術の街でもあり、作家さんたちの原点でもあるんですね。


漳平水仙 紅茶 2014年
漳平水仙 紅茶 2014年

漳平水仙紅茶、ご好評をいただいております!

甘い果実香と深みのある旨味、甘さを持っています。
中国紅茶にしては珍しく甘く柔らかい中にミネラル感も感じることができます。
紅茶でありながらも煎持ちが非常によく、かなり長く楽しめます。
英徳紅茶にも通じるような心地良い独特な余韻もしっかり感じられます。

野生寿眉
野生寿眉

普段は人の立ち入らない山の中に群生している茶樹から作られた白茶で野生種を使用しているため白茶の分類上、寿眉としていますが、丁寧に手摘みで作られた上質なお茶です。茶農家さんの自家用に作られたこのお茶を譲っていただきました。

繊細な花の香りを感じるお茶です。驚くほど粘性のある茶水はしっかりと爽やかな甘味があります。茶樹の力強さを感じさせるミネラル感もあり、派手さはありませんが、しみじみと美味しいお茶です。

毎日のお茶としてもお勧めできる価格でご紹介できるのは、この茶農家さんが私たちの中国の親友の友人という茶縁のおかげです。

咸陽 涇渭茯茶 訪問

涇渭茯茶

西安に向かった一番の目的は隣の咸陽にある涇渭茯茶を生産している咸陽涇渭茯茶有限公司の工場訪問でした。

黒茶として知られる茯磚茶は1368年(明代の洪武元年)ごろに陜西省咸陽で発明されました。生産地が現在の陜西省涇陽であったため、当初は泾阳砖(涇陽磚)と呼ばれていました。また、その売買には政府の許可証が必要であったため、「官茶」「府茶」とも呼ばれています。当時はシルクロードをつたって、西アジア、東ヨーロッパ、ロシアなどへ運ばれていたそうです。
1958年以降、流通経路の見直しなどがあり、その生産地が湖南省へ移ってしまいます。そういった事情などもあり、陜西省での磚茶作りが一度途絶えてしまいます。

涇渭茯茶

現在、黒茶の生産が最も多いのは湖南省です。湖南省で作られている茯茶のオリジナルは、この咸陽の涇渭茯茶であるとして、2011年にこの涇渭茯茶が復活します。復活には3年以上の研究、試行錯誤を繰返したと聞いています。

涇渭茯茶の工場はまだ新しく、非常に衛生的です。近年新しく復活したお茶の工場ということもあり、海外輸出も視野に入れているのか、衛生面に相当に気を使っているのがわかります。
本社と工場では社内の研究機関である茶葉研究所の職員さんと董事長(日本で言うところの取締役会長のような役職です)の紀暁明氏、自ら対応していただき、製造工程から細かい質問まで答えていただき、大変勉強させていただきました。

咸陽涇渭茯茶有限公司 董事長 紀暁明氏
咸陽涇渭茯茶有限公司 董事長 紀暁明氏

茶樹は同じ陜西省でも紫陽県、漢江流域を中心とした山間部で主に栽培されています。この地域は昔から銘茶として有名な午子仙毫や紫陽毛尖の産地としても知られる昔ながらのお茶の産地です。そこで摘み取られた茶葉は毛茶(荒茶)まで加工され、この咸陽にまで運ばれてきます。咸陽ではその後の工程、発酵と固形茶として緊圧加工が行われます。

涇渭茯茶

涇渭茯茶の製造工程は独特です。まずはお茶を入れる容器から作成します。ガーゼに糊で指定された木材を使用して作られた特別な紙を両面に貼り付け、茯茶用の長方形の形をした型に貼り付けて数日乾燥させておきます。
運ばれてきた毛茶(荒茶)は大きな包丁のような刃物で切り刻み、適度な大きさになるまで大きさ別の篩いにかけて分別、サイズを整えていきます。
大きさを整えた茶葉は醗酵用の建物の内部に積み上げて、普洱茶の熟茶と同様に水をかけて麹菌発酵を促します。まずは5日ほど醗酵を行い、その後は広げて乾燥させます。

涇渭茯茶

醗酵した茶葉を茯茶用の型分(3kgの茯茶には3.1kgの茶葉)を取り熱した鉄鍋に入れます。その鉄鍋の中で茶葉をドーナッツ状に整え、中心に茶葉の茎のみを煮込んだ汁を入れ攪拌します。

茶葉の粗熱を取り、茯茶用の型に3人がかりで詰め込んでいきます。茶葉を型に入れる人、上から圧力をかける重しを持っている人、茶葉を均一にする人という具合で、結構な重労働です。非常に近代的で衛生的な工場ですが、これらの工程は今も人が行っています。
詰め込み終わった茶葉は密封した後、ところどころ鉄串で空気穴をあけ、通気性が良くなるように茅の茎を差して醗酵用の部屋へ移動します。

涇渭茯茶

発酵用の部屋のある建物は金花と呼ばれる茯茶特有の麹菌が生きています。この麹菌を守るために一部の人しか建物に足を踏み入れることはできません。
醗酵部屋の中では醗酵具合にあわせて保管場所を変えたり、シュロ布をかけたり、外したりと調整を行っています。20日ほど経過すると金花と呼ばれる金色の麹菌がお茶の表面に現れてくるそうです。

この金花は正式名称を冠突散囊菌(Eurotium Cristatum)という麹菌です。湖南省の茯茶にも同じく金花がありますが、涇渭茯茶のそれとは少し違うようで、胞子が大きいのが特徴です。そのためか湖南省のものは日本へ持ち帰ると大抵は金花が消えてしまうのですが、涇渭茯茶の金花はそれよりもかなり消えにくい性質を持っています。研究所の方にも質問させていただいたのですが、おそらく湖南省の茯茶よりも涇渭茯茶の方が金花が大きいからではないかとのことでした。

涇渭茯茶

現地では健康によいお茶として知られています。メーカーである咸陽涇渭茯茶有限公司によると涇渭茯茶には以下の効果が認められているそうです。
・消化促進、整腸作用
・高脂血症や肥満解消(脂肪分解)
・免疫向上、抗癌作用
・血糖値を下げ、抗酸化作用、
・含有フェノールによる毛細血管保護

抗癌作用についてはかなり力を入れて研究しているようで、清華大学と共同研究を今も行っているそうです。研究データなども見せていただきました。今後も涇渭茯茶の効果については継続して研究を行っていくそうです。

涇渭茯茶

本社の中には復刻前の涇渭茯茶も展示されています。すべてショーケースに入って展示されていますが、いくつかはケースから出した状態で見せていただくことができました。「官茶」という文字がはっきりと残っています。

董事長が涇渭茯茶は普洱茶のように高価なお茶にはせず、一般の人達が普通に美味しく楽しめる価格帯を守っていきますとお話になっていたのが印象的でした。消費期限の無い黒茶は普洱茶でなくても近年は投機対象として扱われるようになりつつあり、価格の上昇が見られるようになってきました。中国国内の人件費が高騰しつつある中、この涇渭茯茶に限らず茶葉価格の上昇という問題はかなり大きくありますが、メーカー自らがそれに対応していこうという姿勢は消費者としてとても嬉しいことです。
伝統的な部分は伝統的なままに、近代的な良いものはきちんと取り入れるというしっかりとした姿勢でお茶づくりに向き合っているメーカーという印象を持ちました。

涇渭茯茶には様々なラインナップがあります。日常的に楽しめるものから、特別に指定された茶畑から作られた高級なもの、昔ながらの大きさをしたコレクターズアイテムとも言えるようなものまで様々です。
それぞれ細かな違いはありますが、癖の少ない甘く柔らかいお茶でした。


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泾渭茯茶(涇渭茯茶)

咸陽涇渭茯茶有限公司が復活させた涇渭茯茶です。

1つ1つ手作業で1回分の大きさの固形茶にして仕上げられているため、気軽にお楽しみいただけます。

柑橘系の果香のある棗系、微かに薬香が感じられますが、全体的に香りは控えめです。味わいは甘く柔らかいミネラル感があり、爽やかでありながらも複雑な美味しさがあり、黒茶特有の癖も少なくお楽しみいただけます。温かいままはもちろん、冷やしても美味しく楽しめます。

中国出張のため、発送業務再開後7月10日以降の発送となります。ご了承ください。


この時期ならではの水出し茶も入荷しております。

当店で取り扱いのある黒茶以外のお茶は基本的に水出しでもお楽しみいただけます。この時期、気軽に水出し茶を楽しみたいということで、以前からご要望の多い、水出し用パッケージでのご提供を行います。

水出しとしてももちろん、ティーバッグとしてお湯で温かいままでも美味しくお楽しみいただける品質の茶葉です。数量限定でのご提供になりますので、気になるお茶がある場合はお早めにご注文ください。

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水出し茶 正岩 武夷肉桂(メールマガジンご購読者限定)

通常であれば水出しにするにはもったいない品質の茶葉です。
牛欄坑の近く、若干外れた場所にある高品質の茶葉でご用意しました。
(茶商によっては牛欄坑として販売されるような場所です)
正岩ならではの味わいがお楽しみいただけます。

水出しの場合は通常、1パックにつき500cc~1Lの水で一晩抽出します。(濃い目がお好きな場合は500ccで、さっぱりとした味わいがお好きな場合は1Lでお楽しみください。)
お好みにより水の量や抽出時間を変えてお楽しみください。
抽出後のお茶は冷蔵庫で保管し、お早めにご賞味ください。
もちろん熱湯を注いで温かいお茶としてもお楽しみいただけます。

水出し茶 慧苑 武夷肉桂(メールマガジンご購読者限定)
こちらも通常であれば水出しにするにはもったいないような品質です。
ただし、輸送時に破損してしまった茶葉を使用していますので
熱湯で温かいお茶としてもお楽しみいただけますが
こちらは水出しでお楽しみいただくほうがおすすめです。
その分、大変お得なお値段でのご提供となっています。

水出し茶 蜜蘭香単叢
香り高く、甘く深みのある水出し茶が楽しめます。
もちろん熱湯で温かいお茶としてもお楽しみいただけます。

水出し茶 単叢紅茶
この紅茶は青茶・烏龍茶で知られる鳳凰単欉の茶葉から作られました。
一般的な紅茶よりもしっかりした、深みのある甘さ、清涼感が特徴的です。

水出し茶 蒙頂甘露
水出し茶というと中国茶の場合は青茶をメインに考えてしまいますが、気温の高い時期に美味しくすっきり楽しめるのは実は緑茶のほうが適しています。
すっきりと甘く爽やかな水出し茶をお楽しみください。

水出し茶 雲南緑茶
雲南緑茶は水出しと非常に相性の良いお茶の1つです。
甘さはもちろん、華やかな爽やかさも楽しめます。
日常的にお楽しみいただく常備茶としておすすめです。

水出し茶 雲南緑茶
甘くしっかりした雲南紅茶は水出しにも最適です。
こちらも常備茶としてお楽しみください。

上記以外の黒茶以外のお茶は基本的に水出しでも美味しくお楽しみいただけます。
7月および8月に黒茶以外のお茶をご注文頂いた場合は水出し・アイスティーの作り方をおつけしてお届けいたします。

中国出張のため、発送業務再開後7月10日以降の発送となります。ご了承ください。


7月5日から7月9日までのあいだ、中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑、ご不便をおかけして申し訳ありません。
発送業務の再開は7月10日となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

また、7月20日はイベントのため、発送業務がお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

西安 金康路茶文化街

金康路茶文化街

チベットから青蔵鉄道で西安まで移動しました。

シルクロードの起点として有名な西安にも茶市場があります。
茶市場はいくつかありますが、最も大きく賑わっているという金康路茶文化街へ見学にいってきました。西安の城壁の外へ少し、車で5分ほど行った場所にあります。

長楽中路を中心に金康路茶文化街が広がっています。周囲には大きな茶城もいくつかあります。金康路茶文化街に面した路面店はどちらかと言うと一般の人たちをターゲットとしているような割りと綺麗なお店が多く見られます。ちょっとした茶城の中は奥に行けばいくほど業者向けといった感じのお店が多く見られます。といっても中国は日本のように卸だから一般人には販売しませんということはなく、大量に購入する(≠業者)お客さんは卸売価格まで値下げできる、少量(10〜15キロ位まででしょうか?)購入のお客さんはそれほど安くできないといったスタイルが殆どですので、店構えが玄人向けといっても気にせずに利用することができます。

金康路茶文化街

陜西省は実は銘茶の産地でもあります。
古くからの銘茶として知られる午子仙毫は陕西省西乡县(西郷県)の午子山で1984年から作られ始めたお茶です。現在は国家級名優緑茶とされています。この地域でのお茶作りの歴史は古く、漢代から記録があると言われています。
最近はセレンが多く含まれる健康茶として有名になりつつある紫陽毛尖は紫陽富硒茶として販売されることも増えてきました。(日本へは殆ど輸入されていないようです)
どちらも繊細でとても美味しい緑茶です。
他にも紫陽毛尖の紅茶、紫陽富硒紅茶もまだ数は少ないものの生産されています。かなり製茶方法を研究して創りだされたようで、近年になって新しく作り始めた紅茶ですが、非常に美味しい上質な紅茶です。
そして有名な涇渭茯茶。湖南省の黒茶、茯茶のオリジナルはここ陜西省でした。こちらも近年になって復活し、かなり生産量を伸ばしつつあります。

金康路茶文化街

陜西省のお茶はあまり他の地域で見かけることはありません。
中国国内の通信販売などでセレンが多く含まれる健康茶として安価な緑茶が販売されているものは見かけますが、各地の茶市場や茶葉店の店頭で・・・ということは滅多に見かけることはなく、この地に来ないと入手が難しかったり、良い品質の茶葉を買うことができないお茶でもあります。

折角なので午子仙毫、紫陽毛尖、そして紅茶を作る茶業さんを訪問して色々とお伺いすることに。午子仙毫などの緑茶はもちろんですが、午子仙毫の紅茶、紫陽富硒紅茶の完成度の高さには大変驚きました。
陜西省でのお茶づくりも少しずつ活発化してきているようです。


2014年 特級 蒙頂黄芽
2014年 特級 蒙頂黄芽

お問い合わせの多い蒙頂黄芽がようやく入荷しています。
当店の蒙頂黄芽は黄茶でありながらも癖の無い、甘く香ばしさのある、とても美味しいお茶に仕上がっています。

蒙頂黄芽は中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶に分類されるお茶です。
一般的に黄茶は独特の風味が強いものが多く好みが分かれますが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思う品格のある黄茶に仕上がっています。

蒙頂山主峰の標高1200m付近で栽培されている茶樹を2014年3月26日に摘み取り、製茶されています。

伝統的な製法を守りながら更に改良を重ねて作られています。
特有の癖が強い黄茶や、殆ど緑茶としか思えないような黄茶が増えている中、この蒙頂黄芽は黄茶本来の旨みを持ちながら癖を取り除いたような、純粋に蒙頂黄芽としての美味しさを楽しめる上質な黄茶です。

優しい品のある花の香りと香ばしい栗の香りを感じるお茶です。
味わいは深く甘く、複雑な旨みがしっかり出ています。
飲み終えたあとも甘さが戻ってくるような感覚があり、長く余韻をお楽しみいただけます。

黄茶は美味しくない、癖があると思っている方にも是非お試しいただきたいお茶です。


7月5日から7月9日までのあいだ、中国出張のため、発送業務をお休みさせていただきます。
ご迷惑、ご不便をおかけして申し訳ありません。

7月2日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文、銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は同じく7月2日中に入金確認ができたご注文を7月3日または4日に発送させていただきます。それ以降のご注文は7月10日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。

また、7月20日はイベントのため、発送業務がお休みとなります。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。